バフェット部 セミリタイアした東大卒元商社マンの米国株情報サイト

M&Aを手掛けた東大卒元商社マン(証券アナリスト資格有、現在はセミリタイアし専業投資家)が主に米国株の理論株価を全力分析!

【ウォルマート】 売上高世界No 1企業の理論株価は?(2020年1月期)

rogo-2017-WMT.png


<りろんかぶおコメント>

りろんかぶおの競争優位性評価(5段階評価)⇒★★☆☆☆

・Walmartは米国最大の小売事業者で、売上高では全企業の中、世界一位です。Walmartはなぜ小売業の中でここまでの地位を確立することができたのでしょうか?その主要因の一つとしてWalmartの価格戦略であるEvery Day Low Price(EDLP)が挙げられます(つまり、どんな時でも他社よりも安く商品を提供します、ということ)。

・米国では絶えず移民が流入したことや,不況に伴うレイオフなどにより、常に低所得グループが存在し、WalmartのEDLPはそういった価格に敏感な消費者の心をつかむことができました。また、EDLPの効果は,全商品が安く売られているというイメージを作り出すことで、顧客に対しては他店との比較購買をあきらめさせ、競合他社にはウォルマートとの価格競争をあきらめさせるように作用しました。

・ではWalmartはなぜ他社が追随出来ないEDLPを達成できたのでしょうか?それは物流及び在庫管理の戦略的効率化によるものでした。Walmartは大手小売店が避けてきた郊外エリアの中でも,都市の成長が波及して将来人口増加が見込まれるところを狙って立地戦略を練り、そうしたエリアに物流センターを設置し, そのセンターがカバーできるエリアに店舗を集中的に展開して物流コストの最適化を図り、自社店舗を飽和状態になるまで配置していくことで競合他社の参入を阻み競争の少ない環境で事業展開を行うことに注力しました。また、Walmartは早くからコンピュータを駆使して、顧客や商品の動きから膨大なデータを収集し、店舗・バイヤー・本社・メーカーを結び、顧客ニーズに適した商品を調達し、タイミングよく配送することで過剰な在庫を抑えることに成功。これらのことを徹底して行うことでEDLPを達成し、他社と差別化することができたのです。

・一方、近年Amazonの台頭で、リアルな小売業は大きなダメージを受けております。いわゆるアマゾンエフェクトで、ラジオジャック、トイザらス等多くの小売業は廃業にまで追い込まれました。更にAmazonは近年、難しいだろうとされていた生鮮食品の配送サービスも開始するようになり、そういった中果たしてWalmartは生き残ることができるのでしょうか?

・りろんかぶおとしては、大勢の見方と同様、リアルな小売りを主力とするWalmartは衰退していくと思います。なぜなら、Walmartの競争優位性の主因は価格競争力にある中、Amazonも匹敵するほどの価格競争力を持っているからです。AmazonはAmazon Prime等の会員費で稼ぐ戦略で、鼻から小売りで稼ごうと思っていない為、配送コストというデメリットがある中、自らの利益を吐き出すことで非常に競争力のある価格で商品を販売しております。よってWalmartは、自社の最大の武器である価格という点でAmazonから差別化することができません。

・WalmartはAmazonに対抗するため、オンライン上で注文しリアル店舗で商品を受け取るサービスや配送サービスまで乗り出しました。これで互角の勝負になるかと思いきや、Amazonは既にAmazon Primeで多くの有料会員を囲いこんでいる為、Walmartが今から同じようなサービスを提供しても、顧客から見たらWalmartを使う理由がないのです。

・現在は高齢者層を中心にオンラインでの買い物に抵抗がある世代も存在するため、リアル店舗が急になくなることはないとは思いますが、デジタルネイティブの世代が人口の大半を占めるような時代になった時は、リアルの小売りというのは非常に厳しい戦いを強いられると思いますし、Walmartも例外ではないと思います。

・ただし、小売業全てが全部だめかというとそんなことはないと思っております。これからのリアルな小売りで重要なのは、わくわく感や楽しいといった顧客体験を店舗で提供することではないかといわれております。例えば、イタリアの総合食材店イータリー(Eataly)は、食品スーパーと飲食店、料理教室を融合させ、食にまつわる豊かな顧客体験を提供していますし、会員制スーパーのコストコでは巨大な売場を回遊しながら、限定商品や割引商品を見つける「宝探し」のような仕掛けを組み込んだ顧客体験を提供しています。このように価格や利便性でAmazonに太刀打ちできない中、リアル店舗はリアルでしか味わえない価値を提供していく必要性があると思われます。

<理論株価>
174.34ドル (2020年1月末時点)
※1 直近3年間のフリーキャッシュフローの平均が今後半永久的に続くと仮定し、Discounted Cash Flow(DCF)法で計算。
※2 DCF法の概要はこちらご参照。

NYダウ銘柄理論株価一覧はこちらご参照ください!

<セグメント毎ビジネスモデル>
1. 米国内小売業
2. 海外小売業
3. 会員制スーパー(Sam’s Club)
顧客は会費を払う代わりに、通常よりも安価に製品を買うことができるスーパー。

<決算情報>

・売上は523,964百万ドルと前年対比1.9%増加、米国内小売業とSam’s Clubの売上が堅調に伸びたことに加え、2018年8月に買収したインドEコマース最大手Flipkartの売上がフルで寄与し始めたことが要因。

・純利益は14,881百万ドルで前年対比2.3倍に増。前年はWalmart Brazilの売却損、中国EC第二位のJD.comの評価損で、8,368百万ドルの一時損失を計上しいたこと、今期はJD.comの評価益などで1,958百万ドルの一時益を計上したことが主因。
(現在の会計ルールでは上場企業であるJD.comへの投資の評価損益は毎年損益計上する必要あり。)

<財務情報>
kabuka-WMT-2020.png
rev-WMT-2020.png
pat-WMT-2020.png
cf-WMT-2020.png
roe-WMT-2020.png
eps-WMT-2020.png
seg-WMT-2020.png
div-WMT-2020.png
seiko-WMT-2020.png


以上

りろんかぶお

その他の人気記事はこちら↓
にほんブログ村 株ブログ 米国株へ
にほんブログ村

※当ブログで紹介する理論株価は、いくつかの前提条件をりろんかぶおが独自に設定している為、その前提条件次第では計算結果が異なってきます。また当ブログは、投資に関する情報を掲載していますが、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。また、読者が当ブログの情報を用いて行う投資判断の一切について責任を負うものではありません。
関連記事


[ 2020/05/01 10:56 ] 6.理論株価&財務分析 | TB(-) | CM(0)
コメントの投稿












管理者にだけ表示を許可する
プロフィール

りろんかぶお

Author:りろんかぶお
【名前】:りろんかぶお
【生年】:1987年
【出身】:千葉
【性格】:感情の起伏ゼロ。声低め。
【学歴】:東京大学大学院卒
【職業】:2019年にセミリタイアし現在は専業投資家。
元総合商社勤務(M&A等)
【資格】:証券アナリスト
【趣味】:投資・麻雀・ランニング
【家族】:妻、子供2人
【目標】:資本を通じて社会に貢献すること
【投資デビュー】:大学3年生(小遣い稼ぎのつもりがぼろ負け。。)

プロフィール詳細はこちら

PR
株式投資本の王道






















米国株人気ブログ紹介
ブログランキング
その他人気ブログはこちら