一般的に、国が豊かになってくると女性一人当たりが出産する子供の人数は減ってくるといわれます。
これを裏付けるのが以下のグラフです。
横軸が所得を表し、縦軸が女性一人当たりが出産する子供の人数を表しています。

出典:国連
ここから読み取れることはやはり、所得が高いほど出生率が低いということです。
では、人間は豊かになると、なぜ産む子供の数を減らすのでしょうか?
世界の様々な研究で一般的に言われていることは以下5つの理由です。
1.子供が労働力として見られなくなったから極度に貧しい国では、多くの場合子供も労働力としてみなされるのが普通です。
子供にも労働力になってもらわないと家族が食べていけないのです。
労働力は多ければ多いほど良いので自然と出産する子供の数も多くなります。
一方豊かな国では、一般的に生産性が高いため、親の稼ぎで家族を養うことができるようになります。
そして子供は将来付加価値の高い仕事をするために、教育が義務付けられています。
子供はもはや労働力ではなく、親の稼ぎで養っていかなくてはならない存在なので、自然と子供の数は減っていきます。
2.子供の致死率が激減したから極度に貧しい国では、子供に十分な医療を受けさせることができません。
よって、そのような国では乳児死亡率が非常に高く、それも考慮に入れて多めに子供を産むようになります。
一方豊かな国では、子供にも十分な医療を施すことができます。
乳児死亡率も非常に低いので、欲しい人数の子供を産めばよいということになり、その分全体的な出生率は下がる傾向にあるのです。
3.避妊具が普及したから極度に貧しい国では、避妊具が普及しておらず、正しい避妊の知識も普及していません。
よって、自然と出生率が上がります。
一方豊かな国では、避妊具がとても安く簡単に手に入ります。
子供が欲しくなければ避妊することができるので、産む子供の人数を意図的に制御できるため、その分出生率は下がります。
4.子供の教育に力を入れ始めるから極度に貧しい国では、子供は労働力とみなされるので、質の高い教育を受けることはありません。
一方豊かな国では、生活レベルが上がり、多くの所得を稼ぐ必要があるため、質の高い教育を受ける必要が出てきます。
初等教育は義務で無償としている国がほとんどですが、それ以降の教育費用は自己負担ですので、子供に質の高い教育を受けさせようと思えばやはりそれなりの教育コストがかかります。
よって、教育コストを抑えるために子供の人数を減らす必要性が出てくるのです。
5.土地代が高いから極度に貧しい国では、多くの国民が農業に従事しており、国土にわたってまんべんなく分散されているため、土地代は一般的に安いです。
よって、小さな家に住もうと大きな家に住もうと、住居コストはほとんど変わらず、産む子供の人数も、住居サイズに合わせて制限しようという発想は生まれにくいです。
一方豊かな国では、工業化、分業化が進み、一般的に多くの人が一か所に集中する”都市”に住むのが普通になってきます。
限られた面積の土地に多くの人が住もうとするので、当然土地代も高くなり、広い家に住もうと思えば住居コストがかなり高くなります。
子供が増えると、大きな家に住まざるを得ず、そうすると住居コストが跳ね上がるので、その分出生率は下がる傾向にあります。
STOP
このような理由から、一般的に国が豊かになると出生率は下がっていくのです。
現在、日本でも低い出生率が問題視されていますが、それは豊かになった先進国としては当然のことです。
むしろ、地球という限られた空間の中で養える人間の数には当然限りがあるので、超長期的に考えると人口を増やし続けることの方が危険です。
そのような視点で、人口動態を眺めてみても面白いかもしれません。
以上
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