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人口減少は本当にまずいことなのか?②

人口減少_20200511


前回に引き続き、日本の人口減少・少子高齢化問題について書いていきたいと思います。

前回記事↓
人口減少は本当にまずいことなのか?①

前回の記事では、女性の社会進出が顕著になった今、女性にとって「結婚をして子供を産む」というのは、人生の選択肢の一つでしかなくなり、晩婚化、晩産化も相まって少子化の波を止めることは難しいという話をしました。

このような社会構造の中、国(民主主義国家)の目的である「全国民が豊かに暮らせる社会をつくる」ことを達成する手段として、「子供を増やす」ということは無理筋な方法です。

では、「全国民が豊かに暮らせる社会をつくる」為に、他にどのような策があるのか?

具体的には以下のようなことが挙げられるかと。

1. 労働力人口を増やす

「産出量(生産量)=投入(労働力や資源、エネルギー等)×生産性」

なので、生産量最大化の為にまずは「投入」量を増やすべく、労働力人口を増やすことが挙げられるかと思います。

ちなみに労働力人口と非労働力人口の定義は以下の通り。

労働力人口:満15歳以上の人口のうち、労働の意思と能力をもつ者の人口。就業者(休業者も含む)と完全失業者の合計。アルバイトをしている学生やパートの主婦も含む。

非労働力人口:満15歳以上の人口のうち、病気などの理由で就業できない者と就業能力があるにも関わらず働く意思がない者を合計した人口。ニートや高齢者、専業主婦等。

① 女性の活躍促進

総務省の調べによると、生産年齢の15歳~64歳における労働力人口は以下の通り。

(2020年3月時点)
生産年齢人口:7,478万人
労働力人口:5,960万人
労働人口比率:79.7%(米国は60%台なので日本は比較的高い)
男性労働力人口比率:86.3%
女性労働力人口比率:72.9%

労働力人口比率は79.7%と比較的高いですが、女性の労働力人口比率はもう少し高められる余地があります。

また、女性が仕事で活躍することを、雇用主である企業などが推進することを義務づけた女性活躍推進法が2016年に施行され、女性の労働力人口比率は今後上昇していくことでしょう。

現に下図の通り、専業主婦世帯と共働き世帯を比べると、現時点で既に共働き世帯が圧倒的マジョリティであることがわかり、この傾向は今後も続き、それに伴って女性の労働力人口比率は上昇していくことが望めます。

共働きと専業主婦_20200511
出典:厚生労働省

② 定年撤廃

労働力人口のパイを増やす意味では、定年の撤廃も有効だと思われます。(例えば米国では定年はありません。)

現在、多くの企業が定年を60歳に設定しておりますが、自分の親(60代半ば)を見ていても、まだまだ元気ですし、十分に働ける年齢(現に母親はパートで働いてます)だと思います。

仮にみんなが70歳くらいまで働くとしたらどれくらいの働き手が増えるのでしょうか?

総務省の調べでは2020年4月1日現在で、総人口1億2,596万人に対し、60~69歳人口は1,588万人、総人口の12.6%に上ります。(更に70~74歳は899万人もいる)

つまり定年を撤廃するだけで、潜在的にはそれくらいの規模の労働力人口が増えるわけです。(当然その中には生産活動に従事できない人もいますが)

但し、企業の生産性向上も合わせて考えれば、労働者の新陳代謝も重要ですので、定年を撤廃するのであれば、従来の年功序列制度の撤廃もセットでなければなりません。

2. 労働生産性の向上

「産出量(生産量)=投入(労働力や資源、エネルギー等)×生産性」

次に、生産量最大化の為に「生産性」を向上する必要があります。

生産性向上のために、デジタル化推進などもありますが、個人的には「雇用システムを社会主義から資本主義に」というのが最も重要と考えています。

日本の雇用システムが社会主義から脱却すべき詳細については以下の記事ご参照ください。
日本企業への投資がうまくいかない理由

簡単に言うと、日本の古くからの大企業の多くは、「お金をあげるから頑張って」「定年まで雇用を保証してあげるから頑張って」というものですが、これは「頑張ったらその分お金を支払うよ」「頑張ったら雇用を継続するよ」という風に順番を変える必要があります。

前者は非常に社会主義的で後者は資本主義的ですね。

社会主義が人間を怠惰にし、活力を生み出さないことは、1900年代のソ連と中国などの社会主義国家が証明しましたね。

日本企業の生産性が、世界と比較して低いといわれているのは、日本企業の従業員は別に生産性を上げる必要性に迫られていないのです。生産性をあげようが、生産性が悪いままでいようが給料が変わらないからです。

日本企業も、もっともっと、従業員個々人をモチベートするシステムを再構築する必要があります。

そうすれば生産性はおのずと改善してくるでしょう。

3. 高齢者は資本所得を

現在の年金制度は、生産年齢世代が稼いだ所得を、高齢者に再分配するという賦課方式です。

これでは、生産年齢人口比率の低下とともに、若い人の負担が増すばかりなので、もはや賦課方式の年金制度は持続不可能です。

個人的な意見としては、年金制度は完全に撤廃し、老後の面倒は国民の自助努力に任せていいと思っています。
(今現在、年金をもらっている人、途中まで払っている人は当初予定通りもらえるようにする。財源は国債発行。)

というのも、政府が手厚く守るから国民は、老後は国が面倒を見てくれると、思考停止になってしまうのです。

老後も各個人の自助努力に任せれば、国民は自らどうすべきかということを真剣に考えるでしょう。

自分の子供に仕送りをしてもらうという文化ができれば、みんな子供を産むようになるでしょう。

また、多くの人が労働せずに収入を得られる資本所得に注目し、真剣に資産運用を学ぶことでしょう。

そして、政府は義務教育の中で、もっと資産運用について、更には資本主義について、盛り込むべきだと思います。

今の義務教育では、資本主義に対する教育、資産運用に対する教育がとても不足しているように感じます。


但し、教育をしたからといって、国民全員が資産運用をできるわけではないということも正論だと思います。

そういう人は、民間保険会社による積立年金を活用すればいいのです。(公的年金制度がなくなれば、民間が提供する年金が充実することは火を見るより明らかです)

これは、賦課方式とは違い、自分の老後のために自分で資産を積み立てる方式です。

若いうちから、少しずつ資産を積立て、安全運用を行っていき、体力的に労働が困難になった段階で、資産収入に切り替えればいいわけです。

現在年収400万円の会社員は、毎月23,427.2円の厚生年金を払っています。会社も半分負担しているので合計では毎月46,854.4円積み立てていることになります。

厚生年金制度がなくなって、会社側の積み立て分も給料として支払われるようになり、各個人が毎月46,854.4円の積立、年間562,253円の積立てが可能になる場合、これを23歳~70歳まで続け、運用リターンを年率3%とすれば、70歳の時点で5870万円の資産がたまっていることになります。

5870万円の資産から毎年、3%のリターンとして176万円がえられますし、老後田舎で質素な暮らしで毎年200万円で暮らすとしても、十分100歳まで生きていけます。

このように、もっともっと資産運用の教育を充実させた上で、政府の手厚い補助は排除し、各個人の自助努力にまかせるようにすれば、実はもっと豊かな生活ができるようになるのではないかと考えます。

まとめ

・国の大きな目的は「全ての国民が豊かに暮らせる社会」を作り、持続すること

・人口減少・少子高齢化よって引き起こされる生産年齢人口比率の低下は、非生産年齢人口の豊かさを奪う可能性があり問題。

・現在の政策で最も力点が置かれているのは、生産年齢人口比率を増加させるためにもっと子供を増やすことであるが、女性の社会進出が一般化した中、かなり無理筋。

・よって、生産年齢人口比率は長期低迷するということを受け入れた上で、以下の対策にもっと力点を置くべき。

①生産年齢人口に占める労働力人口を増やす(女性の活躍促進、定年撤廃)
②生産性向上のために、日本型雇用システムを社会主義から資本主義に
③国民の自助努力を最大化するために、資産運用教育を充実させた上での公的年金制度撤廃(これにより高齢者が支えられる側でなくなる)

以上

りろんかぶお

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※当ブログで紹介する理論株価は、いくつかの前提条件をりろんかぶおが独自に設定している為、その前提条件次第では計算結果が異なってきます。また当ブログは、投資に関する情報を掲載していますが、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。また、読者が当ブログの情報を用いて行う投資判断の一切について責任を負うものではありません。

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[ 2020/05/12 12:26 ] 13.投資の勉強部屋 | TB(-) | CM(0)
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プロフィール

りろんかぶお

Author:りろんかぶお
【名前】:りろんかぶお
【生年】:1987年
【出身】:千葉
【性格】:感情の起伏ゼロ。声低め。
【学歴】:東京大学大学院卒
【職業】:現在はセミリタイアし専業投資家。元総合商社勤務(M&A等)
【資格】:証券アナリスト
【趣味】:投資・麻雀・ランニング
【目標】:資本を通じて社会に貢献すること


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