バフェット部 セミリタイアした東大卒元商社マンの米国株情報サイト

M&Aを手掛けた東大卒元商社マン(証券アナリスト資格有、現在はセミリタイアし専業投資家)が主に米国株の理論株価を全力分析!

2019年度バフェットからの手紙(和訳)①

berkshire.png


<2019年度バフェットからの手紙(2020年2月)>
(りろんかぶお訳)

Berkshire’s Performance vs. the S&P 500

2019年
Berkshire:11.0%
S&P500 (with dividend):31.5%

1965-2019 平均年率リターン
Berkshire:20.3%
S&P500 (with dividend):10.0%

Overall Gain – 1964-2019
Berkshire:2,744,062%
S&P500 (with dividend):19,784%

バークシャーハサウェイ社株主の皆様へ:

バークシャーの2019年純利益は814億ドル(GAAP)でした。この数字の構成要素は、営業活動に伴う純利益240億ドル、株式投資からの実現利益37億ドル、株式投資からの未実現利益537億ドル、からなります。これらは全て税引後ベースです。

この537億ドルの利益には注意が必要です。2018年に課せられた新しいGAAPルールの結果、保有証券の未実現損益も純利益に含めなければいけなくなりました。昨年の手紙で述べたように、チャーリー・マンガーも私もこの新ルールには賛同できません。

実際、会計専門家によるこのルールの採用は、彼らの考え方の途方もない変化でした。2018年以前、GAAPは、証券取引を事業とする会社を除き、保有証券の未実現利益を会社の損益に含めることを認めず、未実現損失は、「一時的ではない」と見なされた場合のみ含める、と主張していました。一方現在のルールでは、バークシャーは、多くの投資家、アナリスト、コメンテーターが重要視する各四半期純利益に、保有株式の上下動を含める必要があります。たとえそれらの変動が気まぐれであっても。

バークシャーの2018年と2019年の業績は、新しい規則に対する我々の懸念を明白に示しています。2018年は株式市場が下落した年で、バークシャー保有証券の未実現利益は206億ドル減少したため、バークシャー全体の純利益はGAAP会計上わずか40億ドルでした。 一方、2019年は、保有株式が上昇し前述の通り未実現利益が537億ドル増加し、結果としてGAAP会計上の純利益は814億ドルとなりました。株式市場の上昇が、バークシャーのGAAP会計上の純利益を1,900%増加させたのです!

一方、私たちが考える実際の世界では、会計の世界とは対照的に、バークシャーの保有株式(平均約2,000億ドル)の本質的な価値は、この2年の期間を通じて着実かつ実質的に増加しました。

チャーリーと私は皆さんに、バークシャーの営業純利益に焦点を合わせ(2019年にはほとんど変化していない)、投資による損益は実現したものであれ未実現のものであれ無視することをお勧めします。

我々は決して、これらの投資活動がバークシャーにとって重要性が低いといっているわけではありません。時間の経過とともに、ポートフォリオとしての保有株式は(予測不可能で非常に不規則な動きをするものの)大きな利益をもたらすと、チャーリーと私は期待しています。我々が楽観的である理由を見ていくために、次のトピックに進んでください。

(続く)

以上

りろんかぶお

その他の人気記事はこちら↓
にほんブログ村 株ブログ 米国株へ
にほんブログ村

※当ブログで紹介する理論株価は、いくつかの前提条件をりろんかぶおが独自に設定している為、その前提条件次第では計算結果が異なってきます。また当ブログは、投資に関する情報を掲載していますが、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。また、読者が当ブログの情報を用いて行う投資判断の一切について責任を負うものではありません。



[ 2020/02/28 11:56 ] 11.バフェットの投資哲学 | TB(-) | CM(0)

バフェット銘柄の取得単価一覧(2019年12月末時点)

<バークシャーハサウェイ保有銘柄取得単価>

バークシャー社のCEOであるバフェットといえば、約50年にもわたって平均約20%のリターンを上げ続けてきた
伝説の投資家です!
(同期間の市場平均は10%程度)

誰もがバフェットの投資戦略をまねたいと思っているといっても過言ではないでしょう。


そんなバフェットの投資戦略は非常にシンプルで、
毎年株主宛に出す「バフェットの手紙」では、
以下のように述べております。

「私たちが選ぶ企業の条件は、

① その内容を私たちが理解し、

② 将来にわたり長期的に好ましい業績が見込め、

③ 経営幹部は誠実で有能な人々であり、

④ 非常に魅力的な価格で購入すること。


です。」

この中でも重要なのが
「④の魅力的な価格で購入すること」です。

バフェットが各銘柄を購入した時の取得単価を見ることで、保有企業に対してどの程度が魅力的価格と考えているかをひも解くことができます。(但し、30年前の適正価格と現在の適正価格は全然違うので注意。コカ・コーラやアメリカンエクスプレスなどは30年以上前に取得)

以下が2019年末時点の主要保有銘柄の取得単価となります。

バークシャー取得単価一覧(2019年12月31日時点)
Untitled spreadsheet
銘柄 バークシャ-
保有比率 (%)
バークシャー
取得単価 (US$)
現在株価 (US$)
(2019/12/31時点)
保有時価 (US$)
(2019/12/31時点)
Apple 5.70% 140.66 293.65 73,667
Bank of America 10.70% 13.25 35.22 33,380
Coca-Cola 9.30% 3.25 55.35 22,140
American Express 18.70% 8.49 124.49 18,874
Wells Fargo 8.40% 20.37 53.80 18,598
Kraft Heinz 26.65% 30.11 32.26 10,500
U.S. Bancorp 9.70% 38.19 59.29 8,864
JPMorgan Chase 1.90% 109.16 139.39 8,372
Moody’s 13.10% 10.05 237.42 5,857
Delta Airlines 11.00% 44.07 58.48 4,147
The Bank of New York Mellon 9.00% 45.36 50.33 4,101
Goldman Sachs 3.50% 71.57 229.90 2,859
Charter Communications 2.60% 173.96 485.02 2,632
Southwest Airlines 9.00% 41.55 53.97 2,520
United Continental 8.70% 54.47 88.11 1,933
Visa 0.60% 34.08 187.91 1,924
Others


38,159


以上

りろんかぶお

りろんかぶおその他の米国株関連人気ブログはこちら↓
にほんブログ村 株ブログ 米国株へ
にほんブログ村

※当ブログで紹介する理論株価は、いくつかの前提条件をりろんかぶおが独自に設定している為、その前提条件次第では計算結果が異なってきます。また当ブログは、投資に関する情報を掲載していますが、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。また、読者が当ブログの情報を用いて行う投資判断の一切について責任を負うものではありません。


[ 2020/02/27 09:41 ] 10.バフェット銘柄取得単価 | TB(-) | CM(0)

バフェット最新ポートフォリオ(2019年12月31日時点)

バークシャーハサウェイ社資産内訳(2019年12月31日時点)
資産内訳2_20200226

バークシャーハサウェイ社有価証券&持分法適用会社(2019年12月31日時点)
PF2_20200226.png



バフェット2019年10月~12月売買銘柄(単位:百万ドル)
※有価証券&持分法適用会社のみ
売買_20200226

※売買金額については、米国証券取引委員会に提出された売買株数に各銘柄の四半期末時点株価をかけて仮計算しております。
バフェットの実際の売買金額は当該四半期中のどこかで行われております(期末価格ではない)ので、上記計算とは異なることご了承ください。

バフェットの投資戦略
こちらの記事ご参照!

バフェットの4つの投資戦略に学ぶ!~「事業内容を理解できる企業」~

りろんかぶおコメント
・2019年4Qに購入された主要個別銘柄はKROGERとバイオジェン。

・KROGERは全米でスーパーマーケットなどを展開する小売大手。KROGERはマイクロソフトなどと組んで、小売店舗にデジタル技術を導入し、顧客の利便性を高めていることが特徴。

・バイオジェンはバイオ医薬品企業。神経疾患治療の医薬品の開発、製造、販売に従事。

・その他に注目なのが、少額なるもSPYやVOOなどのS&P500指数に連動するETFを購入している点。投資会社のバークシャーが指数連動のETFを買うというのは何とも微妙(投資家がバークシャーに投資している意味がない)ですが、これは積みあがった現金を一時的においておくという意味での投資かと思います。

・そして2019年4Qは売却された個別銘柄の方が多く、主要なものは、バンクオブアメリカ、ゴールドマン、ウェルズファーゴなどの金融株、石油精製のフィリップス66、そしてアップルです。

・ウェルズファーゴはかつて永久保有株ともいわれましたが、全四半期も一部売却されています。数年前に起こした不正営業(不正に口座開設やクレジットカード発行を行ったもの)以来、信頼回復に苦労していることもあってか、とうとう見放すのかもしれません。

・バンクオブアメリカは最近かなり買い増していたことと、同社の自社株買いもあって、保有比率の規制である10%をオーバーしたことが原因で売却しているものと思われます。

・ポートフォリオの最大ポーションを占めるアップルの売却ですが、これはバフェットとマンガーの補佐を務めるトッド・コームズ氏、テッド・ウェシュラー氏投資判断ではないかといわれております。

NYダウ銘柄理論株価一覧はこちらご参照ください!

以上

りろんかぶお

今後も皆様にとって有意義な情報をお届けできるよう精進致します!
もしよろしければ応援のポチをお願い致します!
にほんブログ村 株ブログ 米国株へ
にほんブログ村

※当ブログで紹介する理論株価は、いくつかの前提条件をりろんかぶおが独自に設定している為、その前提条件次第では計算結果が異なってきます。また当ブログは、投資に関する情報を掲載していますが、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。また、読者が当ブログの情報を用いて行う投資判断の一切について責任を負うものではありません。



石油会社の未来

石油会社


現在、地球温暖化の解決に向け世界は躍起になっています。

地球温暖化は本当に人為起源?①

2016年、気候変動枠組条約に加盟する国々によってパリ協定が発効し、産業革命前からの世界の平均気温上昇を「2度未満」に抑えること、「1.5度未満」を目指すこと、をその目的としました。

気候変動に対する国際的な取組~京都議定書からパリ協定まで~

また、2015年、国連サミットにおいては「Sustainable Development Goals(SDGs、持続可能な開発目標)」が採択されました。

これは、持続可能な世界にするための17の大きな目標と、それらを達成するための具体的な169のターゲットで構成されて、国連加盟193か国が2016年から2030年の15年間で達成するために掲げた目標です。

このように、工業化によって大量の地球資源を費消し、大量の化石燃料を燃焼することで大気中のCO2濃度を激増させ、ようやく我々は地球が悲鳴を上げていることに気づきました。

そしてそのつけは、何百年も先ではなく、我々の子供・孫世代、或いは我々が生きているうち払わなければいけない程、差し迫った状況にあります。

こうした中、化石燃料が国際的な悪者にされ、再生可能エネルギーや電気自動車がその救世主として見られています。

このような国際的な取り組みの中、悪者の代表格である石油会社は今後どうなってしまうのでしょうか?

石油の世紀とも言われた20世紀。その次の21世紀に、そんなに簡単に我々は石油から脱却できるのか?

今回は、国際エネルギー機関(IEA)がシナリオ別に予測する今後のエネルギー需要を以下で見ていきたいと思います。

Stated Policies Senario:今後気候変動に対する新たな政策や規制が施行されず、既存の枠組みのままで経済活動が行われると仮定したシナリオ

Sustainable Development Scenario:SDGsで設定されたエネルギー関連目標やパリ協定の目標を達成するために新たな政策や規制が施行され、温室効果ガス排出量を2070年までにNet ゼロにするための適切な行動がとられると仮定したシナリオ

<石油需要>

石油需要予測

Stated Policies Senarioでは、石油需要は2025年までは堅調なるも、その後ゆるやかになり、2040年には2018年対比で8%増加していることになります。

このシナリオでは、石油の主要用途である自動車ガソリン需要は2020年後半にピークアウトするものの、石油化学品、船舶、航空用の需要が増加し続けていくために、結果的に微増を続けるという結果となっております。

一方、Sustainable Development Scenarioでは、石油需要のピークは今後数年間で到来し、2040年には2018年対比で32%減少していることになります。

このシナリオでは、自動車、船舶、航空用など輸送用途向け需要の顕著な減少を想定しており、自動車に至ってはEVの普及率が2040年に50%に達していることを前提としている。一方、リサイクルの取り組みが加速する中でも石油化学品需要は増加せざるを得ない想定となっている。

以下は、Stated Policies Senarioにおける年間新車販売対数の予測です。

自動車需要予測

現在、世界の新車販売台数は年間8700万台(EVの割合は1%台)ですが、Stated Policies Senarioでは、2040年には年間3300万台のEVが販売されている見通しで、道路を走っているEVは全世界で3億3000万台にのぼると予測されています。


個人的には、Sustainable Development Scenarioはかなりアグレッシブなケースだと思うので、実際には同シナリオ程、極端に石油需要は落ちないのではないかと思っております。

石油の用途の大半はやはり自動車なので、今後EVがどこまでシェアを拡大できるかがポイントとなりそうです。

<ガス需要>

ガス需要予測

天然ガスは、同じ化石燃料である石油や石炭と比較して、温室効果ガス排出量が少ないため、近年相対的にクリーンなエネルギー源とされ、需要が急増しており一時期、時代は“ガスの黄金時代”に突入したとまで言われました。

Stated Policies Senarioでは、ガス需要は2040年まで一貫して増加し続け、2040年には2018年対比で35%増加していることになります。

一方、Sustainable Development Scenarioでは、ガス需要は2020年代は年率平均0.9%で増加していき、2020年代末にはピークに達するとの見通し。その後は、再生可能エネルギーやエネルギー効率の改善なども相まって、消費量の減少が始まり、2040年のガス需要は2018年対比で微減となりそうです。

ちなみに、以下はシナリオ別に2040年の発電方法の割合を示したものです。

電源予測

Sustainable Development Scenarioはかなりアグレッシブなケースだと考えれば、ガスの需要は今後も堅調に推移していくことが予想されますね。

<まとめ>

石油需要は今後20年間でやはり減少しそうですね。

EVは今後普及を加速させそうだが、発展途上国などでの新たな自動車需要が出てくることもあって、ガソリン車の需要は今よりかは増えそうであることが確認できました。(但し、2020年代末にはピークアウト)

これらも考えれば、やはり石油の需要というのは、急に大崩れするものではなく、今後も底堅いものがありそうだなと思いました。

ガスに限っては、相対的にクリーンなエネルギーと認識されていることもあって、再生可能エネルギー供給が確立するまでのつなぎ期間の主役として、今後20年は需要が増加しそう。

これらを踏まえると、石油会社は今後100年間必要とされるかといわれればそうではなさそうだが、今後30年間は底堅い需要があり、それに見合ったそこそこの業績を上げていくのではないかと考えられます。


以上

りろんかぶお

その他の人気記事はこちら↓
にほんブログ村 株ブログ 米国株へ
にほんブログ村

※当ブログで紹介する理論株価は、いくつかの前提条件をりろんかぶおが独自に設定している為、その前提条件次第では計算結果が異なってきます。また当ブログは、投資に関する情報を掲載していますが、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。また、読者が当ブログの情報を用いて行う投資判断の一切について責任を負うものではありません。



[ 2020/02/25 12:00 ] 13.投資の勉強部屋 | TB(-) | CM(0)

気候変動に対する国際的な取組~京都議定書からパリ協定まで~

COP.png


現在、国際的な重要課題の一つとして気候変動に対する危機感がますます増大してきております。

今回は、この気候変動に対して国際的にどのような取り組みが行われていて、我々でも一度は耳にしたことのある京都議定書とは何だったのか、パリ協定とは何なのか、ということを詳しく見ていきたいと思います。

1. 気候変動に対する国際的な取り組み

1972年6月、ストックホルムで国際連合人間環境会議開催。環境問題に関する会合で、国連環境計画(UNEP)設立を決定

1979年2月、ジュネーヴにて世界気象機関(WMO)主導の世界気候会議を開催。気候変動全般について学術的な話し合いが行われるとともに、気候変動研究をさらに推進する「世界気候計画」を採択

1984年、国連の「環境と開発に関する世界委員会」(WCED)が発足

1988年8月、国連環境計画(UNEP)と世界気象機関(WMO)により、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が設立。人為起源による気候変化、影響、適応及び緩和方策に関し、科学的、技術的、社会経済学的な見地から包括的な評価を行うことが目的。

1988年10月、トロント会議において「先進国が2005年の二酸化炭素排出量を1988年より20%減らす」という数値目標(トロント目標)を提示。行政レベルでの活動のきっかけに。

1992年6月、リオ・デ・ジャネイロで環境と開発に関する国際連合会議(地球サミット)が開催され、気候変動枠組条約(UNFCCC)を採択。UNFCCCでは定期的な会合(気候変動枠組条約締約国会議、COP)の開催を規定

1995年にCOP1、1996年にCOP2を開催。地球温暖化対策の必要性が合意されるとともに、温室効果ガスの削減目標や削減手法について協議。

1997年、COP3において、初めて具体的に排出量の削減を義務づける内容を盛り込んだ京都議定書が議決。

2005年、京都議定書が発効条件を満たし発効、法的にも削減義務が発生。

2007年、ハイリゲンダムサミットにおいて、「温室効果ガスを2050年までに半減する」との合意が為されたが、どの温室効果ガスをいつを基準に半減させるのかなど、詳細規定なし。

2009年、COP15においてコペンハーゲン合意がなされ、先進国・途上国の2020年までの削減目標・行動をリスト化し条約事務局へ提出することを合意。

2010年、COP16においてカンクン合意がなされ、コペンハーゲン合意に基づいて提出された先進国の削減目標と途上国の緩和行動をCOPの公式文書化し留意することで合意。

2015年、COP21において、パリ協定を採択。2020年以降の気候変動対策の枠組みとして,史上初めて全ての国が参加する制度の構築に合意。同協定では、「世界の平均気温上昇を工業化以前から2度以内に抑える」という長期的な目標を規定。

2016年以降、COP22以降で、2020年以降のパリ協定の本格運用に向けて、詳細議論を行い、パリ協定の実施指針を採択。

2. 京都議定書

対象国:先進国
対象期間:2008年~2012年
法的拘束力:あり
概要:各国別に、1990年を基準とした温室効果ガス削減目標を定め、対象期間内に先進国全体で5.2%削減することを約束。
各国削減目標:EU -8%、米国(離脱) -7%、日本 -6%、等

京都メカニズム:他国と協力しコストを低く抑える3つのしくみを導入

① 共同実施:先進国が共同で温暖化対策事業を行い、それによって生まれた排出削減量をの削減目標の達成に算入できる制度。

② クリーン開発メカニズム:先進国が技術や資金を提供し、開発途上国でその国の持続可能な発展を助ける温暖化対策事業を行い、それによって生まれた排出削減量を削減目標の達成に算入できる制度。

③ 排出量取引:先進国間で、排出割当量の一部を取引することができる制度

3. コペンハーゲン合意・カンクン合意

対象国:先進国、発展途上国
対象期間:~2020年
法的拘束力:なし
概要:コペンハーゲン合意によって、先進国・途上国の2020年までの削減目標・行動を条約事務局へ提出することを合意し、カンクン合意によって、提出された文書を公式文書として留意することを合意したもの。
各国目標:
コペンハーゲン合意先進国
コペンハーゲン合意途上国

4. パリ協定

対象国:気候変動枠組条約に加盟する全196カ国
対象期間: 2020年~
法的拘束力:あり
概要:世界の平均気温上昇を工業化以前から2度以内に抑えることを目的とする。各国が、削減目標を作成・提出・維持する義務と、当該削減目標の目的を達成するための国内対策をとる義務を負う。(但し、目標の達成自体は義務とされていない)
各国目標:
※米国はその後協定離脱
パリ協定

出典:全国地球温暖化防止活動推進センター
https://www.jccca.org/trend_world/conference_report/cop21/2-1204.html

STOP

以上

りろんかぶお

その他の人気記事はこちら↓
にほんブログ村 株ブログ 米国株へ
にほんブログ村

※当ブログで紹介する理論株価は、いくつかの前提条件をりろんかぶおが独自に設定している為、その前提条件次第では計算結果が異なってきます。また当ブログは、投資に関する情報を掲載していますが、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。また、読者が当ブログの情報を用いて行う投資判断の一切について責任を負うものではありません。


[ 2020/02/21 11:57 ] 13.投資の勉強部屋 | TB(-) | CM(0)

地球温暖化は本当に人為起源?③

地球温暖化20200217


前回のページで、IPCCの最新の評価報告書を基に、地球温暖化が人為起源であると判断する科学的見解を示しました。

世の中の多くの国際機関や政府はこの報告書を正として今後の政策などを作成しております。

一方で、現在の温暖化は人為起源ではないと主張する温暖化懐疑論も存在します。

温暖化懐疑論は様々ですが、今回はその主要な主張3つを紹介したいと思います。

1. 温室効果ガス原因説への批判

・以下のような事実より、温室効果ガスと温暖化の因果関係を断定することはできない。

① 21世紀に入ってからも温室効果ガスは急増し続けているのに、21世紀以降気温は停滞している

② 温室効果ガスは1800年頃から上昇しているにも関わらず、気温上昇は1900年頃から上昇しており、100年のタイムラグが生じている

地球気温上昇20200217
温室効果ガス20200217
出典:IPCC 5次報告書

・温室効果としては,大気中の二酸化炭素よりも水蒸気や雲の影響の方がはるかに大きく、IPCCの報告書ではそれらの影響を過小評価したモデルでシミュレーションしている。

・温室効果ガス濃度の上昇が気温を上昇させたのではなく,気温(海水温)が上昇したから海洋がガスを放出して大気中の温室効果ガス濃度が上昇した。

2. 気候変動サイクル説

・現在の温暖化は、過去にもあった自然の気候変動の繰り返しの一部である。地球の気温変化は、宇宙を含む自然現象により、1億年、10万年、数千年、数百年の単位周期で大きく変動する。

過去の気温変化
出典:ウィキペディア

・産業革命前から昇温は起きていて、小氷期からの回復過程(自然由来の因子)が続いている

3. 太陽活動原因説

・スペンスマルク効果(まだ正しいとは断定できない説)
 
①太陽風は強い磁場を持ち,地球にやってくる銀河宇宙線の侵入を妨げる働きがある。
②太陽活動が盛んになると、太陽風が強くなり、それによって地球に来る宇宙線も減少。逆に、太陽活動が弱まると、地球に届く宇宙線も増大。
③宇宙線は冷却効果の大きい低層雲を作るので,太陽活動が弱まると宇宙線が増え,低層雲が増え,地球の気温が低下。太陽活動が強まると宇宙線が減り,低層雲が減り,地球の気温が上昇。

・太陽活動状況を表す太陽の黒点数増減データ(太陽活動が活発化すると黒点が増える)を長期的に見ると,黒点数の変化が気温変化に影響を与えている可能性が高い。

・11年周期の太陽活動は2000年頃にピークを迎え,80〜90年周期の活動もピークをすぎて不活発になりつつあり、それと歩調を合わせるように2000年頃から地球の気温は上昇していないことを鑑みると、近年の気候変動は太陽活動によって説明できる。

・最近の温暖化傾向は、地球だけでなく、火星、木星、海王星、トリトン(海王星の衛星)、冥王星等で観測されている。これは太陽活動説を支持する。

STOP

このように、地球温暖化の人為起源説を否定するもっともらしい主張もあります。
この主張のそれぞれに対して、人為起源説派も反論をしています。

一方、地球温暖化に関しては、人為起源説派に説明責任が生じている構図ですので、人為起源説派が苦しく見えるのはしょうがない部分もあります。

IPCCの論理は、

① 現在地球の気温は上昇している
② 二酸化炭素などは温室効果がある
③ 温室効果ガスの大気中濃度は工業化以降急上昇している
④ 温室効果ガス濃度上昇による理論的な気温上昇と、現在の気温上昇はほぼ同程度
⑤ つまり現在の気温上昇は、温室効果ガス濃度の上昇が原因だ

といったものです。

4の根拠がこの論理をかなりもっともらしいものとしていますし、だからこそ世界的に多くの人が支持する見解となっているのだと思います。

一方、IPCCのレポートでは最初から温室効果ガスに当たりをつけ、それを正当化するような分析になっているようにも見え、それ以外の要素の検証が不十分なように思えます。

こういったことも踏まえると、温暖化人為起源説をまるまる鵜呑みにするのではなく、科学的根拠は未だ不十分な点もあることはしっかり認識し、今後そのような点がどのように解明されていくかを冷静に見ていく必要があるのではと思いました。

以上

りろんかぶお

その他の人気記事はこちら↓
にほんブログ村 株ブログ 米国株へ
にほんブログ村

※当ブログで紹介する理論株価は、いくつかの前提条件をりろんかぶおが独自に設定している為、その前提条件次第では計算結果が異なってきます。また当ブログは、投資に関する情報を掲載していますが、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。また、読者が当ブログの情報を用いて行う投資判断の一切について責任を負うものではありません。


[ 2020/02/19 11:50 ] 13.投資の勉強部屋 | TB(-) | CM(0)

地球温暖化は本当に人為起源?②

地球温暖化20200217


前回のページで、地球温暖化は今や世界的課題として資産運用の分野にも大きく影響を与えている中、地球温暖化懐疑論を主張する人もいることを説明しました。

そんな中、①地球温暖化は本当に人間活動に起因するものなのか?②地球温暖化懐疑論はどれだけ信憑性があるのか?といった疑問が浮かび上がってきましたので、今回はまず①について詳しく見ていきたいと思います。

現在、地球温暖化に対して、最も科学的な評価を行っているとされているのがIPCCの評価報告書です。

IPCCは、国際的な専門家でつくる、地球温暖化についての科学的な研究の収集、整理のための国際的な政府間機構を指します。

このIPCCが、1990年に公表した第1次評価報告書から、数年おきに報告書を公表し、2014年の第5次評価報告書が最新のものとなります。

IPCC第5次評価報告書で、「地球温暖化は本当に人間活動に起因するものなのか?」という問いに対して、どのような説明がなされているのか以下で見ていきます。

<IPCC第5次評価報告書>
※グラフの出典は全てIPCC第5次評価報告書

1. 気候システムの観測された変化

まずは客観的事実として、地球の平均気温は過去どのように推移していきたのかを確かめたものが以下のグラフです。

地球気温上昇20200217

これを見ると、地球表面では、最近30年の各10年間はいずれも、1850年以降の各々に先立つどの10年間よりも高温であり続け、長期にわたる評価が可能な北半球では、最近30年は過去1400年において最も高温の30年間であった可能性が高い (確信度が中程度)とされております。

陸域と海上を合わせた世界平均地上気温は、1880~2012年の期間に0.85度上昇していることが見て取れます。

これらの結果より、IPCCの見解としては、気候システムの温暖化には疑う余地がなく、また 1950 年代以降観測された変化の多くは、数十年から数千年間にわたり「前例のないもの」である、としております。

つまり、現在の地球温暖化は、長期的に見ても、自然に起こる気温変化ではなく、特別な何かしらの要因が寄与している可能性が高いとみていることになります。

(一方で、地球は46億年の歴史があるといわれていて、その間に数千万年以上の単位の氷河期と温暖期のサイクルを繰り返してきている中、たった数百年、数千年の気温変化を切り取って、過去に前例のない気候変動が起こっているといえるのかというとかなり疑問な気もします。)

2. 気候変動の原因

次に、上記の前例のない気温上昇を引き起こした「特別な何かしらの要因」が何かについて見ていきます。

まず、温室効果という現象について説明します。

二酸化炭素などの温室効果ガスと呼ばれる気体は赤外線を吸収し、再び放出する性質があります。

この性質のため、太陽からの光で暖められた地球の表面から地球の外に向かう赤外線の多くが、熱として大気に蓄積され、再び地球の表面に戻ってきます。この戻ってきた赤外線が、地球の表面付近の大気を暖めるので、これを温室効果と呼びます。

二酸化炭素などの温室効果ガスは、近年の工業化以降、化石燃料の燃焼によって大量に排出されるているので「特別な何かしらの要因」である可能性が高いと容易に想像できるので、まずは、温室効果ガスの空気中の濃度及び排出量の推移について以下のグラフで見てみます。

温室効果ガス20200217

これを見ると、工業化以降(産業革命は1700年代後半ごろ)温室効果ガス濃度と排出量は増加し続け、特に1950年ごろを境に急速に増加していることがわかります。

これは主に経済成長と人口増加からもたらされており、そして、今やその排出量は史上最高で、このような排出によって、二酸化炭素、メタン、一酸化二窒素の大気中濃度は、少なくとも過去80万年間で前例のない水準にまで増加したとされています。

次に、このような温室効果ガスの増加が、本当に現在の地球温暖化の主要な原因となっているのかについて見ていきます。

というのも、気候変動は、大気の組成、プレートの動き、太陽の出力変化、火山活動などの自然起源の要因もあるからです。

下の図では、1951年~2010年の間で、人為起源の温暖化効果がどの程度気温上昇を招いたか、自然起源の温暖化効果がどの程度気温上昇を招いたか、そして実際に観測された気温上昇幅はどの程度であったかを見ることで、近年の気温上昇の内、人為起源の割合がどの程度あるかを見たものです。

人為起源強制力20200217

上図よりわかることは、「人為起源強制力の合計」と「観測された気温上昇」がほぼ同程度であり、自然起源の気温上昇はこの間、ほぼゼロであったことがわかります。

これを根拠に、IPCCとしては人為的要因が20 世紀半ば以降に観測された温暖化の支配的な原因であった可能性が極めて高い、との見解を示しております。

3. 気候変動の将来予測

IPCCでは以下4つのシナリオを想定し、これらのケースで2100年までにどのような気温変化が予測されるかを調べております。

RCP2.6シナリオ:温室効果ガス排出の厳しい抑制を行うシナリオ
RCP4.5シナリオ:ある程度の排出抑制努力を行う中間シナリオ
RCP6.0シ ナリオ:ある程度の排出抑制努力を行う中間シナリオ
RCP8.5シナリオ:温室効果ガス排出を抑制する追加的努力のないシナリオ

ちなみに、工業化以前に対する世界平均の気温上昇を2°C未満に維持する(パリ協定の目標)可能性が高いのがRCP2.6です。

各シナリオの、温室効果ガス排出量前提は以下の通りです。

シナリオ別排出量前提20200217

つまり、パリ協定の目標を達成するには、温室効果ガス排出量を2000年代後半ごろにゼロ以下にする必要があるということです。。

このようなシナリオの下、予測された気温変化は以下の通りです。

気温変化予測20200217

21世紀末(2081~2100年)までの世界平均地上気温の1986~2005年平均に対する上昇量は、RCP2.6シナリオでは0.3~1.7°C、RCP4.5シナリオでは1.1~2.6°C、RCP6.0シナリオでは1.4~3.1°C、RCP8.5シナリオでは2.6~4.8°Cの範囲に入る可能性が高いことがわかります。

極度の温暖化においては、多 くの生物種が絶滅リスクの増大に直面し、食料の安全保障を低下させ、健康上の問題を悪化させることで人間の健康に 影響を与えることなどが予測されています。

若い世代であれば、本当に生きているうちにこのような地球規模での大問題が顕在化している可能性が十分にあるのです。

このようなことからも、我々自身、地球温暖化問題を他人事と思わず、将来の自分及び自分の子供に直接かかわってくる大きな問題として、各個人が真剣に考えていく必要があります。

STOP

以上

りろんかぶお

その他の人気記事はこちら↓
にほんブログ村 株ブログ 米国株へ
にほんブログ村

※当ブログで紹介する理論株価は、いくつかの前提条件をりろんかぶおが独自に設定している為、その前提条件次第では計算結果が異なってきます。また当ブログは、投資に関する情報を掲載していますが、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。また、読者が当ブログの情報を用いて行う投資判断の一切について責任を負うものではありません。



[ 2020/02/18 12:22 ] 13.投資の勉強部屋 | TB(-) | CM(0)

地球温暖化は本当に人為起源?①

地球温暖化20200217


現在の世界において、最も主要な課題の一つが地球温暖化です。

1992年、大気中の温室効果ガスの濃度を安定化させることを究極の目標とする「国連気候変動枠組条約」が採択され、世界は地球温暖化対策に世界全体で取り組んでいくことに合意しました。

同条約に基づき、国連気候変動枠組条約締約国会議(COP)が1995年から毎年開催されています。日本からは全てのCOPに環境大臣が出席しています。

また、2015年9月、国連 持続可能な開発サミットで「持続可能な開発目標(SDGs)」が採択されました。

SDGsは持続可能な世界を作るために、国連加盟193か国が2016年から2030年の15年間で達成するために掲げた17つの大きな目標のことです。

貧困や飢餓をなくし、健康や教育を充実させようといった目標の他、「気候変動に具体的な対策を」といった目標も掲げられております。

近年はSDG投資という言葉に見られるように、地球温暖化問題が資産運用の世界にも影響を見せ始めております。

国際的な機運の高まりから、世界中の大手機関投資家が、温室効果ガス排出に大きく関与する企業(石炭会社や石油会社等)への投資を引き揚げており、銀行からそれらの企業に対する融資も引き締まっていくことが予想されます。

りろんかぶおとしては、エネルギー関連会社への投資の引き上げが実際のエネルギー消費の減少には直接的には結びつかないと思うので、エネルギー会社の業績が変わらないのに株価だけが下がるというのはエネルギー会社への投資妙味があるととらえることもできると考えます。

一方、銀行がエネルギー会社への融資を引き締めて、金利が上がったりすると、エネルギー会社の業績を圧迫し、これにより化石燃料系のエネルギー価格が上がると消費も減少するので、エネルギー会社に投資する場合は、借入金利の動向はしっかりと見ておいた方がいいと思います。

このように、資産運用業界においても、地球温暖化というのは重要なテーマとなってきている中、「地球温暖化懐疑論」というものもあります。

地球温暖化懐疑論では、人間活動の温室効果ガス排出増と地球温暖化の間には因果関係がない、或いは因果関係があるとする科学的根拠が非常に希薄であり、その正当性を断定するには不十分である、といった主張です。

各国のかなりのお偉いさんでもこの懐疑論を支持する人は結構おりますので、本当に地球温暖化が人為起源でないとすれば今頑張っていることは全部無駄なことになってしまいます。

こうした中、地球温暖化は本当に人間活動に起因するものなのか?地球温暖化懐疑論はどれだけ信憑性があるのか?といった点について、最新の科学的な見解について次回以降詳しく見ていきたいと思います。

以上

りろんかぶお

その他の人気記事はこちら↓
にほんブログ村 株ブログ 米国株へ
にほんブログ村

※当ブログで紹介する理論株価は、いくつかの前提条件をりろんかぶおが独自に設定している為、その前提条件次第では計算結果が異なってきます。また当ブログは、投資に関する情報を掲載していますが、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。また、読者が当ブログの情報を用いて行う投資判断の一切について責任を負うものではありません。



[ 2020/02/17 10:23 ] 13.投資の勉強部屋 | TB(-) | CM(0)

リーマンショック直後にバフェットが大量購入した銘柄

berkshire.png


バフェットの名言の中に、

「周りがどん欲な時に恐怖心を抱き、周りが恐怖心を抱いている時にどん欲であれ。」

というものがあります。

つまり、大暴落時等、みんながパニックになって冷静な判断ができないときは、優良企業でさえかなりの割安水準まで売り込まれるので、そのようなときに大量に買い出動した方がいい結果が得られるというものです。

では、実際にバフェット率いるバークシャーハサウェイは、直近の大暴落相場であったリーマンショック(2008年9月)の時にどのような投資行動を行っていたかを詳しく調べてみたいと思います。

<リーマンショック時のNYダウ株価チャート>

nyダウチャート

・上図の通り、リーマンショック(2008年9月)前の最高値は2007年10月頃の14000ドル程。

・その後サブプライムショックなどの影響でリーマンショック直前までに11400ドル程迄下落。

・2008年9月15日のリーマンブラザーズ破綻を受けて一気に金融市場がパニックになり、半月で8500ドル程度の水準まで下落。

・その後、実体経済への影響なども見えてきて、2009年3月に大底の6,600ドルの水準まで下落しました。但しそこからは順調に株価を上げていくという流れでした。

<バークシャーハサウェイの投資ポジション>
※$0.5 billion (約550億円)以上の投資のみマーカーで色付け

Untitled spreadsheet
普通株(保有時価$500mil以上の企業)

2007年12月末 2008年12月末 2009年12月末

企業 企業 保有株数増減 企業 保有株数増減

The Coca-Cola Company The Coca-Cola Company -(変動せず) The Coca-Cola Company -

Wells Fargo & Company Wells Fargo & Company Wells Fargo & Company ⤴($0.7 bil)

American Express Company P&G American Express Company -

P&G ConocoPhillips ⤴($6.0 bil) P&G

Burlington Northern Santa Fe Kraft Foods Inc. Kraft Foods Inc. -

Johnson & Johnson American Express Company - POSCO -

Kraft Foods Inc. U.S. Bancorp Wal-Mart Stores, Inc. ⤴($1.0 bil)

U.S. Bancorp Johnson & Johnson BYD Company, Ltd

Tesco plc Sanofi-Aventis Sanofi-Aventis

POSCO Tesco plc - ConocoPhillips

Anheuser-Busch POSCO Johnson & Johnson

Moody’s Corporation Wal-Mart Stores, Inc. - U.S. Bancorp

Sanofi-Aventis Washington Post - Tesco plc

ConocoPhillips Swiss Re ⤴($0.8 bil) Others

Washington Post Others



Wal-Mart Stores, Inc.




White Mountains Insurance




USG Corp




Others















持分法適用会社(持分20%以上の投資先)

2007年12月末 2008年12月末 2009年12月末

企業 企業 保有株数増減 企業 保有株数増減

なし Moody’s - Burlington Northern Santa Fe


Burlington Northern Santa Fe













優先株

2007年12月末 2008年12月末 2009年12月末

企業 企業 保有額 ($ billoion) 企業 保有額 ($ billoion)

なし GE 3.0 GE 3.0


Goldman Sachs 5.0 Goldman Sachs 5.0


Wrigley 2.1 Wrigley 2.1




Dow Chemical 3.0




Swiss Re 2.7












融資

2007年12月末 2008年12月末 2009年12月末

企業 企業 保有額 ($ billoion) 企業 保有額 ($ billoion)

なし Wrigley 4.4(劣後融資) Wrigley 4.4(劣後融資)




Wrigley 1.0(優先融資)


<普通株>
※500百万ドル(約550億円)以上の投資のみ

・リーマンショック前後の大量購入した普通株はConoco Phillips(5,969百万ドル)とBNSF(26,500百万ドル(買収))が巨額です。

・Conoco Phillipsの株式購入はリーマンショック前ですが、バフェット自身大失敗であることを認めております。Conoco Phillipsは石油会社なので業績が油価に大きく左右されます。そして油価は20-08年6月の140ドル近辺をピークにリーマンショックの影響で株価以上に大暴落し、2008年末までに40ドルを切る水準まで下落してしまったのです。油価暴落を受け、当然Conoco Phillipsの株価も暴落し、2009年にはバフェットも大部分を売却していますがこの投資でかなりの大損をしました。

・BNSFは北米最大の貨物鉄道会社の一つ。バフェットは、米国における貨物輸送においてはトラックよりも鉄道が優位と見て、2006年から同社の株式購入を開始し、2009年末時点で22.5%を保有していたが、2010年に残りの全株式を購入することで合意。

・他にも、再保険会社のSwiss Reや、元々のお気に入り銘柄のWels Fargo、Walmartもこの際に大量購入しております。

Conoco Phillips
購入時期:2008年前半
購入金額:5,969百万ドル(それまでの持分とあわせると当時合計7008百万ドル投資(簿価))

COPチャート

Swiss Re
購入時期:2008年
購入金額:773百万ドル

Swiss REチャート

Wels Fargo
購入時期:2009年
購入金額:692百万ドル(それまでの持分とあわせると当時合計7,394百万ドル投資(簿価))

WFCチャート

Walmart
購入時期:2009年
購入金額:951百万ドル(それまでの持分とあわせると当時合計1,893百万ドル投資(簿価))

WMTチャート

BNSF(100%買収)
購入時期:2010年2月12日
購入金額:26,500百万ドル(それまでの持分とあわせると当時合計約27,100百万ドル投資(簿価))

<優先株・融資>

・実は、リーマンショック後に大胆な投資を行っていたのは普通株ではなく優先株及び融資でした。

・優先株とは融資と普通株の間のイメージです。多くの場合、配当や会社清算時の残余財産を普通株より優先して受ける権利を有する一方、議決権に一定の制限が付された株式のことを指します。

・バークシャーは2008年以降の2年間で、GS、GE、Wrigley、DOW、Swiss Reに約21,000百万ドル投資及び融資しているのです。そしてその多くは、10%前後の固定配当があるのに加え、期間内に優位な価格で普通株に転換出来るオプションがついています。つまりリスクを抑えて確実に儲けられるような投資を行っていることがわかります。

・当時は資金繰りに窮していた企業が多く、金融機関も貸し出しをかなり渋っていたので、バークシャーの巨額の支援は多くの起業を救ったのです。

Goldman Sachs
購入時期:2008年10月1日
購入金額:約5,000百万ドル
優先株配当:年率10%(固定)
バークシャーのオプション:期間5年の間、優先株を普通株43,478,260株に転換可能(つまり期限内であれば時価がいくらであれ、$115/株で5,000百万ドル分投資できるということ)
期前弁済:GSは5,500百万ドル払うことでいつでも期前返済可能

GSチャート

Wrigley
購入時期:2008年10月6日
購入金額:約2,100百万ドル
優先株配当:年率5%(固定)
バークシャーのオプション:バークシャーは2016年に売買できる権利を得る

Wrigley(劣後融資)
購入時期:2008年10月6日
融資金額:約4,400百万ドル
利子:年率11.45%
満期:2018年

GE
購入時期:2008年10月16日
購入金額:約3,000百万ドル
優先株配当:年率10%(固定)
バークシャーのオプション:期間5年の間、優先株を普通株134,831,460株に転換可能(つまり期限内であれば時価がいくらであれ、$22.25/株で3,000百万ドル分投資できるということ)
期前弁済:GEは3,300百万ドル払うことでいつでも期前返済可能

GEチャート

Swiss Re(転換社債)
購入時期:2009年3月23日
購入金額:3,000百万スイスフラン(当時約2,700百万ドル)
社債利子:年率12%(固定)
バークシャーのオプション:2012年3月23日以降、転換社債を普通株120,000,000株に転換可能(つまり期限内であれば時価がいくらであれ、25スイスフラン/株で3,000百万スイスフラン分投資できるということ)
期前弁済:Swiss Reは2011年3月23日までであれば4,200百万スイスフラン、それ以降であれば3,600百万スイスフラン払うことでいつでも期前返済可能

Swiss REチャート

Dow Chemical
購入時期:2009年4月1日
購入金額:約3,000百万ドル(3百万株)
優先株配当:年率8.5%(固定)
Dowのオプション:2014年4月以降、Dowの株価が30日間の内20営業日以上の間$53.72/株を超えた場合、Dowは1優先株あたり普通株24.201株に転換できる(つまり期間中であれば時価がいくらであれ、$41.32/株で上限3,000百万ドル分迄投資できるということ)
期前弁済:GEは3,300百万ドル払うことでいつでも期前返済可能

Wrigley(優先融資)
購入時期:2009年
融資金額:約1,000百万ドル
利子:年率5%
満期:2013年~2014年

<まとめ>

・リーマンショック後のバークシャーの投資行動としては、優先株に重点を置いていることがわかります。

・また、優先株投資を行うための資金を捻出するため、バフェットが優良株と認める、P&G、Johnson & Johnson、Moody’s等を一部売却しており、それほどまで全力投資していたことがわかります。

・次に大暴落相場が来た時も、前回と同じように積極的に好条件の優先株投資を行うかもしれません。

以上

りろんかぶお

その他の人気記事はこちら↓
にほんブログ村 株ブログ 米国株へ
にほんブログ村

※当ブログで紹介する理論株価は、いくつかの前提条件をりろんかぶおが独自に設定している為、その前提条件次第では計算結果が異なってきます。また当ブログは、投資に関する情報を掲載していますが、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。また、読者が当ブログの情報を用いて行う投資判断の一切について責任を負うものではありません。



[ 2020/02/12 12:39 ] 11.バフェットの投資哲学 | TB(-) | CM(0)

NYダウ 直近20年間の各銘柄リターン比較

ダウリターン20200207


<NYダウ銘柄 直近20年間の各銘柄年率リターン(配当込)>

Untitled spreadsheet
順位 記号 1/3/2000
調整後株価(※)
12/31/2019 年率リターン
(配当込)
当時ダウ銘柄
1 AAPL 3.48 293.65 24.82%
2 NKE 1.84 101.31 22.18%
3 UNH 5.67 293.98 21.82%
4 BA 25.89 325.76 13.49%
5 CAT 11.95 146.65 13.35%
6 MCD 23.97 197.61 11.12%
7 UTX 19.22 149.76 10.81%
8 TRV 19.75 136.95 10.16%
9 CVX 17.62 120.51 10.09%
10 MMM 26.59 176.42 9.92%
11 DIS 23.09 144.63 9.61%
12 JNJ 27.14 145.87 8.77%
13 JPM 26.68 138.51 8.58%
14 HD 43.84 218.38 8.36%
15 KO 12.12 55.35 7.89%
16 PG 28.58 124.16 7.62%
17 MSFT 37.5 157.7 7.44%
18 ダウ30種平均 72.4 284.97 7.09%
19 AXP 34.39 124.06 6.62%
20 GS 70.76 229.93 6.07%
21 XOM 21.86 69.78 5.97%
22 VZ 20.72 60.77 5.53%
23 MRK 31.95 90.95 5.37%
24 WBA 21.17 58.96 5.25%
25 WMT 46.39 118.84 4.81%
26 PFE 16.17 38.78 4.47%
27 INTC 28.01 59.85 3.87%
28 IBM 76.41 134.04 2.85%
29 CSCO 41.83 47.61 0.65%








5/20/2019 12/31/2019 リターン
(配当込)


DOW 47.67 54.73 25.11%








3/19/2008 12/31/2019 リターン
(配当込)


V 11.18 187.9 27.04%








1/3/2001 12/31/2019 リターン
(配当込)


BRK.A 54800 339,590 10.07%







※配当及び株式分割がリターンに適切に反映されるよう調整



<筆者コメント>

・トップ3のアップル、ナイキ、ユナイテッドヘルスの年率リターンはいずれも20%越えで株価が20年間で50倍以上に。一方、いずれの銘柄も2000年当時は新興企業で、2000年以降に成熟していった企業なので、当時からの成熟企業とはステージが違うため、比較的良いパフォーマンスが得られていると考えられる。

・また、ボーイング(航空機)、キャタピラー(重機)、ユナイテッドテクノロジーズ(航空宇宙等)などの、メーカー群がトップ10入りしていることは意外。いずれも古くからのメーカーで、業界トップクラスのシェアを保持。参入障壁が高く、プレイヤー数が少ない業界で強力なブランド力を持っていることが高いリターンを実現している源泉かと思われる。

・一方、ワースト3はシスコ、IBM、インテルといずれもIT企業。2000年の年初はまさにITバブル真っただ中でシスコは一時期時価総額世界1位にも上り詰めたほど、IT企業の株価が高騰していたことが悪いパフォーマンスの原因。
これを見てもわかる通り、バブル真っただ中の銘柄を高値づかみしてしまうと、20年の長期投資をしてもひどいパフォーマンスになってしまう。適正株価で投資することの重要性がうかがえます。

以上

りろんかぶお

その他の人気記事はこちら↓
にほんブログ村 株ブログ 米国株へ
にほんブログ村

※当ブログで紹介する理論株価は、いくつかの前提条件をりろんかぶおが独自に設定している為、その前提条件次第では計算結果が異なってきます。また当ブログは、投資に関する情報を掲載していますが、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。また、読者が当ブログの情報を用いて行う投資判断の一切について責任を負うものではありません。



[ 2020/02/07 10:21 ] 13.投資の勉強部屋 | TB(-) | CM(0)

リーマンショックで具体的に起こっていたこと③

リーマンショック


前回記事までで、リーマンブラザーズ破綻までに実際起こっていたことを説明しました。

リーマンショックで具体的に起こっていたこと①
リーマンショックで具体的に起こっていたこと②

今回は、なぜ米国第四位の投資銀行の破たんが世界的な大恐慌に繋がってしまったのか?について見ていきます。

結論から言いますと以下二点が大きな要因として挙げられます。

① 米国経済の大幅な冷え込みにより、米国向輸出に大きく依存していた国々に大打撃

② 金融機関のリスク許容度の急低下により、新興国や途上国に流入していた資金が一気に引き上げられ、各国で急速な資金不足、金利上昇が進んでしまったこと。

順序だてて見ていきます。

1. 政府スタンスへの不透明感

前回記事でも説明しましたが、リーマン破綻の道を選んだ米国政府・FRBの決断はほんとに正しかったのか?という点は未だに議論があるようです。

米国第5位のベアスターンズが2008年3月に経営危機に陥った時に救済されているのだから、米国第4位のリーマンブラザーズも当然救済されるだろうというのが市場参加者の見方だったのです。

この市場の期待を大きく裏切られてリーマンが破たんすることで、金融界には大きな衝撃が走りました。

これを契機に、政府のスタンスについての不透明感が高まり、大手銀行でも破たんさせられるかもしれないという懸念が急速に広がっていったのです。

2. 銀行貸出の大幅抑制

このように、資金繰りに窮した場合の最後の貸し手として絶大なる存在感があった政府が信用できなくなった当時、銀行は自己資本比率を引き上げるために、資本増強を図りながら、他方では急速に信用収縮を進めました。
そしてこれは欧州の銀行でも同じ対応がとられたのです。

この結果、国内向貸出が大幅に減少。大規模な金融危機の中、銀行はリスクに敏感になり、家計向けの住宅ローン、自動車ローン、学士ローンなどはもちろんのこと、法人向けの貸出も大幅に抑制していきました。

また対外貸出も大幅に減少しました。高金利を背景に多額の資金が新興国や途上国に流入していましたが、この流れが巻き戻されたのです。

この結果ドル買い現地通貨売りが激増し、現地の通貨価値が大幅に下落すると同時に、新興国や途上国の中には資金不足に陥り、急速な金利上昇がみられた国も出てきました。

3. 米国経済の冷え込みが貿易を介して世界に伝染

銀行の貸し出しの大幅な抑制により、住宅投資や自動車購入などの個人消費が制約を受けました。

また先行き不透明感から設備投資も先送りされ、このような経済活動の落ち込みが、雇用にも影響を及ぼし、雇用者の削減と失業率の上昇をもたらし、これが更に家計支出を圧迫しました。

このように世界最大の経済国である米国において極度に消費が冷え込んだことで、その輸入が大きく落ち込み、米国への輸出に大きく依存している日本やその他新興国、発展途上国などは大きな打撃を受けました。

STOP

上記で見てきた通り、米国のような経済大国で大不況が起こると、「貿易」を介して、一瞬にしてその不況が世界に伝搬してしまうことがわかります。

これがいわゆる「アメリカがくしゃみをすると日本は風邪をひく」ということの意味ですね。

国によっては当事者のアメリカより大きな打撃を受けてしまうとこ炉も出てきてしまいます。

そして、今や米国のGDPは世界第三位の日本の4倍程迄拡大しており(2020年2月現在)、その影響力は年々増しているのが現状です。。




最後に、当時のFRB議長であるバーナンキが、事後のヒアリングで以下の通り率直に述べているそうです。

「リーマン破綻の経済への影響についての見解は様々であり、0から100までのスケールで表すと、一部の人は『軽微な混乱』が起こる程度であるとみていたが、自分は90~95ぐらいの影響があると思っていた。しかし、実際には、140ぐらいにもなった。誰の予想よりも深刻だった。」

恐らくあれほど迄の世界的な恐慌になることがわかっていればFRBはリーマン救済を強行したのでしょうが、その影響を見誤ったことは間違いないようです。


以上

りろんかぶお

その他の人気記事はこちら↓
にほんブログ村 株ブログ 米国株へ
にほんブログ村

※当ブログで紹介する理論株価は、いくつかの前提条件をりろんかぶおが独自に設定している為、その前提条件次第では計算結果が異なってきます。また当ブログは、投資に関する情報を掲載していますが、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。また、読者が当ブログの情報を用いて行う投資判断の一切について責任を負うものではありません。


[ 2020/02/05 10:50 ] 13.投資の勉強部屋 | TB(-) | CM(0)

リーマンショックで具体的に起こっていたこと②

リーマンショック


前回に引き続きリーマンショックで具体的に起こっていたことについて調べていきます。

今回はリーマンブラザーズが破たんした真相について。

<リーマンブラザーズ破綻の真相>

前回記事の通り、2007年夏頃にサブプライム危機が起こり、サブプライムローン証券化商品流通価格の暴落が起こりました。

一方で、リーマン自身は同商品の販売は行っていたものの、自分自身そこまでサブプライムローンを抱え込んでいたのかという疑問がありました。

実際にリーマン破たん直前である、2018年5月31日時点の財務報告書からバランスシートを確認してみましょう。(以下)

Untitled spreadsheet
リーマンブラザーズBS(2018年5月31日時点)(百万ドル)
資産 負債・純資産
現金・現金同等物 6,513 短期有利子負債 35,302
金融商品ロングポジション 269,409 長期有利子負債 128,182
担保付債権 294,526 金融商品ショートポジション 141,507
その他 68,984 担保付借入 183,266


その他負債 124,899






純資産 26,276
合計 639432
639,432


上記バランスシートの内、金融商品ロングポジションが金融投資に当たるところですが、バランスシート全体に占める割合も多く、これを見るだけでも、金融商品販売のみならず、自身でもかなりの金融投資ポジションを持っていることがわかります。

さて、この金融商品のロングポジションの中にどれだけサブプライムローンという爆弾が含まれているかを見てみました。以下がサブプライムローン残高です。

Untitled spreadsheet

5/2008 11/2007 11/2006
サブプライムローン(百万ドル) 2,755 5,276 6,849
金融商品ポジションに占める比率 1.02% 1.68% 3.02%


実は、サブプライムローン残高は金融商品ロングポジションの中でたったの1%程度、サブプライムローン価格が暴落する前の2016年11月末時点でも3%程度を占めているにすぎないことがわかりました。

つまり、リーマンは積極的にサブプライムローン証券化商品販売を行っていたものの、同ローンの在庫(自社保有ポジション)はかなり限定しており、サブプライムローン証券化商品価格の暴落はリーマンにはほとんど影響を与えていなかったことがわかります。

(但し、サブプライム危機に端を発して、多くの資産価格が下がりましたので、そういった意味ではもちろんリーマンも打撃を受けております。)

では、リーマン破綻はなぜおこったのか?

直接的な原因は資金繰りが立ち行かなくなったためですが、なぜ資金繰りが立ち行かなっくなったかというと、過度にレバレッジがきいた財務体質が本質的な原因といわれています。

バランスシートを見てもわかる通り、自己資本に当たる純資産に対して過度な債務を抱えております(自己資本比率は4.1%)。

金融機関は一般的に、借入と貸出の少ない利ザヤで稼ぐため、バランスシートが大きくなりがち(自己資本比率は小さくなりがち)ですが、資産側はあくまで安全資産であることが大前提です。資産価格の変動が激しいものだとすぐに債務超過になってしまうからです。

一方でリーマンの場合、サブプライムローンのような高リスク資産は限定的なるも、多くのリスク資産を抱えており、住宅バブル崩壊という外部環境も相まって債務超過するかしないかギリギリのところまでいってしまったといわれております。(債務超過したかどうかは正確には公表されていない?)

2018年9月10日に、リーマンが8月末締めの四半期決算が赤字になることを発表するとリーマン破綻懸念が一気に広まり、格付け会社は週末までに資本増強を行わないと格下げすると通告しました。

破たん懸念や格下げ懸念から、急速に資金流出が起こり、資金繰りが立ち行かなくなり9月15日に破産申請することになったのです。

ここでもう一点不思議なのが、なぜFRBはリーマンのような巨大投資銀行を救済しなかったのかという疑問です。

というのも、金融機関の場合、倒産した場合の負の影響が大きいため「大きくてつぶせない」という考え方があり、実際にリーマン以前にも、経営危機に陥った大手企業や金融機関は政府やFRBの支援を受けて救済されるケースが多かったのです。

実際に、全米第五位の大手投資銀行であったベアスターンズ(リーマンは第四位)が2008年3月に経営危機に陥った時には、財務省やFRBの支援の下に、JPモルガンチェース銀行への吸収合併が行われ大きな影響は回避されていました。

ではなぜリーマンは政府・FRBに見捨てられたのか?

ここの真相は未だにはっきりとせず諸説あるのですが、当時の当事者である、ガイトナーNY連銀総裁、ポールソン財務長官、バーナンキFRB議長の発言によると、

「FRBには担保不足の金融機関を救済する法的な権限はなく、救済は不可能であった」

「当然リーマン破たん回避のために全力を尽くしたが、バンク・オブ・アメリカはリーマンではなくメリルリンチを救済した。バークレイズは(英国)当局の介入でリーマンの買収を見送った」

「リーマンからは顧客、取引先のみならず従業員も逃げ出しており、手の打ちようがなかった」

といったことが述べられています。

実際のところ、リーマン救済を強行することはできたのは事実ですが、さまざまな要素を検討して政府・FRBは救済という道を選ばなかったということになります。

STOP

次回は、リーマンブラザーズという、米国第四位の投資銀行の破たんが、なぜ全世界的な大恐慌に発展してしまったのかというのを見ていきたいと思います。

以上

りろんかぶお

その他の人気記事はこちら↓
にほんブログ村 株ブログ 米国株へ
にほんブログ村

※当ブログで紹介する理論株価は、いくつかの前提条件をりろんかぶおが独自に設定している為、その前提条件次第では計算結果が異なってきます。また当ブログは、投資に関する情報を掲載していますが、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。また、読者が当ブログの情報を用いて行う投資判断の一切について責任を負うものではありません。


[ 2020/02/04 13:52 ] 13.投資の勉強部屋 | TB(-) | CM(0)

リーマンショックで具体的に起こっていたこと①

リーマンショック

出典:トウシル

2008年9月のリーマンブラザーズ破綻に伴う世界大恐慌であるリーマンショック。

リーマンショックというと、信用の低い人達に対する住宅ローンであるサブプライムローンが暴落して、それを大量に抱えていたリーマンブラザーズも破綻してしまった、となんとなく理解している人が多いのではないでしょうか?

でも、そもそも、リーマンのような投資銀行は、自身で投資エクスポージャーを大量にとるわけではなく、投資家に金融商品を販売したり、M&Aの助言を行うはずなのに、なんでそんなにサブプライムローンを保有していたの?

リーマンのような巨大な金融機関は、「大きくてつぶせない」企業であり、それまでは国からの救済措置で救われてきたのに、なぜリーマンは見捨てられたの?

リーマンブラザーズという、言ってみればただの米国第四位の投資銀行の破たんがなぜ世界的な大恐慌を招いたの?

と、考えてみれば様々な疑問があります。

現在、米国株は史上最高値付近にあり、いつ暴落が来てもおかしくないといわれていますが、そんな時だからこそ、前回の大暴落であるリーマンショックに学べることはないか?という視点で、当時実際に何が起きていたかを詳しく見ていきたいと思います。

リーマンショックを語るにあたっては、まずサブプライム危機について知る必要があり、本日はそれに就いて調べていきたいと思います。

<2007年夏のサブプライム危機>

2000年代前半の米国ではサブプライムローンというものが流行りました。

サブプライムローンとは、米国の信用度の低い借り手向け住宅ローンのことです。

銀行からしたら、もちろんお金を貸す相手は信用度が高い方がいいに決まっているのですが、当時の米国は住宅価格が毎年上がり続けていたこともあり、借り手からしたら「借金の返済が難しい」となれば、家を売って(しかも元値より高く)借金を返済、或いは銀行が担保である住宅を召し上げてそれを売却すれば解決したので、住宅価格の上昇が続く局面においては問題がなかったのです。

そのような時期にサブプライムローンに目を付けたのが当時全米第四位の投資銀行であったリーマンブラザーズです。

通常の投資銀行の本業はM&Aアドバイザリーサービス等ですが、当時投資銀行業界で米国第四位に甘んじていたリーマンは、競合他社を追いつき追い越す手段としてサブプライムローン証券化商品の販売に目を付けたのです。

ここでリーマンがやろうとしたサブプライムローン証券化商品の販売の仕組みは以下です。

まず銀行が信用度の低い借り手に対して住宅ローン(サブプライムローン)を貸し付けます。

リーマンブラザーズはこのサブプライムローンを銀行から大量に買い取ります。

そして複数のサブプライムローンを束ねたり、他の証券を組み合わせたりして、証券化します。

サブプライムローン自体は信用度の低い人へのローンですが、他の証券と組み合わせ、利払いの不確実性を薄め、複雑な証券とすることで、リスクがあいまいとなり、なんと格付け会社から高格付けを取得します。

ものによっては最高格付けのAAAを取得したりしていて、そもそもこれがありえませんでした。

世の中の年金基金や巨額資金を運用する機関投資家は、格付を基に運用を行うため、海外の投資家含めサブプライムローン証券化商品の本来のリスクをしっかり把握しないままこれらを購入しました。

このようにして、サブプライムローンという、リスクの大きい、爆弾のようなものが、リーマンなどの投資銀行による証券化を通じて、米国内全体及び海外にもばらまかれて行ったのです。

ここでサブプライムローンの特性を振り返りますが、これは住宅価格の上昇というのが大前提としてありました。

但し、当然ですが価格というのは需要と供給で決まるので、需要が無限ではない限り過剰な供給が続けばいつかは価格上昇は止まるのです。

当然、米国でもサブプライムローンが住宅建設をあおったこともあり、いつしか、見渡してみれば、需要以上の家が大量にある状態となり、住宅価格の上昇が止まりました(下図ご参照)。

ケースシラー米住宅価格指数
住宅価格

住宅価格が上がるという前提が崩れた瞬間、ローン返済に困って住宅を高値で売ろうと思っても思ったような価格で売れない人、というのが急増し、サブプライムローンの延滞率も増加していきました。これが2006年後半ごろです。

延滞率

そしてこのような状況を察知した格付会社は、世界中にばらまかれていたサブプライムローン証券化商品を次々に格下げしていきました。

すると、高リスク資産への運用が規制されている年金基金や安定運用ファンドなどは、サブプライムローン証券化商品を処分せざるを得なくなる事態が一斉に起こり、これにより同商品の流通価格は2007年夏ごろに大暴落を始めたのです。

サブプライムローン証券化商品の流通価格
証券価格

安定運用を掲げている世界中の機関投資家が大打撃を受けてしまったのです。つまり、ばらまかれた爆弾が爆発した形となりました。

これが世に有名なサブプライム危機です。

さて、リーマンブラザーズはサブプライムローン証券化商品を世界中にばらまくという点において、重大な役割を果たしてしまいました。

但し、サブプライムローンのリスクは販売が完了した時点で買い手側の投資家に移転していることになるにも関わらず、リーマンブラザーズはなぜ倒産してしまったのでしょうか?

STOP

次回はリーマン破綻に続きます。

以上

りろんかぶお

その他の人気記事はこちら↓
にほんブログ村 株ブログ 米国株へ
にほんブログ村

※当ブログで紹介する理論株価は、いくつかの前提条件をりろんかぶおが独自に設定している為、その前提条件次第では計算結果が異なってきます。また当ブログは、投資に関する情報を掲載していますが、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。また、読者が当ブログの情報を用いて行う投資判断の一切について責任を負うものではありません。


[ 2020/02/01 14:12 ] 13.投資の勉強部屋 | TB(-) | CM(0)
プロフィール

りろんかぶお

Author:りろんかぶお
【名前】:りろんかぶお
【生年】:1987年
【出身】:千葉
【性格】:感情の起伏ゼロ。声低め。
【学歴】:東京大学大学院卒
【職業】:2019年にセミリタイアし現在は専業投資家。
元総合商社勤務(M&A等)
【資格】:証券アナリスト
【趣味】:投資・麻雀・ランニング
【家族】:妻、子供2人
【目標】:資本を通じて社会に貢献すること
【投資デビュー】:大学3年生(小遣い稼ぎのつもりがぼろ負け。。)

プロフィール詳細はこちら

PR
株式投資本の王道






















米国株人気ブログ紹介
ブログランキング
その他人気ブログはこちら