
・気候変動問題がますます深刻化する中、巨大石油企業群であるオイルメジャーにも株主から圧力がかかる。
・”欧州”オイルメジャー(英BP、英蘭シェル、仏TOTAL)は2050年以前までに温室効果ガス排出ネットゼロを目標に掲げた。
・彼らは今後油田開発への投資を抑制し、太陽光や風力などの再生可能エネルギー発電への投資を加速させている。
・一方で米オイルメジャー(エクソンモービル、シェブロン等)は太陽光や風力への投資は行っていない。
・代わりに彼らはバイオ燃料や水素、CCS(CO2回収貯留技術)に投資している。
・欧州オイルメジャーが太陽光や風力に注力する理由は、水素やCCSが商業化するためにはさらなる開発、需要拡大、国の補助が必要であるのに対し、太陽光や風力はすぐに活用可能でリターンが出るからだ。
・BPによると太陽光や風力のリターンは年率で8%~10%程度だという。
・一方、シェブロンCEOは「太陽光や風力は比較的成熟した技術。それらへの投資も十分にある。故に投資リターンは低いのが実情だ。シェブロン経営陣は太陽光や風力への投資を通じて株主価値を創造することができないと結論付けた」とコメント。
・一方で、Chevronは再生可能燃料、水素生産、CCS等の低炭素ビジネスに2028年までに10billion投資するといっており、「我々のコアのオイル&ガスビジネスからの力強いキャッシュフローを、配当、自社株買い、低炭素ビジネスへの投資に振り向けていく予定」とのCEOコメント。
・エクソンモービルもシェブロンと同様太陽光や風力への投資は避け、主にCCSに注力する方針。2025年迄に同分野に3billion投資する予定。
・株主から気候変動対策に関する圧力を受けるエクソンモービルとシェブロンだが、今後も太陽光や風力への投資は行わなそうだ。
原文:https://finance.yahoo.com/news/why-chevron-exxon-shun-solar-210000813.html
<コメント>・さすが米国企業だなと思う。企業の使命は”株主価値の最大化”なのでそれを最優先に資本配分をすべき。
・シェブロンCEOは、「気候変動対策に投資をすべきと思う株主がいるなら、我々が出した配当を使って自身でそのような投資をすればいい」とさえ言っていて本質だなと思う。
・生き残ることが企業の使命ではないので、わざわざ低リターンとわかっている分野に投資する必要はない。
・一方で、欧州オイルメジャーが油田開発投資を今後抑制するということは、供給が減って原油価格は高くなりやすいだろう。
・であれば、エクソンモービルやシェブロンにとって利益を上げやすい時期に突入することになる。
・一方で、原油価格の高止まりは、代替エネルギーへのシフトを加速させるため、「石油の時代」の終焉は早まるかもしれない。
・但し、OPEC等のWorld Oil Outlookなどを見れば、どんなにEV普及や代替エネルギーへのシフトが進んだとしても、少なくとも2045年時点では現在と同程度の原油需要があるのだろうということが読み取れる。
・また、CCS技術がほんとに広く普及するようであれば、原油の使用はある程度許容されるのではないかとも思う。
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