こんにちは!バフェット部のりろんかぶおです!
このブログではあらゆる企業の理論株価を広く共有し、
皆様の株式投資の判断材料の一つとしていただくことを目的としております!
今回はりろんかぶおが理論株価を計算する際に使用している、
Discounted Cash Flow法(DCF法)について以下の順で解説いたします。
1. DCF法とは何か?
2. DCF法による企業価値の計算方法
3. 具体的な例を用いた企業価値計算
1. DCF法とは何か?
DCF法とは企業価値を計算するための評価方法の一つです。
簡単に言うと、評価したい企業が
将来生み出すキャッシュフロー(現金)を、
現在の価値に割り引いて企業価値の計算をするものです。
実際の将来のキャッシュフローに基づいた価値となっている為、
企業価値評価方法の中でも最も本質的な企業の価値を計算でき、
世界中の企業買収などの際に幅広く用いられる最も主流な評価方法です。
またバフェットも株主宛に毎年出すバフェットの手紙の中で、
以下のように述べております。
「私が考える投資を学ぶ生徒に必要なことは、
二つの科目を徹底的に学習することだけです。
それは「企業価値の評価法」と「市場価格のとらえ方」です。」またバフェットは手紙の中で、「投資価値理論―株式と債券を正しく評価する方法」で述べられている
「今日では株式や債券、企業などの価値は全て、
その資産価値が存在する限りにおいて起こりうる、
現金の流入量または流出量を適当な利率で割り引いたものが
どれほどであるかによって決定される」という内容を引用しこの考えに賛成しております。
つまり、バフェットも適正株価を評価する際にDCF法を使っているものと思われます。
例えばある企業のバランスシートが以下だとすると、
DCF法では事業用資産の事業価値を計算することになります。

企業価値=事業価値+非事業用資産(現金等)
株式価値=企業価値―純有利子負債
株価=株式価値÷発行済株式数
のように求められます。
このようにDCF法を用いることで、本質的な企業の価値に基づいた株価を計算できる為、
これを知ることによって、その企業の適正株価の目安を知ることができ、
現在の
市場株価が割安なのか割高なのかを判断することができます。
2. DCF法による企業価値の計算方法
まず、事業用資産から得られるCash FlowをFree Cash Flow(FCF)と呼び、
以下の通り計算されます。
FCF=税後営業利益+減価償却(及びその他非現金項目の足し戻し)-運転資本増加額-設備投資額
で表されます。
ここで重要なのは、
税後営業利益を基にFCFを算出している為、
営業外費用である
支払い金利は含まれないという点です。
なぜなら、債権者と株主がお金を出し合って作った事業用資産から得られるCash Flowが知りたいので、
債権者や株主への利益の配分(金利、配当)前の純粋な資産の稼ぐ力を知りたいからです。
例えば以下のようにFCFを稼ぎ出す企業があると考えます。

上記のように考えるとDCF法による、事業用資産の現在価値は以下の通りとなります。

ここで出てくるWACCは債権者と株主の期待利回りの加重平均となります。
ここで、疑問になるのはなぜ(1+WACC)で割っているかですね。
例えば、WACCが10%の場合、この企業の債権者と株主は、
現在100円をもっていれば、
1年後には100円×(1+10%)=110円、
2年後には100円×(1+10%)^2=121円
・
・・
に増やすことができます。

逆に言えば、この企業の債権者と株主にとって、
1年後にもらえる100円は現時点では100円÷(1+10%)=91円、
2年後の100円は100円÷(1+10%)^2=83円
・
・
・
となる。

これが
「現在価値」という考え方です。
よって、1年後にもらえるFCF1も2年後にもらえるFCF2も現時点の価値にするには、
WACCで割り引かなければいけないということです。
このように事業用資産の価値はDCF法によって以下の通り計算されます。
事業用資産価値=FCF1/(1+WACC) + FCF2/(1+WACC)^2 + FCF3/(1+WACC)^3 + ・・・・これに非事業用資産を足したものが企業価値となり、
そこから有利子負債額を差し引いたものが株式価値となります。

企業価値=事業用資産価値+非事業用資産
株式価値=企業価値-有利子負債額
3. 具体的な例を用いた企業価値計算
次に理論株価を求めるまでの計算方法を、具体例を用いて説明していきます。
今回は自動車会社を考えてみましょう。
この自動車会社のバランスシートは以下の通りです。

この自動車会社は事業用資産として工場を持っており、この工場で自動車を製造し、販売して利益を得るというビジネスモデルとなります。
この会社では自動車販売によって以下のような成績を上げております。
税後営業利益=1.5兆円
減価償却費=2,000億円
運転資本増加額=1,000億円
税後利益を維持するために必要な工場のメンテナンスのための設備投資=6,000億円
よってフリーキャッシュフローは以下の通りとなります。
FCF=税後営業利益+減価償却(及びその他非現金項目の足し戻し)-運転資本増加額-設備投資額
=1.5兆円+2,000億円-1,000億円-6,000億円
=1兆円
この自動車会社が、今後半永久的にFCF=1兆円を稼ぎ続けると仮定した時の事業用資産の価値は以下の通りあらわされます。(債権者及び株主の期待収益(WACC)は10%)
事業用資産価値=1兆円/(1+10%)+1兆円/(1+10%)2+1兆円/(1+10%)3+1兆円/(1+10%)4・・・・・
この式をもっとすっきりとあらわすには以下の計算を行います。
① 事業用資産価値=1兆円/(1+10%)+1兆円/(1+10%)2+1兆円/(1+10%)3+1兆円/(1+10%)4・・・・・
② ①×(1+10%)
事業用資産価値×(1+10%)=1兆円+1兆円/(1+10%)+1兆円/(1+10%)2+1兆円/(1+10%)3・・・・・
③ ②-①
事業用資産価値×(1+10%)-事業用資産価値=1兆円
事業用資産価値×10%=1兆円
事業用資産価値=1兆円/10%=10兆円
これにより事業用資産価値は
10兆円であることが求められました。
よって企業価値、株主価値、理論株価はそれぞれ以下の通り計算されます。
企業価値=事業用資産のDCF法による資産価値+非事業用資産
=10兆円+1兆円
=11兆円
株主価値=企業価値―有利子負債
=11兆円―4兆円
=7兆円
株価=株主価値÷発行済株式数
=7兆円÷70億
=1,000円
よってこの企業の
理論株価は1,000円となり、
市場の株価が1000円以下であれば、割安であり、1000円以上であれば割高ということになります。
このように理論株価を分析して投資を行うことは株式投資をする上で非常に重要であり、
あのバフェットも同様の方法で株価分析をしているので、皆様も是非参考にしてください。
以上
りろんかぶお
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