
・米エネルギー大手のドミニオンエナジーは、自社のガス輸送・貯蔵部門の大部分を、総額$9.7 billion(約1兆円。$5.7billion(約6,000億円)の負債引継含む)でバークシャーハサウェイに売却することで合意。
・売却資産(全て米国内)は以下。
ガスパイプライン・貯蔵設備:7,700 mile分
ガス液化・貯蔵設備:Cove Point LNGプロジェクトの25%分(ドミニオンは元々75%保有)
ガス貯蔵設備:900 bcf (9,000億立法フィート)
・ドミニオンは、2050年までのCO2純排出量ゼロを明言しており、今回の資産売却もその一環。
・バフェットは、「素晴らしい天然ガス資産を、我々のエネルギー部門傘下に加えることができて大変光栄に思う」とコメント。
Dominion Energyのニュースリリース:
https://news.dominionenergy.com/2020-07-05-Dominion-Energy-Agrees-to-Sell-Gas-Transmission-Storage-Assets-to-Berkshire-Hathaway-Energy-Strategic-Repositioning-Toward-Pure-Play-State-Regulated-Sustainability-Focused-Utility-Operations<著者コメント>・バークシャーは2019年、米石油大手オクシデンタル・ペトロリアムの優先株引き受けで10 billion (約1.1兆円)投資しましたが、今回も引き続きエネルギー資産を買収。
・脱化石燃料という世の中の流れがある中、エネルギー資産購入はその流れに逆行しますが、だからこそ割安に優良資産を買収できるということだと思います。
・今回バークシャーが買収したドミニオンのガス輸送・貯蔵部門の財務面(2019年)は以下。
※今回買収した資産はガス輸送・貯蔵部門の”大部分”ではあるものの”全て”ではないことには留意が必要。
売上:3,321百万ドル
純利益(コーポレート費用控除前):934百万ドル
総資産:20,900百万ドル
出典:ドミニオン社の2019年Annual Report
・つまり、簿価約20 billionの資産を9.7billionで購入したことになるので、かなり割安に買収できていることがわかります。ドミニオンのように脱化石燃料をコミットしている会社は、化石燃料資産を”売りたがっている”ので、こういうディールは買い手優位に働きやすいですね。
・ちなみに米国エネルギー情報局(EIA)の米国内エネルギー生産量の将来予測は以下。比較的クリーンなエネルギーとされる天然ガスは今後需要が伸びていくとされており、化石燃料もひとくくりで「売り」と考えると間違ってしまうということがわかります。

以上
りろんかぶお
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