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Uberの企業研究③

Uber rogo


前回に引き続き、ライドシェア界のパイオニアであるUberについて研究していきます。

前回記事↓
Uberの企業研究①
Uberの企業研究②

今回はUberの今後について簡単に記載してみます。

<ライドシェア市場規模の推移>

全世界のライドシェア企業の合計売上高予測
(※但しここでいうライドシェアの定義はオンライン配車サービス全て。よってUberのようなビジネスモデルのみならずオンラインでタクシーを配車できるサービスなども含む)
Ride hailing revenue forecast_2019

全世界のライドシェアユーザー数予測
Ride hailing user forecast_2019

・ライドシェア業界の2019年の売上高は183,677百万ドル(予測)。

・これが年間平均14.8%ずつ伸びて2023年には318,765百万ドルまで増加すると予測されている。

・また2023年までにユーザー数も1.5倍以上に増加する見込み。

<ライドシェア企業の競争要因>

・上記のようにライドシェア業界は今後も力強い伸びが期待できそうです。そんな中、世界にはUber、DiDi、Grab、Lyft等々、多数プレイヤーがいる中、他社との競争に勝っていくためには何が決め手になりそうでしょうか?

・ユーザーがどのアプリを使うかを選択するときのポイントは何でしょうか?大きなものは、やはり運賃の安さと、乗りたいときにすぐ乗れるか、がポイントになると思います。

・ドライバーがどのアプリを使うかを選択するときのポイントも、ドライバーの取り分の多さと、すぐ客が捕まるかだと思います。

・つまり、ポイントは運賃と、いかにすぐにユーザーとドライバーをマッチングできるか、ということになると思います。

・ユーザーが支払う運賃は、①ドライバーの取り分と②ライドシェア企業の取り分に分類できますが、いずれも複数の競争相手がいる場合、市場の原理が働いてある均衡点に収束していきます。つまり、十分な競争がある下では、ユーザー目線での運賃もドライバーの取り分も、どの企業のアプリを使っても変わらないということになります。

・ではもう一つの要素であるユーザーとドライバーのマッチングにおけるポイントは何でしょうか?最も大きなポイントは、ユーザーとドライバーの多さですね。だからこそ、各社紹介料やキャンペーンなどあの手この手を使って、利用者を増やそうとしているわけです。

・よって一つのポイントは、この利用者獲得争いの中での赤字を垂れ流す期間に耐えられる資本力の強さというのがあるかなと思います。

・ただ、Uberのライバルである、DiDi、Grabなどは資本力の面でもUberに負けてないと思いますので他にポイントはあるのでしょうか?

・ユーザーとドライバーのマッチングにおけるポイントで、もう一つ重要な要素があると思います。それがAIによる客位置予測機能です。

・ライドシェア各社はAIを使って、例えば1時間後にどのエリアで、どれくらいの需要が発生しそうかを、客の行動パターンやその日の天気、イベント情報などあらゆるデータから予測させる、客位置予測機能を備えております。

・この客位置予測の精度が高ければ高い程、ドライバーにとってはアイドリング時間を減らせるので自分の稼ぎを増やすことができるのです。

・各社この技術には取り組んでいるのですが、AIによる予測には多くのデータが必要であり、つまり現時点でより多くのデータを収集できた企業がより精度の高い客位置予測機能を構築でき、そうするとドライバーが増え、ユーザーが増え、そうすると更にデータが集まりAIの精度が高まり、更にドライバーとユーザーが増えるという好循環が生まれます。

・よって、現時点で最も多くの顧客データを持っている企業が今後も強くなっていく業界なのかなと考えます。

・資本力、顧客データの量、この2点において現時点でのNo 1は紛れもなくライドシェアのパイオニアで早くから全世界で事業を行うUberでしょう。こう考えると、今後の市場規模拡大の多くの部分をUberが取り込んでいくのではないかと思います。

<今の株価は安いか>

・Uberは世界中の投資家が期待する企業でもあり、既にその成長が十分に織り込まれている可能性もあります。

・Uberの現時点(2019年12月5日時点)での時価総額はおよそ50,000百万ドルです。Uberのように、成長市場に属する現時点では赤字の企業の企業価値を測るのは非常に難しいです。

・仮に、市場が成熟した時にPERが20倍程の利益を稼いでいればいいとすると、時価総額50,000百万ドルにたいしてPER20倍なので純利益が2,500百万ドル。

・2018年10月~2019年9月までのUberの配車サービス部門のEBITDA(但しコーポレート費用を除く)が合計1524百万ドル、これが2023年までの市場の成長率14.8%/年(冒頭の<市場規模の推移>ご参照)で伸びていくとすると、2023年には、2647百万ドルに達します。

・実際には、ここから研究開発費やコーポレート費用、支払い利息、減価償却費、税金などが引かれ、更に他事業で赤字を出し続けている可能性もあるので、純利益にするともっと小さくなるはずですが、更に長期的な目線で考えれば、純利益2500百万ドルというレベルは達成できるのではないでしょうか?

<自動運転の未来、将来の脅威>

・モビリティの世界での、次のもっと大きな革命は自動運転技術といわれていて各社が研究開発を競ってますね。

・Uberも自動運転の分野に大きな研究開発費を投じているのですが、激しい研究競争の中では後手に回っているイメージです。自動運転の分野でトップを走るのはGoogleのウェイモ。GoogleはUberの株主でもあるので、Uberの味方かと思いきや、数年前にUberがウェイモの自動運転技術を盗もうとしたことがあり、そこでウェイモに嫌われて、現在ウェイモはLyftと組んでおります。

・では、自動運転が商用化されたときに今のライドシェア企業は淘汰されていくのでしょうか?

・そんなことはないと思います。配車サービスの機能は、あくまでユーザーとドライバーをマッチングさせることにあります。自動運転が普及してドライバーのコストがかからなくなって運賃が下がったとしても配車サービス企業は自動運転車とユーザーをマッチングさせるだけです。

・仮にGoogleが自動運転車の商用化に唯一成功して、Lyftと独占契約を締結して自動運転車による安い運賃はLyftでしか実現できないとしましょう。しかし、世界中に何十億といる配車サービスの利用者全てに自動運転車による低運賃サービスを提供するにはものすごい時間がかかるでしょう。なぜなら、自動運転車はそこらじゅうの道路を走りまわっているわけではなく、1から製造していかなければならないので。

・そしてその間にGoogle以外の企業が自動運転を商用化させるので、Uberはそういった企業と組んで自動運転車による低運賃をユーザーに提供していけばいいのです。

・こう考えると、自動運転車は将来のモビリティを大きく変えるのはそうなのですが、配車サービス企業の役割はあくまでユーザーとドライバーのマッチングなので、これは今後もモビリティのインフラとして残り続けるものと考えます。

以上

りろんかぶお

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※当ブログで紹介する理論株価は、いくつかの前提条件をりろんかぶおが独自に設定している為、その前提条件次第では計算結果が異なってきます。また当ブログは、投資に関する情報を掲載していますが、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。また、読者が当ブログの情報を用いて行う投資判断の一切について責任を負うものではありません。



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[ 2019/12/05 12:09 ] 7.企業研究 | TB(-) | CM(0)
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プロフィール

りろんかぶお

Author:りろんかぶお
【名前】:りろんかぶお
【生年】:1987年
【出身】:千葉
【性格】:感情の起伏ゼロ。声低め。
【学歴】:東京大学大学院卒
【職業】:2019年にセミリタイアし現在は専業投資家。
元総合商社勤務(M&A等)
【資格】:証券アナリスト
【趣味】:投資・麻雀・ランニング
【家族】:妻、子供2人
【目標】:資本を通じて社会に貢献すること
【投資デビュー】:大学3年生(小遣い稼ぎのつもりがぼろ負け。。)

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