
自動車社会において確実に到来する未来とされているのが自動運転車。
自動車の世界市場は超巨大故に、投資の世界において自動運転車というのは最も重要なテーマの一つです。
2020年代後半には自動運転車が普通になる社会が訪れるとされており、今自動運転社会で最も必要とされる企業に投資できれば、大きな果実をもたらすでしょう。
そういうことで、「自動運転社会で最も必要とされるのはあの企業」について、複数回に分けて探求していきたいと思います。
第一回と第二回は以下↓
自動運転社会で最も必要とされるのはあの企業①自動運転社会で最も必要とされるのはあの企業②第三回は、自動運転車におけるコア技術の続きです。
6.”脳”の役割を果たすAI前回、”目”の役割を果たすセンサー(LIDAR、カメラ、レーダー)の話をしましたが、今回は”脳”に当たるAIソフトウェアの部分です。
やはり、自動運転で最も肝となるのはこの部分でしょう。
なぜなら自動運転車では、
センサーから収集された大量のデータに基づいて正確に物体を認識し、
それぞれの物体がどのように動くかを予測し、
それらの物体の予測される動きに基づいて、自身がどう動くかを都度意思決定していく、
という、まさに人間の脳の働きをする部分がこのAIソフトウェアだからです。
そして、このようなAIをコアにした自動運転システムを開発している企業のトップを走っている企業が以下です。
右上にいくほどトップを走る企業ということになります。

出典;Navigant Research
トップ10各社の2021年現在の主要株主、主要パートナー・提携先は以下の通り。
開発進捗順位 (Navigant Research) | 総合システム | 主要株主 | 主要パートナー | 提携完成車メーカー |
1 | Waymo (米国) | Alphabet 等 | | Jaguar Land Rover FCA ルノー/日産 ボルボ |
2 | Ford Autonomous (米国) | | Argo AI Volkswagen | Ford Volkswagen |
3 | Cruise (米国) | GM ホンダ ソフトバンクG マイクロソフト 等 | | GM ホンダ |
4 | Baidu (中国) | | pony ai | トヨタ 広州汽車 Hyundai 他 |
5 | Mobileye (イスラエル) | Intel | | Volkswagen BMW FCA |
6 | Aptiv-Hyundai (アイルランド-韓国) | | | Hyundai |
7 | Yandex (ロシア) | | Uber | |
8 | Zoox (米国) | Amazon | | FCA |
9 | Daimler-Bosch (ドイツ-ドイツ) | | | Daimler Bosch |
10 | トヨタ (日本) | | | トヨタ |
トップをひた走るのは米国のWaymo!
Googleの自動運転プロジェクトがスピンオフする形で設立されたWaymoは既に自動運転レベルではレベル4に達しており、2018年12月に自動運転タクシーサービス「Waymo One」の提供を開始し、一部ではセーフティドライバーも同乗しない形でのサービス提供もスタートしています。
その他の注目は中国のBaidu。
カリフォルニア州の車両管理局(DMV :Department of Motor Vehicles)調べでは、Baiduはウェイモの技術レベルを上回っていることが報告されています。
URL:
https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/01267/00006/更にBaiduは2020年4月に、一般向けの自動運転タクシーの提供を当面は無料で開始(セーフティドライバー同乗)すると発表。
同社が進めるアポロ計画には世界中の自動運転関連企業130社以上が参画しているのに加え、法整備などが重要となる自動運転車の実用化において、国家主導でガンガン法改正をできる中国企業は有利とみられています。
<まとめ>記事のタイトルは自動運転社会で最も必要とされるのはあの企業、と題しました。
自動運転車を分析した結果として、人間でいう目の役割を果たすカメラ・LIDAR・レーダー、脳の役割を果たすAIソフトウェアが自動運転のコア技術になると考えました。
そしてやはり、自動運転社会で最も必要とされる企業はAIソフトウェアを開発する企業でしょう。
なぜなら、LIDARなどは単純な技術競争により将来的にも熾烈な競争が繰り広げられることが予想される中、AIソフトウェアについては「勝者総取り」になる可能性が高いからです。
というのも、優れたAIソフトウェアを開発するには、大量のデータをインプットし、ディープラーニングさせ、その中で優れたアルゴリズムを作り上げていく必要があり、つまり大量のデータを集められる覇権企業がますます強くなっていくという、現在のGAFAに見られる業界になること必至なのです。
自動運転のAIソフトウェアはいわばスマホでいうとOSに当たる部分です。
スマホのOSはGoogleのアンドロイドが覇権を握りました。
そしてスマホ本体の製造メーカーは中国や韓国企業を筆頭に熾烈な競争が果てしなく繰り広げられています。
自動運転業界でもおそらく同じことが起こるでしょう。
スマホのOSに当たるAIソフトウェアについてはおそらく1~2社が覇権を握り、車体部分については多くのメーカーがしのぎを削ることになると思われます。
そしてAIソフトウェアで覇権を握りそうな有力候補はやはり、WaymoとBaiduでしょう。
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