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M&Aを手掛けた東大卒元商社マン(証券アナリスト資格有、現在はセミリタイアし専業投資家)が主に米国株の理論株価を全力分析!

米国株投資における米国インフレ vs 円高

こんにちは!
バフェット部のりろんかぶおです!

このブログではあらゆる企業の財務分析及び理論株価を広く共有し、
「どの銘柄を、いつ買えばいいのか?」の判断材料の一つとしていただくことを目的としております!

今回は、米国株投資における米国インフレ vs 円高について見ていきましょう!

以前以下二つの記事で、日本人の米国株投資における為替リスクは、長期で見れば米国のインフレによる株価上昇によって相殺されるため、あまり気にしなくてよい、ということを言いましたが、今回は歴史的にこの証言が正しいかどうかを確認してみたいと思います。

日経平均 vs S&P500(円ベース)!世界最強の米国株は円高に勝てるのか?
円高の正体!日米間の物価格差に見る為替トレンド!


目次
1. インフレ率の分だけ株価が上昇する原理
2. 為替変動が米国のインフレに相殺される原理
3. 評価方法と結果



1. インフレ率の分だけ株価が上昇する原理


まずはインフレ率の分だけ株価が上昇する原理についての説明です。

例えば、1.00ドルのはさみを年間で1個だけ売り上げ、時価総額が10.00ドルの企業を考えてみましょう!

世の中で2%のインフレが起こったとするとこの企業は1.02ドルではさみを売れるようになるので、
年間売上は1.02ドルになり、物価が維持される限り半永久的に1.02ドルで売れることになります。

企業の価値=時価総額というのは、将来のキャッシュフローの積上げ(正確には将来の利益は時間の価値の分割り引いて積上げます)ですので、
積上げられる全てのキャッシュフローが2%分増えるので、時価総額も2%分増えるということになります。

株価は時価総額÷株式数なので、株価も2%増えるということになります。

つまり、株価はインフレと同じパーセンテージ分だけ上昇することが計算で求められます。


2. 為替変動が米国のインフレに相殺される原理


次に、為替変動が米国のインフレに相殺される原理についての説明です。

例えば、上記のはさみを売る企業は実質成長率は常にゼロで、
インフレ率の分のみ株価が上昇するものとします。

現在為替レートは100円/ドルで、りろんかぶおは全財産である100円を1ドルに両替し、はさみの企業に投資します。

翌年米国では2%のインフレが起こり、日本では2%のデフレが起こりました。

円高の正体!日米間の物価格差に見る為替トレンド!で説明の通り、
購買力平価の原理が働き、為替は「日本の物価」÷「米国の物価」で計算されるため、為替は

98円(100円の物が2%デフレ)÷1.02ドル(1ドルの物が2%インフレ)=96円/ドル

になります。

一方、りろんかぶおの投資リターンに目を向けると、1ドル投資していたものが、インフレで1.02ドルになっております。
これを売却して日本円に戻すと、この時の為替レート96円/ドルをかけて、1.02×96円/ドル=98円が戻ってきます。

りろんかぶおが投資した時100円だったものが、98円になってしまいましたが、
その間に日本でデフレが起こって100円だったはさみも98円で買えるようになっている為、
実質的にはお金の価値は減っていないことになります。

このように、為替が購買力平価の原理で動くことを前提とすれば、
両国間の為替変動は、両国間のインフレ格差によって相殺されることがわかります!

それでは実際に歴史を振り返った時にこの原理が正しいかどうかをデータで見ていきましょう!


3. 評価方法と結果


ここでは前述した原理が、過去のデータ上どうなっているかを見るために、
以下二つの推移を見ていきましょう!

①日本の物価(CPI)
②米国の各年の物価(CPI)にその時々の為替レートをかけたもの(円に戻したもの)


購買力平価の原理に基づけば、①と②がほぼ同値で推移するはずです。
②>①となっていると、米国のインフレによる株価上昇が円高を上回っていることになるので
米国投資家の観点で見れば、②>①のほうが好ましいことになります。

基準年を1980年、1990年、2000年の3パターンで調べてみた結果が以下の通りです。


米国インフレ vs 円高 ver2


上記をみてわかる通り、特に1980年を基準年とした場合、①>②の関係が顕著ですね。

これは1985年のプラザ合意により、急激に円高が進んだため、
この期間を含むとなかなか①と②の相関性が見えづらくなってしまいます。

一方、1990年、2000年を基準年とした場合は、乖離する年もあるものの、
大きなトレンドとしては同じ方向に動いておりますね。

また、3つのどのケースで見ても2016年末時点では②>①の関係となっており、
米国投資家にとっては喜ばしい結果となっております。

この結果だけを見ると、少し微妙なところはありますが、
それでもやはり米国投資家にとって、円高トレンドは米国のインフレによる株価上昇が相殺しているということが言えると思います!

以上

りろんかぶお

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※当ブログで紹介する理論株価は、いくつかの前提条件をりろんかぶおが独自に設定している為、その前提条件次第では計算結果が異なってきます。また当ブログは、投資に関する情報を掲載していますが、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。また、読者が当ブログの情報を用いて行う投資判断の一切について責任を負うものではありません。

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純利益
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実績PER
Apple (AA+) 138 150.55 9%  高 5年 777,625 45,687 17.02
Microsoft (AAA) 56 73.26 31%  高 15年 564,266 16,798 33.59
Johnson & Johnson (AAA) 104 131.17 26%  高 54年 352,060 16,540 21.29
Exxon Mobil (AA+) 36 80.98 125%  高 34年 343,121 7,840 43.77
JP Morgan Chase (-) 79 94.12 19%  高 6年 331,205 24,733 13.39
P&G (AA-) 78 92.72 19%  高 60年 236,437 10,508 22.50
Walmart (AA) 122 79.15 -35%  安 44年 236,437 13,643 17.33
Visa (A+) 33 103.02 212%  高 9年 235,583 5,991 39.32
Chevron (AA-) (※1) 117.99
29年 223,591 -497 NA
GE (AA-) 16 25.11 57%  高 217,401 8,831 24.62
Pfizer (AA) 36 35.51 -1%  安 7年 211,190 7,215 29.27
Verizon (BBB+) 56 49.90 -11%  安 12年 203,562 13,608 14.96
Coca Cola (AA-) 33 45.69 38%  高 54年 194,882 6,527 29.86
Home Depot (A) 68 161.10 137%  高 7年 189,908 7,957 23.87
United Health (A+) 136 191.75 41%  高 7年 185,395 7,017 26.42
Merk (AA) 55 65.18 19%  高 6年 177,769 3,920 45.35
Intel (A+) 35 37.16 6%  高 174,615 10,316 16.93
Cisco Systems (AA-) 42 33.72 -20%  安 6年 166,980 9,609 17.38
DowDuPont (-) (※2) 70.34 - - 164,312


Walt Disney (A) 51 99.57 95%  高 153,684 9,391 16.37
Boeing (A) 155 254.32 64%  高 6年 150,324 4,895 30.71
IBM (AA-) 213 145.87 -32%  安 21年 135,942 11,872 11.45
McDonald (BBB+) 74 156.26 111%  高 41年 126,570 4,687 27.00
3M (AA-) 107 210.73 97%  高 58年 125,757 5,050 24.90
United Technologies (A-) 55 114.29 108%  高 23年 91,267 5,055 18.05
Goldman Sachs (A+) 241 230.26 -4%  安 6年 89,083 7,398 12.04
Nike (AA-) 37 53.23 44%  高 15年 87,371 3,760 23.24
American Express (BBB+) 73 88.21 21%  高 5年 77,976 5,408 14.42
Caterpillar (A) 49 124.32 154%  高 23年 73,470 -67 NA
Travelers (-) 192 122.67 -36%  安 12年 33,850 3,014 11.23
(※1)シェブロンは過去対象期間のフリーキャッシュフローがマイナスの為理論株価計算不可







(※2)ダウデュポンは2017年9月設立のため理論株価計算不可
















NYダウ平均株価 17,615.23 22,296.09 27%  高 - 6,331,633 276,706 22.88
(※)シェブロン及びダウデュポンは現在株価を使用。








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[ 2017/09/26 14:13 ] 13.投資の勉強部屋 | TB(-) | CM(0)
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プロフィール

りろんかぶお

Author:りろんかぶお
【名前】:りろんかぶお
【生年】:1987年
【出身】:千葉
【性格】:感情の起伏ゼロ。声低め。
【学歴】:東京大学大学院卒
【職業】:2019年にセミリタイアし現在は専業投資家。
元総合商社勤務(M&A等)
【資格】:証券アナリスト
【趣味】:投資・麻雀・ランニング
【家族】:妻、子供2人
【目標】:資本を通じて社会に貢献すること
【投資デビュー】:大学3年生(小遣い稼ぎのつもりがぼろ負け。。)

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