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世界の中央銀行はなぜ「2%」の物価上昇を目指すのか?

インフレ目標


日本、アメリカ、EUなどの中央銀行は、基本的に「2%程度」の物価上昇を目標に金融政策を行っております。

一方で、例えば日本銀行法に定められているように、日本銀行が行う金融政策の目的は、「物価の安定を図ることを通じて国民経済の健全な発展に資すること」です。

物価の安定が目的であれば物価上昇は±0を目指すべきでは?

この疑問に対して以下の日銀黒田総裁の講演で丁寧に説明されているのでわかりやすいです。

https://www.boj.or.jp/announcements/press/koen_2014/ko140320a.htm/

要約すると以下の通り。

1. デフレの問題点

近年の日本はデフレ(物価減少)が問題されていますが、物価が下がることは消費者にとってうれしいはずなのになぜこれが問題なのでしょうか?

デフレの環境下では、消費者の需要が弱いので、企業からすると製品の価格を上げることができず、売上が伸びません。

そんな中でも業績を改善するために、人件費や設備投資を抑制します。

人件費が抑制されて従業員の給料が下がると、更に人々はモノを買うのを控えるようになります。

すると、企業は何とかモノを売るために値段を下げます。

このループがデフレスパイラルと呼ばれ、これが続くと経済規模の縮小に歯止めがかからず、人件費の抑制では収まらず、リストラが敢行され、世の中に失業者があふれ、大変な事態となってしまいます。。

これがデフレの問題点です。

2. なぜ「2%」の物価上昇を目指すのか?

デフレが問題なのは分かった。

でも、日本銀行は物価の安定を目指すことが目的なのだから、物価上昇±0を目指せばいいのでは?と思うかもしれません。

実は、世界の先進諸国が「2%」の物価上昇を目指す理由は以下2つあります。

① 物価指数による特性 —消費者物価指数の上方バイアス—

多くの中央銀行では、物価の基調判断に当たって、消費者物価指数を中心に用いています。

なぜなら、消費者物価指数は、国民の実感に即した、家計が消費する商品やサービスを対象とした指数であり、また、月次で公表されるため統計の速報性があるからです。

一方で、消費者物価指数には、指数の上昇率が高めに出る傾向があることが知られています。

よって、消費者物価指数の前年比で「物価安定の目標」を示す場合には、ある程度プラスの値にする必要があるのです。

② 金利引き下げ余地の確保 —いわゆる「のりしろ」—

景気に対して中立的な金利水準は、「経済の潜在成長率+物価上昇率」であらわされます。

例えば1年で物価が2%上昇するのに、金利が1%では、差引き1%分損することになりますよね?

ということで通常、金利は物価上昇率+αで決定されるのです。

また、通常景気後退期に経済を刺激するために中央銀行が行う最も有効的な金融政策として利下げがあります。

なので、この必殺技を使うために、景気が順調な時は、利下げをする余地を確保しておきたいのです。

利下げ余地の確保ということだけみれば、物価上昇率は高ければ高いほどよいということになります。

しかし、金融政策が目指しているのは、物価の安定を実現することです。

利下げ余地確保と物価の安定の両者のバランスが重要で、これが国際的に「2%」程度が良いという考えが一般的になっているということです。

STOP

・リーマンショック以降、日米欧の中央銀行はそろってこの2%物価上昇を目標に掲げ、金融政策を行ってきましたが、なかなかこの目標が達成できません。

・これだけ金融緩和を行っても、物価が上がらないことに各中央銀行は頭を悩ませ、既存の金融政策の限界がささやかれてますね。

・ネットで簡単に情報が手にはいる中、人々はもっとも安くてよい商品にリーチしやすくなったのも一つの原因だと思います。

・各国の金利がゼロ近辺にへばりつく中、そろそろ足音が聞こえてきそうな大恐慌に耐えられるのでしょうか?今から心配ですね。


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[ 2020/01/16 11:26 ] 13.投資の勉強部屋 | TB(-) | CM(0)
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プロフィール

りろんかぶお

Author:りろんかぶお
【名前】:りろんかぶお
【生年】:1987年
【出身】:千葉
【性格】:感情の起伏ゼロ。声低め。
【学歴】:東京大学大学院卒
【職業】:現在はセミリタイアし専業投資家。元総合商社勤務(M&A等)
【資格】:証券アナリスト
【趣味】:投資・麻雀・ランニング
【目標】:資本を通じて社会に貢献すること


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