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サラリーマンが豊かになれない理由


サラリーマンが豊かになれない理由は何といっても”税引後の世界”で生きているからですね。(最近では広く認知されるようになりましたが)

例えば、年収1000万円、妻と子供2人持ちの40歳会社員の例を考えてみましょう。

稼いだ年収からは、所得税、住民税、健康保険、厚生年金、固定資産税(賃貸者も賃料を通じて払っている)、消費税、といった税金と社会保険料が差し引かれ、計算してみると実際に自由に使えるお金は591万円にまでへってしまいます。

そして税引後の世界に住むサラリーマンは、税金を全て納めた後に残ったお金で生活をやりくりしていく必要があるのです。

計算例
年収100040歳、妻1人、子供2人
基礎控除-48
配偶者控除-13
社会保険料控除-126
課税所得813
所得税-12323%、控除63.6万円
住民税-8110%
健康保険(介護保険料含む)-58
厚生年金-68
固定資産税-19
専有面積80㎡、建物1,000万円、土地3,000万円、築6年マンション
手元に残るお金651
消費税5910%/(1+10%)
実際に使えるお金591





しかしなぜここまで税金が高いのか?

それは、労働者一人当たりが養っていかなければいけない人が多いからです。

日本の総人口と就業者数の関係は以下です。

総人口:1億2596万人(2020年7月1日時点)
就業者数:6670万人(2020年6月30日時点)
※出典:総務省

総人口に占める就業者数は53%。

つまり労働者は1人で2人分が生きていけるように生産していかなければならないのです。

これは何も日本だけに限らず、フランスやドイツ、イギリスなどの欧州の先進国も同様の問題を抱えています。

要は先進国の末路ともいえるでしょう。

先進国では、生活は豊かになるものの出生率は下がるので少子高齢化が進み、社会保障が充実しているため、働かない人が普通に暮らしていける一方、そのしわ寄せが全て働いている人に来ているという構図です。

これではどんなに頑張っても豊かにはなれませんね。

豊かになるためには、”税引後の世界”から”税引前の世界”に移住する必要があります。

自身で法人を作ったり、個人事業主になったり、サラリーマンのままでも副業をすることで、仕事に関連する費用は全て経費として算入できるので、その分税金計算の母数となる「課税所得」を減らすことができるからです。

会社員は給料から税や社会保険料が自動天引きされますし、自身で確定申告をすることはないので、自分がいくら納税しているのかほとんどの人が把握していません。

国からしたらサラリーマンは格好のカモなのです。

実際、政府はあまり注目を浴びないように健康保険料率を毎年のように徐々に上げています。
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g3/cat330/hokenryouritunohennsenn/

所得税率などの改定は注目を浴びてしまいますが、健康保険料率の増加に関してはみんなよくわからないので声を上げないのです。。


国に搾取されず、豊かに生きていくためには税金の知識は欠かせません。

まずは自身がいくら税金を払っているかを確認していくことから始めましょう。

以上

りろんかぶお

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※当ブログで紹介する理論株価は、いくつかの前提条件をりろんかぶおが独自に設定している為、その前提条件次第では計算結果が異なってきます。また当ブログは、投資に関する情報を掲載していますが、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。また、読者が当ブログの情報を用いて行う投資判断の一切について責任を負うものではありません。



[ 2020/08/18 11:50 ] 14.経済の勉強部屋 | TB(-) | CM(0)

サラリーマンの仕事がつまらない理由~資本論からの洞察~

仕事がつまらない_20200811


なぜ、サラリーマンの仕事はつまらないのか?

私自身もサラリーマンを7年半やりましたが、とにかく仕事がつまらない。

自分の個人的な性格もあるのかとも思いましたが、同僚や大学時代の友達などと話しても、みな自分と同じように、仕事にやりがいを見いだせずもがき苦しんでいます。

なぜ、これほどまでにサラリーマンの仕事はつまらないのでしょうか?

実はこの問いに対する一つの見解は、約150年前に刊行されたカール・マルクスの著作「資本論」の中で示されています。

「資本論」の中ではサラリーマン=労働者の仕事がここまで魅力を失ってしまった理由は、資本主義の発展に伴う生産過程の「機械化」と「分業」が、労働者の知性を働かせる機会を奪い去ってしまったからである、と述べています。

大規模な「機械化」によって、生産過程の主役は機械となり、労働者は決まりきった作業を繰り返す自動人形のような歯車装置に変えられてしまいました。

また「分業」を行うことで、生産効率は確かに上がったものの、一人一人の労働者の作業は単純化、単調化され、労働者は考える必要性がなくなっていきました。

このようにして、「機械化」と「分業」は労働者の知性を働かせる機会を奪い去ってしまったのです。


では、なぜ知性を働かせる機会がないと、仕事はつまらないのか?

これに関して経済学の父、アダムスミスは以下のように述べています。


「多くの人々の精神は、日常の作業の内で、知性を働かせることによって発展するものである。わずかな単純作業だけで一生を過ごす人は、人間として考えられる限りで最も愚鈍で無知な存在になる。生活は停滞し単調になり、精神の活気も自然に失われる。身体のエネルギーも破壊され、教え込まれている細かな作業の他に、自分の力を活発に持続して行使することができなくなる。」


つまり、人間というのは日常の中で、知性を働かせることで、新たな発見をしたり、達成感を得たりすることで、精神的な豊かさを実現していく生き物であるということを述べています。


資本論では、主に工場で働く肉体労働者を念頭に議論が展開されていますが、これは現代の先進諸国に多い知的労働者に対しても当てはまります。

知的労働というと、いかにも知性を働かせる機会が多そうだと思うかもしれませんが、全然そんなことはありません。

私自身は、サラリーマン時代総合商社勤めで、発展途上国のインフラ投資の仕事をしていましたが、一つの事業案件において多くの企業が協業するため、複数の企業間で分業が行われ、社内の中でも意思決定と実務という軸で分業が行われ、実務部隊の中でも複数人で作業を分担していくのです。

ここまで分業が行われた結果、一つ一つの仕事も、知性を働かせるような局面というのはほとんどなく、その多くはやり方さえ覚えてしまえばあとは頭を使わない「作業」になり下がってしまうのです。(もちろん知性を働かせる局面が多い仕事をしている人もいます)

更に、知的労働にも「機械化」の流れが来ているのです。AIです。
AIの登場により、今後どんどん知的労働のAI化が進み、AIが主役となり、人間がAIのサポート役となる日が来るかもしれません。

そうなると、生産効率はますます上がる一方、人間の行う仕事はますますつまらなくなります。


このように知的労働においても、「分業」は既に行われており、今後AIによる「機械化」の波も押し寄せると、人間の行う仕事が単純化し、その結果知性を働かせる機会がなくなり、仕事がますますつまらなくなっていきます。


では、つまらない仕事から抜け出すためにはどうすればいいのでしょうか?

それは、生産効率が悪くても、自分自身でモノやサービスを作り上げる過程を一気通貫でやってみるということだと思います。

自営する農民や職人は、たとえ小規模でも、固有の知識と洞察と意志とを備えていたものです。

未開の民族も、戦いのための全ての技能を、個人的な策略として活用していたものです。

これは、なにも「起業」や「独立」などという大それたことをやる必要はありません。

例えばベランダで野菜を育ててみるとか、料理を作ってみるとか、プラモデルを作ってみる、等、そういう小さなことでも1から作ってみるということを積み上げていくことが、精神的な豊かさにつながっていくのではと考えます。

以上

りろんかぶお

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[ 2020/08/11 11:45 ] 14.経済の勉強部屋 | TB(-) | CM(0)

日露戦争を勝利に導いた1人のユダヤ人投資家


ジェイコブ・シフという人物をご存じでしょうか?

シフは、1947年にドイツで生まれ、その後米国に移住したユダヤ系アメリカ人で、米国のクーン・ロープ商会という投資銀行の頭取を務めた人物です。

そして彼こそが、日露戦争時に敗戦濃厚といわれた日本の巨額の外債発行(戦費調達を目的としたもの)を成功に導き、日本の勝利に大きく貢献した男でもあるのです。

<日露戦争とは?>

1904年-1905年に行われた日本とロシアの戦争です。

戦前、不凍港を求めていたロシアは南下政策を推し進めており、中国および朝鮮にまで影響力を及ぼそうとしておりました。

これを知った日本は、仮に日本の目と鼻の先である朝鮮までロシアの支配下になってしまえば、ゆくゆくは日本までロシアに占領されてしまうのではないかと脅威を感じていたのです。

そこで、安全保障の観点から朝鮮半島を自国の勢力下におきたいという意向が働き、日本による朝鮮の支配をロシア側に主張したのです。

これに対し、当時既に超大国であったロシアはアジアの小国である日本の主張を聞き入れるわけもなく、これにより両国が対立し1904年2月に戦争が勃発したのです。

<巨額の戦費と外貨調達>

日本としては、戦争遂行には武器や兵器を中心とした膨大な物資の輸入が不可欠でした。

戦争期間を通じて組まれた軍事関連予算の総額は19億8612万円とされており、これは当時の約9年分の国家予算にあたる額です。そして、驚くべきことに日本はこの戦費調達にめどをつけずに開戦に踏み切っていたのです。

物資輸入のためには当然外貨が必要であり、開戦当初、当時の日本銀行副総裁高橋是清は1,000万ポンドの外債発行を命じられて急いで米国と英国を訪問したのです。

ところが開戦とともに日本の既発の外債は暴落しており(日本が敗北するという国際世論の表れ)、1,000万ポンドの外債発行もまったく引き受け手が現れない状況でした。

高橋是清は1904年3月に米国を訪問するも全く相手にされず、4月にはイギリスを訪れました。
但し、イギリスでもまったく相手にされず、日本の外債発行はほぼ絶望的な状況にまで追い込まれました。

ただ高橋是清はここであきらめず、公債発行条件をかなり譲歩し、イギリスの銀行家たちと1か月以上交渉の末、ようやく香港上海銀行からロンドンでの500万ポンド(当初計画の半分)の外債発行の仮契約にこぎつけたのです。

当初計画の半額とはいえ仮契約調印を祝い、現地関係者が高橋のために晩餐会を催してくれました。

そして、この晩餐会に出席していたのが、ジェイコブ・シフだったのです。

シフは高橋の隣に座り、食事中、日本経済の現状、生産の状態、開戦後の人心などにつき細かく熱心に質問したそうです。
高橋もできるだけ丁寧に回答し、その際、実はまだ追加で500万ポンドの外債を調達する必要があることを開陳したのです。

その日は特に何もなかったものの、翌日、シフが残りの500万ポンドを自分が引き受けてアメリカで発行したいと提案し、一気に話がまとまったのです。

その後も日本は、日露戦争の戦費関連で5度外債を発行し、発行総額は1億3000万ポンドにのぼりました。

シフが最初に外債を引き受けたことと、その後の外債発行もシフが自身の人脈を駆使して日本の外債引き受けを他行にも呼びかけ、日本は巨額の外貨を調達することに成功したのです。

<シフの意向>

シフは、当時敗戦濃厚で債権の返済リスクが非常に高かった日本国債をなぜ引き受けたのでしょうか?

そこには、日本国債は比較的金利が高かった(実質金利は6%台後半)という経済的な理由の他に、政治的な理由もあったとされております。

アメリカのユダヤ系経済人のリーダーであるったシフは、ユダヤ人迫害“ポグロム(ユダヤ人大虐殺)”を行っていた帝政ロシアに露骨に敵意を示していました。

日露戦争で仮に帝政ロシアが敗北すれば、体制変革をもたらすか、悪くても、国内政治の改革が行われ、ユダヤ人迫害政策が改められるきっかけになると考えて、シフは「日本を助けるため、銀行家としての一線を越えた」とも評される支援に力を入れたのです。

更に、シフは日本外債を引受けたばかりでなく、ロシアの戦争資金調達の妨害にも動いたのです。

ヨーロッパの銀行家にも資金面での対露非協力を呼びかけ、ユダヤ系の巨大銀行家であるロンドンのロスチャイルド家もシフに同調しました。

日露戦争における日本の勝利は、当然資金面だけで決まったものではありませんが、外貨を調達できず最新の武器や兵器などを輸入できていなかったら、確実に勝利できていなかったといえるでしょう。

ジェイコブ・シフは戦後に明治天皇から勲一等旭日大綬章を贈られていることを見ても、当時の日本がいかにシフに感謝しているかが読み取れます。

STOP

・ジェイコブ・シフの行動は、一個人の意図で資本を使って世の中を大きく動かした典型的な例といえるでしょう。

・終生、ユダヤ人差別と闘ったシフは、啓蒙活動だけでなく、資金を駆使してユダヤ人の権利保護に多大な影響力を与えたのです。

・シフのストーリーをみて、やはり資本主義の世の中、資本を通して世の中に働きかけることで、大きなインパクトが与えられることを痛感しましたし、自分自身も資本を通じた社会貢献にわずかながらでも寄与したいと思えました。

以上

りろんかぶお

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[ 2020/07/21 13:06 ] 14.経済の勉強部屋 | TB(-) | CM(0)

日本の資本主義はどのように始まったのか?④

明治維新_20200703


日本の資本主義はどのように始まったのか?

前回までに、資本主義には以下三つの基本要件が必要であると述べました。

日本の資本主義はどのように始まったのか?①

①私有財産権
②貨幣経済
③機械

そして前回、前々回で①私有財産権の歴史、②貨幣経済の歴史を見ていきました。

日本の資本主義はどのように始まったのか?②
日本の資本主義はどのように始まったのか?③

今回は③機械化の歴史についてみていきたいと思います。

③機械化の歴史

日本の機械化はどのようにして起こったのか?

日本では明治時代に急速に機械化が進みました。

幕末の開国以降、明治政府が最も恐れたのは列強による日本の植民地化です。

これを何としても回避するためには、列強並みの国力をつけ、列強と対等な軍事力を持たなければなりません。

そのために、明治初期に掲げられた政策が殖産興業。

殖産興業とは、機械制工業、鉄道網整備、資本主義育成により国家の近代化を推進した諸政策を指します。

例えば、1868年に明治時代が幕を開けてすぐ、1872年には早速日本初の鉄道が東京ー横浜間で開通してます。

江戸の侍文化の国がたった数年でなぜ鉄道が?と疑問に思うかもしれません。

但し、この鉄道は完全に英国におんぶに抱っこで作られたものです。

資金は英国に借金をし、工事の指導も英国人、車両も英国製、といった具合です。
但し、明治中期には全国的に鉄道網が敷かれ、道路網も含めたこのようなインフラ整備が経済成長の基盤となったといえます。

鉄道に象徴されるように、日本国内産業の機械化は、基本的に外国の機械を大量輸入する形で推進されていきました。

世界的に見ると、明治時代というのは、イギリスで起こった産業革命から既に100年が経過しており、先進諸国では既にあらゆる生産工程が機械化されていたので、日本はそのような先進的な機械を輸入するだけでよかったのです。

逆に言えば日本は、機械化していく世界に取り残された、いわば浦島太郎状態だったのです。

そして明治日本は、あらゆるプライドを捨て、欧米諸国を真似てまねてマネまくったことで、急速な近代化を達成でき、明治時代開幕からわずか26年後の1894年に大国の清と戦争をはじめ勝利を納めることができ、1904年には超大国のロシアを相手に戦争をはじめ最終的に勝利を納めるまで至ったのです。

こういった近代化の過程というのは、第二次世界大戦後に米国を真似て高度経済成長を遂げた時代とかぶりますね。

よく日本人は「真似ることが得意」といわれますが、明治の近代化や高度経済成長を改めて振り返ってみると、その真意がよくわかります。


但し、ここで一つの疑問が浮かび上がります。
輸入するためには大量のお金が必要だが、明治日本はどのようにしてそのお金を稼いでいたのか?

当時の貿易に使われていた通貨は、金や銀だったので、どのようにしてこのような外貨を稼ぐかが重要でした。

最も代表的な例は、国を挙げた製糸業、紡績業のテコ入れです。

製糸とは、蚕から絹織物の原材料となる生糸を作る工程のことです。

紡績とは、綿や羊毛などの短繊維を長い糸にする工程のことです。

つまりどちらも衣服などに必要な「糸」を作ることです。

全く儲からなそうなビジネスですが、なんと明治時代の輸出の稼ぎ頭はほとんどの時期において生糸だったのです。

日本の輸出_20200720


製糸業で特に有名なのが、世界遺産となっている群馬県の富岡製糸場です。

1872年に創設されたこの製糸工場には、フランスから輸入された300台の最新式製糸機械が設置され、フランス人ポール・ブリューナと4人のフランス人女工らが技術者として招かれました。

この工場で製糸訓練をうけた日本の女工たちは、各地の製糸工場で後輩たちの技術指導に当たったのです。

また紡績業においても、民間の大阪紡績会社は、最新の英国製のミュール紡績機をたくさん導入し、蒸気機関によって機械を動かす大規模な機械性生産を展開しました。

従業員は昼夜2交代制で、24時間紡績機を動かした結果、毎日大量の綿糸を生産すること成功したのです。

更に、労働者としては農民の子女を低賃金で雇い長時間労働させたことで、極めて安価な生糸や綿糸が生産されたのです。

最新の機械は欧米諸国も当然使っているので、日本で生産した生糸が世界的に競争力があったのは、こうした安い労働力(労働に対して割安な賃金しか払われていない)が源泉だったのです。

そして、国営だった富岡製糸場等の成功を見て、多くの民間の製糸会社や紡績会社がつくられ、結果、綿糸や生糸の大量生産・大量輸出が始まったのです。

このように、生糸や綿糸等で外貨を稼ぎ、その外貨で更に外国から最新の機械を購入し、主に軽工業を中心に日本での機械化が急速に進んでいったのです。

STOP

ここまで、日本の資本主義の成り立ちを、①私有財産権、②貨幣経済、③機械化、の三つのポイントで見てきました。

①私有財産については、最初期は平安時代に既にそのような制度があったことに驚きつつも、紆余曲折があり、本格的に根付いたのは明治時代。

②貨幣経済については、江戸時代にはおおよその基盤はできていた。

③機械化に関しては、江戸時代の鎖国を終え、明治時代に大量に欧米の機械を輸入し、主に製糸業、紡績業等で大規模な機械化と安い労働力を武器に生糸や綿糸等を大量に輸出し、稼いだ外貨で更に最新機械を輸入するという流れができました。

そして、国営の富岡製糸場等が大成功しているのをみて、民間企業も我先にと製糸業や紡績業を開業していったこと、つまり利益を獲得するために皆が競争して生産活動が盛り上がっていくという、資本主義がそこに誕生したといえるでしょう。

以上

りろんかぶお

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[ 2020/07/20 13:48 ] 14.経済の勉強部屋 | TB(-) | CM(0)

日本の資本主義はどのように始まったのか?③

明治維新_20200703


日本の資本主義はどのように始まったのか?

前々回、資本主義には以下三つの基本要件が必要であると述べました。

日本の資本主義はどのように始まったのか?①

①私有財産権
②貨幣経済
③機械

そして前回、①私有財産権の歴史を見ていきました。

日本の資本主義はどのように始まったのか?②

今回は②貨幣経済の歴史についてみていきたいと思います。

②貨幣経済

1.日本最初の流通通貨

日本における最初の流通通貨は、708年に発行された和同開珎といわれています。
(それ以前に無文銀銭、富本銭が鋳造されていたことがわかっているも、流通通貨として作られたものかどうかは不明)

当時政治の実権を握っていた天皇は、和同開珎を流通させるために、様々な奨励策を講じた。

例えば、価値の基準としての硬貨は、711年(和銅4年)に穀6升(現在の2升4合)=銭1文と定めたり、
物納ではなく和同開珎による納税を認めたりした。

但しその後、貨幣の原材料となる銅不足のために銅含有量を減らした新貨を次々と発行し、708年の和同開珎発行から250年の間に計12種の貨幣が発行された。

度重なる改鋳によって硬貨は価値や信用が低下して、流通の減少も止まらず、民衆の銭離れが起こった。

その結果、支払いや交換には、貨幣発効前の交換方式である物品貨幣(米、絹、布など)が再度流通するようになってしまったのである。

2.中国貨幣の普及

しかし、その後再度貨幣経済が戻ってきた。

それが、中国から流入した貨幣である。

平安時代中期以降は、日宋貿易が盛んで、その貿易によって宋銭が国内に流入したのです。

鎌倉幕府は当初、宋銭の使用を禁じていたものの、民衆の間で自然と普及し、最終的には幕府も流通を認めるようになったといわれております。

その後安土桃山時代までは、中国の貨幣が流通の主役を務めるようになりました。

3.江戸時代の三貨制度

戦国期には、中国貨幣に加え、米などの物品貨幣、金や銀も流通しており、貨幣状況が複雑となっておりました。

この状況を改善すべく、江戸時代になると貨幣制度が統一され、江戸幕府が金・銀・銭(銅貨)の三貨の鋳造を命じ、全国通用の正貨としたのです。

これにより、全国共通の貨幣流通経済がひとまず確立したといえるかもしれません。

但し、歴史は繰り返します。

経済規模の拡大に伴い貨幣量の増大に迫られるも、そこで貴金属不足という問題に直面するのです。

このため幕府では、計14回の改鋳により、金銀の含有量を徐々に下げていきました。

しかし、当時一部の国とは貿易を行っていたのですが、その貿易相手国の反発を招いてしまったのです。

貿易相手国からしたら、普遍的な価値を持つのは江戸幕府が発行した貨幣ではなく、その貨幣の中に含まれている金や銀の量が重要だったからです。

また、幕末に、日本国内の金銀交換比率(1:5)と、海外の交換比率(1:15)との間に差があったため、外国の貿易商は、
自国で銀を購入し、その銀を日本で金に交換し、手に入れた金を自国で販売するという、取引を行うことで大儲けをしていました。

そしてその結果、日本から大量の金が流出してしまったのです。

元々、金不足のところへさらに金が流出してしまったので、国内の貨幣の金含有量はさらに下がり、貨幣の種類の増加と貴金属含有量の低下による信用の低下により、日本の貨幣経済は危機に追い込まれてしまったのです。

4.明治時代の円登場

このような状況から、明治政府も通貨の近代化に踏み切ったのです。

明治政府は現在の造幣局にあたる造幣寮を開設し、その後新貨条例を制定し、誕生したのが円です。

当時の円は金本位制を採用しましたが、金不足もあり、貿易で使用されていた銀貨も正式に認められ、実質的には金銀福保二世を取りました。

しかしその後、戊辰戦争の戦費調達、殖産興業の資金調達目的で、日本で初めて政府紙幣を発行(ただし金や銀と交換できない不換紙幣)。

一方、不換紙幣だった故に政府紙幣が大量に発行され、極度のインフレに陥り、これを解決すべく、もろもろの経緯があって最終的には1882年に中央銀行である日本銀行が設立され、豊富にあった銀との交換ができる日本銀行券が発行され、ひとまず円の信用を保つことに成功。

その後、日清戦争の賠償金で多額の金を手に入れることができ、金本位制としても安定的な円を確立することに成功したのである。

STOP

これらを踏まえると、日本において貨幣経済というのは飛鳥時代から存在していたものの、本当に安定した貨幣を確立することができたのは1882年に日本銀行が設立され、豊富な銀をバッグにした銀本位制がとられてからといえるかもしれません。


次回は、③機械の歴史についてみていきます。

以上

りろんかぶお

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[ 2020/07/10 11:47 ] 14.経済の勉強部屋 | TB(-) | CM(0)

日本の資本主義はどのように始まったのか?②

明治維新_20200703


日本の資本主義はどのように始まったのか?

前回、資本主義には以下三つの基本要件が必要であると述べました。

日本の資本主義はどのように始まったのか?①

①私有財産権
②貨幣経済
③機械

今回はまず①私有財産権の歴史を見ていきたいと思います。

①私有財産権

財産の主要なものは「土地」ですが、日本の土地所有権に関する考え方の歴史は以下の通りです。

1.大化の改新(645年)による公地公民制導入

大化の改新では、律令制という中央集権的な統治制度が取り入れられ、
「土地と人民は王の支配に服属する」という公地公民の考え方を基本理念としました。

日本の土地はすべて国家所有で、国民(百姓)は国より土地を割り当てられて生産を担い、その見返りとして租税の義務を負うというシステムでした。

2.三世一身法(723年)・墾田永年私財法(743年)による土地の一部私有化

大化の改新後、かなり早い段階で百姓の労働意欲低下による生産量低下に直面しました。

当時人口増加に伴い新田の開墾が必須でしたが、「開墾しても結局土地は国のもの」という考えから、新規開墾者が出てこなかったのが原因と考えられていました。

これを解決すべく、723年に「三世一身法」が制定され、新しく開墾した土地に関しては三代までの私有を認める法律ができました。

日本の歴史上、この時初めて土地の私的所有が法的に認められるたのです。

更に開墾を促進すべく、743年に「墾田永年私財法」が制定され、三代という制限を取り払い、新たに開墾した土地は永久に農民たちのものとなりました。

3.荘園の発展

墾田永年私財法により、労働意欲は改善し生産性も向上することになりましたが、新たな問題が生まれてきました。

貧富の差の拡大です。

新しい土地を開墾するためには当然大きな費用が掛かりますから既にお金を持っている貴族などが有利なのです。

よってお金持ちは次々と土地を開墾し、お金と権力で土地を買い占めていったのです。

このようにして彼らがつくった田畑を「荘園」と呼びます。

平安時代には、荘園支配者と中央政府との力関係に変化が生じ「不輸の権利」「不入の権利」を獲得した免税農地の荘園が発展し、また税を逃れる為に、皇室や摂関・大寺社へ荘園を寄進するものも現れ、荘園に対する中央の統制機能が揺らぎ出します。

これらの荘園は自らの力で守らなければならないので、開墾地を守るための自警団的な役割として「武士」が発展していったのです。

国家から切り離され個人所有となった土地の存在が、その後戦国大名という群雄割拠する小国家を生み出す元になったのです。

4.太閤検地

しかしその後、この様な荘園や守護大名が統治する「私有地」の存在は、1582年以降に豊臣秀吉の行った太閤検地により消滅しました。

強大な武力を背景にした豊臣政権は、各地の戦国大名の領地を一旦召し上げ、恭順を誓った者に領地安堵のお墨付き、つまり領地の統治権を認める契約を交わして天下を平定したのです。

つまりここでまた私有地から公地へと変わったのです。

そしてこのような体制は江戸時代にも引き継がれていきました。

5.地租改正(1873年)

1867年の大政奉還により明治政府が誕生し、諸外国に追いつくために次々と改革が行われ、その一つとして1873年の地租改正がありました。

これにより、日本にはじめて全ての土地に対する私的所有権が確立したのです。

地租改正のポイントは以下。

・収穫量の代わりに、収穫力に応じて決められた地価を課税標準とした。
・村単位とする賦課体系を廃して、個別の土地単位で賦課を行うこととした。
・物納であった税を、お金で支払うこととした。
・税率を地価に対する一定率(当初は3%)とした。
・耕作者ではなく、土地所有者(地主)を納税義務者とした。
・制度を全国統一のものとした。

個人に対する土地の私的所有が認められるた結果、農民はほかの土地を買って農地を拡大することができましたし、逆に土地を売り払い他の職業に就くこともできました。

こういうことも踏まえ、地租改正により、日本は資本主義体制の確立を基礎づける重要な一歩を踏み出したといえるのです。

STOP

次回は②貨幣経済の歴史についてみていきます。

以上

りろんかぶお

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※当ブログで紹介する理論株価は、いくつかの前提条件をりろんかぶおが独自に設定している為、その前提条件次第では計算結果が異なってきます。また当ブログは、投資に関する情報を掲載していますが、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。また、読者が当ブログの情報を用いて行う投資判断の一切について責任を負うものではありません。





[ 2020/07/09 16:38 ] 14.経済の勉強部屋 | TB(-) | CM(0)

日本の資本主義はどのように始まったのか?①

明治維新_20200703


日本の資本主義はどのように始まったのか?

時期としては一般的に明治初期、急速に欧米文化を取り入れる中で、その一環として資本主義が導入されていきました。
(1868年に幕を閉じた江戸時代は封建制の時代でした)

資本主義の導入と、欧米の先端的な政治制度や文化を取り入れ、奇跡的な近代化を遂げた日本は、江戸時代が幕を閉じたわずか26年後の1894年に大国中国(当時は清)を日清戦争で破り、さらに1904年には超大国ロシアを日露戦争で破り、列強の仲間入りを遂げました。

日露戦争のわずか36年前まで侍文化だった日本がなぜこの短期間で急速に成長できたのでしょうか?



ここでは、主に経済の視点で、明治時代にどのように資本主義が浸透していったかを見ていきたいと思います。


まず、資本主義はどのように始まったのかを考える上で、資本主義とは何か?を考える必要があります。

資本主義は、各自が自由競争により利益を追求して経済活動を行えば、それが市場を通して最適化され、社会全体の利益も増大していくという考え方に立脚しています。

資本家は利益を追求して財・サービスをつくりだしますが、そのために必要な工場・土地・機械などの生産手段を私有でき(私有財産制)、生産手段をもたない者は労働力を提供して資本家から賃金をもらう(労働力の商品化)といった特徴があります。

また、市場を通じて、需要と供給のバランスが調節されて価格が決まり、その価格に応じて生産者が商品を生産する量や消費者が商品を購入する量が決まっていきます。

この経済原理を市場経済といいます。


これらを踏まえると、資本主義にはどのような基本要件が必要でしょうか?

ポイントは以下であると考えられます。

①私有財産権
土地、工場、機械など生産手段の私有が認められることで、資本家はこれらを駆使して利益を出そうとするからです。

②貨幣経済
資本主義の根幹である「市場」は、しっかりとした貨幣が存在し、商品の売買が広くなされる必要があるためです。

③機械
資本家が大きな利益を出すためには、ヒトの手だけではなく、大きな機械を使って効率よく大量の商品を生産できるようになることが必要だからです。



それでは、これらの要素がどのようにそろってきたのかを次回見ていきたいと思います。
以上

りろんかぶお

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[ 2020/07/03 16:28 ] 14.経済の勉強部屋 | TB(-) | CM(0)

日本人が労働ではなく資本で稼がなければいけない理由~ソ連に酷似する日本の状況~

ソ連崩壊_20200629


<ソ連崩壊の歴史からの考察>

1991年にソ連が崩壊しました。

なぜか?

1917年にロシア革命がおこり、ソ連が誕生して以降、ソ連経済は社会主義体制でした。

国民は、割り当てられた労働を行い、国が作った経済計画を達成しながら、生活に必要な食量や物資は国から無料で配給され、学費はタダ、医療費もタダ、年金ももらえる、といった万民が等しく暮らす建前の国でした。

一方で、頑張っても頑張らなくてもみな平等という状況下、当然労働者の意欲は低下し、生産性は低下。

そんな中でも、ソ連は米国に対抗して、軍事費に国費の多くを費やし財政状況は悪化。

つまり、人々の生活に必要なモノの生産量が減少しているのに、それらを生活に必要なものを生み出さない軍人に配給し、戦闘機の購入などに充てられてしまうので、当然国民全員が食料やモノが足りない状況に陥っていくわけです。

その結果、ついに行き詰って1991年にソ連が崩壊し、ロシアは共和国となり一気に資本主義化していくわけです。

今まで食料や物資は無料配給され、学費は医療はタダで、年金も支給されていた状況はどのように変わったのでしょうか?

①ハイパーインフレ

まずはハイパーインフレが起こりました。

これはソ連崩壊後、急速に市場経済を導入したためと考えられます。

元々、社会主義の下、供給能力が非常に低かったため、市場経済を導入後は、一気に供給不足・需要過多の状況が浮き彫りになり、市場メカニズムが働き一気にインフレしたのです。

1992年~1995年の間に物価は1000倍以上になったといわれています。

②年金・医療保障などの社会保障制度崩壊

次に、年金や医療保障などの社会保障費の大幅カット或いは全廃が行われました。

元々、国の財政状況が悪く社会保障費を負担する余裕はなかったわけですから、これらは当然カットせざるを得ない状況となりました。

その結果どのようなことがおこったのでしょうか?

高齢者や病人が数百万人死亡したとされています。

1986年と1994年を比べると、平均年齢は男性で約7歳、女性で約3歳も縮まりました。


このように、社会主義による生産性の低下と、軍事費などへのなりふり構わぬ放漫財政のツケは、数百万人の死者をもってして払われたといっても過言ではありません。

<ソ連に酷似する日本の状況>

ソ連のこのような状況、実は今の日本と似ていると思いませんか?

ソ連時代の最後の最高指導者であるゴルバチョフは「日本は最も成功した社会主義国」と表現しました。

日本経済は基本的には資本主義経済です。
企業同士は資本主義システムの下、競争を強いられます。

一方で、企業の中の労働者を見るとどうでしょうか?

古い大企業の多くは、年功序列の賃金で頑張っても頑張らなくても同期はみんな給料が一緒、終身雇用なのでクビになる心配もない。

つまり、労働者は社会主義制度の下で働いているのです。

この結果、日本の生産性はバブル崩壊以降停滞したままで、他国に一気に置いて行かれました。

生産性_20200629


さらに、言わずもがなですが日本の財政状況は非常に厳しいものがあります。(下図は日本の国債残高)

財政赤字_20200629

出典:財務省



そして、少子高齢化という致命的な構造的問題も抱えています。

人口_20200629

出典:総務省



以前MMTを紹介しました。

MMT(現代貨幣理論)とは?

MMTを誤って解釈している人は、

「日本に財政問題はないのだから、お金を刷れば年金や医療費はいくらでも捻出できるんだ!」

といいます。

MMTは簡単に言うと、財政政策の基準を財政均衡からインフレ率に変更するものです。

つまり、MMTでも通貨発行にはインフレ率という制約があるのです。

現在のようなデフレ期は、供給能力に対して需要が不足している状況なので、通貨を発行してもインフレはおきませんが、この供給能力が今後少子高齢化で減少していくことが予見される中、社会保障費を通貨発行に頼るというのはばかげた理論です。


<日本人はどうすればいいのか?>

ではこのような、国で生きていくためにはどうすればいいのでしょうか?

生産性の向上、女性の社会進出などが叫ばれますが、これらは当然必要でしょう。


ただ著者の意見としては、今後定着するであろう超少子高齢化社会においては

「高齢者は生産力の高い若者に支えられる」

という前提を覆す必要があると思っております。

つまり、高齢者であっても自分の面倒は自分でみていかなければならないと思っています。

こういうことを言うと、「体力的に衰えた高齢者に、死ぬまで働けというのは現実的ではない!」という人がいるかもしれません。

但し、モノの生産というのは、「労働」と「資本」の二つの要素で成り立っているのが資本主義の原理です。

労働で生産活動に関与できないのであれば、資本の面で関与すればいいのです。

つまり、若い時にたくさん労働をして資本を築き、年をとったら資本の面で生産活動に携わっていけばいいのです。



年金は破綻しないといえば破綻しないでしょう。

国がお金を刷ればいいわけですから。

但し、国内の供給能力を上げる努力をせずに、そんなことを続ければ長期的に見れば確実にインフレが起こります。

よって将来もらえる年金で生活費が賄えるとは思えません。


世界に先駆けて少子高齢化が急速に進む日本においては、国に頼らず、若者に頼らず、自分自身が生涯にわたって生産活動に携わっていく覚悟を持たなければならないのです。

そしてその第一歩は資本主義を理解することだと思います。

以上

りろんかぶお

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[ 2020/06/29 12:26 ] 14.経済の勉強部屋 | TB(-) | CM(0)

自由貿易と保護貿易について考えてみる

自由貿易と保護貿易_20200622


これまでの世界は、資本主義の最大の特徴である自由市場を世界に広げ、「ヒト・モノ・カネ」の国境を極力取り除くことで世界全体が豊かになっていくことを目指す潮流がありました。

一方現在、米国トランプ大統領や英国のEU離脱などに代表されるように、世界の最先端を走る国が自国第一主義や保護主義を掲げるようになってきました。

ここでは特に「モノ」の流れ、つまり貿易に注目し、自由貿易と保護貿易、どちらが今後の世界の潮流となるかを考えてみます。

<自由貿易>

自由貿易とは簡単に言えば関税などの国家の介入を排除した貿易を指します。

こうすることで、世界規模での分業が進み、適した場所で適したものが生産され、とても生産性が高まり、世界全体が効率的に豊かになっていきます。

例えば、農作物であればそれにあった気候や土壌を持っている地域が生産に適していますし、AIやロボットなどのハイテク分野でいうと地理的な特性は関係なく地域の教育レベルに大きく左右されるでしょう。

一方、デメリットとしては、グローバルで競争が繰り広げられるので、自国に競争優位のない分野はどんどん淘汰されていき、それらの分野に携わっていた人たちは職を失います。

つまり、完全な自由貿易を目指すと、最終的には生産性が高く豊かな世界に到達できる可能性が高いモノの、短期的には各国で大量の失業者が発生するというカオスな期間を経る必要が出てきます。

<保護貿易>

保護貿易は、こういった状態を避けるものです。

保護貿易は、関税をかけることで、海外の安いモノやサービスが流入してくるのを防ぎ、国際的に見れば競争力がない事業でも、国内で生き残っていけるようにするのです。

日本での代表例はお米でしょうか。

日本でコメを買うと、だいたい5kgで約2000円、つまり約400円/kgするわけです。

一方で、国際的なコメ相場は農林水産省によると50円~60円/kg(2020年6月現在)のようです。

日本のコメは国際的には競争力が全くありません。

ただ、現在の日本では海外の米を輸入する場合、402円/kgの関税がかかります。

こうすることで日本の農家さんを守っているわけです。

<自由貿易 vs 保護貿易>

本題に戻ると、自由貿易と保護貿易、どちらが世界の潮流となるか?

世界経済全体を考えれば答えは当然生産性の高い自由貿易でしょう。

但し、自由貿易を徹底してやるためには、「ヒト・モノ・カネ」のヒトとカネについても徹底的に自由化しなければならないと考えます。

例えば、日本の人件費では、農業を行うのは合理的ではなく、日本の強みである自動車産業などで働くことが求められてきます。

一方で日本の中にも、自動車関連の仕事はどうしても苦手だけれども、農作業がとても得意な人だっているわけです。

そのような人が簡単に農業を強みとしている国・地域に移住できるのならばいいかもしれません。

但し、そこは言語や文化の問題でなかなか難しいわけです。

そうなると、やはり自由貿易を突き詰めると、局所的には各国で格差が広がり、生きていくことが困難な人達がたくさん出てきてしまいます。

そして、世界の大半を占める民主主義国家というのは、そういった弱い立場の人を守る傾向が強いので、やはり世界の潮流としては保護貿易が軸足としてあって、部分的に自由貿易を行っていくという方向性にならざるを得ないということになるでしょう。

以上

りろんかぶお

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[ 2020/06/22 14:17 ] 14.経済の勉強部屋 | TB(-) | CM(0)

MMT(現代貨幣理論)とは?

MMT_20200619.png


日本において通貨発行権は日銀にあります。

日銀は政府からは独立した機関で、政府が発行する国債を日銀が直接買い取ることは財政法で禁止されています。

一方で、日銀は市場で国債を購入することは禁止されておらず、発行済国債の約半分ほどを日銀が保有しているのが実態です。

つまり実態としては、政府は日銀の通貨発行に基づいて資金を調達して様々な財政支出を行っていることになります。
(正確には民間銀行でも信用創造を通じて通貨発行をしていることは後述)

そして現在では、政府の債務残高(地方債含む)が1,000兆円を越えていることからも、政府は早期のプライマリーバランス(国債の元利払いなどを除いた基礎的財政収支)黒字化を目標としています。

「借金は返さなければいけない」

というのはごく当たり前のことですから、多くの人がこの「プライマリバランスの黒字化」に疑問に思うことはなかったのですが、MMTはこれに対し異論を唱える理論です。

MMTとは?

MMTとはModern Monetary Theoryの略で、日本語では現代貨幣理論と呼ばれています。

これは経済理論の一つで、ものすごく簡単にいうと

「自国で通貨を発行できる国は、過度なインフレにならない限り、税収によらず、通貨を発行して財政支出を行うことができる」

というもの。

普通に聞いていると、とても違和感を感じませんか?

どこに違和感を感じるのでしょうか?

よく挙がる疑問は以下のようなものです。

①税収によらずお金を発行していいのであれば、それを国民に配れば、もう働かなくていいということ?(そんなおいしい話があるわけない)

②政府は自身の借金残高を減らす努力をする必要はないということ?

③財政支出に財源が不要なら、そもそも国は税収入がいらないのでは?(そんな馬鹿な話がある?)

ここでは、これらの疑問についてのMMTの考え方を見ていくことで、この理論の理解を深めていきます。

①自由にお金を発行していいのであれば、それを国民に配れば、もう働かなくていいということ?(そんなおいしい話があるわけない)

この疑問に対する回答は、”No”です。

もう働かなくていいということはあり得ません。

経済というのは、モノやサービスを生産する人(供給)と消費する人(需要)があって初めて成り立ちます。

お金を刷ってばらまいたところで、供給が変わらないのであれば、増えたお金の分だけ物価が上がる(お金の価値が下がる)だけです。

つまりお金というのは供給と需要の仲介役であるということに変わりはありません。

ではなんでお金を刷るのか?

例えば少し前までの日本のように、デフレに悩んでいる国は、供給が多くて需要が少ないという状態です。

デフレというのは、

物価が下がる→企業業績が下がる→企業は新規投資もせず、給料も下げる→消費が下がる→物価が下がる

という負のスパイラルに落ち込むことです。

デフレは、企業が新規投資を行いにくい環境なので、より良いモノやサービスが生まれにくい社会になります。

つまり、より豊かな状態を求める資本主義にとって、デフレは非常によくない状態なのです。

日本はバブル期に供給能力を拡大しすぎた結果、バブル崩壊以降、需要は冷え込んだものの、供給能力は簡単に引き下げることができずにデフレ状態に陥りました。

企業業績悪化に伴い税収入は下がり、さらに少子高齢化による社会保障費拡大で、財政状態が悪化。

その結果、増税を繰り返すことでさらに消費を冷やして、デフレが泥沼化して現在に至るというような状況です。


MMTの考えにのっとれば、デフレ下では需給ギャップが発生しているので、政府が通貨を発行して、需給ギャップを埋めるように財政支出により需要を創出することで経済を支えることができます。

一方で注意が必要なのが、経済にとって健全な新陳代謝(過剰で無駄な供給能力の淘汰)は必要なので、需給ギャップを完全に埋めるようなことが必ずしも良いこととは限りません。

但しMMTの考えでは、消費が冷え込んでいる時にそれに追い打ちをかけるような増税というのは全く不要なのです。

なぜなら政府の様々な支出に財源は不要だからです。

増税がなかっただけでも今の日本経済は全く違う姿になっていたでしょう。

②政府は自身の借金残高を減らす努力をする必要はないということ?

この疑問に対する回答は、”Yes”です。

MMTでは、国債の発行とは、政府の借金の増加というよりも、通貨の発行ととらえます。

よって借金を返済するということは、通貨の量を減らすということになります。

通貨の総量というのは、経済規模やその時の状況に応じて適した量というのがありますから、政府の借金を返済する=通貨の総量を減らすことを目的とすることはナンセンスなのです。

MMTでは通貨の総量は、通貨の価値を維持するようにコントロールすればよいということになります。
通貨の価値というのは物価に現れるので、指標となるのはやはりインフレ率です。


ちなみに国債発行と通貨発行が同義であるのは、通貨発行権のある日銀が買い取った国債に限定はされるのでは思う方がいるかもしれませんがそんなことはありません。

なぜなら、民間銀行であっても、信用創造によって実質通貨を発行していることになるからです。

例えば、私が民間のA銀行に100万円を預金したとします。

A銀行は政府の国債発行に応じて、政府に100万円を貸し出します。

政府はこの100万円をつかって、私のおじいちゃんに年金を払うべくおじいちゃんの銀行口座に100万円をふりこみました。


整理してみると、私は引き続きA銀行に100万円の預金残高があります。

さらに、私のおじいちゃんの預金口座にも100万円があります。

つまり、元々100万円だったものが200万円に増えているのです。

民間銀行でも、このような信用創造を通して実質通貨を生み出していることがわかります。

③財政支出に財源が不要なら、国は税収入がいらないのでは?そんな馬鹿な話がある?

MMTの考えでは、政府の収入源としての税収というのは不要になります。

但し、通貨の価値を維持する上で徴税は必要になります。

例えば、現在の政府の年間予算はおよそ100兆円ですが、国民から税金はいっさいとらずに、毎年100兆円のお金を刷って財政支出していれば、すぐに需要過多のインフレになるでしょう。

ただここで仮に、消費税を10%から50%に上げたらどうでしょう?

需要は一気に覚めますよね?

つまり、徴税というのは需要をコントロールする力があります。

そういう意味で、MMTの考え方でも、インフレをコントロールする=通貨の価値をコントロールする意味で徴税というのは意味を持ってきます。

また、自国通貨での納税を義務化することで、その通貨に流通通貨としての価値が備わります。

例えば日本円での納税義務がなければ、流通通貨はビットコインでもいいのです。

日本円で税を納めなければいけないからこそ、日本円に皆が価値を感じ、日本円で経済が回るようになるのです。

まとめると、収入源としての税金は不要なるも、通貨価値維持のために徴税というのは必要になってきます。

STOP

ここまで見てきたように、MMTというのは、今までの財政政策の制約を

「財政収支の均衡」から「インフレ率(通貨の価値)」

に変えることであるといえます。

MMTはまだ賛否両論ある理論ですが、通貨の考え方などは単なる事実を述べているもので、そういう意味ではもっともっと広まって議論が深まっていくといいなと思います。

以上

りろんかぶお

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[ 2020/06/19 17:29 ] 14.経済の勉強部屋 | TB(-) | CM(0)

イールドカーブコントロールとは?

イールドカーブ図


現在、日銀の金融緩和政策として導入されているイールドカーブコントロール。

これは日銀が2016年に世界で初めて導入した金融政策ですが、現在のコロナ禍で米国FRBにても導入を検討している手法です。

今回は、イールドカーブコントロールとは何か?ということを徹底解説いたします。

1.イールドカーブとは?

イールドカーブとは、債券の利回り(金利)と償還期間との相関性を示したグラフで、横軸に償還までの期間、縦軸に利回りを用いた曲線グラフのことを指します(下図)。

利回り曲線ともいい、金利の期間構造を表し、債券投資で重要視される指標のひとつです。右上がり(償還までの期間が長いほど利回りが高い)のときを順イールド、右下がり(償還までの期間が短いほど利回りが高い)のときを逆イールドといいいます。

イールドカーブ
出典:大和証券

2.イールドカーブコントロールとは?

長期金利と短期金利の誘導目標を操作し、イールドカーブの形状を人為的にコントロールすることを意味します。

日銀で行われているのは、民間銀行の日銀当座預金金利(付利)の一部をマイナス0.1%(短期金利操作)にし、10年物国債金利を同国債の購入を通してゼロ%に誘導することで、イールドカーブをコントロールしています。

従来の金融政策では、短期金利のみを操作していたので、その点が異なります。

3.イールドカーブコントロールの狙いは?

まず前提知識として、イールドカーブには、経済に中立的な「均衡イールドカーブ」が存在します(金融緩和的でもなく金融引き締め的でもない)。

実際のイールドカーブが、均衡イールドカーブに対してギャップがある場合、金融緩和或いは金融引き締め作用が働き、これが需給ギャップ(※)に作用していきます。

(※)需給ギャップとは、一国の経済全体の総需要と供給力の差のこと。需給ギャップがマイナスになるのは、需要よりも供給力が多いときで、企業の設備や人員が過剰で、物余りの状態。逆に、供給力より需要のほうが多いとプラスになり、物価が上がる原因になります。

均衡イールドカーブ
出典:日銀

さらにイールドカーブの変化は、

①水準(全体が平行に下方シフトする効果)
②傾き(短期金利が低下し傾きが急になる効果)
③曲率(下方に凸の形にたわむ効果)

の3つの要素に分解することが可能で、それぞれに固有の定数をかけて足し合わせたものが需給ギャップになります。

ちなみに、①>②>③の順で、需給ギャップに働きかける効果が大きいことも分かっています。

均衡イールドカーブ ギャップ要素
均衡イールドカーブ ギャップ要素足し算
出典:日銀

また、金利低下が経済・物価与える影響度合いは、金利の年限によって異なることがわかっていて、短期~中期の金利低下による効果がより大きいと考えらています。


このようなことからイールドカーブコントロールでは、その水準、傾き、曲率をしっかりと操作し、さらに金融緩和効果の高い中期ゾーンの金利もしっかりと低下させることで、より効率的な金融緩和を行うことができるというものです。

以上

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[ 2020/06/16 16:23 ] 14.経済の勉強部屋 | TB(-) | CM(0)
プロフィール

りろんかぶお

Author:りろんかぶお
【名前】:りろんかぶお
【生年】:1987年
【出身】:千葉
【性格】:感情の起伏ゼロ。声低め。
【学歴】:東京大学大学院卒
【職業】:現在はセミリタイアし専業投資家。元総合商社勤務(M&A等)
【資格】:証券アナリスト
【趣味】:投資・麻雀・ランニング
【目標】:資本を通じて社会に貢献すること


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