
<企業概要>キンダー・モルガンは、北米最大の中流エネルギー会社の一社。
北米にて天然ガス、原油、石油製品、天然ガス液、二酸化炭素の輸送、貯蔵、加工事業を行う。
主力は天然ガスパイプラインの保有・リース業。
<セグメント>1.天然ガス輸送(売上比率:62%)・~70,000マイルのガスパイプライン保有
・659 bcfの貯蔵設備保有
・米国で消費・輸出される天然ガスの約40%の輸送を担う
2.石油製品輸送(同15%)・~6,800マイルの石油製品パイプライン保有
・~3,100マイルの原油パイプライン保有
3.ターミナル(同14%)・147の貯蔵設備保有(石油製品、化学品、etc)
・16隻の輸送船保有
4.CO2輸送(同9%)・CO2を油田に注入して圧力を高め、油田から原油を吸い上げやすくする手法があり、そのためのCO2を輸送するパイプラインを保有
<ビジネスモデルの特長>
出典:KMI決算資料
・売上の68%は"Take or Pay"という固定収入が得られる契約。24%が処理量に応じた収入。売り上げの68%が固定収入ということで非常に安定した業績が見込める。Take or Pay契約の平均残存年数は7年。
・ビジネスモデル上、基本的にガス価格や原油価格には左右されないものの、価格が下がっている時は需要が落ちている時であり、そうすると処理量に応じた収入の部分は減収となる。
・輸送パイプライン自体は技術的難易度が高いわけではないものの、地下にパイプラインを通すには政府の許可が必要であり、輸送に効率的なルート及び許可の取りやすいルートを既に抑えてしまっていることが、他社に対する競争優位性になっている。
<マクロ環境>米国内のエネルギー生産量内訳

出典:米国エネルギー情報局(EIA)
米国内のガス消費量内訳

出典:米国エネルギー情報局(EIA)
・地球温暖化問題への意識が高まる中、化石燃料の中では比較的CO2排出量が少ない天然ガスの需要は今後も堅調に伸びていくことが予想される。
・消費の内訳で見ると、工業向けとガス火力発電向けがメイン。
・ガス需要が活性化することは、その輸送を手掛けるキンダーモルガンには追い風。
<業績>出典:全てマネックス証券


<理論株価>DCF法による理論株価:7.72ドル(2019年12月末時点)
<著者コメント>・既にルートを抑えているという競争優位性及び、売上の68%は固定収入という点は非常に魅力的。
・化石燃料関連のビジネスだが、主力の天然ガスに関して言えば今後も需要増のに見通しで問題なし。
・ただし、インフラ設備を伴う事業故に、IT企業のように急激に売り上げが伸びるようなことは見込めない。
・よって割安価格で買うことが重要なるも、理論株価やPERを見ても割安とは言えない。
以上
りろんかぶお
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