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人口減少は本当にまずいことなのか?①

人口減少_20200511



日本では下図のように、人口減少、少子高齢化が問題視されていて、政府は何とか子供を増やそうと躍起になっています。

人口減少現状_20200511
出典:内閣府

そもそも、なぜ人口減少・少子高齢化はまずいのでしょうか?

それは、人口減少・少子高齢化の結果、全人口に占める生産年齢人口(今の定義では15歳~64歳)の比率が減少していくことがまずいのです。

上図を見ると、生産年齢人口比率は以下の通り減少し続けています。

1980年:67%
2017年:60%
2065年(予想):51%

なぜ生産年齢人口比率が減少することがまずいのでしょうか?

国・政府の大きな存在意義の一つとして、全国民が豊かに暮らしていくことがあります。

一方、国民の中にはまだ社会的な活動が難しい未熟な子供もいれば、体力的に生産活動を行うのが難しい高齢者もいます。

よって、子供や高齢者も含めた全国民が豊かに暮らしていくためには、いわゆる働き盛りの生産年齢の人達が、子供や高齢者も含めた全国民の衣食住を生産していく必要があるのです。
(ちなみに生産年齢層の人でも専業主婦やフリーター等、生産活動に従事していない人もいるので、実際に生産活動に従事している人口を労働力人口といいます。)

但し、生産年齢人口比率が減少すると、当然ですが生産年齢層の一人当たりが支えなければいけない非生産年齢の人が増えてしまいます。

生産性向上などで、非生産年齢の人達を支えられるうちはいいですが、生産年齢人口比率が減少し続けると、いつかは支えきれなくなる時が訪れるでしょう。

そうすると非生産年齢層の内、生活に必要な衣食住を満たせなくなってくる人が出てきてしまいます。
(現実的な制度でいうと、高齢者の場合十分な年金がもらえなくなる)

こういった理由から、生産年齢人口比率の継続的な減少というのは非常にまずい状況なのです。

ではなぜ、人口減少が生産年齢人口比率減少につながるのでしょうか?

仮に、寿命と出生率がずっと一定だとすると、長期的に見れば生産年齢人口比率はある水準に収束します。

しかし問題は、日本では長期にわたって出生率は下落傾向、寿命は長寿化傾向にあるため、いっきに生産年齢人口比率が減少してしまったのです。(下図)

出生率_20200511
寿命_20200511
出典:厚生労働省

出生率は底を打った感がありますが、今後も長寿化が進めば、生産年齢人口比率は下落していくことでしょう。

長寿化は医療が発達したからというシンプルな理由で納得できますが、なぜ出生率は下がったのでしょうか?

これはいろいろな理由が挙げられますが、やはり一番大きいのは「女性の社会進出」ではないでしょうか。

第二次世界大戦後、それまでの家父長制的な家族構造が変化し、欧米で既に普及しつつあった男女平等の概念が日本に持ち込まれました。

当然それまでの家父長制であったのが、突然主婦の人もバリバリ働きだすという風にはなりませんでしたが、時代を経て徐々に徐々にこの考え方が浸透していくのです。

更に、1972年に勤労婦人福祉法が制定・施行され、主に産休や育休など制度が整備され、それまで出産と同時に退職せざるを得なかった女性が、退職しなくてもよくなりました(当然これもそれまでの文化は急に変わらないので時間をかけて普及していくことになります)。

そして極めつけは1986年施行された男女雇用機会均等法で、 雇用に関する分野において、性別を理由にした差別を禁止することなどが定められました。

戦後のこのような男女平等の歴史を経て、文化的にも、女性が働くことが一般的となり、最近では子供を産んでも働く女性というのが一般的になってきました。

働く女性が増え、経済的に自立する女性が増えると、結婚をして子供を産むというのは、女性にとって一つの選択肢にすぎなくなります。

当然、仕事に生きがいを見つけて生涯独身を貫く人も出てきます。

また、結婚しても仕事との両立の兼ね合いで、子供を産まない女性、子供を産んだとしても一人までにしようと思う女性が増えるので出生率が下がります。

また、専業主婦志向の女性だとしても学校卒業後は、企業に就職し、数年は働くというのが一般化したため、晩婚化、晩産化が進んだことで、年齢的な問題で子供の人数が圧迫されます。

世界の先進国を見渡してみても、つい最近までは男性が働き、女性が家事育児を行うという社会構造だったので、人口は増える傾向にありましたが、男女平等というのがグローバルスタンダードになった現在において、人口減少というのは避けられないのです。

働きたい女性が増えた中、保育園の待機児童を減らしたり、保育料無償化をしたりして、どんなに子育て環境を整えたとしても、子育ての大変さというのはその程度のことで緩和されるものではないですし、そもそも結婚しない人が増えているので、出生率を劇的に上げることはできないでしょう。

今の政治では、子供を増やすことが目的化してしまっている気がします。

本来の目的は、国民が皆豊かに暮らしていく社会を作ることです。

子供を増やすというのは手段の一つでしかありません。

どのような理由であれ、子供を産みたくないのであれば産まなくていいではないか。

もし子供を産みたくても経済的に厳しい人がいたとして、国がやるべきは、子供を産んでもらうためにそのような人達を手厚く補助するのではなく、努力した人が経済的にも報われる社会の構築にもっと力を注ぐべきなのではないか。


そして、女性の社会進出が不可逆的な流れであることを考えれば、国民が皆豊かに暮らしていく社会を作る手段として、子供を増やすということは、非常にいい結果を望めない手段であるといえます。

よって、我々がもっと考えなければいけないのは、無理に子供を増やすように働きかけることではなく、人口減少・少子高齢化が進んでいくことを受け入れた上で、どのように持続的な社会を作り上げていくかということだと考えられます。

(続く)

以上

りろんかぶお

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※当ブログで紹介する理論株価は、いくつかの前提条件をりろんかぶおが独自に設定している為、その前提条件次第では計算結果が異なってきます。また当ブログは、投資に関する情報を掲載していますが、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。また、読者が当ブログの情報を用いて行う投資判断の一切について責任を負うものではありません。


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[ 2020/05/11 14:28 ] 13.投資の勉強部屋 | TB(-) | CM(0)
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プロフィール

りろんかぶお

Author:りろんかぶお
【名前】:りろんかぶお
【生年】:1987年
【出身】:千葉
【性格】:感情の起伏ゼロ。声低め。
【学歴】:東京大学大学院卒
【職業】:2019年にセミリタイアし現在は専業投資家。
元総合商社勤務(M&A等)
【資格】:証券アナリスト
【趣味】:投資・麻雀・ランニング
【家族】:妻、子供2人
【目標】:資本を通じて社会に貢献すること
【投資デビュー】:大学3年生(小遣い稼ぎのつもりがぼろ負け。。)

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