<りろんかぶおコメント>・IBM社は長年IT業界を牽引してきた企業です。多くの方がご存知の通り近年、ハードウェア中心のビジネスから、AIやクラウドといったより付加価値の高い分野に軸足を移しております。
・IBMと言えば投資家の間では、バフェットに「IBMへの投資は失敗だった」と言わしめたあまりいけていない企業として有名なのではないでしょうか?バフェットは、IBMが注力するAIやクラウドの分野では、Google、Amazon、Microsoft等の超優良企業が大規模な投資や研究開発をしており、そのような競争が激化している分野でIBMが競争優位性を発揮できるかどうかという点に疑問を持っているというものでした。実際にクラウド業界では以下グラフの通り、上述三社の後塵を拝す結果となっています。

・一方IBMは、長年法人顧客向けに業務システム等の企業内ITインフラの構築をしてきて、上述三社と比較しても法人顧客の抱える業務プロセス上の課題やニーズに対する知見が豊富で、顧客ネットワークも強いのではないかと考えます。実際にIBMは法人顧客に特化して、既存の基幹システムも有効活用した上でのクラウドやAIも組み入れた最適なITプラットフォームの構築を提供するサービスに注力しており、この点では長年IBMが築いてきた実績や顧客からの信頼というのが他社に対する競争優位性につながるのではないかと考えます。
・但し、IBMが本当に上記の分野で盤石な体制を整えられるかというのはやはりもう少し注視していく必要があるのかなと思います。
<理論株価>191.94ドル(2019年12月31日時点)
※1 直近3年間のフリーキャッシュフローの平均が今後半永久的に続くと仮定し、Discounted Cash Flow(DCF)法で計算。
※2 DCF法の概要は
こちらご参照。
NYダウ銘柄理論株価一覧は
こちらご参照ください!
<セグメント毎ビジネスモデル>1.Cloud & Cognitive Software
・IBMが保有する有名なAIであるWatsonが、言語、画像、音声データなどを、機械学習を通して大量に解析し、顧客の業務上の課題やニーズに対してソリューションを提供するサービス。
・ハイブリッドマルチクラウドという、既存基幹システムも有効活用しながらのクラウド化及び他のクラウドサービスとの組み合わせのシステムに関するオペレーションに必要なオペレーティングシステムやプラットフォームソフトウェアの提供。
・企業内で独自に構築するITインフラに対する各種ソフトウェアの提供。
2.Global Business Services.
業務の自動化やデジタル化、効率化を志向する顧客に対するコンサルティングやソリューションを提供するサービス
3.Global Technology Services
顧客企業のITインフラのデジタルトランスフォーメンションかに必要なサービスの提供及びそのテクニカルサポート。
4.Systems
サーバーやストレージ、ソフトウェア等の、ITインフラ構築に必要なハードとソフトの提供。
5.Global Financing
ITインフラ構築の初期費用を抑えたい顧客に対するファイナンスプランの提供。
<決算情報>・売上は77,147百万ドルと前年対比3.1%減。AIやクラウドを中心としたCloud & Cognitive Software部門の売上が増加したものの、企業内のITインフラのクラウド化に伴い、各企業独自にITインフラを構築する需要が減少しGlobal Technology Services部門の売上が減少したことでトータルでは減収。
・純利益は9,431百万ドルで前年対比8.1%増。売上減少及び費用・金利負担増加に伴い税前利益ベースでは前年対比10.6%減少なるも、前年度の税制改革の影響がほぼなくなった影響で税負担が減少したため税引き後の純利益は増加。
<財務情報>









以上
りろんかぶお
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