<りろんかぶおコメント>りろんかぶおの競争優位性評価(5段階評価)⇒
★★★★☆1. 企業概要・アップルはiPhoneやiPad、Macなどを販売するIT企業。
・インターブランド社が毎年公表するブランド価値ランキングでは8年連続1位を獲得中。
・近年、バフェット率いるバークシャーハサウェイの保有上場銘柄のシェアトップになったことでも有名。
2. 業界展望・アップルの売上比率の内、実に半分以上を占めるのがiPhoneです。現在はサービス部門等、iPhone一本足からの脱却を図ろうとしておりますが、やはりiPhoneの売れ行きがアップルの今後を大きく左右します。
・iPhoneが分類されるスマホは今や1人1台が必須の時代なので、将来的な需要もかなり底堅いでしょう。
・スマホはこの10年程で急速に普及し、若干飽和気味になってきているので今までのような成長は期待できないかもしれませんが、今後も堅調な伸びを見せていくと考えられます。
3. 個別企業競争力・ほぼ確実なスマホ需要が期待される中、アップルの他社に対する競争優位性は何でしょうか?日本ではスマホ市場シェアにおいてiPhoneは6割程を占め、他社を圧倒しております。
・アップルの戦略はユーザーエクスペリエンスの追求です。デザイン性の優れたアップルストアでの製品の購入、シックな箱、洗練されていてシンプルなデザイン、そしてハード(iPhone)とソフト(iOS)を自社仕様で一貫することによって生み出される最強のユーザーインターフェース。これらによってアップルは最高の顧客体験を演出し、アップル製品を持っているというそれだけで何となく優越感に浸れるというブランド価値を築いています。
・一方、世界におけるスマホの市場シェアを見てみましょう(下図)。

出典:IDC
Samsung 18.9%
Xiaomi 16.9%
Apple 14.2%
OPPO 10.5%
Vivo 10.1%
Others 29.5%
・なんとアップルは世界市場で見ると3番手です。日本にいるとアップルが圧倒的なイメージを持ちがちですが、アメリカでさえ意外とサムスンユーザーが多かったりします。その理由について以下三つが挙げられるのではないかと思います。
① 価格設定
・iPhoneは他社製品と比較して高価格で有名ですね。アップルは近年とにかくiPhone価格を上げに上げてiPhone Xではついに10万円越えとなりました。
・その分、新機能も追加されているのですが、さすがに機能に対して価格が高すぎるということで長年のiPhoneユーザーも愛想をつかし、iPhone Xあたりから他のメーカーに乗り換えた人が急増しました。
・スマホのように機能面も重視される製品では、消費者が求める無形な価値への重要性は相対的に下がります。よって、価格に対して機能面の裏付けが乏しいと判断されユーザーの離反が起きたと思われます。
・ちなみに著者も価格面の理由で今年iPhoneからOPPOに乗り換えました。
② 機能性
・冒頭で説明の通り、アップルはハードとソフトを自社仕様で仕立てることでユーザーインターフェースを極限まで追求しています。よってiPhoneは「説明書なしでも直感的に操作できる」というのが売りでこれがアンドロイドに対する大きな差別化要因です。
・実際、著者はアンドロイドOS搭載のOPPOに乗り換えてみて、やはり操作性は圧倒的にiPhoneの方がいいです。文字入力や音声入力等に関してiPhoneに慣れていたせいか、アンドロイドでは結構ストレスを感じます。
③ デザイン性
・iPhoneも究極まで洗練していて、とてもシンプルなデザインです。だからこそ飽きることもなく長い間愛される製品になっております。
・一方、シンプルゆえに他社にもまねしやすいデザインではあります。アップルが他社に対して強固なブランドイメージを維持できないようであれば、デザインによる優位性というのはないといえるのではないでしょうか。
STOP
・以上の通り、機能性はiPhoneがいいが、価格は高い、デザイン性も他社と比較して特別いいというわけではない、といったところです。
・しかし、実際にiOSとアンドロイドの両方を使ってみた著者としては、やはり次買い替えるときはiPhoneを選ぶかなと思います。
なぜならスマホは使用時間が非常に長いので、操作性が極めて重要だからです。文字入力や音声入力にストレスを感じるとそもそもスマホをいじること自体がおっくうになってしまいます。
・こういったことも考えると、iPhoneの競争優位性というのは高いといえるのではないかと考えます。
<理論株価>113ドル(2021年9月末時点)
※1 直近3年間のフリーキャッシュフローの平均が今後、米国長期平均インフレ率である2%の成長が半永久的に続くと仮定し、Discounted Cash Flow(DCF)法で計算。
※2 DCF法の概要は
こちらご参照。
NYダウ銘柄理論株価一覧は
こちらご参照ください!
<セグメント毎ビジネスモデル>1. iPhone
2. Mac
3. iPad
4. Wearables, Home and Accessories (AirPods, Apple TV, Apple Watch等)
5. Services(App Store, iCloud等)
<決算情報>・売上は365,817百万ドルと前年対比33%増加、これは昨期末予定であった新型iPhone発売が今期にずれこみ、今期は新型iPhone発売が2回あったことが主因。また、ロックダウンの影響が少なかった今期は他製品も20%以上の成長を見せた。
・純利益は94,680百万ドルで前年対比65%増加、上述の要因に加え、Service売上増によるマージン改善、研究開発費や販促費などの対売上比率が減少したことが主因。
<財務情報>









以上
りろんかぶお
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