こんにちは!
バフェット部のりろんかぶおです!
今回は、コーポレートガバナンスに見る投資家にとっての米国企業の優位性について考えていきたいと思います。
1. コーポレートガバナンスとは2. 日米の経営者の目線3. データに見るコーポレートガバナンス4. まとめ
1. コーポレートガバナンスとは
コーポレートガバナンスとは、「会社が、株主をはじめ顧客・従業員・地域社会等の立場を踏まえた上で、透明・公正かつ迅速・果断な意思決定を行うための仕組みを意味し、
持続的成長と中長期的な企業価値向上を目的とする」ものです。
2. 日米の経営者の目線
コーポレート・ガバナンスの主権者(会社は誰のものか)は、会社法上では、(1)出資者である株主が取締役の選任権を有し、最終的に事業の運営を支配していること、(2)事業の活動によって生じる利益が株主に帰属することの2点をもって、
株式会社の所有者は株主であると解釈されております。
しかしこのような考えがある中、日本では
企業は従業員のものという考え方が広く浸透しております。
このような考えが基盤にあることから、日本企業の経営者は従業員の雇用維持や権利確保に目を向けた経営を行いがちで、企業の所有者であり一番リスクをとっているはずの株主の利益がないがしろにされております。
一方で米国では、企業は株主のものであり企業活動の究極的な目的は
株主価値の最大化という考えが広く浸透しており「株主至上主義」とも言われたりします。
これはこれで行き過ぎた考え方だといった議論もありますが、こういった考えが基盤にあるからこそ、米国では経営者がしっかりと株主を見た経営を行っております。経営者がしっかりと株主目線での経営を行うように、大半の米国上場企業では経営者報酬にストックオプションを導入しており、
経営者と株主の利害を一致させるような方策がとられております。(これに対して、日本では全上場企業の内僅か18%の企業しかストックオプションを導入していません。出典:https://www.willistowerswatson.com/ja-JP/press/2017/08/Stock-based-compensation-implementation-status-survey)
3. データに見るコーポレートガバナンス
株主目線の経営がなされているかどうかは数字を見ても明らかです。
<ROE (Return On Equity)>ROEは株主資本がいかに効率的に運用されているかを示す指標ですので、株主利益を最大化させる上ではROEを高めることが非常に重要であるとされております。
以下のように米国企業のROEは日本の1.5倍程あり、歴然たる差があります。
日本:7.49% (東証一部上場企業平均、2017年11月末時点)
米国:11.67% (全市場、2017年6月末時点)
出典
日本:http://www.jpx.co.jp/markets/statistics-equities/misc/04.html
米国:https://csimarket.com/Industry/industry_ManagementEffectiveness.php?&hist=1
<株主還元>コーポレートガバナンス的には、企業活動を通じて得た現金は更なる成長の為に再投資されるか、具体的な投資がなく保有現金が余剰の場合は株主に還元されるべきです。
日本企業では内部留保が2016年度末で過去最高の400兆円越えとなったと報じられておりますが、これは再投資用の資金というよりもただ単に何かの時の為にとっておきたいという意味合いが強く、いかに株主目線の経営ががなされていないかを物語っております。
以下は日米の連続増配企業ですが、配当に対する姿勢が全く違うことがこれを見ても明らかです。
【連続増配】 日米企業の連続増配年数に見る投資判断(米国企業では配当だけでなく、自社株買いも盛んです。)
4. まとめ
以上ようなことから考えても、株主の利益をないがしろにする日本と、株主利益を最重要視する米国のどちらに投資した方がいいかは明らかです。
米国企業の株価が上昇し続け、日本企業の株価が停滞し続ける背景には、両国の経営方針の違いも根本的な理由であり、投資家である我々としてはやはり米国株に投資した方が優れたリターンが得られるということになります。
但し日本でも近年、株主の利益がないがしろにされてきた日本の経営を是正しようと、2015年に東証によりコーポレートガバナンスコードというものが取りまとめられ、コーポレートガバナンスへの意思改革が行われようとしております。考え方が浸透するには時間がかかると思いますが、こういった動きも要チェックです。
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こちらご参照ください!
以上
りろんかぶお
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