
ネットフリックスが2021年1~3月期の決算を発表。
結果は以下の通りでした。
<決算結果>1.2021年1Q実績売上高:$7.16 bil (前年同期比24.2%増、アナリストの事前予想:$7.13 bil)
Diluted EPS:$3.75 (予想:$2.97 bil)
有料会員純増数:398万人(予想:600万人)
コメント:売上高とEPSの実績は事前予想を上回ったのですが、有料会員純増数は予想より悪かったです。
2.第二四半期ガイダンス売上高:$7.30 bil (前年同期比24.2%増、アナリストの事前予想:$7.39 bil)
Diluted EPS:$3.16 (予想:$2.68 bil)
有料会員純増数:100万人
コメント:第二四半期の会員純増数は100万人と、例年よりかなり低めとなっています。
3.有料会員数データ下表は、年別の12か月間の会員の伸び具合を表したグラフ。

出典:ネットフリックス投資家情報
これを見ると明らかに2021年は例年に比べて伸び具合が悪いですね。
ネットフリックスによると、これは2020年のコロナ禍での有料会員激増の反動とのこと。
但し、2021年下半期は人気コンテンツを投入するので伸び率は再度加速するだろうとの説明。
次に、地域別の会員数の伸びを表した表です。

出典:ネットフリックス投資家情報
特に伸び率が悪いのが米国&カナダ(UCAN)と中南米(LATAM)です。
<ネットフリックスの加入者は頭打ちなのか?>この問いに対する結論としては、
米国&カナダでは既に頭打ちで伸びるとしても微増程度しか期待できなそうだが、その他海外ではまだ加入者獲得余地はあり、ネットフリックスもそこに注力していく戦略(後述)なので、まだまだ伸びは期待できそう
と考えております。
その理由について順を追ってみていきます。
まず最大市場である米国&カナダについて。
米国の総世帯数は1.3億世帯、カナダは0.1億世帯程度なので、合計1.4億世帯。
その内、既に半分以上の0.74億世帯がネットフリックスの有料会員になっているので、2世帯に1世帯はネットフリックスに登録している計算です。
普及率は既にかなり高く、直近の伸びもかなり鈍いことから、ここから有料会員数を急激に伸ばしていくことは難しいでしょう。
一方で他エリアはどうでしょう?
例えばアジア(APAC)などはいまだに力強い伸びを見せています。
ネットフリックスはこれまでその独自コンテンツで競合他社との差別化に成功してきました。
但しその独自コンテンツの大半は米国の俳優と英語で制作されたものでした。
但し、今後の注力分野として、事業展開しているそれぞれの国の俳優と言語を用いたオリジナルコンテンツ制作に力を入れ始めており、実際に以下のような海外発の人気コンテンツが誕生しています。
Below Zero、スペイン (配信後4週間の視聴者数が47百万人)
Space Sweepers、韓国 (26百万人)
Squared Love、ポーランド(31百万人)
Who Killed Sara?、メキシコ(55百万人)
私自身はネットフリックスは利用していないのですが、どうやらネットフリックス制作の韓国ドラマが面白いらしいという話は小耳にはさんだりします(愛の不時着や梨泰院クラス等)。
更に、ネットフリックス独自の映画も近年ではアカデミー賞作品賞によくノミネートされており(2021年はノミネート8作品中2作品がネットフリックス)、コンテンツの強さも明らかです。
そしてこれらの強力なコンテンツを制作するために、ネットフリックスは2020年には制作費だけで$15 bil(約16兆円)費やしており、この巨額の製作費から生まれる優良コンテンツがさらに競合他社を引き離していくのです。
これらを踏まえれば、確かにネットフリックスは最大市場の米国&カナダはやや飽和状態で、これまでのような加入者の伸びは見られないかもしれないものの、その他海外ではまだまだ成長途上にあると考えられます。
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