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リーマンショックで具体的に起こっていたこと③

リーマンショック


前回記事までで、リーマンブラザーズ破綻までに実際起こっていたことを説明しました。

リーマンショックで具体的に起こっていたこと①
リーマンショックで具体的に起こっていたこと②

今回は、なぜ米国第四位の投資銀行の破たんが世界的な大恐慌に繋がってしまったのか?について見ていきます。

結論から言いますと以下二点が大きな要因として挙げられます。

① 米国経済の大幅な冷え込みにより、米国向輸出に大きく依存していた国々に大打撃

② 金融機関のリスク許容度の急低下により、新興国や途上国に流入していた資金が一気に引き上げられ、各国で急速な資金不足、金利上昇が進んでしまったこと。

順序だてて見ていきます。

1. 政府スタンスへの不透明感

前回記事でも説明しましたが、リーマン破綻の道を選んだ米国政府・FRBの決断はほんとに正しかったのか?という点は未だに議論があるようです。

米国第5位のベアスターンズが2008年3月に経営危機に陥った時に救済されているのだから、米国第4位のリーマンブラザーズも当然救済されるだろうというのが市場参加者の見方だったのです。

この市場の期待を大きく裏切られてリーマンが破たんすることで、金融界には大きな衝撃が走りました。

これを契機に、政府のスタンスについての不透明感が高まり、大手銀行でも破たんさせられるかもしれないという懸念が急速に広がっていったのです。

2. 銀行貸出の大幅抑制

このように、資金繰りに窮した場合の最後の貸し手として絶大なる存在感があった政府が信用できなくなった当時、銀行は自己資本比率を引き上げるために、資本増強を図りながら、他方では急速に信用収縮を進めました。
そしてこれは欧州の銀行でも同じ対応がとられたのです。

この結果、国内向貸出が大幅に減少。大規模な金融危機の中、銀行はリスクに敏感になり、家計向けの住宅ローン、自動車ローン、学士ローンなどはもちろんのこと、法人向けの貸出も大幅に抑制していきました。

また対外貸出も大幅に減少しました。高金利を背景に多額の資金が新興国や途上国に流入していましたが、この流れが巻き戻されたのです。

この結果ドル買い現地通貨売りが激増し、現地の通貨価値が大幅に下落すると同時に、新興国や途上国の中には資金不足に陥り、急速な金利上昇がみられた国も出てきました。

3. 米国経済の冷え込みが貿易を介して世界に伝染

銀行の貸し出しの大幅な抑制により、住宅投資や自動車購入などの個人消費が制約を受けました。

また先行き不透明感から設備投資も先送りされ、このような経済活動の落ち込みが、雇用にも影響を及ぼし、雇用者の削減と失業率の上昇をもたらし、これが更に家計支出を圧迫しました。

このように世界最大の経済国である米国において極度に消費が冷え込んだことで、その輸入が大きく落ち込み、米国への輸出に大きく依存している日本やその他新興国、発展途上国などは大きな打撃を受けました。

STOP

上記で見てきた通り、米国のような経済大国で大不況が起こると、「貿易」を介して、一瞬にしてその不況が世界に伝搬してしまうことがわかります。

これがいわゆる「アメリカがくしゃみをすると日本は風邪をひく」ということの意味ですね。

国によっては当事者のアメリカより大きな打撃を受けてしまうとこ炉も出てきてしまいます。

そして、今や米国のGDPは世界第三位の日本の4倍程迄拡大しており(2020年2月現在)、その影響力は年々増しているのが現状です。。




最後に、当時のFRB議長であるバーナンキが、事後のヒアリングで以下の通り率直に述べているそうです。

「リーマン破綻の経済への影響についての見解は様々であり、0から100までのスケールで表すと、一部の人は『軽微な混乱』が起こる程度であるとみていたが、自分は90~95ぐらいの影響があると思っていた。しかし、実際には、140ぐらいにもなった。誰の予想よりも深刻だった。」

恐らくあれほど迄の世界的な恐慌になることがわかっていればFRBはリーマン救済を強行したのでしょうが、その影響を見誤ったことは間違いないようです。


以上

りろんかぶお

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※当ブログで紹介する理論株価は、いくつかの前提条件をりろんかぶおが独自に設定している為、その前提条件次第では計算結果が異なってきます。また当ブログは、投資に関する情報を掲載していますが、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。また、読者が当ブログの情報を用いて行う投資判断の一切について責任を負うものではありません。
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[ 2020/02/05 10:50 ] 13.投資の勉強部屋 | TB(-) | CM(0)
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プロフィール

りろんかぶお

Author:りろんかぶお
【名前】:りろんかぶお
【生年】:1987年
【出身】:千葉
【性格】:感情の起伏ゼロ。声低め。
【学歴】:東京大学大学院卒
【職業】:2019年にセミリタイアし現在は専業投資家。
元総合商社勤務(M&A等)
【資格】:証券アナリスト
【趣味】:投資・麻雀・ランニング
【家族】:妻、子供2人
【目標】:資本を通じて社会に貢献すること
【投資デビュー】:大学3年生(小遣い稼ぎのつもりがぼろ負け。。)

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