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リーマンショックで具体的に起こっていたこと②

リーマンショック


前回に引き続きリーマンショックで具体的に起こっていたことについて調べていきます。

今回はリーマンブラザーズが破たんした真相について。

<リーマンブラザーズ破綻の真相>

前回記事の通り、2007年夏頃にサブプライム危機が起こり、サブプライムローン証券化商品流通価格の暴落が起こりました。

一方で、リーマン自身は同商品の販売は行っていたものの、自分自身そこまでサブプライムローンを抱え込んでいたのかという疑問がありました。

実際にリーマン破たん直前である、2018年5月31日時点の財務報告書からバランスシートを確認してみましょう。(以下)

Untitled spreadsheet
リーマンブラザーズBS(2018年5月31日時点)(百万ドル)
資産 負債・純資産
現金・現金同等物 6,513 短期有利子負債 35,302
金融商品ロングポジション 269,409 長期有利子負債 128,182
担保付債権 294,526 金融商品ショートポジション 141,507
その他 68,984 担保付借入 183,266


その他負債 124,899






純資産 26,276
合計 639432
639,432


上記バランスシートの内、金融商品ロングポジションが金融投資に当たるところですが、バランスシート全体に占める割合も多く、これを見るだけでも、金融商品販売のみならず、自身でもかなりの金融投資ポジションを持っていることがわかります。

さて、この金融商品のロングポジションの中にどれだけサブプライムローンという爆弾が含まれているかを見てみました。以下がサブプライムローン残高です。

Untitled spreadsheet

5/2008 11/2007 11/2006
サブプライムローン(百万ドル) 2,755 5,276 6,849
金融商品ポジションに占める比率 1.02% 1.68% 3.02%


実は、サブプライムローン残高は金融商品ロングポジションの中でたったの1%程度、サブプライムローン価格が暴落する前の2016年11月末時点でも3%程度を占めているにすぎないことがわかりました。

つまり、リーマンは積極的にサブプライムローン証券化商品販売を行っていたものの、同ローンの在庫(自社保有ポジション)はかなり限定しており、サブプライムローン証券化商品価格の暴落はリーマンにはほとんど影響を与えていなかったことがわかります。

(但し、サブプライム危機に端を発して、多くの資産価格が下がりましたので、そういった意味ではもちろんリーマンも打撃を受けております。)

では、リーマン破綻はなぜおこったのか?

直接的な原因は資金繰りが立ち行かなくなったためですが、なぜ資金繰りが立ち行かなっくなったかというと、過度にレバレッジがきいた財務体質が本質的な原因といわれています。

バランスシートを見てもわかる通り、自己資本に当たる純資産に対して過度な債務を抱えております(自己資本比率は4.1%)。

金融機関は一般的に、借入と貸出の少ない利ザヤで稼ぐため、バランスシートが大きくなりがち(自己資本比率は小さくなりがち)ですが、資産側はあくまで安全資産であることが大前提です。資産価格の変動が激しいものだとすぐに債務超過になってしまうからです。

一方でリーマンの場合、サブプライムローンのような高リスク資産は限定的なるも、多くのリスク資産を抱えており、住宅バブル崩壊という外部環境も相まって債務超過するかしないかギリギリのところまでいってしまったといわれております。(債務超過したかどうかは正確には公表されていない?)

2018年9月10日に、リーマンが8月末締めの四半期決算が赤字になることを発表するとリーマン破綻懸念が一気に広まり、格付け会社は週末までに資本増強を行わないと格下げすると通告しました。

破たん懸念や格下げ懸念から、急速に資金流出が起こり、資金繰りが立ち行かなくなり9月15日に破産申請することになったのです。

ここでもう一点不思議なのが、なぜFRBはリーマンのような巨大投資銀行を救済しなかったのかという疑問です。

というのも、金融機関の場合、倒産した場合の負の影響が大きいため「大きくてつぶせない」という考え方があり、実際にリーマン以前にも、経営危機に陥った大手企業や金融機関は政府やFRBの支援を受けて救済されるケースが多かったのです。

実際に、全米第五位の大手投資銀行であったベアスターンズ(リーマンは第四位)が2008年3月に経営危機に陥った時には、財務省やFRBの支援の下に、JPモルガンチェース銀行への吸収合併が行われ大きな影響は回避されていました。

ではなぜリーマンは政府・FRBに見捨てられたのか?

ここの真相は未だにはっきりとせず諸説あるのですが、当時の当事者である、ガイトナーNY連銀総裁、ポールソン財務長官、バーナンキFRB議長の発言によると、

「FRBには担保不足の金融機関を救済する法的な権限はなく、救済は不可能であった」

「当然リーマン破たん回避のために全力を尽くしたが、バンク・オブ・アメリカはリーマンではなくメリルリンチを救済した。バークレイズは(英国)当局の介入でリーマンの買収を見送った」

「リーマンからは顧客、取引先のみならず従業員も逃げ出しており、手の打ちようがなかった」

といったことが述べられています。

実際のところ、リーマン救済を強行することはできたのは事実ですが、さまざまな要素を検討して政府・FRBは救済という道を選ばなかったということになります。

STOP

次回は、リーマンブラザーズという、米国第四位の投資銀行の破たんが、なぜ全世界的な大恐慌に発展してしまったのかというのを見ていきたいと思います。

以上

りろんかぶお

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※当ブログで紹介する理論株価は、いくつかの前提条件をりろんかぶおが独自に設定している為、その前提条件次第では計算結果が異なってきます。また当ブログは、投資に関する情報を掲載していますが、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。また、読者が当ブログの情報を用いて行う投資判断の一切について責任を負うものではありません。
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プロフィール

りろんかぶお

Author:りろんかぶお
【名前】:りろんかぶお
【生年】:1987年
【出身】:千葉
【性格】:感情の起伏ゼロ。声低め。
【学歴】:東京大学大学院卒
【職業】:2019年にセミリタイアし現在は専業投資家。
元総合商社勤務(M&A等)
【資格】:証券アナリスト
【趣味】:投資・麻雀・ランニング
【家族】:妻、子供2人
【目標】:資本を通じて社会に貢献すること
【投資デビュー】:大学3年生(小遣い稼ぎのつもりがぼろ負け。。)

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