
現在、新型コロナウイルスの世界的感染拡大に伴い世界経済が大きなダメージを受けております。
そのような状況下、根本的な解決策としてのワクチン開発に注目が集まっております。
従来のワクチン(生ワクチン、不活化ワクチン)は、病原体を弱毒化、無毒化させたものを「抗原」として体内に投与することで、体内の免疫機能を誘発し、それによって病原体に対抗する「抗体」を間接的に作ってきました。
但し、病原性をなくしているとはいえ細菌やウイルスなどが基になるので,健常人に対する投与において一定のリスクは避けられず、とても慎重な臨床試験が必要とされるので、ワクチン開発には通常10年以上かかるといわれています
一方、現在のようなパンデミックの中、10年もウイルスの脅威におびえながら生活していては健全な生産活動はできず、世界経済は壊滅的な影響を受けてしまいます。
そこで、早期開発が期待できるものとして登場したのが今注目されている
mRNAワクチンです。
ここでは、mRNAワクチンについてわかりやすく解説していきます。
<mRNAワクチンとは>まずmRNAとは何か?
人の体は、水と脂質を除けばほとんどがタンパク質で構成されています。
筋肉、骨、臓器、皮膚、爪などの主成分はタンパク質です。
タンパク質とは、20種類のアミノ酸が連結してできた高分子化合物です。
アミノ酸をどう連結させるかで、どのようなたんぱく質を作るか、つまり人体のどの部位をどう作るか、というのが決まってきます。
そしてアミノ酸をどう連結させるかという設計図となるのが
DNAです。
但し、DNAは直接、アミノ酸を連結させたんぱく質を作る機能を持ちません。
設計図であるDNAの情報を読み取ってまず作られるのが
RNAです。
RNAは設計図のコピーといえます。
この設計図のコピーであるRNAの情報を基にアミノ酸が結合しタンパク質がつくられます。
つまり、人体がつくられていく順番としては、
DNA⇒RNA⇒タンパク質⇒⇒⇒人体
ということになります。
RNAは、情報の伝達役のような役割を果たしますので、
メッセンジャーRNA(mRNA)と呼ばれます。
mRNAワクチンでは
①病原体のDNA構造を特定
②それを基に体内の免疫機能を誘発する抗原タンパク質を作るための情報を書き込んだmRNAを人工的に作製
③上記mRNAを体内に投与
という流れで免疫を獲得します。
従来のワクチンと比較したmRNAのメリットは以下です。
・mRNAワクチンでは病原体を用いず、免疫機能を誘発する抗原を体内で発現させる情報のみを投与するので、安全面で優位
・従来のワクチンが苦手としていた、大量製造の面においてもメリットあり
・mRNAは基本的にどのようなタンパク質も作ることができるので、ウイルス変異で標的とする抗原が変わっても迅速に対応可能
ちなみに抗原を発現させるものとして、mRNAでなくDNAを投与する場合、DNAワクチンと呼びます。
STOP
現在、新型コロナ用として早期実現が期待できるワクチンのほとんどがこのmRNAワクチン(米モデルナ、独ビオンテック/米ファイザー、等)とDNAワクチン(米イノビオ、日アンジェス/大阪大、等)です。
今後の動向に要注視です。
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りろんかぶお
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