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【VISA】 クレジットカード業界を牛耳る企業の理論株価は?(2019年9月期)

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<りろんかぶおコメント>

りろんかぶおの競争優位性評価(5段階評価)⇒★★★★

1. 企業概要

・VISAは主にカード決済のネットワークを提供する企業です。クレジットカードのビジネスモデルは意外と複雑ですので、後述の「セグメント毎ビジネスモデル」もご参照。

2. 業界展望

・以下は世界のキャッシュレス決済額の推移です。

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Source:World Payments Report 2019

・キャッシュレス決済は毎年10%程度の増加を見せております。現金のやり取りが不要なキャッシュレス決済が便利で効率的なのは火を見るより明らかであり、今後もキャッシュレス決済額が世界中で伸びていくことは確実です。

・一方、キャッシュレス決済にも以下のように様々な種類があります。
 ICチップカード(主にクレジットカード、デビットカードなど)
 非接触決済(スイカなどの電子マネー系)
 QRコード、バーコード(PayPay、LINE Payなどのスマホ決済系)

・従来はICチップカードによるクレジットカード決済が主流でしたが、近年急速にQRコード・バーコード決済などが普及してきております。

・これは、コード読取が技術的に容易、プリペイド方式なのでユーザーの審査不要、店舗側も専用端末が不要(紙に印刷されたQRコードを置いておくだけでよい)な為、導入コストが極めて低く新規参入が容易な為です。

・りろんかぶおもクレジットカードとQRコードの両刀使いですが、クレジットカードと比較した時のQRコード決済のメリットデメリットを以下にまとめてみました。
QRコード-V-2019

・(導入時期ということもあり各QRコード決済企業は大規模なポイント還元キャンペーンを行っておりますが、このキャンペーン合戦はいずれ終息するでしょう)

・正直ユーザー目線でのQRコード決済の魅力は、ポイント還元キャンペンーンを除いて考えれば一長一短です。今頑張ってQRコード決済を使っている人も、やはり高いポイント還元が魅力的だからだと思います。ポイント還元の源泉は主に加盟店手数料なので、クレジットカードとビジネスモデルが同じである以上、ユーザーへのポイント還元もクレジットの平均と同程度に収束していくはずです。

・ユーザー視点で見た時QRコード決済もクレジットカードも大差ないということになりそうな一方、大差がないからこそQRコード決済は今後一定程度のシェアを確保していくものと思われます。つまり、今までキャッシュレス業界をほぼ独占していたクレジットカード側から見れば自分のシェアが奪われるので、キャッシュレス決済全体の伸びとシェア低下のせめぎ合いになる環境がしばらく続くのではと思います。

3. 個別企業競争力

・そんなクレジットカード業界におけるVISAの競争力はどうなのでしょうか?以下が国際ブランド別の決済額です。

brand compere-V-2019
Source:VISA 2019 Annual Report

・VISAが圧倒的シェア持ってますね。皆さんが使うクレジットカードもVISAの方がほとんどなのではないでしょうか?

・ユーザーがクレジットカードをつくるときの国際ブランドの選別基準は何でしょうか?単純に、最も多くのお店で使えるブランドを選びたいですよね。クレジットカードが使えるお店でVISAが使えないところはない、VISAなら世界中どこでも使える、というのが我々の頭の中にあるのでVISAを選ぶのです。

・このように、世界中どこでも使えるという基盤を作り、そのイメージをユーザーの頭の中に植え付けられた時点で今後も誰もがVISAを選ぶ構図が出来上がってしまっているのです。

・後述のビジネスモデルでも示しますが、VISAは決済プラットフォームの提供に専念し、店舗開拓やカード利用者開拓は第三者に委託しており、加盟店手数料などもその第三者が享受できるような仕組みです。

・VISAが強くなればなるほど、VISAのブランドを使って店舗開拓をして稼ごうとする人がたくさん出てくるので、これが加速度的にVISA加盟店の網を世界中に広げられた所以だと思います。(逆にAmerican Expressなどは店舗開拓やカード利用者開拓も自社で対応)

・このように、強いブランドが今後もどんどん強くなっていく構図なのでクレジットカード業界においてVISAは非常に強い競争優位性を持っていると考えます。

<理論株価>
64ドル(2019年9月30日時点)
※1 直近3年間のフリーキャッシュフローの平均が今後半永久的に続くと仮定し、Discounted Cash Flow(DCF)法で計算。
※2 DCF法の概要はこちらご参照。

NYダウ銘柄理論株価一覧はこちらご参照ください!

<セグメント毎ビジネスモデル>
・クレジットカードの決済の仕組みの中には以下5つの登場人物あり。
Biz Model-V-2019

・登場人物それぞれの役割は以下。VISAや加盟店管理及びカード発行は行っておらず、以下の国際ブランドの役割のみ果たす。(一方American Expressは国際ブランドのみならず加盟店管理及びカード発行まで自社で完結)

<国際ブランド(VISA、Master Card、JCBなど)>
1. 役割:
  決済ネットワークの運営
  カード発行会社や加盟店管理会社に対するライセンス契約の管理
  国際ルールの作成・運営
2. 収入源(VISAの場合):
  収入源は全てカード発行会社及び加盟店管理会社の両方から

Service Revenue:決済ネットワーク提供に伴うサポート料。収益は決済金額に連動。

Data Processing revenues:支払の認証、清算、決済、ネットワーク利用、その他メンテナンスやサポー ト等、情報処理に関するサービスの手数料。収益は処理件数に連動。

International transaction revenues:国境をまたぐ決済、送金、両替に関する手数料。収益は決済金額に連動。

Other revenues:ライセンスフィーなど。

<カード発行会社>
1. 役割
  国際ブランドとライセンス契約締結の上でのカード発行業務
  加盟店管理会社への代金建て替え
  カード所有者からの代金・年会費・金利徴収、ポイント付与など
2. 収入源
  カード所有者からの年会費、キャッシングや分割払いに伴う利息収入など。

<加盟店管理会社>
1. 役割
  加盟店を増やす為の営業活動
  加盟店の審査
  カード発行会社からの料金を徴収し、加盟店へ支払い
2. 収入源
  加盟店からの加盟店手数料。収益は決済金額に連動。

<決算情報>

・売上は22,977百万ドルと前年対比11%増加、全セグメントが増収で、特に決済処理件数増加に伴うData Processing収入の増加が牽引。

・純利益は12,080百万ドルで前年対比17%増、ビジネスモデル的に、売上とコストの連動性が小さく、上述のような売上増があったものの、コストの上昇は限定的(5%増)だったため。

<財務情報>
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以上

りろんかぶお

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※当ブログで紹介する理論株価は、いくつかの前提条件をりろんかぶおが独自に設定している為、その前提条件次第では計算結果が異なってきます。また当ブログは、投資に関する情報を掲載していますが、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。また、読者が当ブログの情報を用いて行う投資判断の一切について責任を負うものではありません。
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[ 2019/11/28 12:21 ] 6.理論株価&財務分析 | TB(-) | CM(0)
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プロフィール

りろんかぶお

Author:りろんかぶお
【名前】:りろんかぶお
【生年】:1987年
【出身】:千葉
【性格】:感情の起伏ゼロ。声低め。
【学歴】:東京大学大学院卒
【職業】:現在はセミリタイアし専業投資家。元総合商社勤務(M&A等)
【資格】:証券アナリスト
【趣味】:投資・麻雀・ランニング
【目標】:資本を通じて社会に貢献すること


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