
<りろんかぶおコメント>りろんかぶおの競争優位性評価(5段階評価)⇒
★★☆☆☆・エクソンモービル(EM)はスーパーメジャーと呼ばれる世界6大石油・ガス会社の一つで、その中でも常にトップに君臨する最強の石油会社です。スーパーメジャー各社はエネルギー資源の探鉱・生産、輸送、精製、販売までの事業を垂直統合で行っていることが特徴です。
・石油・ガス等の化石燃料業界は、環境問題への意識の高まりとともに、徐々に衰退し行く産業では?と考えられています。一方、EMが予測する、今後のエネルギー源別需要予測は以下の通り。

・EMの予測では、今後環境への配慮から、省エネルギー化が進むものの、世界全体の人口増加が牽引して全体のエネルギー需要は伸びると予測しております。更に、再生可能エネルギーや電気自動車などの普及はあるものの、全体の需要をまかなうために引き続き石油は重要なエネルギー源であり続け、更に環境負荷がより少ない天然ガス需要は今後更に伸びていくとみております(よってEMはLNG事業に力を入れている)。
・一方で国際エネルギー機関によると、世界の平均気温上昇を工業化以前から2度以内に抑えることを目的としたパリ協定や、SDGsの目標を達成すべく、新たな政策がとられた場合は原油需要は2040年までに減少していくことが予測されています。
石油会社の未来・このように、世界人口増加に伴うエネルギー需要増と、地球温暖化をストップすべく化石燃料消費を抑制しようという世界的な取り組みの綱引きで、今後の原油需要がどのように推移していくのかというのは非常に予測しづらいですが、超長期で見れば基本的には徐々に衰退していく業界といえるでしょう。
、その中でのEMの競争優位性とは何でしょうか?EMは最終製品として、石油製品や石油化学製品を販売しておりますが、我々がガソリンを給油するときにどこの会社のガソリンかを気にしないように、製品自体の差別化は難しい分野です。更に、原油埋蔵量を豊富に持つサウジアラビアやロシアの生産量調整によって、意図的に原油価格をコントロールできるので、それによってEMの業績も大きく左右されてしまいます。
・一方、例えばガソリンの給油であれば給油の需要が多い立地というのはあって(例えば高速道路沿い等)、実際にりろんかぶおが米国駐在時はやはり、そういった好立地はEMとシェブロンが抑えているなーと感じました。この業界の老舗ということだけあって、そういった好立地を抑えていることは、他社に対する競争優位性につながると考えます。
<理論株価>36.07ドル(2019年12月31日時点)
※1 直近3年間のフリーキャッシュフローの平均が今後半永久的に続くと仮定し、Discounted Cash Flow(DCF)法で計算。
※2 DCF法の概要は
こちらご参照。
NYダウ銘柄理論株価一覧は
こちらご参照ください!
<セグメント毎ビジネスモデル>・上流
原油、天然ガスの探鉱・開発・生産
・下流
石油製品の精製、販売
・化学品
石油化学製品の精製、販売
<決算情報>・売上は264,938百万ドルと前年対比8.7%減。下流部門で石油製品(ガソリン、ナフサ、ディーゼル等)が低迷したこと、化学品部門で石油化学製品の価格が低迷したことが主因。
・純利益は14,340百万ドルで前年対比31.2%減。上流部門の純利益は微増したものの、下流部門及び化学品部門では石油製品や化学製品の販売価格が低迷した一方で、原油価格は前年比そこまで減少しなかったため、マージンが極端に減少したことが主因。
・37年連続増配銘柄。
<原油価格の損益分岐点>・下表は、EMの原油販売価格と開発コストの推移です。
・2019年時点の開発コストは、US$11.51/bllであり、原油価格がこれを上回っていれば何とか原油の販売によって利益を出せるということになります。

出典:EM 2019 10K
<財務情報>









以上
りろんかぶお
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