
<景気サイクルの考え方>・りろんかぶおとしては景気後退期を予測するうえで、民間の消費動向と債務残高がカギになると考えます。
・2008年、リーマンブラザーズは負債総額6390億ドル(約64兆円)という米国史上最高額で経営破綻しました。これにより、世界連鎖的な信用収縮による金融危機が起こり、100年に一度といわれる大恐慌となりました。
・このようなことが起こると、金融機関が企業に融資する余裕がなくなりますので、資金繰りに困った企業は次々と倒産していきます。そうすると失業者が世の中にあふれ、民間の消費は激減し更に企業業績が悪化するという負のスパイラルに陥ります。
・これを受け、経済活性化のために中央銀行は利下げを行い、銀行から国債を買い取ることで銀行に資金を供給し、銀行が企業に融資をしやすい環境を作ります。低い金利で融資を受けられることで企業は息を吹き返すと共に、低コスト生産ができるようになり今まで以上にモノの価格が下がります。モノの価格が下がると消費者マインドが刺激され消費は徐々に動き出します。
・消費が堅調になると企業の業績は徐々に改善していきます。企業の業績改善は従業員の収入増に繋がり、人々の収入が増えると更に消費が増えます。このような状況になると企業は増加した需要にこたえるために新たに借入を行い、それを新規の設備投資にあて、生産能力を拡大していきます。こういった好循環が生まれることで景気は良くなっていくのです。
・但し消費の増加は青天井ではありません。家を買い、車を買うと、当分の間買い替える必要がなくなるのと同様、一度生活に必要なモノがそろってしまうと消費はそれ以上なかなか増えていきません。
・消費に息切れが起こってきたときに、企業は初めて大量の借金を抱え、毎年大量の金利支払いが生じていることに気づきます。一度生産設備を拡大してしまうとそれを基に戻すことはできませんので、大量の生産能力を持ちながら稼働率を下げるほかなく、消費が鈍くなって収入が減少している中、今までと同じように大量の金利支払いが発生するので、これにより資金繰りに窮した企業が倒産していき、また不況期の負のスパイラルが始まります。これが景気サイクルです。
・現在の米国景気は、「既に悪化していたものが底を打ち、今後回復していく」という人もいれば、「近い将来に大規模な景気後退が発生する」という人もいます。いろいろな経済指標がありますが、筆者が特に重要と考えるのが、民間のGDP対比債務残高と消費動向です。
・今回はまずGDP対比債務残高です。なぜGDP対比なのかというと、例えば年収が200万円の人が1000万円借金しているのと、年収2000万円の人が1000万円借金しているのではわけが違うのと同様、企業や家計全体の借金残高も、国の経済規模を表すGDPと比較させないと意味がないからです。
<債務残高推移(GDP対比)>(出典:IMF)
民間企業のGDP対比債務残高推移 (単位:%)

家計企業のGDP対比債務残高推移 (単位:%)
<りろんかぶおコメント>・民間企業のGDP対比債務残高は2018年末時点で150%です。リーマンショック直前が168%だったことを考えると、リーマンショック時ほどの過剰債務にはなっていないことがわかります。
・家計のGDP対比債務残高は2018年末時点で76%です。リーマンショック直前が98%だったことを考えると、こちらもリーマンショック時ほどの過剰債務にはなっていないことがわかります。
・但し、リーマンショック直前は異常な過剰債務だったことを差し引けば、民間企業の150%というのは非常に高い水準であることは間違いなく、つつけばはじけるレベル迄来ているのではないかと考えています。
・こうなってくると、消費の息切れが、この膨らんだ風船に針を刺す可能性があります。次回は現在の消費動向をチェックしていきたいと思います。
以上
りろんかぶお
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