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【バフェットの教え】 イネビタブルズ(保有していなければならない企業)

バフェット名言集


【バフェットの教え】 イネビタブルズ(保有していなければならない企業)
※1996年のバフェットの手紙からの引用。(著者翻訳)

コカ・コーラやジレット(現P&G)などの企業は、「イネビタブルズ(所有していなければならない)」と表現してもいいかもしれません。これらの企業が10年後、20年後に、清涼飲料や髭剃りの分野でどれほどの業績をあげているかについて、多少異なる予想が存在するでしょう。私は、これらの企業が今後、製造、流通、包装、製品開発の面で、努力を継続する必要がないといっているわけではありません。しかし、生涯にわたる投資期間においても、コーラとジレットが世界中でそれぞれの分野における支配を強めていくだろうということに、例え彼らのライバルでさえ疑問を呈するものはいないでしょう。確実に、彼らの事業分野での支配はおそらく強まるでしょう。両社は過去10年間で既に巨大な市場シェアを大幅に拡大しており、事業の全ての面が今後10年間もそのパフォーマンスを繰り返すことを示しています。

ハイテク企業や成長の初期段階にある企業の多くがイネビタブルズよりも数段速い成長を見せるでしょう。しかし私は、素晴らしい成果を期待するよりも、確実な良い成果を好みます。

チャーリーと私は、生涯にわたってほんの一握りのイネビタブルズにしか出会えないでしょう。リーダーシップだけでは確かな結果を保証できません。長期にわたって無敵を誇ったGM、IBM、シアーズでさえ数年前に衝撃を目の当たりにしました。一部の業界または事業では、リーダーに実質独裁的な権限を与えます。その結果これらの企業は自然の法則として「肥えるものだけが生き延びる」という考えを確立する傾向がありますが、そのほとんどは生き残ることができません。したがって、イネビタブルズに見える企業の中にも、今は高波にうまく乗れていてもライバルからの攻撃に非常に弱い、多くの「詐欺師」が紛れ込んでいるのです。イネビタブルズに必要な条件を考えれば、決してNifty Fifty(突出した50銘柄)やTwinkling Twenty(きらめく20銘柄)程の数の企業探し当てることができないことを認識しています。したがって、我々のポートフォリオには、いくつかの「かなり有望な」銘柄も加えているのです。

もちろん、最高のビジネスであっても割高ということはあります。高値掴みのリスクは定期的に訪れますが、私たちの意見では現在(1996年当時)は、イネビタブルズを含め実質的に全ての株の投資家にとってそのリスクが極めて高いといえるかもしれません。過熱した市場で投資を行う投資家は、投資した企業(例えそれが優れた企業だとしても)の本質的価値が、自身が支払った価格に追いつくのにとても長い時間を要するかもしれないということを認識する必要があります。

はるかに深刻な問題となるのは、優れた企業の経営陣が横道にそれて、本業である素晴らしいビジネスを怠り、まあまあかそれより悪い他の事業に注力し始めるようなケースです。そのようなことが起こったとき、投資家の受難はしばしば長引きます。残念ながら、それは何年も前にコカ・コーラとジレットの両方で発生したのです(数十年前、コカ・コーラはエビの養殖事業を行い、ジレットが石油開発をしていたということをあなたは信じられますか?)。優れていると思われるビジネスへの投資を検討するとき、チャーリーと私が最も恐れることは「焦点が外れる」ことです。ビジネスに傲慢または退屈が存在すると、マネージャーの注意がそれ、その結果企業価値が停滞するのを、私達は頻繁に見てきました。しかし、コカ・コーラとジレットの現在の経営陣を見れば、そのようなことが再び起こることはないといえるでしょう。

STOP

・イネビタブルズの考え方は非常に示唆に富みます。全ての投資家が自身にとってのイネビタブルズを探し当てることが重要になってくるでしょう。

・一方でバフェットはイネビタブルズに必要な要素が何なのかということを具体的には教えてくれません。バフェット自身も別の手紙で、「それはどんなデータベースを用いようと数値化するのは不可能」といっております。

・しかし、「コカ・コーラやジレットは、ブランドネームの力や商品の特性、また流通システムの強さにより並外れた競争力が生み出され、将来に備えて堀が築かれて行きます」とも述べており、それらの優位性を数値化はできないにしても「見ればわかる」というのです。

・私自身も髭剃りを買うときは毎回ジレットを買ってます。なぜなんでしょうか?その他にも、日々生活する中で何気なく毎回この製品を使うというのがどんな人にもあると思います。「何気なく」だけれども「毎回必ず」その製品を使っている。無意識のうちにそれを選んでいたけど、「なぜそれを選んでいるのか?」をひも解いていけば、それぞれにとってのイネビタブルズの要素が見えてくるかもしれません。

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[ 2020/05/29 11:21 ] 12.バフェットの投資哲学 | TB(-) | CM(0)

バフェット歴代ポートフォリオ(2001年~2010年)

バークシャーハサウェイ_20200522


<バークシャーハサウェイ歴代ポートフォリオ(2001年~2010年)>
※出典:バフェットの手紙
※上場株式のみ

2001年
取得コスト
(百万ドル)
時価
(百万ドル)
%
Coca-Cola1,2999,43032.89%
American Express1,4705,41018.87%
Gillette6003,20611.18%
Wells Fargo3062,3158.07%
Moody's4999573.34%
Washington Post119163.19%
H&R Block2557152.49%
Others4,1035,72619.97%
Total8,54328,675100.00%
2002年
取得コスト
(百万ドル)
時価
(百万ドル)
%
Coca-Cola1,2998,76830.91%
American Express1,4705,35918.89%
Gillette6002,91510.28%
Wells Fargo3062,4978.80%
Washington Post111,2754.50%
Moody’s4999913.49%
H&R Block2556432.27%
M&T Bank1035321.88%
Others4,6215,38318.98%
Total9,16428,363100.00%
2003年
取得コスト
(百万ドル)
時価
(百万ドル)
%
Coca-Cola1,29910,15028.76%
American Express1,4707,31220.72%
Gillette6003,5269.99%
Wells Fargo4633,3249.42%
Moody’s4991,4534.12%
Washington Post111,3673.87%
PetroChina Limited4881,3403.80%
H&R Block2278092.29%
HCA Inc4926651.88%
M&T Bank Corporation1036591.87%
Others2,8634,68213.27%
Total8,51535,287100.00%
2004年
取得コスト
(百万ドル)
時価
(百万ドル)
%
American Express1,4708,54622.66%
Coca-Cola1,2998,32822.08%
Gillette6004,29911.40%
Wells Fargo4633,5089.30%
Moody’s4992,0845.53%
Washington Post111,6984.50%
PetroChina “H” shares (or equivalents)4881,2493.31%
White Mountains Insurance3691,1142.95%
M&T Bank Corporation1037231.92%
H&R Block2237031.86%
Others3,5315,46514.49%
Total9,05637,717100.00%
2005年
取得コスト
(百万ドル)
時価
(百万ドル)
%
Coca-Cola1,2998,06217.26%
American Express1,2877,80216.70%
Wells Fargo2,7545,97512.79%
Procter & Gamble9405,78812.39%
Moody’s Corporation4992,9486.31%
PetroChina “H” shares (or equivalents)4881,9154.10%
Anheuser-Busch Cos2,1331,8844.03%
Washington Post111,3222.83%
Ameriprise Financial1831,2432.66%
White Mountains Insurance3699632.06%
Wal-Mart Stores9449332.00%
M&T Bank Corporation1037321.57%
Others4,9377,15415.31%
Total15,94746,721100.00%
2006年
取得コスト
(百万ドル)
時価
(百万ドル)
%
Coca-Cola1,2999,65015.68%
American Express1,2879,19814.95%
Wells Fargo3,6977,75812.61%
Procter & Gamble9406,42710.44%
Moody’s Corporation4993,3155.39%
PetroChina “H” shares (or equivalents)4883,3135.38%
Tesco1,3401,8202.96%
Anheuser-Busch Cos1,7611,7922.91%
Johnson & Johnson1,2501,4092.29%
Conoco Phillips1,0661,2912.10%
Washington Post111,2882.09%
POSCO5721,1581.88%
US Bancorp9691,1231.83%
White Mountains Insurance3699991.62%
USG Corp5369361.52%
Wal-Mart Stores9429211.50%
M&T Bank Corporation1038201.33%
Others5,8668,31513.51%
Total22,99561,533100.00%
2007年
取得コスト
(百万ドル)
時価
(百万ドル)
%
Coca-Cola1,29912,27416.37%
Wells Fargo6,6779,16012.21%
American Express1,2877,88710.52%
Procter & Gamble1,0307,4509.93%
Burlington Northern Santa Fe4,7315,0636.75%
Johnson & Johnson3,9434,2875.72%
Kraft Foods Inc4,1524,0595.41%
US Bancorp2,4172,3863.18%
Tesco plc1,3262,1562.87%
POSCO5722,1362.85%
Anheuser-Busch Companies1,7181,8612.48%
Moody’s Corporation4991,7142.29%
Sanofi-Aventis1,4661,5752.10%
Conoco Phillips1,0391,5462.06%
Washington Post111,3671.82%
Wal-Mart Stores9429481.26%
White Mountains Insurance Group3698861.18%
USG Corp5366110.81%
Others5,2387,63310.18%
Total39,25274,999100.00%
2008年
取得コスト
(百万ドル)
時価
(百万ドル)
%
Coca-Cola1,2999,05418.45%
Wells Fargo6,7028,97318.29%
Procter & Gamble6435,68411.58%
ConocoPhillips7,0084,3988.96%
Kraft Foods Inc4,3303,4987.13%
American Express1,2872,8125.73%
US Bancorp2,3371,8793.83%
Johnson & Johnson1,8471,7953.66%
Sanofi-Aventis1,8271,4042.86%
Tesco plc1,3261,1932.43%
POSCO7681,1912.43%
Wal-Mart Stores9421,1182.28%
Washington Post116741.37%
Swiss Re7735301.08%
Others6,0354,8709.92%
Total37,13549,073100.00%
2009年
取得コスト
(百万ドル)
時価
(百万ドル)
%
Coca-Cola1,29911,40019.31%
Wells Fargo7,3949,02115.28%
American Express1,2876,14310.41%
Procter & Gamble5335,0408.54%
Kraft Foods Inc4,3303,5416.00%
POSCO7682,0923.54%
Wal-Mart Stores1,8932,0873.54%
BYD, Ltd2321,9863.36%
Sanofi-Aventis2,0271,9793.35%
ConocoPhillips2,7411,9263.26%
Johnson & Johnson1,7241,8383.11%
US Bancorp2,3711,7252.92%
Tesco plc1,3671,6202.74%
Others6,6808,63614.63%
Total34,64659,034100.00%
2010年
取得コスト
(百万ドル)
時価
(百万ドル)
%
Coca-Cola1,29913,15421.38%
Wells Fargo8,01511,12318.08%
American Express1,2876,50710.58%
Procter & Gamble4644,6577.57%
Kraft Foods3,2073,0634.98%
Munich Re2,8962,9244.75%
Johnson & Johnson2,7492,7854.53%
U.S. Bancorp2,4012,1053.42%
Wal-Mart Stores1,8932,1053.42%
ConocoPhillips2,0281,9823.22%
POSCO7681,7062.77%
Sanofi-Aventis2,0601,6562.69%
Tesco1,4141,6082.61%
BYD2321,1821.92%
Others3,0204,9568.06%
Total33,73361,513100.00%



<円グラフ>

バークシャー上場株ポートフォリオ(2001年)
バークシャー上場株ポートフォリオ(2005年)
バークシャー上場株ポートフォリオ(2010年)



<一言コメント>

・2000年代は、当初からの主力企業Coca-Cola、American Express、Gillette(後にP&Gが買収)、Wells Fargoが常にポートフォリオの上位を占めバフェットはこれらを”Big Four”と名付けていました。

・Coca-Cola、American Express、Gilletteにはこの10年でほとんど追加投資しなかったものの、Wells Fargoには取得コストベースで306百万ドルから8015百万ドルに投資額を増やしているので、割安とみて積極的に持分を増やしていったことがわかります。

・リーマンショック時にバフェットがどのような投資行動を行ったかは以下で詳細に分析しています。主に優先株を使って、最後の貸し手の役割を担ったことで有名です。
リーマンショック直後にバフェットが大量購入した銘柄

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バフェット歴代ポートフォリオ(1991年~2000年)

バークシャーハサウェイ_20200522


<バークシャーハサウェイ歴代ポートフォリオ(1991年~2000年)>
※出典:バフェットの手紙
※上場株式のみ


1991年
取得コスト
(千ドル)
時価
(千ドル)
%
Coca-Cola1,023,9203,747,67541.53%
GEICO Corp45,7131,363,15015.11%
Gillette600,0001,347,00014.93%
Capital Cities/ABC517,5001,300,50014.41%
Federal Home Loan Mortgage77,245343,0903.80%
Washington Post9,731336,0503.72%
Guinness PLC264,782296,7553.29%
Wells Fargo289,431290,0003.21%
Total2,828,3229,024,220100.00%
1992年
取得コスト
(千ドル)
時価
(千ドル)
%
Coca-Cola1,023,9203,911,12534.18%
GEICO Corp45,7132,226,25019.46%
Capital Cities/ABC517,5001,523,50013.31%
Gillette600,0001,365,00011.93%
Federal Home Loan Mortgage414,257783,5156.85%
Wells Fargo380,983485,6244.24%
General Dynamics Corp312,438450,7693.94%
Washington Post9,731396,9543.47%
Guinness PLC333,019299,5812.62%
Total3,637,56111,442,318100.00%
1993年
取得コスト
(千ドル)
時価
(千ドル)
%
Coca-Cola1,023,9204,167,97536.98%
GEICO Corp45,7131,759,59415.61%
Gillette600,0001,431,00012.70%
Capital Cities/ABC345,0001,239,00010.99%
Wells Fargo423,680878,6147.80%
Federal Home Loan Mortgage307,505681,0236.04%
Washington Post9,731440,1483.91%
General Dynamics Corp94,938401,2873.56%
Guinness PLC333,019270,8222.40%
Total3,183,50611,269,463100.00%
1994年
取得コスト
(千ドル)
時価
(千ドル)
%
Coca-Cola1,298,8885,150,00036.86%
Gillette600,0001,797,00012.86%
Capital Cities/ABC345,0001,705,00012.20%
GEICO Corp45,7131,678,25012.01%
Wells Fargo423,680984,7277.05%
American Express723,919818,9185.86%
Federal Home Loan Mortgage270,468644,4414.61%
Washington Post9,731418,9833.00%
PNC Bank Corporation503,046410,9512.94%
Gannett Co335,216365,0022.61%
Total4,555,66113,973,272100.00%
1995年
取得コスト
(百万ドル)
時価
(百万ドル)
%
Coca-Cola1,2997,42533.75%
Gillette6002,50211.37%
Capital Cities/ABC3452,46811.22%
GEICO Corp462,39310.88%
American Express1,3932,0469.30%
Wells Fargo4241,4676.67%
Federal Home Loan Mortgage2601,0444.75%
Others1,3792,65512.07%
Total5,74622,000100.00%
1996年
取得コスト
(百万ドル)
時価
(百万ドル)
%
Coca-Cola1,29910,52537.93%
Gillette6003,73213.45%
American Express1,3932,79410.07%
Wells Fargo4981,9677.09%
Federal Home Loan Mortgage3331,7736.39%
Walt Disney5771,7176.19%
McDonald's Corporation1,2651,3684.93%
Washington Post115792.09%
Others1,9353,29511.87%
Total7,91127,750100.00%
1997年
取得コスト
(百万ドル)
時価
(百万ドル)
%
Coca-Cola1,29913,33836.80%
Gillette6004,82113.30%
American Express1,3934,41412.18%
Federal Home Loan Mortgage3292,6837.40%
Wells Fargo4132,2716.27%
Walt Disney3812,1355.89%
Travelers Group Inc.6041,2793.53%
Washington Post118412.32%
Others2,1774,46712.32%
Total7,20736,249100.00%
1998年
取得コスト
(百万ドル)
時価
(百万ドル)
%
Coca-Cola1,29913,40035.96%
American Express1,4705,18013.90%
Gillette6004,59012.32%
Federal Home Loan Mortgage3083,88510.43%
Wells Fargo3922,5406.82%
Walt Disney2811,5364.12%
Washington Post119992.68%
Others2,6835,13513.78%
Total7,04437,265100.00%
1999年
取得コスト
(百万ドル)
時価
(百万ドル)
%
Coca-Cola1,29911,65031.48%
American Express1,4708,40222.70%
Gillette6003,95410.68%
Federal Home Loan Mortgage2942,8037.57%
Wells Fargo3492,3916.46%
Washington Post119602.59%
Others4,1806,84818.50%
Total8,20337,008100.00%
2000年
取得コスト
(百万ドル)
時価
(百万ドル)
%
Coca-Cola1,29912,18832.40%
American Express1,4708,32922.14%
Gillette6003,4689.22%
Wells Fargo3193,0678.15%
Washington Post111,0662.83%
Others6,7039,50125.26%
Total10,40237,619100.00%

<円グラフ>

バークシャー上場株ポートフォリオ(1991年)

バークシャー上場株ポートフォリオ(1995年)

バークシャー上場株ポートフォリオ(2000年)

<一言コメント>

・1990年代にバフェットの上場株ポートフォリオに加わった代表銘柄は、Gillette、Wells Fargo、American Expressです。Gilletteは後にP&Gに買収されますが、いずれも2020年現在でも保有継続されている銘柄です。(P&Gは一部売却によりシェアをだいぶ落としてますが)

・取得コストを眺めると、割安と見込んだタイミングで一点集中で大量購入し、その後はほったらかしという投資戦略が浮き彫りになりますね。Gilletteなどは典型例ですが、1991年に600百万ドル一気に購入し、その後10年間全く売買せずほったらかしにして価値を6倍弱に増やしています。

・1996年にGEICOを完全子会社化したため、上場株ポートフォリオには顔を出さなくなってます。Capital Cities/ABCは1996年にディズニーに買収され、株式交換に応じたバークシャーは代わりにディズニー株を保有。その後、徐々に売却し2000年には完全売却しました。


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バフェット歴代ポートフォリオ(1981年~1990年)

バークシャーハサウェイ_20200522


<バークシャーハサウェイ歴代ポートフォリオ(1981年~1990年)>
※出典:バフェットの手紙
※上場株式のみ

1981年
取得コスト
(千ドル)
時価
(千ドル)
%
GEICO Corporation47,138199,80031.26%
R J Reynolds Industries76,66883,12713.00%
General Foods66,27766,71410.44%
Washington Post10,62858,1609.10%
Handy & Harman21,82536,2705.67%
SAFECO Corporation21,32931,0164.85%
Interpublic Group of Companies4,53123,2023.63%
Pinkerton’s12,14419,6753.08%
Aluminum of America19,35918,0312.82%
Arcata Corporation
(including common equivalents)
14,07615,1362.37%
Cleveland-Cliffs Iron12,94214,3622.25%
Affiliated Publications3,29714,1142.21%
GATX Corporation17,14713,4662.11%
Ogilvy & Mather International3,70912,3291.93%
Media General4,54511,0881.73%
All Other Common Stockholdings16,13122,7393.56%
Total Common Stocks351,746639,229100.00%
1982年
取得コスト
(千ドル)
時価
(千ドル)
%
GEICO Corporation47,138309,60032.74%
R J Reynolds Industries142,343158,71516.78%
Washington Post10,628103,24010.92%
General Foods66,27783,6808.85%
Time45,27379,8248.44%
Crum & Forster47,14448,9625.18%
Handy & Harman27,31846,6924.94%
Interpublic Group of Companies4,53134,3143.63%
Ogilvy & Mather Int’l3,70917,3191.83%
Affiliated Publications3,51616,9291.79%
Media General4,54512,2891.30%
All Other Common Stockholdings21,61134,0583.60%
Total Common Stocks424,033945,622100.00%
1983年
取得コスト
(千ドル)
時価
(千ドル)
%
GEICO Corporation47,138398,15630.49%
R J Reynolds Industries268,918341,33426.14%
General Foods Corporation163,786228,69817.51%
Washington Post10,628136,87510.48%
Time27,73256,8604.35%
Handy & Harman27,31842,2313.23%
Interpublic Group of Companies In4,05633,0882.53%
Affiliated Publications3,51626,6032.04%
Ogilvy & Mather International2,58012,8330.98%
Media General3,19111,1910.86%
All Other Common Stockholdings7,48518,0441.38%
Total Common Stocks566,3481,305,913100.00%
1984年
取得コスト
(千ドル)
時価
(千ドル)
%
GEICO Corporation45,713397,30031.31%
General Foods Corporation149,870226,13717.82%
Exxon Corporation173,401175,30713.82%
Washington Post10,628149,95511.82%
Time89,327109,1628.60%
American Broadcasting Companies44,41646,7383.68%
Handy & Harman27,31838,6623.05%
Affiliated Publications3,51632,9082.59%
Interpublic Group of Companies2,57028,1492.22%
Northwest Industries26,58127,2422.15%
All Other Common Stockholdings11,63437,3262.94%
Total Common Stocks584,9741,268,886100.00%
1985年
取得コスト
(千ドル)
時価
(千ドル)
%
GEICO Corporation45,713595,95049.73%
Washington Post9,731205,17217.12%
American Broadcasting Companies54,435108,9979.10%
Beatrice Companies106,811108,1429.02%
Affiliated Publications3,51655,7104.65%
Time20,38552,6694.40%
Handy & Harman27,31843,7183.65%
All Other Common Stockholdings7,20127,9632.33%
Total Common Stocks275,1101,198,321100.00%
1986年
取得コスト
(千ドル)
時価
(千ドル)
%
Capital Cities/ABC515,775801,69442.78%
GEICO Corporation45,713674,72536.00%
Washington Post9,731269,53114.38%
Handy & Harman27,31846,9892.51%
Lear Siegler44,06444,5872.38%
All Other Common Stockholdings12,76336,5071.95%
Total Common Stocks655,3641,874,033100.00%
1987年
取得コスト
(千ドル)
時価
(千ドル)
%
Capital Cities/ABC517,5001,035,00048.94%
GEICO Corporation45,713756,92535.79%
Washington Post9,731323,09215.28%
Total Common Stocks572,9442,115,017100.00%
1988年
取得コスト
(千ドル)
時価
(千ドル)
%
Capital Cities/ABC517,5001,086,75035.59%
GEICO Corporation45,713849,40027.81%
Coca-Cola592,540632,44820.71%
Washington Post9,731364,12611.92%
Federal Home Loan Mortgage
Corporation Preferred
71,729121,2003.97%
Total Common Stocks1,237,2133,053,924100.00%
1989年
取得コスト
(千ドル)
時価
(千ドル)
%
Coca-Cola Co1,023,9201,803,78734.77%
Capital Cities/ABC517,5001,692,37532.62%
GEICO Corp45,7131,044,62520.13%
Washington Post9,731486,3669.37%
Federal Home Loan Mortgage Corp71,729161,1003.11%
Total Common Stocks1,668,5935,188,253100.00%
1990年
取得コスト
(千ドル)
時価
(千ドル)
%
Coca-Cola Co1,023,9202,171,55042.42%
Capital Cities/ABC517,5001,377,37526.91%
GEICO Corp45,7131,110,55621.70%
Washington Post9,731342,0976.68%
Federal Home Loan Mortgage Corp71,729117,0002.29%
Total Common Stocks1,668,5935,118,578100.00%


<円グラフ>


バークシャー上場株ポートフォリオ(1981年)
バークシャー上場株ポートフォリオ(1985年)
バークシャー上場株ポートフォリオ(1990年)

<一言コメント>

・1980年代前半は比較的多くの銘柄を保有していますが、1980年代後半になるにつれて、ポートフォリオがどんどんシンプルになっていきます。

・1987年にはついに、GEICO、Capital Cities/ABC、Washington Postの3銘柄に集約され、バフェットの手紙の中では”Permanent Holdings(永久保有銘柄)”と名付けておりました。そして翌年にバフェット銘柄として有名なコカ・コーラがこれに加わりました。

・現在までで見ると、GEICOは完全子会社化、コカ・コーラも保有継続していてまさに永久保有を有言実行。

・一方、Washington Postは2013年に新聞事業をジェフベゾスに売却し、グラハムホールディングスと社名を変更、その後バークシャーは2018年にグラハムホールディングスを売却してます。

・Capital Cities/ABCは1996年にディズニーに買収され、株式交換に応じたバークシャーは代わりにディズニー株を保有。但し、バークシャーはその後ディズニー株を徐々に売却し2000年には完全売却しました。

以上

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※当ブログで紹介する理論株価は、いくつかの前提条件をりろんかぶおが独自に設定している為、その前提条件次第では計算結果が異なってきます。また当ブログは、投資に関する情報を掲載していますが、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。また、読者が当ブログの情報を用いて行う投資判断の一切について責任を負うものではありません。


バフェット歴代ポートフォリオ(1977年~1980年)

バークシャーハサウェイ_20200522


<バークシャーハサウェイ歴代ポートフォリオ(1977年~1980年)>
※出典:バフェットの手紙
※上場株式のみ

1977年
取得コスト
(千ドル)
時価
(千ドル)
%
The Washington Post Company Class B10,62833,40118.45%
GEICO (Convertible Preferred)19,41733,03318.24%
The Interpublic Group of Companies4,53117,1879.49%
Capital Cities Communications10,90913,2287.31%
GEICO (Common Stock)4,11610,5165.81%
Kaiser Aluminum& Chemical Corporation11,2189,9815.51%
Knight-Ridder Newspapers7,5348,7364.82%
Ogilvy & Mather International2,7626,9603.84%
Kaiser Industries7786,0393.34%
All Other Holdings34,99641,99223.19%
Total Equities106,889181,073100.00%
1978年
取得コスト
(千ドル)
時価
(千ドル)
%
The Washington Post Company10,62843,44519.66%
GEICO (Convertible Preferred)19,41728,31412.82%
SAFECO Corporation23,86726,46711.98%
Interpublic Group of Companies4,53119,0398.62%
Kaiser Aluminum and Chemical Corporation18,08518,6718.45%
Knight-Ridder Newspapers7,53410,2674.65%
GEICO (Common Stock)4,1169,0604.10%
American Broadcasting Companies6,0828,6263.90%
All Other Holdings39,50657,04025.82%
Total Equities133,766220,929100.00%
1979年
取得コスト
(千ドル)
時価
(千ドル)
%
GEICO Corp. (Common Stock)28,28868,04520.21%
The Washington Post Company10,62839,24111.66%
Handy & Harman21,82538,53711.45%
SAFECO Corporation23,86735,52710.55%
Interpublic Group of Companies4,53123,7367.05%
Kaiser Aluminum & Chemical Corp20,62923,3286.93%
F. W. Woolworth Company15,51519,3945.76%
General Foods11,43711,0533.28%
American Broadcasting Companies6,0829,6732.87%
Affiliated Publications2,8218,8002.61%
Ogilvy & Mather International3,7097,8282.33%
Media General4,5457,3452.18%
Amerada Hess2,8615,4871.63%
All Other Holdings28,67538,68611.49%
Total Equities185,413336,680100.00%
1980年
取得コスト
(千ドル)
時価
(千ドル)
%
GEICO Corporation47,138105,30019.88%
General Foods62,50759,88911.31%
Handy & Harman21,82558,43511.03%
SAFECO Corporation32,06245,1778.53%
The Washington Post Company10,62842,2777.98%
Aluminum Company of America25,57727,6855.23%
Kaiser Aluminum & Chemical Corp20,62927,5695.20%
Interpublic Group of Companies4,53122,1354.18%
E W Woolworth Company13,58316,5113.12%
Pinkerton’s12,14416,4893.11%
Cleveland-Cliffs Iron Company12,94215,8943.00%
Affiliated Publications2,82112,2222.31%
R J Reynolds Industries8,70211,2282.12%
Ogilvy & Mather Int’l3,7099,9811.88%
Media General4,5458,3341.57%
National Detroit Corporation5,9306,2991.19%
The Times Mirror Company4,4476,2711.18%
National Student Marketing5,1285,8951.11%
All Other Common Stockholdings26,31332,0966.06%
Total Common Stocks325,161529,687100.00%


<円グラフ>

バークシャー上場株ポートフォリオ(1977年)
バークシャー上場株ポートフォリオ(1980年)


<一言コメント>

1970年代ポートフォリオの主力はなんといってもGEICOとWashington Postです(ちなみにGEICOは現在は100%子会社化してますね)。当時は保険と新聞に注目していたことがわかります。

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mRNAワクチンとは?

ワクチン_20200520


現在、新型コロナウイルスの世界的感染拡大に伴い世界経済が大きなダメージを受けております。

そのような状況下、根本的な解決策としてのワクチン開発に注目が集まっております。

従来のワクチン(生ワクチン、不活化ワクチン)は、病原体を弱毒化、無毒化させたものを「抗原」として体内に投与することで、体内の免疫機能を誘発し、それによって病原体に対抗する「抗体」を間接的に作ってきました。

但し、病原性をなくしているとはいえ細菌やウイルスなどが基になるので,健常人に対する投与において一定のリスクは避けられず、とても慎重な臨床試験が必要とされるので、ワクチン開発には通常10年以上かかるといわれています

一方、現在のようなパンデミックの中、10年もウイルスの脅威におびえながら生活していては健全な生産活動はできず、世界経済は壊滅的な影響を受けてしまいます。

そこで、早期開発が期待できるものとして登場したのが今注目されているmRNAワクチンです。

ここでは、mRNAワクチンについてわかりやすく解説していきます。

<mRNAワクチンとは>

まずmRNAとは何か?

人の体は、水と脂質を除けばほとんどがタンパク質で構成されています。
筋肉、骨、臓器、皮膚、爪などの主成分はタンパク質です。

タンパク質とは、20種類のアミノ酸が連結してできた高分子化合物です。

アミノ酸をどう連結させるかで、どのようなたんぱく質を作るか、つまり人体のどの部位をどう作るか、というのが決まってきます。

そしてアミノ酸をどう連結させるかという設計図となるのがDNAです。

但し、DNAは直接、アミノ酸を連結させたんぱく質を作る機能を持ちません。

設計図であるDNAの情報を読み取ってまず作られるのがRNAです。
RNAは設計図のコピーといえます。

この設計図のコピーであるRNAの情報を基にアミノ酸が結合しタンパク質がつくられます。

つまり、人体がつくられていく順番としては、
DNA⇒RNA⇒タンパク質⇒⇒⇒人体

ということになります。

RNAは、情報の伝達役のような役割を果たしますので、メッセンジャーRNA(mRNA)と呼ばれます。

mRNAワクチンでは

①病原体のDNA構造を特定
②それを基に体内の免疫機能を誘発する抗原タンパク質を作るための情報を書き込んだmRNAを人工的に作製
③上記mRNAを体内に投与

という流れで免疫を獲得します。

従来のワクチンと比較したmRNAのメリットは以下です。

・mRNAワクチンでは病原体を用いず、免疫機能を誘発する抗原を体内で発現させる情報のみを投与するので、安全面で優位

・従来のワクチンが苦手としていた、大量製造の面においてもメリットあり

・mRNAは基本的にどのようなタンパク質も作ることができるので、ウイルス変異で標的とする抗原が変わっても迅速に対応可能


ちなみに抗原を発現させるものとして、mRNAでなくDNAを投与する場合、DNAワクチンと呼びます。

STOP

現在、新型コロナ用として早期実現が期待できるワクチンのほとんどがこのmRNAワクチン(米モデルナ、独ビオンテック/米ファイザー、等)とDNAワクチン(米イノビオ、日アンジェス/大阪大、等)です。

今後の動向に要注視です。



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[ 2020/05/20 11:47 ] 18.米国株 旬の話題 | TB(-) | CM(0)

現代企業の競争優位性とは?

競争優位性_20200518


長期投資する上で、投資対象企業がいかほどの競争優位性を有しているか、というのは非常に重要です。

なぜなら、資本主義社会において企業は市場を通じて常に競合他社との競争にさらされているからです。

今後10年、30年と、他社との競争を勝ち抜いていける確かな根拠(競争優位性)を持った企業に投資することが、成功の条件であることは間違いありません。


それでは競争優位性とは何なのでしょうか?

それは消費者が他の商品ではなく自社商品を選ぶ「理由」が、長期的に見ても他社にはまねできなそうなものかどうか、という点に集約されそうです。

自社商品が選ばれる理由が安さであったとしたら、それは他の誰かがもっと利益を削って更に安い価格を提示できそうです。

では技術面での差別化はどうでしょうか?

これだけ科学技術が発展し、情報と人材の流動性が高まった現代において、今後何十年も誰にもまねできない技術というのはほぼ皆無でしょう。

では、長期的に見て他社にまねできなそうな競争優位性とは何でしょうか?

ここでは、NYダウ30銘柄を中心に企業の定性評価をし続けてきて、筆者自身が感じた以下4つの競争優位性を記載してみます。

1. 強固なブランド(P&G、Nike等)

※Wikipediaでのブランドの説明は以下

QTE
ブランドとは、ある財・サービスを、他の同カテゴリーの財やサービスと区別するためのあらゆる概念。当該財サービスと消費者の接触点で接する当該財サービスのあらゆる角度からの情報と、それらを伝達するメディア特性、消費者の経験、意思思想なども加味され、結果として消費者の中で当該財サービスに対して出来上がるイメージ総体。
UNQTE

ブランドに関しては、いくつかのとらえ方ができると思いますが、ここでは2つの具体例を挙げてみます。

① イメージの刷り込み

例えば、PCや洗濯機、テレビなどの電気製品の多くは性能や質を定量化できるため、比較が簡単で優劣が明確になってしまいます。

一方、洗剤、シャンプー、消臭剤などは質を定量化することが困難です。

性能や質を定量化できない商品の場合、消費者の判断基準として「みんなが使っているもの」が浮上します。

質がいいものは多くの人が使っている、つまりみんなが使っているものは質もいい、という考えです。

では、みんなが使っているものとは何か、というのはその商品名に触れた回数の多さで決まることが多いのです。

つまり、大量のCMなどで何度も何度も商品名を消費者の頭に刷り込めば、多くの人にとって、その商品が一般的に使われているもの、みんなに使われているものというイメージを作り出すことができます。

そしてそのイメージが実際に商品を買う時の強力な判断基準となるのです。

そして、一度このようなイメージをつくってしまえば、それを大事に育てていけばそれ自体が強力な競争優勢になることでしょう。

例えばP&Gや花王などの生活必需品を扱っている企業はこの戦略を使っていて、実際に皆さんの多くが、商品選びで迷った時にこれらの企業の商品を自然と選んでしまっていると思われます。

② 信仰

商品自体やメーカー自体が、「好き」であれば、そもそも他社の商品を買おうとは思いません。

これはファッションブランドに多いと思います。

服や靴、時計などの身に着けるアイテムは、自分を表現する手段でもあり、このアイテムを身に着けることで他の人にこう思ってもらいたい、というのが重要になってきます。

男性であればかっこいいと思ってもらいたいし、女性であればかわいい・きれいと思ってもらいたいはずです。

では、「かっこいい」「かわいい」「きれい」の基準は何か?

商品自体のクオリティはどこも似たり寄ったり(デザインはマネできてしまうので)だとすれば、多くの人は、かっこいい人が身に着けているものはかっこよく見えるし、かわいい人が身に着けているものはかわいく見えてくるものです。

よって、雑誌などで、有名俳優が身に着けているアイテムというのは、それを見た人の心の中に「かっこいい」「かわいい」「きれい」というイメージが形成されてきて、このイメージが商品を購入するときの判断基準になっていきます。

例えば、私はナイキが大好きです。スニーカーやスポーツウェアを買うときは大抵ナイキです。

なぜ大好きかといえば、靴のデザインというよりも、ナイキのロゴ自体をかっこいいと思っているからです。

では自分の中で「ナイキはかっこいい」というのがどのように形成されていったのか?

自分はスポーツ観戦が大好きです。その時に見るスポーツ界のスーパースター達(たとえばバスケのレブロンジェームズ、サッカーのメッシ、テニスのフェデラー等)の多くはナイキのロゴを身に着けています。

それを目にする機会が増えれば増える程、自分の中で「ナイキはかっこいい」という感情が形成されていき、この感情が自分自身が商品を買う時に重要な役割を果たしているのです。


2. みんなが使っている(Facebook、Visa、Microsoft等)

商品やサービスの中には、多くの人が使えば使うほど利便性が増すものがあります。

これらの商品やサービスは、多くの人が使っているから選ばれる、すると更に多くの人が使うことになるので、更に多くの人に選ばれる、という正の自動ループに入り、他社のサービスを全く寄せ付けないようになります。

一般的にはプラットフォーマーと呼ばれるような企業ですね。

例えば、FacebookやTwitterのように友達や多くの人とつながるSNSアプリでいうと、何のアプリを使うか選ぶ時に当然、「みんなが使っているもの」である必要があるのです。みんなが使っていないと「つながる」という目的を達成できないからです。

よって、このようなアプリの場合、みんなが使っていないと選ばれない、選ばれないとみんなが使えない、というように「みんなが使う」と「選ばれる」が鶏と卵の関係になっているので、新規参入企業がシェアを獲得していくのは非常に困難です。

また、クレジットカードのVisaやマスターカードなども、世界中どこでも使えるからみんなに選ばれるわけです。
みんなに使われていなければ加盟店を増やすことはできず世界中どこでも使えるようになりません。

つまりこれも、「みんなが使う」と「世界中どこでも使える」は鶏と卵の関係になっていて、もはやクレジットカード業界での新規参入は難しそうです。

もう一つ例を挙げると、マイクロソフトのWord、Excel、PowerPointなどのOfficeアプリは市場を完全に牛耳っています。
多くの企業は業務を行う上で、Microsoft Officeを使用しており、これらのアプリは既に業務プロセスに完全に溶け込んでしまっています。「エクセルを止めれば世界が止まる」とも言われたりしますね。

業務プロセスに完全に組み込まれてしまっているということは、互換性の観点でみんなが同じものを使っている必要性があります。もっと言えば、社外にも共有される可能性のあるものなので、この点でもみんなが使っているものを選ぶのが最も便利であり、自分だけ全く違うアプリを使っていたらとても不便なのです。

このように、「みんなが使っている」ということ自体が、選ばれる理由になると、そもそもその業界が亡くならない限り競争優位性を発揮し続ける可能性が高いです。


3. 重厚長大産業における実績(Boeing、GE等)

航空機や発電所、製油所などは、超巨額で、長期に渡って使用され、人の安全性にも深く関わるものなので、とにかく不良品があってはなりません。

失敗が許されないものを作ったり使う時、人々は十分な実績がある企業のモノを選ばざるを得なくなります。

よってこのような分野では、実績がないと受注できない、但し受注できなければ実績が作れない、つまり「実績」と「受注」が鶏と卵の関係になっており、新規参入が非常に困難です。

例えば、大型航空機におけるBoeingや、航空機の心臓ともいえる航空機エンジンのGEなどが挙げられます。


4. 巨大インフラ(AT&T、Verizon、American States Waterなど)

鉄道や水道、通信等、巨大なインフラが必要な分野では、新規参入が困難で、既にその分野で活躍している企業は競争にさらされにくいといえます。

このような分野でサービス提供のためには、超巨額の資金を調達し、巨大な設備を造ることでようやくスタートラインに立ち、そこから既存のプレイヤーと競争を始めなければなりません。

スタートラインに立つだけでも莫大なリスクを背負い、勝てるかわからない競争をしようとする人がいるでしょうか?

そもそも、そのような巨大なリスクがあるからこそ、鉄道や水道、通信等は当初国家主導で行われてきた公共事業だったのです。

民間企業が一から立ち向かえる分野とは言いにくいですし、それは10年後も30年後も変わらないでしょう。

STOP

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[ 2020/05/18 16:21 ] 14.投資の勉強部屋 | TB(-) | CM(0)

バフェット最新ポートフォリオ(2020年3月31日時点)

バークシャーハサウェイ社資産内訳(2020年3月31日時点)
資産合計_20200516

バークシャーハサウェイ社有価証券&持分法適用会社(2020年3月31日時点)
有価証券合計_20200516


CompanyValue on
2020/3/31
(US$ mil)
%
Apple Inc62,34135.52%
Bank of America Corp19,63811.19%
Coca-Cola Co17,70010.08%
American Express Co12,9797.39%
Wells Fargo & Co9,2765.28%
The Kraft Heinz Co8,0564.59%
Moody's Corporation5,2182.97%
JPMorgan Chase & Co5,1962.96%
U.S. Bancorp4,5632.60%
DaVita Inc2,8981.65%
Bank of New York Mellon Corp2,6861.53%
Charter Communications Inc2,3681.35%
VeriSign Inc2,3081.31%
Delta Air Lines Inc2,0511.17%
Southwest Airlines Co1,9101.09%
Visa Inc1,7020.97%
General Motors Co1,5520.88%
Costco Wholesale Corp1,2360.70%
Mastercard Inc1,1920.68%
Amazon.com Inc1,0400.59%
Liberty SiriusXM Group9760.56%
PNC Financial Services Group Inc8800.50%
United Airlines Holdings Inc6990.40%
Sirius XM Holdings Inc6540.37%
The Kroger Co5700.33%
M&T Bank Corp5570.32%
American Airlines Group Inc5110.29%
Liberty SiriusXM Group4710.27%
Globe Life Inc4570.26%
Axalta Coating Systems Ltd4160.24%
Teva Pharmaceutical Industries Ltd3840.22%
Restaurant Brands International Inc3380.19%
STORE Capital Corp3370.19%
StoneCo Ltd3080.18%
Liberty Global PLC3190.18%
Synchrony Financial3240.18%
Goldman Sachs Group Inc2970.17%
Suncor Energy Inc2360.13%
Occidental Petroleum Corp2190.12%
Biogen Inc2030.12%
RH1720.10%
Liberty Global PLC1150.07%
Johnson & Johnson430.02%
Mondelez International Inc290.02%
Procter & Gamble Co350.02%
Liberty Latin America Ltd280.02%
SPDR S&P 500100.01%
Vanguard S&P 500100.01%
Liberty Latin America Ltd130.01%
United Parcel Service Inc60%



バフェット2020年1月~3月売買銘柄(単位:百万ドル)
※有価証券&持分法適用会社のみ
売買_20200516

※売買金額については、米国証券取引委員会に提出された売買株数に各銘柄の四半期末時点株価をかけて仮計算しております。
バフェットの実際の売買金額は当該四半期中のどこかで行われております(期末価格ではない)ので、上記計算とは異なることご了承ください。

バフェットの投資戦略
こちらの記事ご参照!

バフェットの4つの投資戦略に学ぶ!~「事業内容を理解できる企業」~

りろんかぶおコメント

・2020年1Qは、新型コロナウイルスによるパンデミックで株式市場も歴史的な暴落となりました。そんな中、過去の大暴落で積極的に投資を行ってきてバフェットがどのような投資行動をとったかが注目されましたが、新規の投資という意味では「ほとんど動いていなかった」といえます。

・100百万ドル以上の売買でいえば、ゴールドマンサックス(保有株の84%分)の売却とJPモルガンの売却くらいです。バフェットの大好きな金融株に関しても悲観的な見方をしているのかもしれません。

・更にバークシャーハサウェイ株主総会まとめ(2020年5月)でも記載の通り、4月以降に保有していた航空会社株(4社)は全て売却したとのこと。3月末時点での4社の保有時価総額合計は5,171百万ドル。

・「リーマンショック直後にバフェットが大量購入した銘柄」でも記載の通り、このような暴落時バフェットは株式市場で株式を購入するより、企業の増資に応えたり、融資をしたりと、自身の投じた資本が直接企業に注入されるような投資の仕方を好みます。

・株主総会で、バフェットは「魅力的な投資先はなかった」と語りましたが、これは株式市場で魅力的な投資機会がなかったのではなく、リーマンショック時にやったような優先株投資や融資に関して魅力的な機会がなかったのだと思います。

・ではなぜ、バフェットは株式市場で投資を行わなかったのか?パニック相場ではミスプライスとなる株式が大量に発生するのでバフェットにとって利益を稼ぐことはたやすいのだと思います。但し、その利益の大部分は、パニックに陥って値付けを間違った投資家の損失から得ている利益です。
バフェットは株主総会で「私は今後10年間でS&P 500をアウトパフォームできるかどうかということに人生を賭けたくはないのです。」といっています。つまり、このような危機的状況の時に、株式市場で利益を稼ぐというよりも、資金繰りに窮している企業に救いの手を差し伸べるような投資を行うことで社会に貢献できるような投資をしたいと考えているのではないでしょうか?

・コロナの影響が長期化する中、今後資金繰りに窮する企業は激増するでしょうから、そのような局面でバークシャーは最後の貸し手の役割を果たすのではないかと期待します。

NYダウ銘柄理論株価一覧はこちらご参照ください!

以上

りろんかぶお

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※当ブログで紹介する理論株価は、いくつかの前提条件をりろんかぶおが独自に設定している為、その前提条件次第では計算結果が異なってきます。また当ブログは、投資に関する情報を掲載していますが、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。また、読者が当ブログの情報を用いて行う投資判断の一切について責任を負うものではありません。



日銀の刷ったお金はどこにいった?

お金_20200515


2013年3月に黒田氏が日銀総裁就任後、日銀は日本経済の至上命題であるデフレ脱却を目的としてインフレ率2%を目標に掲げ、現在に至るまで異次元の金融緩和を行ってきました。

日銀は、以下の量的質的金融緩和を行うことで世の中のお金の量を増やし、それによって消費を刺激し、2%のインフレ率目標を達成しようとしました。

・大量の国債を買い取ることで金融機関にマネーを注入
・金利引き下げにより、金融機関に注入したマネーを民間企業や家計に行きわたらせる

ところが、2%インフレ目標は一向に達成されていないのが現状です。

インフレ率_20200515
出典:世界経済のネタ帳

ここでは、なぜ異次元の金融緩和をやっても、インフレ目標を達成できないのかを見ていきましょう。

まずは、マネタリーベースとマネーストック(M3)を見ていきます。

マネタリーベースとマネーストックの定義は日銀HPによると以下。

QTE

マネタリーベース:「日本銀行が供給する通貨」のこと。具体的には「マネタリーベース=日本銀行券発行高+貨幣流通高+日銀当座預金」

マネーストック:「金融部門から経済全体に供給されている通貨の総量」のこと。具体的には、一般法人、個人、地方公共団体などの通貨保有主体(金融機関・中央政府を除いた経済主体)が保有する通貨(現金通貨や預金通貨など)の残高を集計しています。

UNQTE

ここで典型的な疑問となるのが、「日本銀行が供給する通貨の合計=経済に供給されている通貨の合計」ではないの?というものです。

例えば

AさんがX銀行に100万円の預金をしました。

仮に預金準備率が1%として、X銀行は1%に当たる1万円を日銀に預け入れ、残りの99万円をBさん貸付けました。

その99万円は、Bさんが保有するA銀行口座に振り込まれます。

この時、X銀行はBさんに99万円をかしつけている一方で、その99万円は未だ手元にある状況です。

X銀行は更に、99万円の1%に当たる0.99万円を日銀に預け、残りの98.01万円をCさんに貸し付けました。

その98.01万円は、Cさんが保有するA銀行口座に振り込まれます。

この時点で区切ってみると、Aさんは100万円、Bさんは99万円、Cさんは98.01万円の預金残高があり、元々100万円だったものが、貸付を繰り返すことで合計297.01万円に増えていることになります。このような現象を信用創造といいます。

仮に、A銀行がこれを無限に繰り返していくと、証明は割愛するも最終的には100万円÷1%=1億円のお金が世の中に出回ることになります。

マネタリーベースとは、ここでいう最初の100万円のことで、マネーストックはここでいう1億円のことで、世の中に出回っているマネーの総量を表します。

ちなみに「マネーストック÷マネタリーベース=信用乗数」とあわされ、信用乗数が大きいほど、貸し出しによる信用創造が活発に行われてマネーの総量(マネーストック)が増えていることになります。

では実際にマネタリーベース、マネーストック、信用乗数の推移を見ていきましょう。

マネタリーベース_20200515

出典:日銀のデータを基に作成

まず、マネタリーベースを見ると黒田総裁が就任し、異次元の金融緩和が始まった2013年から目に見えて上昇しています。

次にマネーストックはどうでしょうか?増えてはいるのですが、マネタリーベース程の急激な伸びは見られません。

信用乗数(マネーストック÷マネタリーベース)を見ると、こちらは2013年頃から急激に下がって低迷しています。


ここからわかることは、日銀はお金を大量に注入しているものの、銀行の貸出が思うように行われていないために、マネーストックがあまり伸びていないのです。異次元緩和で2013年~2019年で日銀は380兆円のマネーを注入したにも関わらず、実際のマネーの総量は240兆円しか伸びていないというお粗末な結果になっています。

これは、どんなに金利が低くても、デフレの状況下、借入を行って新規の投資をしていこうという企業が少ないことが原因として挙げられます。

民間企業借入残高_20200515
出典:財務省

民間企業が全く借入を増やさない中、やっとこさマネーストックが増えているのは、民間に代わって政府が大量に借入残高(国債残高)を増やしているからといえます。

国債残高推移_20200515
出典:財務省

2013年~2019年でマネーストックが240兆円増加した中、同期間に国債残高が190兆円ふえているので、マネーストック増加の大半を政府の借入が担ったことになります。

マネーストックの増加が鈍いとはいえ、異次元緩和前の2012年末から2019年末にかけて、マネーストックは20%程上昇しているので、GDPもある程度伸びているのではないか、ということでマネーストックと名目GDPの関係を見てみましょう。

ちなみにGDPの解説は以下ご参照。

GDPとは?

名目GDPはいわば、経済活動でお金がどの程度回転したかを表すものなので、以下のような式が成り立ちます。

名目GDP=マネーストック×流通速度

流通速度とは、1年間でお金が平均何回転したかを表すものです。

マネーストックvsGDP_20200515
出典:日銀のデータを基に作成

これを見ると、マネーストックの伸びに対してGDPの伸びが非常に鈍いことがわかります。

実際に流通速度も、ここ10年以上下落傾向にあります。

つまり、マネーの総量は増えているのに、GDP=消費の総量、はたいして増えていないということです。

2019年末では流通速度が0.4まで下落していますので、1年間経済活動に全く使われず眠ったままのお金が6割も存在していることがわかります。

では、この眠っているお金はどこにあるのでしょうか?

先ほどの説明で、近年のマネーストックの増加の担い手が政府の国債発行にあることを説明しました。

政府は調達した資金を、社会保障費として個人へ支払い、公共事業等を通じて民間企業に支払っています。

では、ここで異次元緩和が開始される2013年3月を起点にして、マネーストック、及びその内訳である個人、民間企業の保有するお金がどのように伸びてきたかをみてみます。

マネーストックvs企業個人_20200515
出典:日銀のデータを基に作成

これを見ると、民間企業の保有するお金の伸びが、個人のそれを大きく上回っています。

つまり、増えたマネーストックは企業の内部留保として、企業内で眠ってしまっているのです。

政府が個人に支払う社会保障費でさえ、それが生活費にあてられればそのお金は企業に移ります。

その企業が、その儲けを、株主や労働者に配分せず、内部留保してしまうがために、それが個人に戻ってこず、最終消費の担い手である個人の消費意欲が活性化されないのです。

STOP

まとめ


・日銀は確かに大量の資金を民間金融機関に注入するも、デフレの状況下、民間企業の借り入れが全く伸びず、マネーの総量を表すマネーストックは思うように増加していない。

・政府が借入残高を増やしたことで多少マネーストックは伸びるも、結局単に眠っているお金が増えているだけで、GDP=消費の総量はほとんど増えていない。

・眠っているお金がどこにあるかというと、民間企業の内部留保によってせき止められてしまっているのが現状。

上記を踏まえれば、インフレ率2%目標を達成するには、マネタリーベースを増加させるのではなく、政策により、民間企業に滞留している内部留保を、(新規投資に回さないのであれば)株主や労働者にもっともっと還元することを促していく他ない、ということが言えると思います。
(株主や労働者などの個人が潤えば、消費が刺激され、そうすると企業も新規投資をしやすい環境になるという、好循環が生まれる)

以上

りろんかぶお

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[ 2020/05/15 17:46 ] 14.投資の勉強部屋 | TB(-) | CM(2)

人口減少は本当にまずいことなのか?②

人口減少_20200511


前回に引き続き、日本の人口減少・少子高齢化問題について書いていきたいと思います。

前回記事↓
人口減少は本当にまずいことなのか?①

前回の記事では、女性の社会進出が顕著になった今、女性にとって「結婚をして子供を産む」というのは、人生の選択肢の一つでしかなくなり、晩婚化、晩産化も相まって少子化の波を止めることは難しいという話をしました。

このような社会構造の中、国(民主主義国家)の目的である「全国民が豊かに暮らせる社会をつくる」ことを達成する手段として、「子供を増やす」ということは無理筋な方法です。

では、「全国民が豊かに暮らせる社会をつくる」為に、他にどのような策があるのか?

具体的には以下のようなことが挙げられるかと。

1. 労働力人口を増やす

「産出量(生産量)=投入(労働力や資源、エネルギー等)×生産性」

なので、生産量最大化の為にまずは「投入」量を増やすべく、労働力人口を増やすことが挙げられるかと思います。

ちなみに労働力人口と非労働力人口の定義は以下の通り。

労働力人口:満15歳以上の人口のうち、労働の意思と能力をもつ者の人口。就業者(休業者も含む)と完全失業者の合計。アルバイトをしている学生やパートの主婦も含む。

非労働力人口:満15歳以上の人口のうち、病気などの理由で就業できない者と就業能力があるにも関わらず働く意思がない者を合計した人口。ニートや高齢者、専業主婦等。

① 女性の活躍促進

総務省の調べによると、生産年齢の15歳~64歳における労働力人口は以下の通り。

(2020年3月時点)
生産年齢人口:7,478万人
労働力人口:5,960万人
労働人口比率:79.7%(米国は60%台なので日本は比較的高い)
男性労働力人口比率:86.3%
女性労働力人口比率:72.9%

労働力人口比率は79.7%と比較的高いですが、女性の労働力人口比率はもう少し高められる余地があります。

また、女性が仕事で活躍することを、雇用主である企業などが推進することを義務づけた女性活躍推進法が2016年に施行され、女性の労働力人口比率は今後上昇していくことでしょう。

現に下図の通り、専業主婦世帯と共働き世帯を比べると、現時点で既に共働き世帯が圧倒的マジョリティであることがわかり、この傾向は今後も続き、それに伴って女性の労働力人口比率は上昇していくことが望めます。

共働きと専業主婦_20200511
出典:厚生労働省

② 定年撤廃

労働力人口のパイを増やす意味では、定年の撤廃も有効だと思われます。(例えば米国では定年はありません。)

現在、多くの企業が定年を60歳に設定しておりますが、自分の親(60代半ば)を見ていても、まだまだ元気ですし、十分に働ける年齢(現に母親はパートで働いてます)だと思います。

仮にみんなが70歳くらいまで働くとしたらどれくらいの働き手が増えるのでしょうか?

総務省の調べでは2020年4月1日現在で、総人口1億2,596万人に対し、60~69歳人口は1,588万人、総人口の12.6%に上ります。(更に70~74歳は899万人もいる)

つまり定年を撤廃するだけで、潜在的にはそれくらいの規模の労働力人口が増えるわけです。(当然その中には生産活動に従事できない人もいますが)

但し、企業の生産性向上も合わせて考えれば、労働者の新陳代謝も重要ですので、定年を撤廃するのであれば、従来の年功序列制度の撤廃もセットでなければなりません。

2. 労働生産性の向上

「産出量(生産量)=投入(労働力や資源、エネルギー等)×生産性」

次に、生産量最大化の為に「生産性」を向上する必要があります。

生産性向上のために、デジタル化推進などもありますが、個人的には「雇用システムを社会主義から資本主義に」というのが最も重要と考えています。

日本の雇用システムが社会主義から脱却すべき詳細については以下の記事ご参照ください。
日本企業への投資がうまくいかない理由

簡単に言うと、日本の古くからの大企業の多くは、「お金をあげるから頑張って」「定年まで雇用を保証してあげるから頑張って」というものですが、これは「頑張ったらその分お金を支払うよ」「頑張ったら雇用を継続するよ」という風に順番を変える必要があります。

前者は非常に社会主義的で後者は資本主義的ですね。

社会主義が人間を怠惰にし、活力を生み出さないことは、1900年代のソ連と中国などの社会主義国家が証明しましたね。

日本企業の生産性が、世界と比較して低いといわれているのは、日本企業の従業員は別に生産性を上げる必要性に迫られていないのです。生産性をあげようが、生産性が悪いままでいようが給料が変わらないからです。

日本企業も、もっともっと、従業員個々人をモチベートするシステムを再構築する必要があります。

そうすれば生産性はおのずと改善してくるでしょう。

3. 高齢者は資本所得を

現在の年金制度は、生産年齢世代が稼いだ所得を、高齢者に再分配するという賦課方式です。

これでは、生産年齢人口比率の低下とともに、若い人の負担が増すばかりなので、もはや賦課方式の年金制度は持続不可能です。

個人的な意見としては、年金制度は完全に撤廃し、老後の面倒は国民の自助努力に任せていいと思っています。
(今現在、年金をもらっている人、途中まで払っている人は当初予定通りもらえるようにする。財源は国債発行。)

というのも、政府が手厚く守るから国民は、老後は国が面倒を見てくれると、思考停止になってしまうのです。

老後も各個人の自助努力に任せれば、国民は自らどうすべきかということを真剣に考えるでしょう。

自分の子供に仕送りをしてもらうという文化ができれば、みんな子供を産むようになるでしょう。

また、多くの人が労働せずに収入を得られる資本所得に注目し、真剣に資産運用を学ぶことでしょう。

そして、政府は義務教育の中で、もっと資産運用について、更には資本主義について、盛り込むべきだと思います。

今の義務教育では、資本主義に対する教育、資産運用に対する教育がとても不足しているように感じます。


但し、教育をしたからといって、国民全員が資産運用をできるわけではないということも正論だと思います。

そういう人は、民間保険会社による積立年金を活用すればいいのです。(公的年金制度がなくなれば、民間が提供する年金が充実することは火を見るより明らかです)

これは、賦課方式とは違い、自分の老後のために自分で資産を積み立てる方式です。

若いうちから、少しずつ資産を積立て、安全運用を行っていき、体力的に労働が困難になった段階で、資産収入に切り替えればいいわけです。

現在年収400万円の会社員は、毎月23,427.2円の厚生年金を払っています。会社も半分負担しているので合計では毎月46,854.4円積み立てていることになります。

厚生年金制度がなくなって、会社側の積み立て分も給料として支払われるようになり、各個人が毎月46,854.4円の積立、年間562,253円の積立てが可能になる場合、これを23歳~70歳まで続け、運用リターンを年率3%とすれば、70歳の時点で5870万円の資産がたまっていることになります。

5870万円の資産から毎年、3%のリターンとして176万円がえられますし、老後田舎で質素な暮らしで毎年200万円で暮らすとしても、十分100歳まで生きていけます。

このように、もっともっと資産運用の教育を充実させた上で、政府の手厚い補助は排除し、各個人の自助努力にまかせるようにすれば、実はもっと豊かな生活ができるようになるのではないかと考えます。

まとめ

・国の大きな目的は「全ての国民が豊かに暮らせる社会」を作り、持続すること

・人口減少・少子高齢化よって引き起こされる生産年齢人口比率の低下は、非生産年齢人口の豊かさを奪う可能性があり問題。

・現在の政策で最も力点が置かれているのは、生産年齢人口比率を増加させるためにもっと子供を増やすことであるが、女性の社会進出が一般化した中、かなり無理筋。

・よって、生産年齢人口比率は長期低迷するということを受け入れた上で、以下の対策にもっと力点を置くべき。

①生産年齢人口に占める労働力人口を増やす(女性の活躍促進、定年撤廃)
②生産性向上のために、日本型雇用システムを社会主義から資本主義に
③国民の自助努力を最大化するために、資産運用教育を充実させた上での公的年金制度撤廃(これにより高齢者が支えられる側でなくなる)

以上

りろんかぶお

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[ 2020/05/12 12:26 ] 14.投資の勉強部屋 | TB(-) | CM(0)

人口減少は本当にまずいことなのか?①

人口減少_20200511



日本では下図のように、人口減少、少子高齢化が問題視されていて、政府は何とか子供を増やそうと躍起になっています。

人口減少現状_20200511
出典:内閣府

そもそも、なぜ人口減少・少子高齢化はまずいのでしょうか?

それは、人口減少・少子高齢化の結果、全人口に占める生産年齢人口(今の定義では15歳~64歳)の比率が減少していくことがまずいのです。

上図を見ると、生産年齢人口比率は以下の通り減少し続けています。

1980年:67%
2017年:60%
2065年(予想):51%

なぜ生産年齢人口比率が減少することがまずいのでしょうか?

国・政府の大きな存在意義の一つとして、全国民が豊かに暮らしていくことがあります。

一方、国民の中にはまだ社会的な活動が難しい未熟な子供もいれば、体力的に生産活動を行うのが難しい高齢者もいます。

よって、子供や高齢者も含めた全国民が豊かに暮らしていくためには、いわゆる働き盛りの生産年齢の人達が、子供や高齢者も含めた全国民の衣食住を生産していく必要があるのです。
(ちなみに生産年齢層の人でも専業主婦やフリーター等、生産活動に従事していない人もいるので、実際に生産活動に従事している人口を労働力人口といいます。)

但し、生産年齢人口比率が減少すると、当然ですが生産年齢層の一人当たりが支えなければいけない非生産年齢の人が増えてしまいます。

生産性向上などで、非生産年齢の人達を支えられるうちはいいですが、生産年齢人口比率が減少し続けると、いつかは支えきれなくなる時が訪れるでしょう。

そうすると非生産年齢層の内、生活に必要な衣食住を満たせなくなってくる人が出てきてしまいます。
(現実的な制度でいうと、高齢者の場合十分な年金がもらえなくなる)

こういった理由から、生産年齢人口比率の継続的な減少というのは非常にまずい状況なのです。

ではなぜ、人口減少が生産年齢人口比率減少につながるのでしょうか?

仮に、寿命と出生率がずっと一定だとすると、長期的に見れば生産年齢人口比率はある水準に収束します。

しかし問題は、日本では長期にわたって出生率は下落傾向、寿命は長寿化傾向にあるため、いっきに生産年齢人口比率が減少してしまったのです。(下図)

出生率_20200511
寿命_20200511
出典:厚生労働省

出生率は底を打った感がありますが、今後も長寿化が進めば、生産年齢人口比率は下落していくことでしょう。

長寿化は医療が発達したからというシンプルな理由で納得できますが、なぜ出生率は下がったのでしょうか?

これはいろいろな理由が挙げられますが、やはり一番大きいのは「女性の社会進出」ではないでしょうか。

第二次世界大戦後、それまでの家父長制的な家族構造が変化し、欧米で既に普及しつつあった男女平等の概念が日本に持ち込まれました。

当然それまでの家父長制であったのが、突然主婦の人もバリバリ働きだすという風にはなりませんでしたが、時代を経て徐々に徐々にこの考え方が浸透していくのです。

更に、1972年に勤労婦人福祉法が制定・施行され、主に産休や育休など制度が整備され、それまで出産と同時に退職せざるを得なかった女性が、退職しなくてもよくなりました(当然これもそれまでの文化は急に変わらないので時間をかけて普及していくことになります)。

そして極めつけは1986年施行された男女雇用機会均等法で、 雇用に関する分野において、性別を理由にした差別を禁止することなどが定められました。

戦後のこのような男女平等の歴史を経て、文化的にも、女性が働くことが一般的となり、最近では子供を産んでも働く女性というのが一般的になってきました。

働く女性が増え、経済的に自立する女性が増えると、結婚をして子供を産むというのは、女性にとって一つの選択肢にすぎなくなります。

当然、仕事に生きがいを見つけて生涯独身を貫く人も出てきます。

また、結婚しても仕事との両立の兼ね合いで、子供を産まない女性、子供を産んだとしても一人までにしようと思う女性が増えるので出生率が下がります。

また、専業主婦志向の女性だとしても学校卒業後は、企業に就職し、数年は働くというのが一般化したため、晩婚化、晩産化が進んだことで、年齢的な問題で子供の人数が圧迫されます。

世界の先進国を見渡してみても、つい最近までは男性が働き、女性が家事育児を行うという社会構造だったので、人口は増える傾向にありましたが、男女平等というのがグローバルスタンダードになった現在において、人口減少というのは避けられないのです。

働きたい女性が増えた中、保育園の待機児童を減らしたり、保育料無償化をしたりして、どんなに子育て環境を整えたとしても、子育ての大変さというのはその程度のことで緩和されるものではないですし、そもそも結婚しない人が増えているので、出生率を劇的に上げることはできないでしょう。

今の政治では、子供を増やすことが目的化してしまっている気がします。

本来の目的は、国民が皆豊かに暮らしていく社会を作ることです。

子供を増やすというのは手段の一つでしかありません。

どのような理由であれ、子供を産みたくないのであれば産まなくていいではないか。

もし子供を産みたくても経済的に厳しい人がいたとして、国がやるべきは、子供を産んでもらうためにそのような人達を手厚く補助するのではなく、努力した人が経済的にも報われる社会の構築にもっと力を注ぐべきなのではないか。


そして、女性の社会進出が不可逆的な流れであることを考えれば、国民が皆豊かに暮らしていく社会を作る手段として、子供を増やすということは、非常にいい結果を望めない手段であるといえます。

よって、我々がもっと考えなければいけないのは、無理に子供を増やすように働きかけることではなく、人口減少・少子高齢化が進んでいくことを受け入れた上で、どのように持続的な社会を作り上げていくかということだと考えられます。

(続く)

以上

りろんかぶお

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[ 2020/05/11 14:28 ] 14.投資の勉強部屋 | TB(-) | CM(0)

世界恐慌(1929年~)で起こっていたこと

世界恐慌_20200508

出典:ウィキペディア

<世界恐慌で起こっていたことまとめ(超概略)>

NYダウチャート
ダウチャート_20200508

出典:https://tunenohikampo.com/2020/03/29/1929/

世界恐慌の背景・経緯

1. 1914年~1918年の第一次世界大戦で、主戦場とならなかった米国は戦争特需、戦後藤樹で経済が大きく活性化。


2. 米国では、企業業績好調⇒個人の所得向上⇒消費拡大⇒企業業績向上・・・の好スパイラルに突入。この時期に自動車、電気製品、マイホームなどが大量に売れ、消費者ローンも拡大。


3. 投資信託の普及で株式投資が大衆化し、信用取引や投機も流行し1920年代の株式市場は絶好調。


4. 企業は生産設備を増強させ続ける一方、1920年代半ば~後半には需要が飽和状態に達し、農業不況(供給過多による農産物下落で農家が打撃を受け購買力低下)も手伝って、供給と需要が急速に乖離を始める。(つまり実体経済は1929年の株価大暴落以前にすでに下降していた)


5. 一方、株式市場は投機熱が増し上昇を続け、1929年9月3日にNYダウは最高値381.17を付け、6年間で約5倍に。


6. 1929年9月3日以降、市場参加者は実態経済とかけ離れた株価にようやく気付き、徐々に売り圧力が増し株価は下落。売りが売りを呼ぶ展開となり、ついにパニック状態に陥ったのが1929年10月24日(木)のBlack Thursdayと同年10月29日(火)のTragedy Tuesday、(火))で、NYダウは230ドル迄大暴落。


7. この株価大暴落が世界大恐慌のきっかけといわれるが、具体的には以下の理由があったとされている。


① 当時は商業銀行でも、株式保有と自己勘定売買が認められていた為、株価暴落→銀行の損失→不安になった預金者から大量の預金取付騒ぎ→銀行倒産→他行への取付→銀行の連鎖倒産→実体経済への信用収縮→実体経済の倒産や失業→銀行の損失、という最悪の負のスパイラルに入ってしまったこと。

② 当時金本位制を採用していた英国では、世界恐慌による債務急増、国際収支悪化により金融不安が強まり、ポンドが売られ金が大量に流出(金本位制ゆえポンドは一定のレートで金と交換可能)。これが急速に進んだことで金本位制が立ち行かなくなり、英国は1931年9月に金本位制を離脱。米国もいずれ金本位制を離脱するのではないか,という推測が市場に流れ,欧州諸国はドルを金に交換し始め、米国でも大量に金が流出。金流出を防ぐために、連邦準備銀行は1931年10月、大恐慌の真っただ中で、経済を冷やす効果のある金利引上げをせざるを得ない状況に。これが大恐慌に追い打ちをかけた。

③ 恐慌の中、米国は自国経済を守るために、関税を高め保護貿易政策をとったことで世界経済を悪化させた。


8. 多くの指標がボトムを付けた1933年は、

NYダウは1929年高値:381.17ドル⇒1933年底値:41.22ドル
GDPは1929年:1,044億ドル⇒1933年:560億ドル
失業率は1929年:3.2%⇒1933年:24.9%、


9. GDPが1929年の水準を回復したのは1940年なので、11年も経済低迷が続いたことになります。


STOP



ここまで見ていったとき、現在のコロナショックで果たして世界恐慌のように、長期停滞が訪れるでしょうか?

世界恐慌の対比でいうと以下のように考えられると思います。

・現在、商業銀行による株式の自己勘定売買は大幅に規制されている為、銀行はコロナショックによる株価大暴落で直接的な影響は受けていない(景気後退による融資の貸し倒れリスクはあるものの)。

・1929年当時は、「最後の貸し手」の役割を果たすものがいなかったために大量の企業倒産を招いたが、昨今は政府やFRBがその役割を担うため、大量倒産という事態にはならない。(特にロックダウンという政府命令によって経済を人為的にストップしている状況なので、企業に痛みを強いる代わりに政府は企業を守るのが当然)

・金本位制ではない昨今では、不況時に金利を上げざるを得ない状況というのはあり得ない。

・但し、失業者の急増、自粛マインドの定着などによって、消費減少⇒企業業績悪化⇒個人所得減少⇒消費減少・・・という負のスパイラルに陥るリスクはある。

以上

りろんかぶお

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※当ブログで紹介する理論株価は、いくつかの前提条件をりろんかぶおが独自に設定している為、その前提条件次第では計算結果が異なってきます。また当ブログは、投資に関する情報を掲載していますが、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。また、読者が当ブログの情報を用いて行う投資判断の一切について責任を負うものではありません。


[ 2020/05/08 10:59 ] 14.投資の勉強部屋 | TB(-) | CM(0)

バークシャーハサウェイ株主総会まとめ(2020年5月)

株主総会_20200503


2020年5月2日にバークシャーハサウェイの株主総会が開催されました。

今年はコロナの影響でオンライン開催。例年はバフェットとマンガーの二人による質疑応答ですが、今年はカリフォルニア在住のマンガーは不在(飛行機に乗るのを避けるため)。

会議のハイライトは以下の通りです。

1.2020年第一四半期決算と2020年4月の投資動向

同日朝、バークシャーハサウェイ は2020年第一四半期決算を発表。サマリーは以下の通り。

・純損益は$49.7 billion(約5兆円)の赤字。投資先株価下落に伴い$70.3 billion (約7.5兆円)の評価損が生じたことが主因。

・株式の購入は4,003百万ドル(約4300億円)、売却が2,166百万ドル(約2300億円)。現金及び保有国債は2019年12月末$128 billion(約13兆円) から2020年3月末時点で$137 billion(約14兆円) に増加。

・更に、4月は株式購入が426百万ドル、売却が6,509百万ドルであったことも言及。

従来、バークシャーは株価大暴落時に大規模な投資を行ってきただけあって、どの企業にどれだけの投資が行われたかが注目されましたが、「ほとんど動いていなかった」ことに多くの投資家が驚いたものと思われます。

2.「魅力的な投資は見当たらなかった」

2009年の金融危機では、危機に瀕した金融機関を中心に、優先株を通して直接企業に資本注入する形で巨額の投資を行ったバークシャーなるも、今回のコロナショック下では、「魅力的な投資はなかった」と話し、今のところ巨額の投資は行っていないとのこと。

背景には、FRBの巨額の資本供給が、バークシャーの投資機会を奪ってしまったという事実があるようです。

バフェットは、「今はお金を借りるのに非常に良い時期です。つまり、(バークシャーのように)お金を貸す側にとってはそれほど良い時期ではないのです。」とコメント。

3.「今後、株式市場に何が起きるかわからない」

「株式市場に明日何が起きるか私はわからないし、誰もがわからないだろう。」とバフェットは述べた。

「アメリカが時間とともに前進することに関して自信はあるが、2001年9月の同時多発テロや、今回のコロナショックで学んだように、市場に関していえば何が起こっても不思議ではありません。アメリカに賭けることは賛成だが、どのように賭けるかは注意が必要だ」

「感染第2波が来たときに米国社会がどう反応するのか分からない」と彼は付け加えました。

「コロナの影響がどのくらい続くかは誰にもわかりません。ほとんどの人は、ウイルスが夏の数ヶ月で拡散がある程度減少すると思っていますが、多くの人はそれがいつか戻ってくると思っています。」

「ウイルスは私たちの今後の行動を決定します。たくさんの有能な人がいますが、未知のものもあります。そして、健康に関する未知のものは、経済に関する未知のものを生み出します。」とバフェットは付け加えた。

このようにバフェットは、現状に対しとても悲観的であり、今後の見通しがとても不透明であることを述べています。

バーゲンセールとも言われる今の市場において、不気味に積みあがったバークシャーの現金は、更なる大恐慌の到来をバフェットが予期していることを示唆しているのではないかと思わずにはいられません。

4.保有航空株を全売却

バフェット氏は、米国の4大航空会社であるアメリカン航空、デルタ航空、サウスウエスト航空およびユナイテッド航空に巨額の投資をしており、2019年末時点で保有時価は$10 billion(約1兆円)を超えました。

但し株主総会にてバフェットは、4月にこれらの航空会社への株式を全て売却したと述べました。

「航空業界には非常に大きな変化が起きました。航空会社にとって世界は変わったのです。今後うまくいくことを願いますが、大きな傷を負う可能性もあります。」

「人々はこのロックダウン期間飛行機に乗らないように要請されました。今後、人々が今までと同じように飛行機に乗ろうと思うかわかりません。」

バフェット氏は、今回の自粛期間を経て、人々が元の行動様式に戻るのか疑問に思っていると語りました。

バフェットは、航空客が70~80%戻ってきたとしても、航空会社が今保有している航空機の数は顧客数に対して過剰であり、この供給過剰状態が価格競争の激化をまねくのではないかと述べています。

また、航空会社は現在政府から巨額の融資を受け、更に将来政府が割引価格での株式購入できる権利を獲得している為、潜在的な巨額の売り圧力があり、これが株価の上値を重くすると見ているとも語りました。

5.オクシデンタルペトロリアムへの投資

バークシャーは、2019年4月にオクシデンタルに約$10 billion(約1兆円)の優先株投資を行いました。

一方、2020年4月末にWTI原油先物価格は1バレルあたりマイナス$ 37に急落し、オクシデンタルへの投資も心配されていました。

バフェットは、「オクシデンタルや他の石油会社に投資していた投資家は、原油価格の見通しを間違えたという意味で私と同じですね。」とした上で。

「オクシデンタルへの投資は当時の原油価格では魅力的でしたが、現在の原油価格水準では機能しません。この価格水準では、石油生産は今後数年間減少することでしょう。」と述べました。

6.ボーイング

バークシャー自身はボーイングへの投資は行っていないものの、ボーイングについても以下の通り言及。

「ボーイングは、今回のコロナ騒動においてとても状況がひどい会社の1つであり、このような事態はとても重大です。ボーイングは巨大な輸出業者であり、ボーイングの業績は多くの下請け企業に影響を与えるからです」とバフェット氏は述べています。

「航空会社は自身の未来がどうなるかわかっていないし、私自身も航空業界の先行きが見通せません。私たちは、将来的に飛行機に乗るようになるでしょうが、問題は航空会社が新たな航空機を必要とするかどうか、そして必要となるのがいつなのか、です。この問題はボーイングのみならず多くの人々に影響を与えるでしょう。」とも述べました。

7.S&P500指数をアンダーパフォーム

バフェットは、バークシャーが近年S&P 500に対すしアンダーパフォームしていることに関して、

「実際のところ、私は人々にS&P 500への投資を推奨しています。バークシャーは、時間をかけて妥当な利益を上げる他の単一投資と同じくらい健全ですが、私は今後10年間でS&P 500をアウトパフォームできるかどうかということに人生を賭けたくはないのです。」

規模が巨大化したバークシャーが、市場平均に打ち勝つことは困難ですが、バフェット氏は保険事業によってフロートを活用できるという利点があるとも述べました。

8.「Never bet against America」

不確実性が高まっている中で投資は困難な状況にあるものの、バフェットは長期的には株式は依然として米国債よりも優れた投資であると説明しました。

「株式を長期間保有する場合、株式は30年国債よりも優れた結果を生み出します。但し、これは健全な投資についてのみ当てはまります。」と述べました。

ウイルスを評価するのは難しく「想定されうるシナリオの範囲は多少狭まっているものの、経済的な側面でいうと将来のシナリオの幅はまだ非常に広いです。あなたがもし経済活動の多くの部分を自発的にシャットダウンしたときにどのようなことが起こるかわかりません。」

としつつも、過去の大恐慌や南北戦争を乗り越えたことを引き合いに「基本的には誰であってもアメリカの発展を止めることはできないでしょう」と述べました。

「Never bet against America(決して米国の成長に逆らうような賭けをしてはいけない)」ということを強調しました。

STOP

以上

りろんかぶお

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[ 2020/05/03 23:16 ] 12.バフェットの投資哲学 | TB(-) | CM(0)
プロフィール

りろんかぶお

Author:りろんかぶお
【名前】:りろんかぶお
【生年】:1987年
【出身】:千葉
【性格】:感情の起伏ゼロ。声低め。
【学歴】:東京大学大学院卒
【職業】:現在はセミリタイアし専業投資家。元総合商社勤務(M&A等)
【資格】:証券アナリスト
【趣味】:投資・麻雀・ランニング
【目標】:資本を通じて社会に貢献すること


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