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M&Aを手掛けた東大卒元商社マン(証券アナリスト資格有、現在はセミリタイアし専業投資家)が主に米国株の理論株価を全力分析!

【アップル】 時価総額世界最大企業の理論株価とは?(2019年9月期)

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<りろんかぶおコメント>

りろんかぶおの競争優位性評価(5段階評価)⇒★★★☆☆

1. 企業概要

・アップルはiPhoneやiPad、Macなどを販売するIT企業です。インターブランド社が毎年公表するブランド価値ランキングでは7年連続一位を獲得中。ブランドという無形な価値から利益を生み出すことにいかに優れているかがわかります。

・近年、バフェットがCEOを務めるバークシャーハサウェイの保有上場銘柄のシェアトップになったことでも有名ですね。

2. 業界展望

・アップルの売上比率の内、実に半分以上を占めるのがiPhoneです。現在は動画配信等、iPhone一本足からの脱却を図ろうとしておりますが、やはりiPhoneの売れ行きがアップルの今後を大きく左右します。

・iPhoneが分類されるスマホは今や1人1台が当たり前、必須の時代なので、将来的な需要もかなり底堅いでしょう。

・スマホはこの10年程で急速に普及し、若干飽和気味になってきているので今までのような成長は期待できないかもしれませんが、今後も堅調な伸びを見せていくと考えられます。

3. 個別企業競争力

・ほぼ確実なスマホ需要が期待される中、アップルの他社に対する競争優位性はどうなのでしょうか?日本ではスマホ市場シェアにおいてiPhoneは6割程を占め、他社を圧倒しております。

・アップルの戦略はユーザーエクスペリエンスの追求です。デザイン性の優れたアップルストアでの製品の購入、シックな箱、洗練されていてシンプルなデザイン、そしてiPhone、iOS、アプリを自社仕様で一貫することによって生み出される最強のユーザーインターフェース。これらによってアップルは最高の顧客体験を演出し、アップル製品を持っているというそれだけで何となく優越感に浸れるというブランド価値を築いています。

・一方、世界におけるスマホの市場シェアを見てみましょう(下図)。

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・なんとアップルは世界市場で見ると3番手です。日本にいるとアップルが圧倒的なイメージを持ちがちですが、アメリカでさえ意外とサムスンユーザーが多かったりします。その理由について以下三つが挙げられるのではないかと思います。

① 価格設定
・iPhoneは他社製品と比較して高価格で有名ですね。アップルは近年とにかくiPhone価格を上げに上げてiPhone Xではついに10万円越えとなりました。

・その分新機能も追加されているのですが、さすがに機能に対して価格が高すぎるということで長年のiPhoneユーザーも愛想をつかし、iPhone Xあたりから他のメーカーに乗り換えた人が急増しました。

・高価格設定にすることで、ブランド価値を高める戦略だったと思うのですが、スマホのように機能面も重視される製品では、消費者が求める無形な価値への重要性は相対的に下がります。よって、価格に対して機能面の裏付けが乏しいと判断されユーザーの離反が起きたと思われます。

・iPhone 11では6万円台~と大幅に値下げしましたが、大幅な値下げというのはアップルのようなブランド企業においては、ブランド価値を損なう行為であり、果たして一度離反したユーザーが戻ってくるどうかは今後注目です。

② 機能性
・冒頭で説明の通り、アップルはハードとソフトを自社仕様で仕立てることでユーザーインターフェースを極限まで追求しています。よってiPhoneは「説明書なしでも直感的に操作できる」というのが売りで、当初はこれがアンドロイドに対する大きな差別化要因でした。

・ところが近年の技術向上で、アンドロイドも機能面においてiPhoneと全く遜色がところまで来てます。機能面においてユーザーがiPhoneを選ぶ理由がなくなってきているのです。

・実はスマホの使い勝手の良さだけでいうとアップルより、サムスンの方が優れているという意見が多いです。アップルは自社の新製品を作る時に「これが未来だ」という感じで消費者の潜在欲求に応えるような商品を今まで出してきましたが、サムスンは消費者の現在のニーズを極限まで追求する戦略です。

・よって、革新的な商品はアップルから生まれますが、消費者の現在のニーズを的確に反映させて使い勝手の良い商品を出してくるのはサムスンです。汎用製品となったスマホにおいて、どちらが優れた戦略といえるのでしょうか?

③ デザイン性
・iPhoneも究極まで洗練していて、とてもシンプルなデザインです。だからこそ飽きることもなく長い間愛される製品になっております。

・一方、シンプルゆえに他社にもまねしやすいデザインではあります。アップルが他社に対して強固なブランドイメージを維持できないようであれば、デザインによる優位性というのはないといえるのではないでしょうか。

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・以上の通り、機能性、デザイン性において他社との差別化が難しくなっており、コスパを重要視する大半のユーザーからみてiPhoneの高価格の裏付けが乏しく、超高価格のiPhone Xによりユーザーの離反が起こりました。

・他メーカーに乗り換えたユーザーが、「なんだ他の機種でも全然便利に使えるじゃん、iPhoneに固執する必要ないじゃん」と思い、そこへきてiPhone 11で大幅な値下げが起きて「iPhone =高尚なもの」といったようなイメージも崩れ、「iPhoneも他のメーカーと変わらんな」、と思ったユーザーが多かったのではないでしょうか。

・スマホが汎用製品化している中、iPhoneの独自性・優位性が崩れつつあり、私個人的な意見としてはアップルの長期的な競争優位性は強くないと考えていて、スマホメーカーのプレイヤーの一社として厳しい競争の中で戦っていかなければならないと思います。

<理論株価>
165ドル(2019年9月末時点)
※1 直近3年間のフリーキャッシュフローの平均が今後半永久的に続くと仮定し、Discounted Cash Flow(DCF)法で計算。
※2 DCF法の概要はこちらご参照。

NYダウ銘柄理論株価一覧はこちらご参照ください!

<セグメント毎ビジネスモデル>

1. iPhone
2. Mac
3. iPad
4. Services(App Store, iCloud等)
5. その他(AirPods, Apple TV, Apple Watch等)

<決算情報>

・売上は260,174百万ドルと前年対比2.0%減少、iPhone Xの売上減少をAirPodsとApple Watchが一部相殺。

・純利益は55,256百万ドルで前年対比7.2%減少、上述の通りiPhone Xの売上減少が主要因。

<財務情報>
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以上

りろんかぶお

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※当ブログで紹介する理論株価は、いくつかの前提条件をりろんかぶおが独自に設定している為、その前提条件次第では計算結果が異なってきます。また当ブログは、投資に関する情報を掲載していますが、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。また、読者が当ブログの情報を用いて行う投資判断の一切について責任を負うものではありません。

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[ 2019/11/12 13:00 ] 6.理論株価&財務分析 | TB(-) | CM(0)
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プロフィール

りろんかぶお

Author:りろんかぶお
【名前】:りろんかぶお
【生年】:1987年
【出身】:千葉
【性格】:感情の起伏ゼロ。声低め。
【学歴】:東京大学大学院卒
【職業】:2019年にセミリタイアし現在は専業投資家。
元総合商社勤務(M&A等)
【資格】:証券アナリスト
【趣味】:投資・麻雀・ランニング
【家族】:妻、子供2人
【目標】:資本を通じて社会に貢献すること
【投資デビュー】:大学3年生(小遣い稼ぎのつもりがぼろ負け。。)

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