
世界中で叫ばれる地球温暖化。
日本でも菅総理が昨年の所信表明演説で「2050年までに温室効果ガスの排出を『実質ゼロ』とする」方針を示し、話題を呼びました。
国際的に組織された「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」によると、
気候システムの温暖化には疑う余地がなく、
大気と海洋の温暖化、雪氷量の減少、海面水位の上昇は数十年から数千年間にわたり前例のないもので、
産業革命以降の人為期限の温室効果ガス排出量が急増していることも踏まえると、
気候システムに対する人為的影響は明らかとの分析。
これに真っ向から異を唱えるのが本書。
本書の主なメッセージは、
・地球温暖化を人為起源とするのにはまだまだ科学的根拠が少なすぎる
・地球の気候は膨大な量の要因が複雑に絡み合って変動するもので、人間が排出した温室効果ガスが与える影響は軽微
・IPCCは今まで科学的データを捻じ曲げてきた事実もありとても信用できる組織ではない
・このような状況下、温室効果ガスを犯人と決めつけ排出削減に巨額費用を投じるのはばかげている
というようなものです。
米国では本書がものすごく売れていて、かなり地球温暖化に懐疑的な人が多いようです。
トランプ大統領就任直後に米国がパリ協定離脱を表明し、日本ではトランプ氏がまたおかしな行動をしたと報じられましたが、
トランプ氏はパリ協定離脱を選挙公約として掲げており、それも含めて大統領に当選したわけですから、パリ協定離脱は米国民の意思とも取れます。
ただ本書も、地球温暖化の主要因はCO2ではないと科学的に立証したものではないので一つの意見として受け止める必要ありっますが、少なくとも現在の地球温暖化人為起源説をうのみにすべきではないということだと思います。
本書を読んで特に思ったことは世界的なメディアの質の悪さです。
メディアというのは人目を引くのが仕事なので、人の恐怖心をあおるのが合理的なのです。
故に、かなり偏った見方が報道されることが多く、物事に対する俯瞰的な見方が欠如してしまいます。
日本でもYoutubeなどが普及してきたことにより、Youtubeでテレビの闇を暴いたり、マスコミの報道の裏にある意図が暴かれたりしています。
ただ、Youtubeも玉石混合で、もっともらしいことを言っている人が、実は全然間違ったことをいってたりもします。
こういった状況下、我々個人が唯一信じられるのは科学だと思います。
科学的データは捻じ曲げようがなく、これだけは唯一無二の信じられるものだと思っていました。
ところが本書によると、IPCCは科学的データすら捻じ曲げた過去があることを明かしています。
科学的データですら政治的意図で捻じ曲げられてしまうとすると、我々個人としては何を信じていけばいいのでしょうか?
「メディアは人の思考を形作る」といいます。
質の悪いメディアが大半を占める今、人々の思考の質も悪化し、これは民主主義国家を誤った方向に導いてしまうのではと危惧します。
現時点で抜本的な解決策はないものの、少なくとも我々一人一人が、テレビや新聞で報じられていることを鵜呑みにせず、自分の思考に大きな影響を与える場合は自分で一次情報にあたるという習慣が必要な時代なんだなと思います。
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