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米国大統領の役割と仕事を解説

米国daitouryouimage


今回は、知っているようで知らない米国大統領の仕事を解説していきたいと思います。

大統領の仕事を理解するうえで、米国の国家形態、政治形態を理解する必要がありまずはそこから説明していきます。

1. 米国の国家形態

米国の国家形態は連邦制です。

つまり、米国は50の異なる国(州)が一つの主権の下に結合された国家なのです。

合衆国憲法では、連邦政府の権限は帰化、破産、通貨、度量衡、通商、郵便、著作権、国際法、宣戦、軍の統制規律、徴税と借金などに関する事項に限定されており、それ以外の全ての権限は州に任されると規定されているのです。

州が一つの国として成り立っている為に、各州には州憲法、州政府、州議会、州裁判所がしっかりと存在します。

法律も違うということで、例えば死刑制度がある州もあれば無い州もある、消費税率も州によって違う、学校教育制度も小中高の年数が6・3・3制、4・4・4制、6・6制等さまざまです。

このように、まったく違う州が集まってひとつの国を作っているのが米国です。よって米国内の政治、つまり内政に関しては州が主体で連邦政府は大きな力は持っておりません。

2. 米国の三権分立

連邦政府は、①立法府(合衆国議会)、②行政府(大統領を長とする15省から成る)、③司法府(連邦最高裁判所、下級裁判所)の三つの部門からなる三権分立システムです(日本と同じ)。

米国三権分立
出典:Wikipedia

① 立法府:合衆国議会
上院(日本でいう参議院)と下院(日本でいう衆議院)からなる二院制。
法律制定に加え、条約の批准承認、予算策定、外国への宣戦布告および軍事行動の承認などがある。

下院は定数435で各州からの選出定員は人口に比例。2年ごとに全議員が改選。
上院は定数100で各州一律2名ずつ。任期6年で2年ごとに3分の1の議員が改選。

② 行政府
合衆国議会にて成立した法律に従って国を統治していく部隊。大統領の指揮の下15の省が存在する。

大統領が居住し執務を行う官邸がホワイトハウスであり、ホワイトハウスはしばしば行政府の代名詞として使われる。

③ 司法府:最高裁判所、下級裁判所

3. 大統領の権限

大統領は、憲法上は行政権の単独保有者で、軍隊の最高司令官です。

憲法上定められた代表的なものとして、

・軍の統帥権
・議会に教書(Message)を送って立法措置を勧告・要請する権限
・臨時議会の召集権
・議会の停会権
・法律の実施権
・法案の拒否権 (前述)
・外交使節・最高裁判事・各省長官の任命権
・条約の締結権
・大統領令の発令
Etc.
などがあります・

行政権としては、各省長官の任命権、条約の締結権(上院出席議員2/3の賛成が必要)などがあり、行政府や軍に対して、議会の承認を得ることなく、直接命令できる大統領令の発令権限があります。
権限の制限範囲は憲法で明記されていないが、議会が反対法案を作ることや最高裁判所による違憲判断がブレーキ役となるようです。

立法関連では、基本的には議会の制定した法律を執行するのみで、議会に対して法案提出権も解散権もありません。大統領が議会に対して行なえるのは、議会に教書を送って立法措置を勧告・要請することと法案の拒否権(但し両院ともに2/3以上の賛成で再可決可能)があります。

司法府に対しては、最高裁判事の任命権を有していることで影響力があります。

軍の指揮権に関しては、大統領は合衆国軍(陸軍・海軍・空軍・海兵隊・沿岸警備隊)の最高司令官としての指揮権があります。

宣戦布告、軍隊の編成は議会権限ですが、今日では、議会による宣戦布告を悠長に待っていては敵対国から先制攻撃を受けてしまったりする危険性があるため、大統領はこの指揮権を根拠に宣戦布告なしで戦争を開始できることが慣例的に定着しています。

つらつらと書きましたが、大統領の仕事の多くは、軍事関連を含めた外交の仕事ではないでしょうか。大統領はあくまで法の執行者であり、決まり事(法律)をつくる権限はないのです。
また前述の通り、内政に関しては州が主体であり連邦政府の役割は限られているので、目立つ仕事というのは自然と外交がメインになってくるのです。

4. 大統領権限においてなされたこと(例)

・米中貿易戦争における関税引き上げ

基本関税のような決め事は基本的に議会によって決められるものでは?と思うのですが、通商法301条というものが存在し、そこでは「外国による不公正な貿易慣行に対し、大統領の判断で一方的に関税引き上げなどの制裁措置が取れる」と規定されているのです。これを根拠にトランプ大統領が自身の判断で貿易戦争できてしまっているのです。

・メキシコ国境への壁建設

これは大統領令として発されたものですが、壁建設の予算は議会の承認が必要な為、実質的には議会の判断が加わります。但し、2019年9月に国防総省の予算から壁建設費用の為の予算を転用することが承認されたようで、現段階において壁建設を進めることが可能になっているようです。但し、これに関しては多くの反対もあるので実際に進むかどうか。。ちなみにこれも誤解している人が多いですが、米国とメキシコの国境沿いには既に一部区間で壁が存在しています。トランプ大統領はこれの追加建設を言っているんですね。トランプ大統領がいきなり変なことを言い出したわけでもないようです。

・TPP離脱

これは大統領令として発されたものです。民主党オバマ政権下ではTPP締結すべく最終調整に入っていたところですので、民主党としてはTPP締結したかったので、大統領令に反対する法案を作成すればいいところですが、当時上下院共に共和党が過半をとっていたので何もできなかったものです。

ちなみに2017年に大規模な法人減税が行われましたが、これはしっかりと議会で可決されたものです。あまり事情を知らないと、トランプ大統領が大胆なことをやったと思いがちですがしっかり議会の承認のプロセスを経ているのですね。

STOP

・トランプ大統領就任当時は上下院共に共和党が過半を握っていた為、議会の承認を必要市内大統領令を使っていわばやりたい放題の状態でした。

・一方2018年の中間選挙以降、下院では民主党が過半を握ったので(上院は引き続き共和党が過半)、あまり大胆な政策を打てなくなってきているのが現状というところでしょうか。

・トランプ大統領の政策はかなり過激で突飛な印象が強いですが、基本的には共和党の思想の下行われているものが多く、過激なツイッター発言などを差し引けば、自身の強力な交渉力を武器にうまくやっているという評価もされております。

以上

りろんかぶお

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※当ブログで紹介する理論株価は、いくつかの前提条件をりろんかぶおが独自に設定している為、その前提条件次第では計算結果が異なってきます。また当ブログは、投資に関する情報を掲載していますが、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。また、読者が当ブログの情報を用いて行う投資判断の一切について責任を負うものではありません。

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[ 2019/12/27 14:20 ] 13.投資の勉強部屋 | TB(-) | CM(0)
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プロフィール

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Author:りろんかぶお
【名前】:りろんかぶお
【生年】:1987年
【出身】:千葉
【性格】:感情の起伏ゼロ。声低め。
【学歴】:東京大学大学院卒
【職業】:現在はセミリタイアし専業投資家。元総合商社勤務(M&A等)
【資格】:証券アナリスト
【趣味】:投資・麻雀・ランニング
【目標】:資本を通じて社会に貢献すること


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