
最近世間を騒がせている中国恒大集団のデフォルトリスク。
これがリーマンショック直前の、リーマンブラザーズ破綻懸念の時と状況が酷似しているなと感じました。
①レバレッジと投機リーマンショック時:2008年のリーマンブラザーズは過度なレバレッジを利かせ、更に投機的な投資商品のロングポジションを大量に保有しておりました。
2007年のサブプライム危機で投資商品ロングポジションが値下がりし、債務超過危機に陥り、資金繰りに窮しました。
今回の中国恒大集団リスク:中国恒大集団もこれに似ていて、恒大はレバレッジを巧みに使って、ものすごく短期の間に中国No 2の不動産企業にまで成長しました。
現在の恒大の有利子負債は約12兆円、総資産は39兆円なので、そこまで過度なレバレッジはかかっていませんが、
中国政府の様々な規制により、思ったように資産売却ができなかったり、資金を回収できなかったりと、流動性リスクに陥っています。
②政府による救済期待リーマンショック時:当時は、リーマンブラザーズの資金繰り悪化に関して、株式市場は楽観的でした。なぜなら、最終的には「大きくて潰せない」理論で政府が救済すると思っていたからです。
事実、全米第5位の大手投資銀行であったベアスターンズ(リーマンは第4位)が2008年3月に経営危機に陥った時には、
財務省やFRBの支援の下に、JPモルガンチェース銀行への吸収合併が行われ大きな影響は回避されていたのです。
そんな中で、リーマンショックは結局救済されず破産したことで、信用不安につながったわけです。
今回の中国恒大集団リスク:中国恒大集団が仮に破産するとなると、リーマンの時のように信用不安が広がり、多くの銀行が貸し付けを渋るようになり、
経済に多大な影響が及ぶ可能性があります。
このような状況下、それを中国政府がみすみす放置しておくことはないのでは?という風に言われています。
実際に、2015年のチャイナショックの際は政府はあらゆる介入をして株式市場の下落食い止めに躍起になりました。
但し、元々不動産市場の投機的な動きに懸念を示し、規制強化してきた背景もあるので、見せしめの意味で中国恒大集団を救済しない可能性はあるのではという意見もあります。
③超大国の中の大手企業リーマンショック時:リーマンショックが世界的な恐慌につながったのは、急激な信用収縮が原因です。
「リーマンブラザーズのような大手投資銀行でも政府は救済してくれないということは、どんな大手企業でも破産のリスクはある」
と思った銀行は貸付を極端に絞ったのです。
それによって、資金繰りに窮した企業が次々と破綻し、負の連鎖が始まったのです。
そして米国は当時も世界一の大国でしたから、米国向けの輸出に支えられていた多くの国に経済不況が伝搬しました。
よく言う、「アメリカがくしゃみをすると日本は風邪をひく」というようなことが世界各国で起こったのです。
今回の中国恒大集団リスク:中国恒大集団は中国の不動産業界No2です。
12兆円の有利子負債があり、多くの銀行が直接的な影響がありますし、デフォルトを起こせば、銀行は引当金計上で、
財務はかなり傷つきます。
そうなると、やはり銀行は新規の貸し付けにかなり慎重になるでしょうし、リーマンショック時と同様信用不安が広がります。
すると、財務の弱い中小企業などは次々に破綻していくでしょう。
そして現在の中国は世界第二位の大国ですから、日本を代表するように中国向けの輸出に支えられている多くの国に経済不況が伝搬することでしょう。
アメリカと同様、今となっては「中国がくしゃみをすると日本は風邪をひく」というような状況になっているのです。
中国依存度の高い欧州や日本は確実に大きな影響を受けるでしょう。
STOP
このようなことから、中国の一つの不動産企業のデフォルトが世界恐慌につながる可能性は十分にあるのではないでしょうか?
但し、リーマンショックの教訓を中国政府はしっかりと認識しているでしょうから、中国政府による適切な対応を願うばかりです。
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