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【ユナイテッドヘルス】米国最大のヘルスケア企業の理論株価は?(2019年12月期)

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<りろんかぶおコメント>

りろんかぶおの競争優位性評価(5段階評価)⇒★★★☆☆

1. 企業概要

・ユナイテッドヘルスは医療保険を軸としたヘルスケア企業で、保険料収入で世界最大の企業です。

2. 業界展望

・ユナイテッドヘルスの利益の大部分を占める米国の医療保険業界の展望については非常に明るいと思っております。米国では人口増加と高齢化により医療ニーズが高まり、これによって今後も医療保険加入者増加が見込まれております。

・懸念材料としては、現在は野党である民主党の中には「メディケア・フォー・オール(国民皆保険制度)」法案を提唱している議員がいることです。これは、オバマ大統領時代に提唱したオバマケア(既存の民間および公的医療保険制度の対象者を拡大・義務化)から更に一歩踏み込んだもので、保険加入の義務化はもちろんのこと、その加入先を全て公的医療保険にするというものです。仮にこれが成立した場合、医療システムにおける民間保険会社の役割はなくなる可能性があるため、同法案が提案された2019年2月には医療保険銘柄の株価は大幅に下落しました。長期目線では常にこういったリスクに見舞われる可能性が付きまといます。

3.個別企業競争力

・さて、このように今後も成長が見込まれる業界においてユナイテッドヘルスの他社に対する競争優位性はあるのでしょうか?競合他社には、アンセムやCVSヘルス(2018年にエトナを買収して医療保険に参入)がおりますが、ユナイテッドヘルスは保険料収入ベースでは競合他社の倍近く稼いでおり圧倒しております。

・利用者目線でいうと医療保険を選ぶときのポイントは何でしょうか?それはやはりコスパだと思います。できる限り安い保険料で、多くの補償を得られる保険が選ばれると思います。保険会社としては顧客へのサービスとなる「補償」での差別化が難しいと考えるとやはり価格競争力が非常に重要になってきます。

・ここで、米国の医療システムは日本とは違うので簡単に説明です。米国の医療システムの中にはPBM(Pharmaceutical Benefit Managemet:薬剤給付管理)が存在します。PBMは保険者、製薬企業、医薬品卸、薬局、医療機関、患者 といった様々な利害関係者の間に立って、医薬品のコストや疾病管理の観点から薬剤給付の適正マネジメ ントを行います。
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・中でも、PBMの重要な役割の一つにフォーミュラリーの作成があります。これは、PBM会社が医療保険者(ユナイテッドヘルス等)に代わって,臨床的,経済的な見地から高品質でかつ安価な薬剤を選択し,保険者に推奨する医薬品リストのことで、保険者は契約先のPBM会社がフォーミュラリーに採用した医薬品しか保険償還の対象としません。医療保険会社としては、自社のコストとなる医療費を低く抑えるために、PBMが作成するフォーミュラリーが安価に仕上がっていることが重要になってきます。

・製薬会社は自社の医薬品がフォーミュラリーにリストインされることが自社医薬品の販売増に繋がるため、何とかしてフォーミュラリーに自社医薬品を入れてほしいという思いがあります。このような構造からPBMは製薬会社より強い立場にあり、大きな価格交渉力を持っているので、ここで医療コストを下げる役割も担っているのです。

・話をユナイテッドヘルスに戻すと、ユナイテッドヘルスはOptumRxというPBMがグループ傘下におります。よって、OptumRxを通じて、製薬会社との交渉及びコスト競争力のあるフォーミュラリー作成をすることで、コストを最適化し競争優位性を築いているといえます。

・ただし、CVSヘルスは元々、薬局から始まり、現在は医療保険(エトナの買収)、PBM(PBM大手への出資参画)へも参入しており、ユナイテッドヘルスと同様、医療システムの中での守備範囲を広げて競争優位性を築こうとしております。つまり、ユナイテッドヘルスの戦略は競合他社にも模倣可能な戦略であるため、今後も価格競争が激化し、業界の中で確固として競争優位性は堅持できないのではと考えます。

・一方で、業界としては伸び行く業界なので、業界の伸びと同程度の伸びは期待できると考えます。

<理論株価>
284.46ドル (2019年12月末時点)
※1 直近3年間のフリーキャッシュフローの平均が今後半永久的に続くと仮定し、Discounted Cash Flow(DCF)法で計算。
※2 DCF法の概要はこちらご参照。

NYダウ銘柄理論株価一覧はこちらご参照ください!

<セグメント毎ビジネスモデル>

1. UnitedHealthcare
・企業及び個人向けの医療保険
・高齢者向けヘルスケアサービス
・州向けの管理医療システム提供(医療サービスの提供を保険者側がコントロールすることによって,効率的に医療サービスを供給するシステム)
・海外での総合ヘルスケアサービス

2. OptumHealth
医療介護などのヘルスケアサービス、ファイナンスサポート等を提供。

3. OptumInsight
医療機関向けに、医療技術、医療データ、コンサルティング、医療管理サービスを提供。

4. OptumRx
医薬品メーカーと薬局の仲介としての薬剤給付管理、処方薬配送サービスを提供

<決算情報>

・売上は242,155百万ドルと前年対比7.0%増加、医療保険加入者の増加及び保険料増加、医療介護の拡大等、全部門が増収。

・純利益は13,839百万ドルで前年対比15.5%増加、上述の通り本業ビジネスが好調で、特にOptumHealthが際立った増益を達成。

<財務情報>
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以上

りろんかぶお

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※当ブログで紹介する理論株価は、いくつかの前提条件をりろんかぶおが独自に設定している為、その前提条件次第では計算結果が異なってきます。また当ブログは、投資に関する情報を掲載していますが、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。また、読者が当ブログの情報を用いて行う投資判断の一切について責任を負うものではありません。

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[ 2020/04/15 10:16 ] 6.理論株価&財務分析 | TB(-) | CM(0)
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プロフィール

りろんかぶお

Author:りろんかぶお
【名前】:りろんかぶお
【生年】:1987年
【出身】:千葉
【性格】:感情の起伏ゼロ。声低め。
【学歴】:東京大学大学院卒
【職業】:現在はセミリタイアし専業投資家。元総合商社勤務(M&A等)
【資格】:証券アナリスト
【趣味】:投資・麻雀・ランニング
【目標】:資本を通じて社会に貢献すること


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