バフェット部 セミリタイアした東大卒元商社マンの米国株情報サイト

M&Aを手掛けた東大卒元商社マン(証券アナリスト資格有、現在はセミリタイアし専業投資家)が主に米国株の理論株価を全力分析!

リーマンショックで具体的に起こっていたこと①

リーマンショック

出典:トウシル

2008年9月のリーマンブラザーズ破綻に伴う世界大恐慌であるリーマンショック。

リーマンショックというと、信用の低い人達に対する住宅ローンであるサブプライムローンが暴落して、それを大量に抱えていたリーマンブラザーズも破綻してしまった、となんとなく理解している人が多いのではないでしょうか?

でも、そもそも、リーマンのような投資銀行は、自身で投資エクスポージャーを大量にとるわけではなく、投資家に金融商品を販売したり、M&Aの助言を行うはずなのに、なんでそんなにサブプライムローンを保有していたの?

リーマンのような巨大な金融機関は、「大きくてつぶせない」企業であり、それまでは国からの救済措置で救われてきたのに、なぜリーマンは見捨てられたの?

リーマンブラザーズという、言ってみればただの米国第四位の投資銀行の破たんがなぜ世界的な大恐慌を招いたの?

と、考えてみれば様々な疑問があります。

現在、米国株は史上最高値付近にあり、いつ暴落が来てもおかしくないといわれていますが、そんな時だからこそ、前回の大暴落であるリーマンショックに学べることはないか?という視点で、当時実際に何が起きていたかを詳しく見ていきたいと思います。

リーマンショックを語るにあたっては、まずサブプライム危機について知る必要があり、本日はそれに就いて調べていきたいと思います。

<2007年夏のサブプライム危機>

2000年代前半の米国ではサブプライムローンというものが流行りました。

サブプライムローンとは、米国の信用度の低い借り手向け住宅ローンのことです。

銀行からしたら、もちろんお金を貸す相手は信用度が高い方がいいに決まっているのですが、当時の米国は住宅価格が毎年上がり続けていたこともあり、借り手からしたら「借金の返済が難しい」となれば、家を売って(しかも元値より高く)借金を返済、或いは銀行が担保である住宅を召し上げてそれを売却すれば解決したので、住宅価格の上昇が続く局面においては問題がなかったのです。

そのような時期にサブプライムローンに目を付けたのが当時全米第四位の投資銀行であったリーマンブラザーズです。

通常の投資銀行の本業はM&Aアドバイザリーサービス等ですが、当時投資銀行業界で米国第四位に甘んじていたリーマンは、競合他社を追いつき追い越す手段としてサブプライムローン証券化商品の販売に目を付けたのです。

ここでリーマンがやろうとしたサブプライムローン証券化商品の販売の仕組みは以下です。

まず銀行が信用度の低い借り手に対して住宅ローン(サブプライムローン)を貸し付けます。

リーマンブラザーズはこのサブプライムローンを銀行から大量に買い取ります。

そして複数のサブプライムローンを束ねたり、他の証券を組み合わせたりして、証券化します。

サブプライムローン自体は信用度の低い人へのローンですが、他の証券と組み合わせ、利払いの不確実性を薄め、複雑な証券とすることで、リスクがあいまいとなり、なんと格付け会社から高格付けを取得します。

ものによっては最高格付けのAAAを取得したりしていて、そもそもこれがありえませんでした。

世の中の年金基金や巨額資金を運用する機関投資家は、格付を基に運用を行うため、海外の投資家含めサブプライムローン証券化商品の本来のリスクをしっかり把握しないままこれらを購入しました。

このようにして、サブプライムローンという、リスクの大きい、爆弾のようなものが、リーマンなどの投資銀行による証券化を通じて、米国内全体及び海外にもばらまかれて行ったのです。

ここでサブプライムローンの特性を振り返りますが、これは住宅価格の上昇というのが大前提としてありました。

但し、当然ですが価格というのは需要と供給で決まるので、需要が無限ではない限り過剰な供給が続けばいつかは価格上昇は止まるのです。

当然、米国でもサブプライムローンが住宅建設をあおったこともあり、いつしか、見渡してみれば、需要以上の家が大量にある状態となり、住宅価格の上昇が止まりました(下図ご参照)。

ケースシラー米住宅価格指数
住宅価格

住宅価格が上がるという前提が崩れた瞬間、ローン返済に困って住宅を高値で売ろうと思っても思ったような価格で売れない人、というのが急増し、サブプライムローンの延滞率も増加していきました。これが2006年後半ごろです。

延滞率

そしてこのような状況を察知した格付会社は、世界中にばらまかれていたサブプライムローン証券化商品を次々に格下げしていきました。

すると、高リスク資産への運用が規制されている年金基金や安定運用ファンドなどは、サブプライムローン証券化商品を処分せざるを得なくなる事態が一斉に起こり、これにより同商品の流通価格は2007年夏ごろに大暴落を始めたのです。

サブプライムローン証券化商品の流通価格
証券価格

安定運用を掲げている世界中の機関投資家が大打撃を受けてしまったのです。つまり、ばらまかれた爆弾が爆発した形となりました。

これが世に有名なサブプライム危機です。

さて、リーマンブラザーズはサブプライムローン証券化商品を世界中にばらまくという点において、重大な役割を果たしてしまいました。

但し、サブプライムローンのリスクは販売が完了した時点で買い手側の投資家に移転していることになるにも関わらず、リーマンブラザーズはなぜ倒産してしまったのでしょうか?

STOP

次回はリーマン破綻に続きます。

以上

りろんかぶお

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※当ブログで紹介する理論株価は、いくつかの前提条件をりろんかぶおが独自に設定している為、その前提条件次第では計算結果が異なってきます。また当ブログは、投資に関する情報を掲載していますが、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。また、読者が当ブログの情報を用いて行う投資判断の一切について責任を負うものではありません。
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プロフィール

りろんかぶお

Author:りろんかぶお
【名前】:りろんかぶお
【生年】:1987年
【出身】:千葉
【性格】:感情の起伏ゼロ。声低め。
【学歴】:東京大学大学院卒
【職業】:現在はセミリタイアし専業投資家。元総合商社勤務(M&A等)
【資格】:証券アナリスト
【趣味】:投資・麻雀・ランニング
【目標】:資本を通じて社会に貢献すること


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