
<りろんかぶおコメント>りろんかぶおの競争優位性評価(5段階評価)⇒
★★★★☆・Home Depotは米国最大の住宅リフォーム・建設資材・サービスの小売チェーンです。
・業界の展望としては、住宅にまつわる買い物・サービスということで底堅い需要が継続すると思われる一方、伸びは限定的ではないかと考えます。
・Home Depotの主要顧客層の一つにDIY(Do It Yourself)顧客がいますが、彼らは家を自由にリフォーム・改造できる持家族です。米国の持家率は下図の通り引き続き高水準ですが、近年シェア社会が主流となっている中、長期的に見たときにDIY顧客というのは減少していくと考えられるからです。
米国内の持家比率(%)

・そんな中、Home Depotの競合他社に対する競争力はどうなのでしょうか?小売業ということでなんといっても最大の競合はやはりアマゾンです。アパレルやスーパーなどの小売りではアマゾンの影響をもろに受けていますが、Home Depotの売上及び営業利益の推移(下図)を見ると、特段アマゾンの影響を受けているようには見えません。

・Home Depotの顧客層を大きく三つに分けると、一般顧客、DIY顧客、リフォーム・改修業者となります。一般顧客の購入製品の内、特に自身で体感する必要のない製品(装飾関連、電化製品、家具など。逆にソファなどは体感が必要ですね)に関してはおそらくアマゾンに取って変わられるでしょう。
・一方で、DIY顧客や業者は、実物を自身の目で見て、触って、試しに使ってみて、専門知識を持つ店員に色々とアドバイスをもらいながら購入するので、こういった顧客層はアマゾンに取って変わられることはないでしょう。また、Home DepotはVR(バーチャルリアリティ)の技術を使って、店舗で実際のリフォームの方法などを体感できるサービスなども提供しており、アマゾンとの差別化を図っております。
・リアル店舗の競合である業界第二位のロウズに対しても売上高、利益水準共に大きく水をあけております。これは、Home Depotは利益率の高いリフォーム・改修業者を囲い込むことに力を入れており、業者向けのウェブサイトの開設等、IT関連に大きな投資を行い顧客利便性を高め、業者からのロイヤルティーを獲得し、顧客の囲い込みに成功している為です。また、Home Depotは自社の最大の競争力の一つとして専門スタッフによる接客を挙げており、店舗での徹底したサービスによってブランドを確立していると考えられます。
・上述の点を総合すると、Home Depotの売上の一部はアマゾンにとって代わられることが考えられる一方、DIY顧客、業者からの需要は堅調に推移すると思われ、より高収益企業となると考えられます。ブランド力も高く今後も競争優位性を発揮していくと思われます。
<理論株価>202.36ドル (2022年1月期時点)
※1 直近3年間のフリーキャッシュフローの平均が今後半永久的に2%(米国の平均インフレ率)ずつ成長していくと仮定し、Discounted Cash Flow(DCF)法で計算。
※2 DCF法の概要は
こちらご参照。
NYダウ銘柄理論株価一覧は
こちらご参照ください!
<セグメント毎ビジネスモデル>1. Building Materials
建築材料、電気、照明、木材、木工、および配管の販売
2. Décor
電化製品、装飾、フローリング、キッチン・バス、ペイントの販売
3. Hardlines
ハードウェア、屋内外園芸用品の販売
<決算情報>・売上は151,157百万ドルと前年対比14.4%増加、顧客数及び顧客単価の増加が寄与。また、前年4Qに買収したHD Supplyが通年で寄与したことも大きい。コロナ禍以降のリフォームや日曜大工需要が継続している。ドル安で$760mil増収の影響もあり。
・純利益は16,433百万ドルで前年対比27.7%増加。増収に対し、経費増加を最小限にとどめたことが大きい。昨年はコロナ対策関連経費や買収関連経費が掛かっていたが今年はその分が浮いた。人件費高騰、原材料費高騰、輸送費高騰はマイナス要因だがある程度は値上げで対応。
<財務情報>









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※当ブログで紹介する理論株価は、いくつかの前提条件をりろんかぶおが独自に設定している為、その前提条件次第では計算結果が異なってきます。また当ブログは、投資に関する情報を掲載していますが、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。また、読者が当ブログの情報を用いて行う投資判断の一切について責任を負うものではありません。
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