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石油会社の未来

石油会社


現在、地球温暖化の解決に向け世界は躍起になっています。

地球温暖化は本当に人為起源?①

2016年、気候変動枠組条約に加盟する国々によってパリ協定が発効し、産業革命前からの世界の平均気温上昇を「2度未満」に抑えること、「1.5度未満」を目指すこと、をその目的としました。

気候変動に対する国際的な取組~京都議定書からパリ協定まで~

また、2015年、国連サミットにおいては「Sustainable Development Goals(SDGs、持続可能な開発目標)」が採択されました。

これは、持続可能な世界にするための17の大きな目標と、それらを達成するための具体的な169のターゲットで構成されて、国連加盟193か国が2016年から2030年の15年間で達成するために掲げた目標です。

このように、工業化によって大量の地球資源を費消し、大量の化石燃料を燃焼することで大気中のCO2濃度を激増させ、ようやく我々は地球が悲鳴を上げていることに気づきました。

そしてそのつけは、何百年も先ではなく、我々の子供・孫世代、或いは我々が生きているうち払わなければいけない程、差し迫った状況にあります。

こうした中、化石燃料が国際的な悪者にされ、再生可能エネルギーや電気自動車がその救世主として見られています。

このような国際的な取り組みの中、悪者の代表格である石油会社は今後どうなってしまうのでしょうか?

石油の世紀とも言われた20世紀。その次の21世紀に、そんなに簡単に我々は石油から脱却できるのか?

今回は、国際エネルギー機関(IEA)がシナリオ別に予測する今後のエネルギー需要を以下で見ていきたいと思います。

Stated Policies Senario:今後気候変動に対する新たな政策や規制が施行されず、既存の枠組みのままで経済活動が行われると仮定したシナリオ

Sustainable Development Scenario:SDGsで設定されたエネルギー関連目標やパリ協定の目標を達成するために新たな政策や規制が施行され、温室効果ガス排出量を2070年までにNet ゼロにするための適切な行動がとられると仮定したシナリオ

<石油需要>

石油需要予測

Stated Policies Senarioでは、石油需要は2025年までは堅調なるも、その後ゆるやかになり、2040年には2018年対比で8%増加していることになります。

このシナリオでは、石油の主要用途である自動車ガソリン需要は2020年後半にピークアウトするものの、石油化学品、船舶、航空用の需要が増加し続けていくために、結果的に微増を続けるという結果となっております。

一方、Sustainable Development Scenarioでは、石油需要のピークは今後数年間で到来し、2040年には2018年対比で32%減少していることになります。

このシナリオでは、自動車、船舶、航空用など輸送用途向け需要の顕著な減少を想定しており、自動車に至ってはEVの普及率が2040年に50%に達していることを前提としている。一方、リサイクルの取り組みが加速する中でも石油化学品需要は増加せざるを得ない想定となっている。

以下は、Stated Policies Senarioにおける年間新車販売対数の予測です。

自動車需要予測

現在、世界の新車販売台数は年間8700万台(EVの割合は1%台)ですが、Stated Policies Senarioでは、2040年には年間3300万台のEVが販売されている見通しで、道路を走っているEVは全世界で3億3000万台にのぼると予測されています。


個人的には、Sustainable Development Scenarioはかなりアグレッシブなケースだと思うので、実際には同シナリオ程、極端に石油需要は落ちないのではないかと思っております。

石油の用途の大半はやはり自動車なので、今後EVがどこまでシェアを拡大できるかがポイントとなりそうです。

<ガス需要>

ガス需要予測

天然ガスは、同じ化石燃料である石油や石炭と比較して、温室効果ガス排出量が少ないため、近年相対的にクリーンなエネルギー源とされ、需要が急増しており一時期、時代は“ガスの黄金時代”に突入したとまで言われました。

Stated Policies Senarioでは、ガス需要は2040年まで一貫して増加し続け、2040年には2018年対比で35%増加していることになります。

一方、Sustainable Development Scenarioでは、ガス需要は2020年代は年率平均0.9%で増加していき、2020年代末にはピークに達するとの見通し。その後は、再生可能エネルギーやエネルギー効率の改善なども相まって、消費量の減少が始まり、2040年のガス需要は2018年対比で微減となりそうです。

ちなみに、以下はシナリオ別に2040年の発電方法の割合を示したものです。

電源予測

Sustainable Development Scenarioはかなりアグレッシブなケースだと考えれば、ガスの需要は今後も堅調に推移していくことが予想されますね。

<まとめ>

石油需要は今後20年間でやはり減少しそうですね。

EVは今後普及を加速させそうだが、発展途上国などでの新たな自動車需要が出てくることもあって、ガソリン車の需要は今よりかは増えそうであることが確認できました。(但し、2020年代末にはピークアウト)

これらも考えれば、やはり石油の需要というのは、急に大崩れするものではなく、今後も底堅いものがありそうだなと思いました。

ガスに限っては、相対的にクリーンなエネルギーと認識されていることもあって、再生可能エネルギー供給が確立するまでのつなぎ期間の主役として、今後20年は需要が増加しそう。

これらを踏まえると、石油会社は今後100年間必要とされるかといわれればそうではなさそうだが、今後30年間は底堅い需要があり、それに見合ったそこそこの業績を上げていくのではないかと考えられます。


以上

りろんかぶお

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※当ブログで紹介する理論株価は、いくつかの前提条件をりろんかぶおが独自に設定している為、その前提条件次第では計算結果が異なってきます。また当ブログは、投資に関する情報を掲載していますが、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。また、読者が当ブログの情報を用いて行う投資判断の一切について責任を負うものではありません。

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[ 2020/02/25 12:00 ] 13.投資の勉強部屋 | TB(-) | CM(0)
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プロフィール

りろんかぶお

Author:りろんかぶお
【名前】:りろんかぶお
【生年】:1987年
【出身】:千葉
【性格】:感情の起伏ゼロ。声低め。
【学歴】:東京大学大学院卒
【職業】:2019年にセミリタイアし現在は専業投資家。
元総合商社勤務(M&A等)
【資格】:証券アナリスト
【趣味】:投資・麻雀・ランニング
【家族】:妻、子供2人
【目標】:資本を通じて社会に貢献すること
【投資デビュー】:大学3年生(小遣い稼ぎのつもりがぼろ負け。。)

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