バフェット部 FIRE達成の東大卒元商社マンの米国株情報サイト

M&Aを手掛けた東大卒元商社マン(証券アナリスト資格有、現在はFIREを達成し専業投資家)が主に米国株の理論株価を全力分析!

カテゴリー  [ 8.企業研究 ]

フィリップモリス 2021年2Q決算

logo-PM-2017.png


フィリップモリスが7/20に2021年の2Q決算を発表しました。

<決算概要>

PM
予想実績前年同期比
売上高7.67B          7.59B+14%
調整後EPS1.551.57+22%
通期予想売上高31.23B30.41B - $30.70+7%
次Q予想EPS
通期予想EPS
1.6
6.1
$1.50 - $1.55
$5.97 - $6.07
+7%
+16%




<コメント>

・イタリアやポーランドを中心としたEU諸国における加熱式タバコの売上量が63.7%増加したことが売上増を牽引。

・サウジアラビアでの訴訟に対するPM側控訴が棄却され246百万ドルのチャージ費用が発生。EPSにして$0.14のマイナスインパクト

・営業利益は 13.4%増加。値上げと売上量増加が寄与。

・営業利益率は44.1%で前年同期比2%改善。

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りろんかぶお

※当ブログで紹介する理論株価は、いくつかの前提条件をりろんかぶおが独自に設定している為、その前提条件次第では計算結果が異なってきます。また当ブログは、投資に関する情報を掲載していますが、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。また、読者が当ブログの情報を用いて行う投資判断の一切について責任を負うものではありません。

[ 2021/07/21 13:25 ] 8.企業研究 | TB(-) | CM(0)

Netflixの有料会員が北米で減少!2021年2Q決算!

image_NFLX.png


ネットフリックスが2021年4~6月期の決算を発表。
結果は以下の通りでした。

<決算結果>
1.2021年2Q実績

NFLX
予想実績前年同期比
売上高7.32B7.34B19%
調整後EPS3.152.9787%
次Q予想売上高7.48B7.477B16%
次Q予想EPS2.172.5547%


<コメント>
・EPS実績のみ予想を下回る結果に。

・売上は有料会員が11%増加したこと、会員当たり単価が8%増加したことが主因

・前四半期対比では営業利益が6%減。コスト増が売上増を上回る。

2.有料会員数データ

下表は、年別の12か月間の会員の伸び具合を表したグラフ。

有料会員数推移_20210721

出典:ネットフリックス決算説明資料

下表は地域別の会員数推移

地域別有料会員数推移_20210721

出典:ネットフリックス決算説明資料

<コメント>
・2021年は例年に比べて伸び具合が悪い。2020年に需要の先食いをした感はあり。

・そしてなんといっても、最も単価の高い北米の有料会員数は前四半期対比で減少。ここ数年で初めての減少。

・次に単価の高いEMEAの有料会員数の伸びも鈍化。

・Netflixは事業展開しているそれぞれの国の俳優と言語を用いたオリジナルコンテンツ制作に力を入れ始めており、今後はまだ会員獲得の期待できる欧米以外が注力エリア。但し、それらエリアは単価が低い傾向あり。

3. 競争環境

以下は、米国のTVスクリーンで視聴される動画に占める各サービスの割合。

シェア_20210721

出典:Nielsen、ネットフリックス決算説明資料

<コメント>
・米国のTVスクリーンで視聴される動画の内、ストリーミング動画の占める割合は27%、Netflixは7%。視聴時間としてはシェア拡大の余地あり。但し、有料会員増につながるかは別問題。

・DiscoveryとWarner Mediaの合併や、AmazonのMGM買収等、ストリーミング業界では再編が相次ぐが、これらはNetflixの成長を妨げる脅威にはならないと考えているとのこと。

・Netflixも買収機械は常に模索しているが、今のところ魅力的な機会は見つかっていない模様。

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[ 2021/07/21 10:30 ] 8.企業研究 | TB(-) | CM(0)

ウェルズファーゴ 2021年2Q決算

ウェルズファーゴが7月14日に第二四半期の決算を発表しました。

<決算まとめ>

WFC (単位:$)
予想実績前年同期比
売上高17.75B20.27B11%
調整後EPS0.971.38黒字転換


<補足情報>
出典:WFC決算資料

コストの推移
コスト_WFC_20210715

コンシューマー向け各種ローン
各種ローン_WFC_20210715

<コメント>
・売上増の主因は、傘下のVC及びPEのキャピタルゲイン$2.7Bが寄与

・貸倒引当金の取り崩しで$0.3分のEPS押し上げ効果

・コスト削減は徹底。前年同期比で8%減。効率化イニシアティブの取組効果が功を奏し、外部委託費などを中心に経費が$1.1B減。
従業員数も削減しており、人件費も減。

・住宅ローン組成は2020年3Qがピークでそれ以降は停滞。需要は一巡したか。

・その代わり、経済再開する中で自動車ローン、デビット&クレジットカード取引数が増加傾向にある。この傾向が続けばカードローン残高も増え、金利収入増につながる。

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[ 2021/07/15 09:57 ] 8.企業研究 | TB(-) | CM(0)

JPモルガン・チェース 2021年2Q決算

JPモルガンチェースが7月13日に第二四半期の決算を発表しました。

<決算まとめ>
JPM (単位:$)
予想実績前年同期比
売上高29.96B31.40B-7%
調整後EPS3.23.78155%


<セグメント情報>
2Q_JPM_2021.png
出典:JPM investor relation

<コメント>
・約3Bの引当金取崩しが利益を押し上げ

・住宅ローン収入はローン組成に係るマージン減少で収入源

・金利やクレジットのヘッジングやデリバティブなどの商品は不調で前年同期比28%減

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[ 2021/07/14 15:08 ] 8.企業研究 | TB(-) | CM(0)

【クラウドマーケットシェア (2021年1Q)】アマゾン vs マイクロソフト vs グーグル

近年、急成長しているクラウド市場について、米調査会社のCanalysのレポートを以下の通り要約します。

原文:https://www.canalys.com/newsroom/global-cloud-market-Q121

・クラウドのマーケット規模は2021年1Qで前年同期比35%増加して$41.8billionに達した。

クラウド市場規模_20210709
出典:Canalys

・コロナによるリモートワーク普及、ビジネスプロセスの変更等、企業でのデジタルトランスフォーメーションの加速がクラウド需要を押し上げた。

・マーケットシェアの上位三社は以下。

1位:アマゾン(AWS)。2021年1Q売上高は前年同期比32%増
2位:マイクロソフト(Azure)。同50%増
3位:グーグル。同56%増

クラウドmarketshare_20210709
出典:Canalys

・Canalysのアナリストによれば、「2020年はクラウド化が急速に進んだ年だが、まだ多くの企業はクラウドに移行していない。今後もクラウド化はますます進むし、昨年延期された巨大プロジェクトが2021年に制約されるだろうし、新たな利用シーンも市場規模を押し上げるだろう。」とコメント

・今後クラウドの活用が見込まれる分野は、5G、自動運転、産業ロボット、AR・VR等の先端技術エリア。

STOP

・ちなみに、ジェフベゾスはかつてAWSの競争優位性について以下の通りコメントしています。

「AWSは競合他社よりも7年早くクラウドサービスを開始してきたという大きなアドバンテージがある。その結果、AWSのサービスは最も発達していて、最も機能性に富む」

・上位三社の中ではAWSの売上の伸びが一番鈍いようにも感じますが、AWSはそもそもの売上規模が大きいため、純粋な売上の増額幅でいえばAWSがトップとなります。つまり、新規顧客獲得においてもAWSが最も競争力を発揮しています。

・行政機関や大企業でクラウドが使われる時、やはりセキュリティ面も重要であり、そういう意味で過去の実績というのは大きな付加価値になります。

・最も実績があるという意味でもやはりAWSは今後も強いでしょう。

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[ 2021/07/09 15:03 ] 8.企業研究 | TB(-) | CM(0)

シェルが業績改善で株主還元強化

image_20210708.png


7/29に予定している2021年2Q決算発表前に、シェルが業績改善により株主還元を強化することを発表。

<プレスリリース要約>

・マクロ経済の回復による業績改善から、2021年2Q以降に株主還元を強化予定。

・株主還元額は営業キャッシュフローの20%~30%の見通し。

・業績改善に関しては、昨今の原油高に伴う売上増、石油製品や化学品の販売量増及びマージン改善が主因。

出典:Shellプレスリリース


<Shellの長期戦略>

・昨今、気候変動問題が取りざたされる中で、石油会社であるShellは2050年までに二酸化炭素のネット排出量をゼロにすることを公表済。

・Shellとしてはネット排出量ゼロを達成するために、以下の三つの分野に資本を配分していくとのこと。

①バイオ燃料などの低炭素製品の販売強化
②太陽光・風力・水力発電への投資
③EVチャージ

・最終的にネット排出量ゼロに到達できない場合は炭素隔離貯留技術を使って人為的にでも達成する予定。

・原油生産量は、原油関連資産の売却や自然減を通して、2030年までに1~2%/年ずつ減らしていくとのこと。

<著者コメント>

・株主還元第一主義のShellの復活。

・超長期で見ると原油需要はやはり減っていくのでしょうが、その分今後の油田開発投資は激減していくでしょうから供給も減って、原油価格は適温な水準を保ち、既存の優良資産を持っているシェルなどのオイルメジャーは実は堅実なキャッシュフローを生み出し続けるのではと考えます。

・一方でシェルは、ヨーロッパの企業ということもあって、社会的圧力から、クリーンエネルギー系にビジネスをシフトしていくことを発表済み。油田開発などと違ってクリーンエネルギーは参入障壁が低いので、利益率の悪化は懸念されますね。

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[ 2021/07/08 11:35 ] 8.企業研究 | TB(-) | CM(0)

ウォルグリーン・ブーツ・アライアンス(2021年5月四半期決算)

Image WBA 2018


ウォルグリーン・ブーツ・アライアンスが2021年5月期の四半期決算を発表しました。

WBA (単位:$)
予想実績前年同期比
売上高33.76B34.03B12%
調整後EPS1.171.5182%


・売上、EPSともに事前予想を上回る好決算。

・前年対比で急激な伸びの要因は主に以下三つ
①昨年の同四半期はコロナ禍ピークで業績が悪かった
②米国では既に経済再開しており、英国でのロックダウンも昨年ほどではなかったため小売りが堅調
③今四半期は1700万人のワクチン接種がありピーク

・一方で次四半期はワクチン接種予定人数は今四半期ほどではない見込みで業績もややスローダウン

・継続事業のEPSの通期ガイダンス(2021年8月期)は一桁%後半から約10%に上方修正

戦略的取り組みとしては以下

・注文を全自動でパッキングまでしてくれるマイクロフルフィルメントセンターの稼働開始
・医療サービスを提供するVillage Medicalを既存薬局に併設増加
・専用アプリのmyWalgreensを通じて予約、宅配等顧客サービス向上
・コスト削減プログラム

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[ 2021/07/02 11:54 ] 8.企業研究 | TB(-) | CM(0)

CFDによるレバレッジ投資

image_20210623.png


バフェットが長期にわたって高いリターンを上げてきた最大の源泉は
銘柄選択や投資タイミングでなく、「レバレッジ」だった、ということを以下記事で紹介しました。

バフェットの年率リターン20%の源泉は銘柄選択や投資タイミングではなく〇〇だった!

ここで生じる疑問は、

「とはいえ米国株に投資する日本の個人投資家でもレバレッジなんてきかせられるの?」

といったもの。

答えはYesです!

米国株投資において日本人がレバレッジを利かせて投資する方法としてCFDでの投資があります。

今回はCFDでレバレッジを利かせる仕組みについて分析していきます。

1.CFDとは

CFDとは、為替や株式、株価指数、原油や金などの商品など様々な資産に投資することができる金融商品のことです。

CFDでは用意した金額(証拠金)よりも大きな金額を取引することができます。外国株CFD・バラエティCFDなら証拠金の5倍、株価指数CFDなら10倍、商品CFDなら20倍の金額の取引が可能です。

よくFXではレバレッジを20倍とかにして投資ができますが、FXはCFDの商品の一つで、要はCFDはあらゆる金融商品にレバレッジを利かせて投資したい人向けの商品です。


2.レバレッジを利かせるためにCFDの運営会社は裏で何をしている?

レバレッジを利かせる方法は大きく以下の2通りあります。

①先物を活用する

先物とは、将来のある時点である価格で買う、という「約束」をする取引です。
例えば、3か月後に日経平均を30000万円(先物価格は市場で決まる)で買うという約束をする、といった具合です。

将来の約束をするだけなので、現時点では手付金として証拠金(通常は取引代金の10%とかそれ以下)を拠出するのみで問題ないです。

先物には期日があるものの、CFDでは運営会社側で先物を次々に新しい期日に乗り換えていくことで、長期投資も可能です。

この方法でのレバレッジは先物が存在する株価指数や商品などが対象です。


②借入をする

シンプルに借入をする方法です。一般的な信用取引と同じです。

例えば100万円にレバレッジを5倍利かせたい場合は、400万円を借り入れて合計500万円で運用する、といった具合です。
当然金利負担が生じます。

これは先物が存在しない個別株などに適用されます。


3.CFDにおけるコスト

以下4つがあります。

①取引手数料
これは取引ごとに係る手数料です。普通の証券口座で株式を買うときにもかかりますが、CFDでは手数料無料の証券会社が多いです。

②スプレッド
これは買価格と売価格の差のことです。これも証券会社への手数料の一種です。

③オーバーナイト金利
これは日をまたいでポジションを保有する場合に発生するレバレッジに伴うコストです。
先物によるレバレッジの場合は期日を切り替えるときに発生するコストで、
借入によるレバレッジの場合は金利コストです。この金利コストは通常、基準金利に証券会社独自の追加金利を上乗せした金利を支払うことになります。

④配当
ロングポジションの場合は配当の受け取りがありますが、ショートポジションの場合は配当の支払いがあり、これがコストになります。

4.レバレッジのかけ方としては先物の方がお得

先物価格というのは理論的には以下の式で決まります。

先物価格=現在価格+金利(該当期間分)
※対象資産が株式の場合、上記からさらに配当金を差し引く

3か月先の期日の先物を買うとき、
現在価格が100で、3か月間の金利が1の時は、
先物価格は理論的には101になります。

つまり、先物を買うというのは、その期間の金利コストを負担していることになるので、
その意味では借入を行ってレバレッジを利かせる方法とコスト構造は同じです。

但し、一点異なるのは金利の水準です。

先物の場合、基本的にはLIBORなどの銀行間取引金利のみが適用されますが、
借入を行う場合はLIBORにさらに投資家の信用リスク分として2%~3%の金利が上乗せされます。

つまり先物でレバレッジを利かせる場合、自身の信用リスク見合いの金利を負担せずにレバレッジを利かせることができるのです。

但し、先物には期日があるので、長期投資をする場合、期日が到来するまでに、次の期日の先物に乗り換えていく必要があるので、その乗り換え時に発生する売買手数料や価格変動コストなどを負担することになります。

但し、十分な取引金額であればそれらを考慮してもやはり先物によるレバレッジの方がお得でしょう。

STOP

CFDでは米国株指数(ダウ、S&P500、ナスダック100)も取り扱いがあり、これらのインデックスに適度なレバレッジをかけて長期投資するというのも堅実かつ高いリターンを見込めるのではと思います。

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[ 2021/06/23 11:15 ] 8.企業研究 | TB(-) | CM(0)

バイオ医薬品と業界分析②

イメージ_20210614


今後有望な投資テーマとして上がるのが「バイオ医薬品」の分野です。

とは言っても、バイオ医薬品って普通の医薬品とどう違うの?と思う方も多いはず。

今回は、前回に続きそんなバイオ医薬品とその業界について調べていきたいと思います。

前回記事↓
バイオ医薬品と業界分析①

今回はバイオ企業のプレイヤーの紹介です。

今となっては大手製薬会社はどこもバイオ医薬品部門を持っておりますが、今回は成り立ちからバイオ医薬品に特化した企業を紹介していきます。

ここでは、Nasdaq Biotechnology Indexの時価総額上位7社についてみていきます。

①アムジェン

・企業概要(マネックス証券から引用)

アムジェンは、バイオ医薬品の草分け的な企業。腎臓病治療薬やがん支持療法薬を専門的に開発してきた歴史を持つ。主要医薬品には、貧血治療薬エポジェン、アラネスプ、好中球減少症治療薬ニューポジェン、ニューラスタ、自己免疫疾患治療薬エンブレル、オテズラがある。
2006年に初のがん治療薬、抗EGFR抗体薬ベクティビックスを導入し、骨粗しょう症治療薬としてプロリアおよびエクスジーバ(2010年承認)、イベニティ(2019年承認)を販売している。オニキス・ファーマシューティカルズの買収によって、ネクサバールやカイプロリスといった腫瘍治療薬ポートフォリオが強化された。コレステロール低下薬レパーサ、片頭痛治療薬erenumabが最近上市された。独自のバイオシミラーポートフォリオには、主要製品であるMvasi(アバスチンのバイオシミラー)、Kanjinti(ハーセプチンのバイオシミラー)、およびAmgevita(ヒュミラのバイオシミラー)が含まれる。

・業績(マネックス証券から引用) 

kabuka_amgn_20210621.png
売上_amgn_20210621
cf_amgn_20210621.png


②ギリアド

・企業概要(マネックス証券から引用)

ギリアド・サイエンシズは、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、B型肝炎ウイルス(HBV)およびC型肝炎ウイルス(HCV)を中心に、有効な治療法が確立されていない感染症治療のための新薬を開発し製品化を行う。2006年にCorus PharmaとMyogenを買収、その後CV Therapeutics、Arresto Biosciences、2011年にはCalistoga Pharmaceuticalsを買収し、肺疾患や心臓血管疾患、がん治療分野にも進出。2012年のPharmassetの買収により、C型肝炎治療薬ハーボニーの併用剤の一部でもあるソバルディを取得。Kite Pharmaの買収、および継続中のForty-Sevenの買収で、細胞療法および非細胞療法のがん治療薬のエクスポージャーが広がることになる。

・業績(マネックス証券から引用)

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売上_gild]_20210621
cf_gild_20210621.png


③モデルナ

・企業概要(マネックス証券から引用)

モデルナは、2010年設立、2018年12月上場のバイオテクノロジー企業である。同社のメッセンジャーRNA(mRNA)技術は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチンの開発で、その有効性が即座に実証され、2020年12月に米国で承認された。2021年初め時点で、24のmRNA開発プログラムを有し、このうち13プログラムの臨床試験が進められている。プログラムは、感染症、がん、循環器疾患、稀少な遺伝子疾患など、広範な療法分野を対象としている。

・業績(マネックス証券から引用)

kabuka_mrna_20210621.png
売上_mrna_20210621
cf_mrna_20210621.png


④イルミナ

・企業概要(マネックス証券から引用)

イルミナは、生命科学および臨床検査での遺伝物質を分析するためのツールやサービスを提供する。シーケンシングツールと専用消耗品(2020年売上高の約76%)から収益を得ている。ハイスループット技術は、ヒトおよび他の大型生物における全ゲノムシーケンスを可能にする。そのより低いスループットのツールは、ウイルスおよび癌腫瘍スクリーニングのようなより小さなデータ出力を必要とする適用を可能にする。マイクロアレイ(売上高の9%)も販売しており、消費者および農業用途を中心に低コストで集中的な遺伝子スクリーニングを可能にしている。サービスは売上高の16%を占め、基本的なメンテナンスサービス、臨床検査(非侵襲性出生前、腫瘍学、希少疾患スクリーニングなど)、全ゲノムシーケンスを含む。

・業績(マネックス証券から引用)

kabuka_ilmn_20210621.png
売上_ilmn_20210621
cf_ilmn_20210621.png


⑤バーテックス

・企業概要(マネックス証券から引用)

バーテックス・ファーマシューティカルズは、重篤な疾患を治療するための小分子医薬の発見と開発に取り組む世界的バイオテクノロジー会社である。主力医薬品には、同社の治療法が世界のスタンダードとされている囊胞性線維症領域を対象とするKalydeco、Orkambi、Symdeko、Trikaftaがある。囊胞性線維症に加え、パイプラインには、βサラセミアや鎌状赤血球症の遺伝子治療薬CTX001や、α1アンチトリプシン欠損症やAPOL1を介した腎疾患を標的とする小分子医薬などがある。また、炎症性疾患や疼痛に対する非オピオイド療法、1型糖尿病や希少疾患に対する遺伝子・細胞療法に焦点を当てた研究パイプラインを拡大している。

・業績(マネックス証券から引用)

kabuka_vrtx2_20210621.png
売上_vrtx_20210621
cf_vrtx_20210621.png


⑥リジェネロン

・企業概要(マネックス証券から引用)

リジェネロン・ファーマシューティカルズは、眼病、心臓疾患、がん、炎症性疾患の治療に用いられる医薬品の創薬、開発、製造、販売を手掛ける製薬会社である。滲出型加齢黄斑変性その他眼病治療薬として承認されているアイリーア、コレステロール低下薬プラルエント、アトピー性皮膚炎、喘息、ポリポーシス治療薬デュピクセント、、皮膚扁平上皮がん治療薬Libtayo、関節リウマチ治療薬ケブザラなど、市販されているいくつかの医薬品を有する。また、サノフィと共同でがん免疫領域のモノクローム抗体を開発するほか、二重特異性抗体や抗体カクテルを他の共同研究者と、あるいは単独で開発している。

・業績(マネックス証券から引用)

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売上_rigen_20210621
cf_rigen_20210621.png


⑦バイオジェン

・企業概要(マネックス証券から引用)

バイオジェンは、バイオジェンとアイデックが合併し2003年に設立された。バイオジェンの多発性硬化症治療薬アボネックスとアイデックの悪性リンパ腫治療薬リツキサンが主力製品であった。現在、リツキサンおよび次世代抗体医薬品ガジバをロシュとの提携で販売している。多発性硬化症治療薬のプレグリディ、タイサブリ、テクフィデラおよびVumerityは、主に自社で販売を手掛けるが、日本では、エーザイと共同で販売を促進している。血友病治療薬エロクテートとアルプロリクスは、2017年にバイオベラティブの一部としてスピンオフされた。フェーズIII試験段階にある開発パイプラインが神経疾患と神経変性疾患分野で複数ある。脊髄性筋萎縮症治療薬ヌシネルセンをアイオニス・ファーマシューティカルズと共同販売。先日アルツハイマー病への治療薬がFDAから承認を得られ話題に。

・業績(マネックス証券から引用)

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売上_biib_20210621
cf_biib_20210621.png


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[ 2021/06/21 08:00 ] 8.企業研究 | TB(-) | CM(0)

1分で分かるFOMC超概略~5つのポイント~(2021/6/17)

FRB パウエル


<2021年6月17日FOMC 5つのポイント>

1.金利及び資産購入方針は現状維持。

2.ワクチン普及により経済は力強く回復中で今年のGDP成長率は7%に引き上げ。雇用も改善しており、今年末には失業率4.5%、2023年末には3.5%にまで下がると予測(長期目標は4.0%)。

3.インフレ率は供給がボトルネックになっており想定以上に高い。長期平均2%のインフレ目標を越えそうなシグナルがあれば方針変更の可能性あり。

4.資産購入のテーパリングについては議論を開始することについての議論を行った。経済状況の改善がさらに進捗すれば、将来のFOMCでテーパリングについての検討を開始する可能性はある。

5.FRBメンバー及び連銀総裁の経済予測平均値は以下

経済予測_20210617
どっとチャート_20210617
出典:FRB
https://www.federalreserve.gov/monetarypolicy/files/fomcprojtabl20210616.pdf

<著者コメント>

・強すぎる米国経済と、安心安全のパウエル議長を再確認。

・注目のテーパリングに関しては、「議論を開始することについての議論を行った(talking about talking about)」との発言あり。ちょっとずつ小出しにしてマーケットをびっくりさせないようにさせる作戦は見事に的中(S&P500は終値-0.54%にとどまる)。

・今回のFRBのやり方を見ても、前回(リーマンショック後のテーパリング)の反省から、しっかりと入念に市場とコミュニケーションをとっていく方針も確認でき、テーパリングに関してあまりひやひやする必要ないのでは?と思わせた。

・経済予測を見ると2022年及び2023年の利上げの支持者が増えていることも注目。インフレがFRBの想定以上という発言もあり、この調子で強いインフレ率が出続ければ、テーパリングをこなした後は利上げについての議論も開始される可能性あり。

<FRBバランスシート推移>

BS_20210617.png
出典:FRB

※単位は百万ドル(7M百万ドルは100円/ドル換算で700兆円)

以上

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[ 2021/06/17 11:34 ] 8.企業研究 | TB(-) | CM(0)

バイオ医薬品と業界分析①

イメージ_20210614


今後有望な投資テーマとして上がるのが「バイオ医薬品」の分野です。

とは言っても、バイオ医薬品って普通の医薬品とどう違うの?と思う方も多いはず。

今日はそんなバイオ医薬品とその業界について調べていきたいと思います。

1.バイオ医薬品とは何か?

バイオ医薬品とは、その名の通りバイオテクノロジーを活用した医薬品です。

ここでいうバイオテクノロジーとは主に、①遺伝子組み換え技術と②細胞培養技術を指しています。

①遺伝子組み換え技術とは?

遺伝子組換え技術は、ある生物から目的とする遺伝子(DNA)を取り出し、別のターゲット生物に導入することで、その生物に新しい性質を付与する技術です。

この技術を使えば、人工的に意図した遺伝子構造を作り出すことができます。


②細胞培養技術とは?

これは、細胞を生物個体から離れた人工的な環境の下で生育させる技術です。


2.バイオ医薬品はどのように製造される?

簡単な製造工程は以下の通り。

製造工程_20210714
出典:JCRファーマ

つまり、

人工的に設計した遺伝子を細胞内に投入し、
細胞の本来の機能を用いて複雑なたんぱく質を作り出し、
それを増殖させて生産していく

というものです。

製造に用いられる細胞には以下の種類があります。

大腸菌 
酵母
昆虫細胞
植物細胞
動物細胞
ヒト細胞

3.バイオ医薬品と普通の医薬品は何が違うの?

従来の医薬品は単純な化学合成で作られます。

よってバイオ医薬品と比べると分子量が圧倒的に少ないです。

双方の違いは以下の通り。
普通の医薬品との違い_20210614
普通の医薬品との違い②_20210614
出典:厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/content/10800000/000655558.pdf


4.バイオ医薬品にはどのようなメリットがあるのか?

分子量が非常に多く複雑なたんぱく質であるバイオ医薬品は従来の医薬品よりも病気に対する攻撃力が高いため、
がんや自己免疫疾患等、難治性疾患など、従来の医薬品による治療が難しかった病気への治療効果が期待できるというメリットがあります。

また遺伝子組み換えにより、人工的に設計した遺伝子構造を持つ医薬品の為、しっかりと標的を絞った医薬品開発ができるため、副作用が少ないという利点もあります。

(続く)

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[ 2021/06/14 16:41 ] 8.企業研究 | TB(-) | CM(0)

ズームの1Q決算にみるズームの競争優位性の考察

ime-ji_20210602.png


6月1日にズームビデオが2021年2月~4月の決算発表を行いました。
結果は、相変わらずずば抜けてよい決算となりました。

<ZM 2021年2月~4月期決算概要>

予想実績前年同期比
売上高906.03M956.237M191%
調整後EPS0.991.32560%
次Q予想売上高
通期予想売上高
931.74M
3.8B
985M~990M
3.975B~3.990B
-
次Q予想EPS
通期予想EPS
0.94
3.76
1.14~1.15
4.56~4.61
-


・売上高、EPS、ガイダンスともに予想を上回る。

・売上高推移。次四半期以降は前年対比が厳しくなる。
売上推移_20210602
出典:ズーム決算資料

・顧客ベースの前年同期対比。売上は6倍以上になっているのに顧客ベースは約2倍程度。
これは売上計上のタイミングの問題。2020年4月末時点ではコロナ特需で顧客ベースは大幅上昇していたが売上は未計上であったため。
顧客推移_20210602
出典:ズーム決算資料

・各項目マージン。売上に対する費用の比率が下がり、営業マージンが上昇。SaaS銘柄らしい良い傾向。
経費比率_20210602
出典:ズーム決算資料


<コメント>

・ズームはビデオ会議の代名詞となり、ビデオ会議導入を検討する人ならまず検討するのがズームになるだろう。

・何の登録もなしにリンクにクリックさえすれば誰でもビデオ会議ができるという便利さがズームの強み。

・一方、ライバルのマイクロソフトやグーグルも、ズームと同じように自社アカウント保有者以外もビデオ会議を使えるようにオープン化したため、ズームのライバルに対する競争優位性は減少している。

・また、ビデオ会議はビジネスのコミュニケーションツールと一つであり、マイクロソフトやグーグルがメール等のツールを持つ一方でズームはビデオだけしか持っていないというのも弱点。
(こういうことから社内でずっとマイクロソフトを使ってきた会社は、社内のビデオ会議はTeams、社外用にはズームと使い分けており、二重に契約しているところが多い)

・マイクロソフトのTeamsがオープン化したため、「社外用にもTeamsでよさそうだから、ズームは解約するか」という会社も出てくる可能性はあり。

・ズームは今後、コミュニケーションツールの拡充とビデオ会議のユーザーインターフェースの継続的な改善が求められるだろう。

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[ 2021/06/02 12:04 ] 8.企業研究 | TB(-) | CM(0)

AT&Tがメディア事業をスピンオフ! 現在とスピンオフ後の妥当な株価は?

ATT.png


5/17に米国通信大手のAT&Tが傘下のメディア事業をスピンオフすることを発表しましたので概要を下記します。

<取引概要>

・AT&Tは傘下のワーナーメディアとメディア大手ディスカバリーを合併させることでディスカバリーと合意。

・AT&T株主は新会社の71%、ディスカバリー株主は29%持分を受領。

・加えて、AT&Tは本合併に伴い新会社から現金、債券など合わせて$43 billionを受領。

Tメディアスピンオフ_20210519
出典:AT&Tプレゼン資料

<新会社>

・合併後の新会社は、ワーナーメディアのHBO MaxとディスカバリーのDiscovery +を合わせて世界最大級の動画ストリーミングサービスを提供する会社となる。

・2023年の予想売上高は$52billion(内、動画ストリーミング売上高$15billion)、予想調整後EBITDA $14billion。

・合併によるシナジーで$3billion/年の余剰が生み出されることが期待でき、コンテンツ制作投資の原資として活用。

<スピンオフ後のAT&T>

・本業の通信事業に注力。特に5Gと光ファイバー。

・配当性向は予想フリーキャッシュフロー$20 billionに対し40%~43%。

・新会社から受け取る$43 billionにより、ネット債務が減少。取引後のネット債務は調整後EBITDAの2.6倍。

STOP

<著者コメント>

・基本的にはいいスピンオフだと思います。

・動画ストリーミングサービスはネットフリックス、ディズニーなどを筆頭に映画制作会社が自社コンテンツを武器に次々に自社のストリーミングサービスを展開。

・今後は自社コンテンツを自社サービスで配信することが主流となると予想され、良質なコンテンツをどれだけたくさん持っているかが勝負。そういう意味で、優良コンテンツと優秀な制作部隊を持つ大手同士の合併というのは大きなシナジーあり。

・更に、AT&Tとしても5Gと光ファイバー普及に合わせ、基地局やファイバー設置のために巨額の資金が必要で、かつ重しとなっていた借入比率を今回受け取る$43billionである程度緩和できることはプラス。

・これらから両社にとってWin Winの取引と考えられる。

・一方で本発表後の2日間で9%超下落。これはスピンオフに伴い、AT&Tから受け取る配当は減額となることが予想されるため、配当目的の投資家が売却したことが響いた。

・但し、規模が小さくなるためにそれに配当を合わせるのは当然で(確かに配当性向を元々の60%程度から40%程度に下げてはいるが)、その代わりにAT&T株主は新会社の株式を受領できるわけで、ここは冷静に考える必要あり。

<新会社とスピンオフ後AT&Tの適正株価>

・バロンズによると、スピンオフ後のAT&Tの適正株価と新会社の適正株価を足し合わせたもの(スピンオフ前、つまり現在の株価)は$30.37~$41.28の間とのこと。

・まずスピンオフ後のAT&Tの適正株価は、同業のベライゾンの配当利回り4.3%/年とAT&Tの配当利回りが同じになると仮定し算出。結果は$25.88/株

・次に新会社の適正株価は、プレスリリースに記載ある予想EBITDA$14billionと競合他社のEBITDA倍率を基に算出。競合他社としては、市場で評価の高いDisneyと評価の低いViacomCBSを採用。

・DisneyのEBITDA倍率を用いると$15.40/株、ViacomCBSのEBITDA倍率を用いると$4.49/株。

・これらに上述の$25.88/株を足し合わせると$30.37~$41.28という結論になる。

・現在(5/18時点)のAT&T株価は$29.55だが、これは安すぎであまり気にする必要はないということ。

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[ 2021/05/19 11:17 ] 8.企業研究 | TB(-) | CM(0)

アリババ 2021年1~3月期決算速報

アリババ_20200714


中国Eコマース大手のアリババが2021年1~3月期決算を発表しました。

<決算結果>

Alibaba
予想実績前年同期比
売上高27.8B28.6 B64%
調整後EPS1.791.58 (※)12%
通期予想売上高143.75B141.95
通期予想EPSNANA
※独禁法違反の罰金$2.8bilは除く。これを含めるとEPSはマイナス0.3


<著者コメント>

・売上高は予想を上回るも、調整後EPSと売上予想は事前予想を下回った。

・主力のEC売上は前年比40%と引き続き堅調。海外向けECも77%増と好調。
また、主に地方在住の低所得層向けのTaobao Dealsも年間Active Userが1.5億人に達し急成長中(競合のPinduoduoは7.8億人)。

・戦略的重点分野のNew Retail(主に生鮮食品などを扱うリアル店舗)は前年同期比134%増加。昨年末買収を発表した中国スーパーマーケットチェーン最大手Sun Artの業績を今期から取り込んだことが寄与。

・将来の収益の柱として期待のCloudは前年同期比37%増と伸び率は縮小。大口顧客の解約が主因。

・食品デリバリーのEle.meも前年同期比50%増と好調。

・売上の伸びに対して、EPSが伸びなかった理由はコスト増が原因。Sun Art等、利益率の低いリアル店舗事業の割合が増えたこと、Ele.meで顧客獲得費用が増加したことが等により営業利益率が悪化。

・Ele.meは先行投資と考えられるが、近年割合を増やしているリアル店舗事業による利益率悪化は恒常的なものなのでアリババの評価が下がる要因になりうる。

・アリババはコマースのサプライチェーン全てを取り込むべく、Sun Art、Tmall Mart、Freshippo等のリアル店舗事業、Ele.me等の食品デリバリーなどにも事業を拡大している。コマースにおいてオンラインとオフラインを融合することで効率的なコマースを目指す。
その一方で、利益率の悪い分野に足を踏み入れていることにもなり、これが将来的にアリババの成長にどう寄与するかは要注目。

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[ 2021/05/14 11:57 ] 8.企業研究 | TB(-) | CM(0)

GAFAM 2021年1~3月決算まとめ

GAFA決算_20201030


2021年1~3月決算
Google
予想実績前年同期比
売上高51.7 B55.314 B34%
調整後EPS15.8220.51108%
次Q予想売上高53.01 B開示なし
次Q予想EPS15.69開示なし
<コメント>
Google Cloudの売上高が前年対比46%増、営業利益ベースでも黒字化の兆し
YouTubeの売上高が前年対比49%増、好調
4/23に追加で最大50Bまでの自社株買いを決定
保有株式の価格上昇で4.2 Bほどのキャピタルゲイン
Apple
予想実績前年同期比
売上高77.3 B89.58 B54%
調整後EPS0.991.4119%
次Q予想売上高開示なし
次Q予想EPS開示なし
<コメント>
個別商品の前年同期比の売上高増加率は、iPhoneが66%増、Macが70%増、iPadが79%増。どの商品も絶好調。前年はロックダウンなどで振るわなかった要因もある。
地域別だと北米、欧州は引き続き好調で、中国に至っては87%も増加。
$90 bilの自社株買いを発表。
Facebook
予想実績前年同期比
売上高23.72 B25.439 B46%
調整後EPS2.613.393%
次Q予想売上高開示なし
次Q予想EPS開示なし
<コメント>
ユーザー数の伸びは前年同期比10%前後の増加に過ぎなかったものの、広告単価が3割増加したことが売上を牽引
2Qの前年対比成長率は1Qと同等以上の伸び率を示す予想だが(前年同期がコロナ禍で業績が悪かったため)、年後半の伸び率は急激に減速する見込み。
Amazon
予想実績前年同期比
売上高104.46 B108.518 B44%
調整後EPS9.5415.79215%
次Q予想売上高108.68 B110.0 B ~ 116.0 B24% ~ 30%
次Q予想EPS10.81開示なし
<コメント>
特に米国以外のEコマース売上高が堅調に増加したことがけん引。
利益の約半分を占めるAWSの売上高は前年同期比32%増も、GoogleクラウドやAzureと比較すると伸びが弱い。
Microsoft
予想実績前年同期比
売上高41.03 B41.7 B19%
調整後EPS1.781.9539%
次Q予想売上高42.98 B開示なし
次Q予想EPS1.78開示なし
Azureは前年対比50%増と引き続き好調


<まとめ>
・これからの10年もGAFAMがけん引するであろうと思わせる業績!!
・やはり21世紀の石油といわれるデータを支配するGAFAMは最強。
・GAFAMに死角なし!!

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[ 2021/04/30 10:26 ] 8.企業研究 | TB(-) | CM(0)

僕がグーグルの将来に強気な理由

Alphabet.png


私は、GAFAの中でもとりわけGoogleの将来性が期待できると思っています。

まずは4/27にGoogleの親会社であるアルファベットが2021年第一四半期の決算を発表したのでこれを確認してみます。

結果はぶっちぎりに良い内容でした。

<2021年1Q決算結果>

予想実績前年同期比
売上高51.7 B55.314 B34%
調整後EPS15.8220.51108%


※調整後EPSは以下の計算
Diluted EPS +26.29
減価償却期間変更によるEPS押上効果の削除 -0.95
保有株の株価上昇によるEPS押上効果の削除 -4.83

20210428_Google決算
出典:Google決算資料

<コメント>

・売上高、調整後EPSの伸び、予想の上回り方、各セグメントの伸び、どれをとってもほれぼれとするような非の打ちどころのない内容。

・Google Cloudの売上高が前年対比46%増、営業利益ベースでも黒字化の兆し

・YouTubeの売上高が前年対比49%増で絶好調

・追加で最大50Bまでの自社株買いを決定

<僕がグーグルの将来に強気な理由>

・まずは既存ビジネスの圧倒的な強さです。Googleの利益の大部分は、検索エンジンやクロム、マップ、アンドロイド、YouTube等のGoogleプロダクトから得られる広告収入です。

・例えば大黒柱の検索エンジンは、その圧倒的なクオリティの高さから、既に消費者からも圧倒的な信頼を獲得しており、今後Googleを脅かす検索エンジンを提供できる企業は現れないでしょう。正直、自分もいくつかの検索エンジンを使ってみて、やはり自分の得たい情報がダイレクトに表示されるのはGoogleだけです。

・またYoutubeも確固としたプラットフォームになったといえるでしょう。自分自身も家事や寝る前などはラジオ代わりにYoutubeを聞くのが習慣ですし、日本では多くの芸能人がYoutubeに参入してここ1~2年でコンテンツが莫大に増えました。

・そして僕が今後のGoogleにとっても期待しているのはSegmentの中の「Other Bets」です。

・Googleは既存プロダクトから得られる莫大な広告収入を、未来の収益の柱となりうる対象に投資しまくっています。これを既存プロダクト以外に賭けるという意味で「Other Bets」としています。

・例えば、よい例は自動運転です。2020年代に確実に自動運転が商用化されるとみられていて、その最先端を走るのがアルファベットの子会社であるウェイモなのです。自動運転にとって最も重要なものの一つは走行データであり、ウェイモは世界の自動運転システムを牛耳る可能性があります。グーグルは自動運転を10年以上前から研究していたのです。

・また、マイクロソフトCEOのサティアナデラが著した「ヒットリフレッシュ」では我々の未来を大きく変える以下3つのテクノロジーを紹介しました。GAFAM各社それぞれ、以下三つに莫大な研究開発費を投じていますが、少なくとも量子コンピューターに関してはGoogleが頭一つ抜けています。

①AI
②量子コンピューター
③MR(仮想現実(VR)と拡張現実(AR)を合わせた複合現実)

・その他にもGoogleは、老化とそれに伴う病気に関する研究を行うバイオテクノロジーの研究や、気球を用いた空の移動体通信基地局事業も行っています。

・つまり、「Other Bets」の中身は様々な研究対象から構成され、短期的にいうと自動運転、中期的にいうと量子コンピューター・MR、長期的にいうとバイオテクノロジーと、結果的にはうまいこと世に出る時間軸が分散され、今後10年20年の内に、この「Other Bets」の中から、次々と世の中をがらりと変えるサービスが出てくると思います。

・グーグルのやっていることに関する深い分析は以下ご参照。

Alphabetはどこへ向かうのか?①
Alphabetはどこへ向かうのか?②
Alphabetはどこへ向かうのか?③

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[ 2021/04/28 11:57 ] 8.企業研究 | TB(-) | CM(0)

動画配信サービスが好調なAT&Tはグロース株に変貌できるのか?

ATT.png


4/22にAT&Tの決算が発表され、好決算を受けて株価は終値で4%上昇しました。

特に好感されたのは以下の3点。

・携帯の新規加入者数が予想を上回ったこと。
・コロナ化でストップしていたスポーツなどが再開しメディア部門の広告収入が戻ってきたこと。
・昨年サービス開始した動画配信サービスのHBO Maxの加入者が順調に伸びていること。


こんな中、私が注目したのが、動画配信サービスのHBO Maxです。

HBO Maxの2021年3月末の有料会員数は米国内では1Qだけで2.7百万人増加し44.2百万人、全世界で63.9百万人に達しました。

ちなみに競合他社の有料会員数は以下。

Netflix:米国・カナダで74.4百万人、全世界で207.6百万人(2021年3月末時点)
Disney+:全世界で94.9百万人(2021年1月2日時点)

HBO Maxは現在米国本土及び米領国のみでサービスが提供されていますが、2021年中に追加で一気に60か国でサービスが開始される予定です。

更に、先月のインベスターデイでは2025年までに有料会員数が120百万人に達する予想であることを発表。


動画配信の皮切りはNetflixやHuluから始まり、映画配給会社はそれらのプラットフォーマーに自身の作品を提供してきました。

ちなみに米国の映画配給会社ビッグ5は以下。

ウォルト・ディズニー・スタジオ
ワーナー・ブラザース・エンターテイメント
ソニー・ピクチャーズ・エンタテインメント
パラマウント映画
ユニバーサル・スタジオ


ところが最近、これらの映画会社も動画配信サービスが優良事業であることを認識し、各社独自の動画配信サービスを続々と開始し始めたのです。

ウォルト・ディズニー・スタジオ→Disney +(2019年11月~)
ワーナー・ブラザース・エンターテイメント→HBO Max(2020年5月~)
ユニバーサル・スタジオ→Peacock(2020年7月~)
パラマウント映画→Paramount +(2021年3月~)


このように動画配信サービスというのは現在戦国時代に突入しているのです。

Netflixはこのような時代がきて、映画会社各社がNetflixへの作品提供を断り始めることがわかっていたこともあって、独自コンテンツの制作に巨額の投資を行ってきて、実際に優良なコンテンツが続々とネットフリックスから生まれています。

但し、ビッグ5は古くから映画製作を続けてきてことによる膨大なコンテンツがあります。

中でもディズニーはこれまで、マーベル、ピクサー、20世紀スタジオなどの有力映画会社を次々に買収してきた経緯があり、コンテンツの質と量で他社を圧倒している感があります。

そういった意味ではDisney+は今後の動画配信事業を牽引していくでしょう。

但し、二番手としてはAT&T傘下のワーナー・ブラザーズが挙げられるでしょう。

ハリウッド映画の歴史はワーナーブラザーズ抜きには語れません。

例えば一度は聞いたことがある以下のような超有名映画は全てワーナーブラザーズが提供してきたものです。

インセプション
インターステラー
オーシャンズ11
スーパーマン
シャーロックホームズ
バットマンシリーズ
ハングオーバー!シリーズ
マトリックスシリーズ
ハリー・ポッターシリーズ


コンテンツの質と量においては、やはりディズニーには劣るものの、その次には位置しており、米国でも好調なスタートを切ったHBO Maxは今後世界に展開していくことで大きく有料会員数を増やしていけると考えられます。


但し、一点注意が必要!

仮にHBO Maxの有料会員数が2025年に120百万人に達したとしましょう。

HBO Maxの月額料金は約15ドルです。

すると年間の予想売上高は120百万人×15ドル×12か月=$21.6 billionとなります。

これに対し2020年通期のAT&Tの売上高は$171.7 billionです。

つまり、売上ベースで見るとせいぜい10%程度の構成比しか持ちません。

AT&Tのような超巨大企業で10%の売上を担うことは重要なインパクトがあるものの、HBO MaxだけでAT&Tの株価を爆上げできるかというとそうでもないような気もします。

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[ 2021/04/23 17:23 ] 8.企業研究 | TB(-) | CM(0)

ネットフリックスの加入者は頭打ちなのか?

image_NFLX.png


ネットフリックスが2021年1~3月期の決算を発表。
結果は以下の通りでした。

<決算結果>
1.2021年1Q実績

売上高:$7.16 bil (前年同期比24.2%増、アナリストの事前予想:$7.13 bil)
Diluted EPS:$3.75 (予想:$2.97 bil)
有料会員純増数:398万人(予想:600万人)

コメント:売上高とEPSの実績は事前予想を上回ったのですが、有料会員純増数は予想より悪かったです。

2.第二四半期ガイダンス

売上高:$7.30 bil (前年同期比24.2%増、アナリストの事前予想:$7.39 bil)
Diluted EPS:$3.16 (予想:$2.68 bil)
有料会員純増数:100万人

コメント:第二四半期の会員純増数は100万人と、例年よりかなり低めとなっています。

3.有料会員数データ

下表は、年別の12か月間の会員の伸び具合を表したグラフ。

会員純増数_NFLX
出典:ネットフリックス投資家情報

これを見ると明らかに2021年は例年に比べて伸び具合が悪いですね。

ネットフリックスによると、これは2020年のコロナ禍での有料会員激増の反動とのこと。

但し、2021年下半期は人気コンテンツを投入するので伸び率は再度加速するだろうとの説明。

次に、地域別の会員数の伸びを表した表です。

会員純増数地域別_NFLX
出典:ネットフリックス投資家情報

特に伸び率が悪いのが米国&カナダ(UCAN)と中南米(LATAM)です。


<ネットフリックスの加入者は頭打ちなのか?>

この問いに対する結論としては、

米国&カナダでは既に頭打ちで伸びるとしても微増程度しか期待できなそうだが、その他海外ではまだ加入者獲得余地はあり、ネットフリックスもそこに注力していく戦略(後述)なので、まだまだ伸びは期待できそう

と考えております。

その理由について順を追ってみていきます。

まず最大市場である米国&カナダについて。

米国の総世帯数は1.3億世帯、カナダは0.1億世帯程度なので、合計1.4億世帯。

その内、既に半分以上の0.74億世帯がネットフリックスの有料会員になっているので、2世帯に1世帯はネットフリックスに登録している計算です。

普及率は既にかなり高く、直近の伸びもかなり鈍いことから、ここから有料会員数を急激に伸ばしていくことは難しいでしょう。


一方で他エリアはどうでしょう?

例えばアジア(APAC)などはいまだに力強い伸びを見せています。

ネットフリックスはこれまでその独自コンテンツで競合他社との差別化に成功してきました。
但しその独自コンテンツの大半は米国の俳優と英語で制作されたものでした。

但し、今後の注力分野として、事業展開しているそれぞれの国の俳優と言語を用いたオリジナルコンテンツ制作に力を入れ始めており、実際に以下のような海外発の人気コンテンツが誕生しています。

Below Zero、スペイン (配信後4週間の視聴者数が47百万人)
Space Sweepers、韓国 (26百万人)
Squared Love、ポーランド(31百万人)
Who Killed Sara?、メキシコ(55百万人)

私自身はネットフリックスは利用していないのですが、どうやらネットフリックス制作の韓国ドラマが面白いらしいという話は小耳にはさんだりします(愛の不時着や梨泰院クラス等)。

更に、ネットフリックス独自の映画も近年ではアカデミー賞作品賞によくノミネートされており(2021年はノミネート8作品中2作品がネットフリックス)、コンテンツの強さも明らかです。

そしてこれらの強力なコンテンツを制作するために、ネットフリックスは2020年には制作費だけで$15 bil(約16兆円)費やしており、この巨額の製作費から生まれる優良コンテンツがさらに競合他社を引き離していくのです。

これらを踏まえれば、確かにネットフリックスは最大市場の米国&カナダはやや飽和状態で、これまでのような加入者の伸びは見られないかもしれないものの、その他海外ではまだまだ成長途上にあると考えられます。

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※当ブログで紹介する理論株価は、いくつかの前提条件をりろんかぶおが独自に設定している為、その前提条件次第では計算結果が異なってきます。また当ブログは、投資に関する情報を掲載していますが、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。また、読者が当ブログの情報を用いて行う投資判断の一切について責任を負うものではありません。

[ 2021/04/21 15:43 ] 8.企業研究 | TB(-) | CM(0)

アリババを覆っていた霧が晴れてきた!

アリババ_20200714


昨今、中国EC大手アリババには問題が山積しており、株価もかなりの安値圏で低迷していました。

そんなアリババを覆っていた分厚い霧がようやく晴れてきたので概略を見ていきます。

1.アリババが抱えていた主な問題

そもそもアリババが抱えていた主な問題を今一度整理してみたいと思います。

①中国独占禁止法の改正(2021年中)によるIT大手への規制強化の行方(2019年~)
②アリババ傘下のアントグループに対する金融規制の行方(2020年11月~)
③アリババの独禁法抵触にまつわる当局調査の行方(2020年12月~)
④アリババが米国HFCA法(会計監査が不透明な中国ADR株の締め出しを意図)の対象になるかどうかの行方(2020年12月~)
⑤アリババ傘下のメディア企業に対する中国政府からの売却要請の行方(2021年3月~)

このように多くの先行き不透明な問題がありました。

しかも相手は中国政府と現在中国と対立を深めている米国政府ということで、極端な仕打ちを受ける可能性も排除しきれず、アリババ株は業績好調にも関わらずかなり売り込まれていました。


2.一部の問題は終息へ

そんな中、直近のニュースによると②と③についてはようやく霧が晴れてきたのです。

③の独禁法抵触にまつわる当局調査の行方ですが、
4月10日の中国当局の公表によると、約$2.8bilの罰金、内部統制の強化、今後の定期的な中国当局への報告、等により大方終息したと考えられます。$2.8bilの罰金は巨額ではありますが、アリババの財務状況からいえば大したことないです。
またアリババのコメントによれば、これら対応が今後アリババのビジネスに重大な影響を与えることはないとコメントしてます。


②のアントグループに対する金融規制の行方についても、
4月12日に金融当局がアントの再編計画を発表し、それによると、電子決済サービス「アリペイ」と、短期消費者ローン「ジエベイ」、クレジットサービス「ファーベイ」の「不適切な」関係を断ち切り、アントを持ち株会社化するとのこと。こちらもある程度今後の道筋が見えました。


3.中国当局の対応に対する所感

これらのアリババに対する中国当局の対応は、独裁国家ならではの過激な仕打ちかというと全くそんなことはないと言えそうです。

独占禁止法関連に関しては、アリババに対する罰則は独占禁止法に則っていますし、独禁法改正も海外の独禁法をお手本にしており中国内の健全な競争を促す意味ではとてもポジティブなものです。

またアントに対する規制も、決済のみならず融資も行っているため金融企業としての規制はしっかり受け入れるべきです。

メディアの売却要請に関しても、メディアへの規制が強い中国というのは横に置いておいたとしても、アリババのように多くの事業を手掛ける巨大企業がメディアに対して大きな影響力を持っていることは好ましくありません。なぜなら、メディアを使った自社サービスへの誘導などができてしまうためです。
例えばGoogleなども過去に、Google検索でGoogleのサービスが検索上位になるようになっていたことに対して指摘を受けたことがあります。

つまり中国というのは健全な市場経済を維持するために必要な当たり前の規制がまだまだ整っていないために、急にアリババへの圧力が増しているように見えますが、これは中国経済が今後も力強く発展していくために必要なことです。

そして中国当局の一連の対応を見ている限り、「習近平指導部の影響力を強大化させること」というよりも「中国経済をより成長させること」にフォーカスしているように見えます。

そして、中国経済の発展はアリババにもポジティブに働くので、アリババを取り巻く今回の一連の規制強化というのは長期で見ればそれほど気にすることはないように思います。

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[ 2021/04/13 12:20 ] 8.企業研究 | TB(-) | CM(0)

米国株式市場からの中国企業締め出し本格化!法案の中身を簡単解説!

イメージ_20210329


最近、米国株式市場から中国企業が締め出されるのでは?という不安がマーケットに漂っています。

この不安の根拠となる法律が2020年12月18日にトランプ大統領の署名をもって成立したHolding Foreign Companies Accountable Act(HFCA法)。

今回は、いったいHFCA法とはどんな内容のものなのかについて簡単に解説します。

法律名:Holding Foreign Companies Accountable Act(HFCA法)

概要:

1.まず米国証券取引委員会(SEC)は、以下2つの条件を満たす会計監査人を起用している上場企業を特定。
①支店やオフィスを米国外に置いている
②上記の所在国の規制などで、米公開企業会計監視委員会(会計監査人を監督する委員会)が会計監査人に対して調査や監査が十分に行えない

2.SECは”1”で特定された企業に対し、所在国の政府機関に保有或いは支配されていないことを証明する文書を提出させる。

3.本法案の成立以降(2020年12月18日)、3年間上記”1”の特定から外れなかった場合、SECは当該企業株式の米国内取引を禁止する。

4.取引禁止後にもし、当該企業が米公開企業会計監視委員会の調査を受け入れたことを証明した場合、SECは取引禁止措置を解除する。

5.上述の取引禁止措置解除後、当該企業が再度上記”1”で特定された場合、SECはすぐさま当該企業株式の取引禁止措置を再開する。

6.上記”5”で取引禁止措置となった企業は、5年間は再上場できず、5年経過後に米公開企業会計監視委員会の調査を受け入れることを証明すれば取引禁止措置が解除される。

7.本法案成立後90日以内に、SECは企業の特定方法などのルールを制定する必要あり。

8.外国籍企業で、上記1の条件を満たす会計監査人を起用している企業は、SECに提出する財務報告書に以下の内容を記載する必要がある。
①会計監査人名
②企業の本店所在国の政府機関による株式保有比率
③会計監査人の本店所在国の政府機関による当該企業への支配権有無
④当該企業或いはその事業会社の取締役が中国共産党員の場合はその氏名
⑤当該企業の定款の中での中国共産党に関する記載有無

STOP

ちなみにアリババの会計監査人は米PWCの中国支店です。

更に、米公開企業会計監視委員会が同監査法人を調査・監査するためには中国当局の承認が必要で、現在は十分な調査が行われていない状況とのこと。

よって、アリババはHFCAの対象になるわけです。

仮に、中国当局が米公開企業会計監視委員会の調査を許可しなければ、3年後には米国市場で取引されているアリババのADS株は取引禁止になってしまうわけです。

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[ 2021/03/29 18:27 ] 8.企業研究 | TB(-) | CM(0)

2020年代で投資家が最も注目すべきマーケット?

イメージ_20210118


2020年代で投資家が最も注目すべきマーケットの一つはまさに”宇宙”だと思います。

イーロンマスク率いるSpace Xやジェフベゾスが個人で出資しているブルーオリジン、日本ではホリエモンが宇宙ビジネスに取組んでいます。

つまり、稀代の起業家たちが何年も前から熱心に取り組んでいるのが宇宙ビジネスです。

今回は、女性版ウォーレンバフェットと呼ばれるキャシーウッド率いる米ARK社の「Big Ideas 2021」に紹介ある、宇宙ビジネスの展望について紹介したいと思います。

出典:https://research.ark-invest.com/hubfs/1_Download_Files_ARK-Invest/White_Papers/ARK%E2%80%93Invest_BigIdeas_2021.pdf?hsCtaTracking=4e1a031b-7ed7-4fb2-929c-072267eda5fc%7Cee55057a-bc7b-441e-8b96-452ec1efe34c

1.概略

・ロケットと衛星のコストの低下が、かつて独占的で国家主導型に見られた宇宙産業を覆そうとしている。

・長らく割高であった宇宙関連技術のコストが、ディープラーニング、モバイル通信、センサー、3D プリンティング、ロボティクスのおかげで低下し始めている。その結果として、衛星やロケットの打ち上げが近年激増している。

・ARKの調査によると、軌道宇宙のビジネス機会は、衛星通信と超音速飛行機を含めると年間売上$370 billionを越える。




2.宇宙ビジネスは、衛星通信、超音速飛行、他惑星旅行・居住等、巨大なテーマだ

セグメント_20210225





3.再利用可能なロケットが打ち上げコストを激減させている

打ち上げコスト_20210225





4.低軌道への低コストな衛星打ち上げが、遅延の少ない低コストな衛星通信を可能に

LEO_20210225.png





5.打ち上げコストの低下で、打ち上げ予定の衛星が激増

打ち上げ予定数_20210225





6.衛星ブロードバンド通信の売上は今後5~10年の間に、米国で年間$10billion、世界では年間$40billionに成長

衛星市場_20210225





7.超音速飛行の売上は将来的に全世界で年間$270billionに

超音速飛行規模_20210225





STOP

・宇宙というと、遠い未来の話のように思うかもしれませんが、より現実的なビジネスチャンスとしてもう目の前まで来ています。

・本命はやはり衛星通信でしょう。既に衛星放送などは普及していますが、これと同じ仕組みで衛星通信はすぐに普及するようになるでしょう。衛星を介して通信ができるようになると、地上と通信を往復する分、通信距離は長くなるのですが、その分、空から電波を届けることができるので、通信のアクセスが難しかった場所へもアクセスできるようになります。

・そして衛星通信の更に先にはおそらく、惑星旅行、更には惑星への移住というビジネスが将来必ず来ることでしょう。

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[ 2021/02/25 11:50 ] 8.企業研究 | TB(-) | CM(0)

あらゆるモノとヒトを運ぶドローンの未来

イメーじ_20210224


オンラインでの買い物が当たり前になった昨今、物流のひっ迫が問題となっています。

その問題を解決するのがドローン配達といわれています。

さらに、ヒトをも運ぶドローンタクシーもいよいよ現実味を帯びてきています。

まさに、つい最近までSF映画で描かれていた世界が現実のものとなろうとしているのです。

今回は、女性版ウォーレンバフェットと呼ばれるキャシーウッド率いる米ARK社の「Big Ideas 2021」に紹介ある、ドローンの将来について紹介したいと思います。

出典:https://research.ark-invest.com/hubfs/1_Download_Files_ARK-Invest/White_Papers/ARK%E2%80%93Invest_BigIdeas_2021.pdf?hsCtaTracking=4e1a031b-7ed7-4fb2-929c-072267eda5fc%7Cee55057a-bc7b-441e-8b96-452ec1efe34c

1.概略

・バッテリーコストの低下と自動運転技術はドローン配送を現実のものとしようとしています。

・ARKは近い将来、ドローンが、荷物や食事、更にはヒトまでも、より早く便利に運ぶようになると考えています。ドローンは、買い物のありかたを変え、旅行の移動時間を短縮し、命を救うことにまで活用されようとしています。

・ARKは2030年までに、ドローンデリバリーの売上が$275 billion、機体の売上が $50 billion、マッピングの売上が$12 billionになると予測しています。





2.バッテリー技術の進歩で飛行距離は伸び続け、自動運転技術の進歩が飛行コストを劇的に下げている

飛行距離とコスト_20210224





3.ドローン配送は安くて速い

安くて速い_20210224






4.2030年までにドローンがEコマース配送の主流に

Eコマースの主流に_20210224






5.ドローン配送がフードデリバリーを加速させる

フードデリバリー_20210224





6.2030年までに、ドローンデリバリーの売上が$275 billion、機体の売上が $50 billion、マッピングの売上が$12 billionになると予測

ドローン市場規模_20210224






STOP

・遅かれ早かれドローン配送というのはほぼ確実に来る未来だと思います。空を見上げれば飛行機が飛び交っているように、もっと多くのドローンが飛び交っている未来がすぐそこまで来ています。

・ドローン自体は既に技術的な参入障壁はないので、ここでもやはり自動運転技術が参入障壁になるのではないでしょうか?つまり競争力のある自動運転システムを開発した企業がプラットフォーマーとして一手にドローン物流を牛耳り、現在のGAFAのような1強体制ができるのかもしれません。

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[ 2021/02/24 12:01 ] 8.企業研究 | TB(-) | CM(0)

EV新車販売台数が2025年までに激増との予測!

イメージ_20210222


現在、米国株式市場でTestlaが爆謄していますが、今回は本格的なEV時代到来に伴い、2025年までのEV市場を見ていきます。

女性版ウォーレンバフェットと呼ばれるキャシーウッド率いる米ARK社の「Big Ideas 2021」に紹介ある、EVの将来について紹介したいと思います。

出典:https://research.ark-invest.com/hubfs/1_Download_Files_ARK-Invest/White_Papers/ARK%E2%80%93Invest_BigIdeas_2021.pdf?hsCtaTracking=4e1a031b-7ed7-4fb2-929c-072267eda5fc%7Cee55057a-bc7b-441e-8b96-452ec1efe34c

1.概略

・EVの車体価格はガソリン車の価格に近付いてきています。EV業界のリーディングカンパニー達は、低価格で長距離を走れる革新的なバッテリーを開発しています。

・「ライトの法則」(生産数が拡大するにつれてコストが下がるという法則)に基づけば、ARKの予測ではEVの販売台数は現在の220万台から2025年には約20倍の4000万台に増加する。

・この予測の最大のダウンサイドリスクは、既存の自動車メーカーがうまくEVにシフトできるかどうかだ。




2.コロナ禍でガソリン車販売が減少する一方、EV販売台数は逆に増えた

コロナ禍の販売台数_20210222





3.「ライトの法則」に基づけばEVバッテリーの生産台数が倍になるごとにコストは28%低下する

バッテリーコスト_20210222





4.EV車体価格は2023年にガソリン車並みに到達する

車体価格_20210222





5.既存自動車メーカーのEVは性能面で新進EVメーカーに劣る

EV性能_20210222





6.既存自動車メーカーが一皮むければ2025年にEV新車販売台数は現在の約20倍の4000万台に(特に小型で安価なEVが激増)

販売台数予測_20210222





STOP

・世界の環境意識の高まりとともにEVが普及していくことは間違いありません(日本では火力発電が多いので今のところそこまでのCO2削減効果はないのですが)。既存の自動車メーカーも次に次にEVを出していくことでしょう。

・一方で、EVに関して注意が必要なのは参入障壁が低いという点です。ガソリン車は内燃機関が複雑でここに一定の参入障壁がありました。EVでもバッテリーに関しては、未だ進歩の途中にあり、テスラのようなリーディングカンパニーに一日の長がありますが、内燃機関のような参入障壁になるとは思えません。

・よって、アップルがEV参入を発表したように今後、自動車メーカー以外の業界からも多数のプレイヤーが参戦し激しい競争が繰り広げられることが予想されますし、強いブランドを持たない企業にとっては利幅の低い市場となりそうです。

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[ 2021/02/22 11:17 ] 8.企業研究 | TB(-) | CM(0)

自動運転社会で最も必要とされるのはあの企業③

イメージ_20210119


自動車社会において確実に到来する未来とされているのが自動運転車。

自動車の世界市場は超巨大故に、投資の世界において自動運転車というのは最も重要なテーマの一つです。

2020年代後半には自動運転車が普通になる社会が訪れるとされており、今自動運転社会で最も必要とされる企業に投資できれば、大きな果実をもたらすでしょう。

そういうことで、「自動運転社会で最も必要とされるのはあの企業」について、複数回に分けて探求していきたいと思います。

第一回と第二回は以下↓

自動運転社会で最も必要とされるのはあの企業①
自動運転社会で最も必要とされるのはあの企業②

第三回は、自動運転車におけるコア技術の続きです。

6.”脳”の役割を果たすAI

前回、”目”の役割を果たすセンサー(LIDAR、カメラ、レーダー)の話をしましたが、今回は”脳”に当たるAIソフトウェアの部分です。

やはり、自動運転で最も肝となるのはこの部分でしょう。

なぜなら自動運転車では、

センサーから収集された大量のデータに基づいて正確に物体を認識し、
それぞれの物体がどのように動くかを予測し、
それらの物体の予測される動きに基づいて、自身がどう動くかを都度意思決定していく、

という、まさに人間の脳の働きをする部分がこのAIソフトウェアだからです。

そして、このようなAIをコアにした自動運転システムを開発している企業のトップを走っている企業が以下です。
右上にいくほどトップを走る企業ということになります。

Appolo _20201006
出典;Navigant Research

トップ10各社の2021年現在の主要株主、主要パートナー・提携先は以下の通り。

開発進捗順位
(Navigant Research)
総合システム主要株主主要パートナー提携完成車メーカー
1Waymo
(米国)
Alphabet
Jaguar Land Rover
FCA
ルノー/日産
ボルボ
2Ford Autonomous
(米国)
Argo AI
Volkswagen
Ford
Volkswagen
3Cruise
(米国)
GM
ホンダ
ソフトバンクG
マイクロソフト
GM
ホンダ
4Baidu
(中国)
pony aiトヨタ
広州汽車
Hyundai
5Mobileye
(イスラエル)
IntelVolkswagen
BMW
FCA
6Aptiv-Hyundai
(アイルランド-韓国)
Hyundai
7Yandex
(ロシア)
Uber
8Zoox
(米国)
AmazonFCA
9Daimler-Bosch
(ドイツ-ドイツ)
Daimler
Bosch
10トヨタ
(日本)
トヨタ


トップをひた走るのは米国のWaymo!

Googleの自動運転プロジェクトがスピンオフする形で設立されたWaymoは既に自動運転レベルではレベル4に達しており、2018年12月に自動運転タクシーサービス「Waymo One」の提供を開始し、一部ではセーフティドライバーも同乗しない形でのサービス提供もスタートしています。

その他の注目は中国のBaidu。
カリフォルニア州の車両管理局(DMV :Department of Motor Vehicles)調べでは、Baiduはウェイモの技術レベルを上回っていることが報告されています。
URL:https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/01267/00006/

更にBaiduは2020年4月に、一般向けの自動運転タクシーの提供を当面は無料で開始(セーフティドライバー同乗)すると発表。

同社が進めるアポロ計画には世界中の自動運転関連企業130社以上が参画しているのに加え、法整備などが重要となる自動運転車の実用化において、国家主導でガンガン法改正をできる中国企業は有利とみられています。


<まとめ>

記事のタイトルは自動運転社会で最も必要とされるのはあの企業、と題しました。

自動運転車を分析した結果として、人間でいう目の役割を果たすカメラ・LIDAR・レーダー、脳の役割を果たすAIソフトウェアが自動運転のコア技術になると考えました。

そしてやはり、自動運転社会で最も必要とされる企業はAIソフトウェアを開発する企業でしょう。

なぜなら、LIDARなどは単純な技術競争により将来的にも熾烈な競争が繰り広げられることが予想される中、AIソフトウェアについては「勝者総取り」になる可能性が高いからです。

というのも、優れたAIソフトウェアを開発するには、大量のデータをインプットし、ディープラーニングさせ、その中で優れたアルゴリズムを作り上げていく必要があり、つまり大量のデータを集められる覇権企業がますます強くなっていくという、現在のGAFAに見られる業界になること必至なのです。

自動運転のAIソフトウェアはいわばスマホでいうとOSに当たる部分です。

スマホのOSはGoogleのアンドロイドが覇権を握りました。

そしてスマホ本体の製造メーカーは中国や韓国企業を筆頭に熾烈な競争が果てしなく繰り広げられています。

自動運転業界でもおそらく同じことが起こるでしょう。

スマホのOSに当たるAIソフトウェアについてはおそらく1~2社が覇権を握り、車体部分については多くのメーカーがしのぎを削ることになると思われます。

そしてAIソフトウェアで覇権を握りそうな有力候補はやはり、WaymoとBaiduでしょう。


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[ 2021/01/25 12:19 ] 8.企業研究 | TB(-) | CM(0)

自動運転社会で最も必要とされるのはあの企業②

イメージ_20210119


自動車社会において確実に到来する未来とされているのが自動運転車。

自動車の世界市場は超巨大故に、投資の世界において自動運転車というのは最も重要なテーマの一つです。

2020年代後半には自動運転車が普通になる社会が訪れるとされており、今自動運転社会で最も必要とされる企業に投資できれば、大きな果実をもたらすでしょう。

そういうことで、「自動運転社会で最も必要とされるのはあの企業」について、複数回に分けて探求していきたいと思います。

第一回は以下↓

自動運転社会で最も必要とされるのはあの企業①

第二回は、自動運転車において何がコアな技術となるのかについて分析していきます。

4.自動運転車におけるもっともコアな技術

前回、自動運転に必要な技術として以下7つを挙げました。(詳細は前回記事参照)
①ローカライゼーションとマッピング
②パーセプション(認識技術)
③プレディクション(予測機能)
④プランニング
⑤コントロール
⑥コーディネーション
⑦外部ヒューマンマシンインターフェース(e-HMI)

そしてこの中でも最も難しいとされているのが②パーセプション(認識技術)です。

パーセプションは、カメラ、LIDAR(光を使った検出・測距技術)、レーダー、GPS(全地球測位システム)、慣性航法ユニット(INU)などを含むデータから、車両の状況と周辺環境と位置関係情報を認識・判断します。

そしてこれには、他の車両、歩行者などあらゆる障害物の位置と動きが含まれ、解析に複雑かつ膨大な量のデータを要することから、自動運転の実現において最も難しいステップとされています。

人間でいうと、
周辺状況を感知するための、カメラ、LIDAR(光を使った検出・測距技術)、レーダーが「目」、
それら情報を基にどのようなアクションをするかを判断をするAIが「頭脳」
と言った感じでしょうか。


5.”目”の役割を果たすカメラ、LIDAR、レーダー

①カメラ

カメラでは画像の認識を行います。

画像の認識においては、物体認識やトラッキング、白線の検出、信号の認識、標識の認識、走行可能エリアの識別などです。

一方、カメラでは光を受けて、その波長や強さなどを解析して画像を認識するため、直射日光や対向車のヘッドライトが直接カメラにあったってしまう場合に機能しなくなってしまいますし、物体の形状を立体的に把握することは困難です。
よって補完的な機能を果たすLIDARやレーダーが必要になってくるわけです。

②レーダー

レーダーは、電波を送信するアンテナと受診するアンテナから構成されその時の発信した電波と対象物に反射し帰ってきた電波の差分から対象物までの距離を算出しています。

レーダーは電波なので、トンネルや対向車のライトが当たるなどのように明るさが急激に変化する条件でも、明るさに左右されず検出できることが強みです。

③LIDAR

LiDARは、「Light detection and ranging(光による検知と測距)」から由来した名前を持っています。

このLiDARは光を飛ばし、帰ってきた光を受光機で受け取りその時の時間差から距離を算出するというのが基本的な原理となります。

短い波長のレーザー光を利用することで高い精度で位置や形状などを検出できるのが強みです。

例えば、レーダーとカメラによる検知は、対象物までの距離計測は可能ですが、正確な形状や位置関係を検知することは現状では困難です。対するLIDARは、先行車・歩行者・建物などの距離や形状、位置関係を三次元で把握することが可能です。

ちなみにLIDARの技術自体は新しいものではなく、地質学や気象学の分野では古くから用いられてきました。例えば、飛行機にLiDARユニットを搭載して、地形調査を行うといった使い方です。

STOP

こう考えると、目の役割だけでも、大きく三つの技術が使われており、自動運転とはまさに人類の知能を結集した商品になるということがうかがえます。

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[ 2021/01/21 11:43 ] 8.企業研究 | TB(-) | CM(0)

自動運転社会で最も必要とされるのはあの企業①

イメージ_20210119


自動車社会において確実に到来する未来とされているのが自動運転車。

自動車の世界市場は超巨大故に、投資の世界において自動運転車というのは最も重要なテーマの一つです。

2020年代後半には自動運転車が普通になる社会が訪れるとされており、今自動運転社会で最も必要とされる企業に投資できれば、大きな果実をもたらすでしょう。

そういうことで、「自動運転社会で最も必要とされるのはあの企業」について、複数回に分けて探求していきたいと思います。

1.自動運転社会とは

自動運転車の究極的な姿とは、条件なしで全ての運転操作を自動化する技術を搭載した車両です。

我々はタクシーに乗るとき、運転手さんに目的地を伝えるだけで、自身は運転せずに目的地に到達することができますが、自動運転車はこれの運転手がいないバージョンです。

おそらく、自動運転車の普及初期はそれなりに高価でしょうから、
まずはバスやタクシーでその技術が導入され、
その中で開発コストが下がっていき次第にお金持ちの個人が保有するようになり、
最終的には我々一般人にも普及していくのではと思われます。

現在ウーバーなどのライドシェアの登場で、タクシー運転手の先行きが危ぶまれていますが、
自動運転車の時代が到来すれば、まず真っ先にタクシー業界で普及するでしょうから、タクシー運転手という職業はいずれにしてもなくなるでしょうし、そもそもウーバーも自動運転車を配車するようになるでしょうから、ウーバーで運転手として稼ぐ個人もいなくなるでしょう。


2.自動運転車の開発状況

そんな自動運転車ですが、現在どこまで開発が進んでいるのでしょうか?

自動運転の技術進歩の進捗を見ていく上でよく使われるのが「レベル1~5」で、以下の意味で使われています。

自動運転_20201006
出典:国土交通省

現在レベル3までは実用化レベルに達しているものの、法整備の問題で実現が先送りされている状況です。

そしてレベル4に関しては、Waymoが2018年12月に世界で初めて、有料の自動運転タクシーサービスを米アリゾナ州フェニックス周辺で提供開始。

そしてそれに続いたのがバイドゥ。バイドゥは2020年4月20日、中国の湖南省長沙市で一般向けの自動運転タクシーの提供を開始することを発表しました。

日本でも2020年4月1日、法改正が行われ、公道上で「レベル3」の自動運転が解禁になりました。

そして2020年11月、ホンダはレベル3機能の自動運転車を世界で初めて量産化することを発表し、2021年3月に日本で販売開始予定とのこと。

レベル3以上は、人ではなくシステム主導で運転が行われるので、自動運転社会の到来はもう目の前まで来ているといえます。

但し、レベル3では、システムが全ての運転タスクを行うものの、システムの要求があった場合はドライバーが適切に対処する必要があるので、やはり自動運転車のだいご味である完全自動化にはレベル5を待たねばなりません。


3.自動運転車のコア技術

自動運転の機能は、

・運転環境を理解し
・情報に基づく意思決定を行い
・目的地まで安全に移動できるようにする

という複数のシステムの相互に機能することにより成り立ちます。

トヨタによると、自動運転の技術基盤は以下7つとのこと。(詳細はトヨタHP参照)

①ローカライゼーションとマッピング:車両がどこに位置しているかを判定。

②パーセプション(認識技術):車両の状況と周辺環境と位置関係情報を認識・判断。

③プレディクション(予測機能):他の車両、歩行者、自転車等が現れそうな場合の自動画像化を支援。

④プランニング:一つないし複数の車両の安全な走行経路を決定。

⑤コントロール:プランニングシステムが設定する想定進路を実際に走行。

⑥コーディネーション:他の車両、道路のインフラ、およびクラウドデータベースと通信すること。

⑦外部ヒューマンマシンインターフェース(e-HMI):人と車両との間で、正確かつ確実な情報のやりとりができるようにする。

STOP

次回は上述の技術基盤の内、最もコアとなる技術が何なのか、それを作れる企業はどこなのか、というところを不可ぼっていきます。

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※当ブログで紹介する理論株価は、いくつかの前提条件をりろんかぶおが独自に設定している為、その前提条件次第では計算結果が異なってきます。また当ブログは、投資に関する情報を掲載していますが、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。また、読者が当ブログの情報を用いて行う投資判断の一切について責任を負うものではありません。



[ 2021/01/20 08:00 ] 8.企業研究 | TB(-) | CM(0)

米ドル建日経平均がバブル期最高値を更新したことは何を意味するのか?

イメージ_20210114

出典:https://www.bank-daiwa.co.jp/column/articles/2017/2017_74.html



先日、ドル建て日経平均株価が1989年12月に付けた史上最高値(270.82ドル)を更新したことが話題になりました。

ところが円ベースでみると、過去最高値は38,915円であり現在の28,000円台の水準はまだまだ30%弱安い水準。

ここで浮かび上がってくる疑問が

「日経平均の本質的な価値は円ベースとドルベースのどちらで見ればいいのだろうか?」

というもの。


そもそも日経平均の本質的な価値とは何でしょうか?

これは「日本企業の集合体の本来の価値」と考えることができます。

そして、日本企業の集合体の本来の価値を1989年と現在で比べるためには物価変動を差し引く必要があります。

というのも企業の見た目上の価値というのは将来のキャッシュフローを現在に割り引いたものの合計なので、企業の本来の価値が上がっていなくても物価が上がれば企業の見た目の価値も上がるからです。

よって冒頭の質問「日経平均の本質的な価値は円ベースとドルベースのどちらで見ればいいのだろうか?」

の答えとしては、

「どちらの通貨で比較してもよいが、物価変動を差し引いて比較する必要がある」

です。

では具体的に見ていきましょう。

1.円建て日経平均の物価変動控除後の比較

円建て日経平均の過去最高値:38,915円
2021年1月13日終値:28442.73円

一方で日本の消費者物価指数は以下のように推移してきました。

日本CPI_20210114
出典:世界経済のネタ帳

1989年の物価指数が88.52に対し、2020年末は101.75。

ということは1989年の日経平均も今の物価水準で考えれば同じように上昇していなければいけないので、
今の物価水準で考える過去最高値は以下のようになります。

38915円(1989年の最高値)÷88.52(1989年の物価指数)×101.75(2020年の物価指数)
=4,4731円(2020年の物価水準でみた過去最高値)

つまり物価変動を差し引いた現在の日経平均株価は過去最高値よりも36%程低い水準であると言えます。


2.ドル建て日経平均の物価変動控除後の比較

次に、ドルベースでも同じように考えてみます。

ドル建て日経平均の過去最高値:270.82ドル
2021年1月13日終値:274.44ドル

一方で米国の消費者物価指数は以下のように推移してきました。

米国CPI_20210114
出典:世界経済のネタ帳

1989年の物価指数が123.94に対し、2020年末は259.54。

円建てと同じように今の物価水準で考える過去最高値は以下のようになります。

270.82ドル(1989年の最高値)÷123.94(1989年の物価指数)×259.54(2020年の物価指数)
=567.12ドル(2020年の物価水準でみた過去最高値)

つまり物価変動を差し引いた現在の日経平均株価は過去最高値よりも52%程低い水準であると言えます。


3.まとめ

円建てとドル建ての過去最高値から乖離幅は異なりますが、結論として現在の日経平均の本質的な水準は過去最高値からはまだまだ低いということですね。

米ドル建日経平均株価が過去最高値を上回った理由は、企業の本質的な価値が過去最高を越えたわけではなく、単純に米国で物価が大幅に上昇したから(それに伴って円高ドル安になったから)

ということです。

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[ 2021/01/14 10:49 ] 8.企業研究 | TB(-) | CM(0)

アリババ急落!中国独禁法改正はそんなにやばいのか?

イメージ_20201225


中国当局が12月24日、アリババの独占禁止法違反の疑いで調査を開始したことでアリババ株が急落中。

独禁法のどこに抵触したのかなどの詳細は未公表。

1.中国の直近の独禁法関連アクション

2020年、中国当局はアリババやテンセントなどのネット大手に対し、様々な独禁法関連のアクションを取ってきました。

1月:独占禁止法の改正案(ネット大手を規制対象に追加)に関するパブリックコメント公募
11月3日:アリババ傘下の金融子会社アントグループの上場を当局の監督方針の変更で延期
11月10日:独占禁止法の改正案に関する具体的な規則案を公表しパブリックコメント公募
12月14日:アリババ、テンセント、順豊集団子会社に対して独禁法違反で罰金処分(各50万元(約794万円))
12月21日:2021年に独禁法改正することを公表
12月24日:アリババの独禁法違反の疑いで調査を開始

2.独禁法改正案の内容

マーケット参加者の最大の懸念は中国当局の独禁法改正により、アリババやテンセントなどネット大手の事業活動がどの程度抑制されてしまうのかという点。

実際に1月と11月に公表された改正案の中で、ネット企業を対象にどのような項目が提案されているか見ていきましょう。

QTE

・「インターネット分野における企業の市場での優越的地位を認定するにあたり、(企業の)経済規模やデータ収集などの要素を考慮する」という文言の追加

背景:ネット企業への独禁法の執行を強化するための布石。市場での独占行為やビッグデータの運用などの取り締まりを強化することが念頭にある


・「市場支配権を乱用してプラットフォーム企業が正当な理由なく、取引先の企業に二者択一を求めることは法律違反にあたる」という文言の追加

背景:大手家電メーカーが「アリババとの取引を継続したければ、(アリババの)ライバル企業とは取引しないよう迫られた」と主張していたことなどが背景

・市場のシェアを高めるためにプラットフォーム企業が取引先に不当な値下げを強要する行為なども規制

・独禁法に違反した場合の罰金の強化

・その他、慎重に扱うべき消費者データの共有での共謀、規模が小さめの同業の締め出しに向けた連携、競争相手を排除するための補助金を通じた原価割れのサービス提供など、反競争的な行為を防ぐ枠組みを追加。

UNQTE

などなど。

確かにネット大手への規制を強めるものですね。

3.独禁法改正に対する所感

但し、個人的には本改正によってアリババやテンセント、その他中国のネット企業に悲観的になる必要はないと思ってます。

なぜなら、改正案の内容はネット大手を過剰に規制するものではなく、いたって普通の独禁法の範囲内だと思うからです。

市場経済において国家が繁栄していくためには、企業間の健全な競争が不可欠です。

現行の中国独禁法ではネット企業が規制対象に入っておらず、それゆえに現在同業界において健全な競争が行われていないと感じて、当局が独禁法を改正するというのは極めて自然です。

健全な競争が行われれば、各社が技術開発により一層しのぎを削るようになるので、イノベーションを促進します。

ちなみに、GAFAMであっても米国の独禁法の下営業活動を行っているので、アリババやテンセントも同じような状況になるだけと考えることもできると思います。

確かに、今までアリババやテンセントなどはかなり甘い状況下で営業活動を行ってこれたので、独禁法改正後は多少苦しむと思いますが、長期的には健全な競争の下さらなる発展が期待できると考えています。

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[ 2020/12/25 11:49 ] 8.企業研究 | TB(-) | CM(0)

どこよりも早いGAFA決算速報!2020年7月~9月期

GAFA決算_20201030


米国時間の10月29日、GAFAの2020年7~9月期決算が一斉に発表されたので概要下記します!

<Google (Alphabet)>

予想実績(前年同期比)
売上高$42.9 bil$46.17 bil(+14%)
調整後EPS$11.29$16.4(+62%)
次Q予想売上高$50.86 bil開示なし
次Q予想EPS$13.64開示なし


<特記事項>

・Youtube広告売上高は前年同期比32%増の$5.0 bil。

・Google Cloud売上高は前年同期比45%増の$3.4 bil。

<Apple>

予想実績(前年同期比)
売上高$63.7 bil$64.70bil(+1%)
調整後EPS$0.7$0.73(-4%)
次Q予想売上高$101.01 bil開示なし
次Q予想EPS$1.37開示なし


<特記事項>

・iPhone売上高は前年同期比21%減の$26.4 bil。

・コロナの影響で、Mac、iPadが好調で、ワイヤレスイヤホンも順調に伸びたことがiPhoneの減収を補ったかたち。

<Facebook>

予想実績(前年同期比)
売上高$19.82 bil$21.47 bil(+22%)
調整後EPS$1.91$2.71(+28%)
次Q予想売上高$24.25 bil開示なし
次Q予想EPS$2.67開示なし


<特記事項>

・9月の月間ユーザー数は前年同期比12%増の27.4億人。

・4Qの前年同期比売上高伸び率は、3Qのそれよりも大きくなる見込み。

<Amazon>

予想実績(前年同期比)
売上高$92.7 bil$96.15 bil(+37%)
調整後EPS$7.41$12.37(2.9倍)
次Q予想売上高$112.32 bil$112 bil ~ $121 bil
次Q予想EPS$9.18開示なし

<特記事項>

・クラウド部門のAWSは前年同期比29%増の$11.6 bil。

・AWSは売上ベースでは全体の12%に過ぎないが、営業利益ベースでは全体の57%を占める。

以上

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[ 2020/10/30 11:23 ] 8.企業研究 | TB(-) | CM(0)

そろそろ今一番やられている銘柄を買おう~銀行編~

銀行_20201019


今まで怒涛の勢いで上昇してきたハイテク銘柄が高値圏でもみ合いを続ける中、
そろそろコロナ禍で最もやれていた銘柄に目を向けてもいい時期かもしれません。

なぜ今か?

それは以下三つの理由があります。

①雇用統計などに見る景気の回復が鮮明になってきた。

②11月以降、ワクチンの臨床試験結果が見えてくる。

③最も悲観されている業界にこそ、最も大きなチャンスがある。


さて、それでは、コロナによって今一番やれている業界とはどこか?

航空会社、石油会社、銀行、飲食店、etc

前回記事はこちら↓
そろそろ今一番やられている銘柄を買おう~石油企業編~

今回はその中でも銀行セクターについて考察してみます。

<銀行の株価>

銀行の株価は大きく低迷しています。

S&P 500 Bank Sector Index
銀行セクター株価_20201019

未だにコロナ以前より30%以上低い水準です。

この原因は、

①ゼロ金利政策の長期化による金利収入の長期低迷
②コロナによる経済活動の急減速で融資の貸し倒れが増えるという懸念

が挙げられます。

これらの要因を具体的な数字として見ていきます。

ここではJPモルガン(JPM)、ウェルズファーゴ(WFC)、バンクオブアメリカ(BAC)を例にとってみていきます。

<金利収入>

金利収入_20201019

確かに金利収入は減少傾向が続いています。

FRBのゼロ金利政策により利ザヤが稼ぎにくくなっていることが主因です。

ちなみに銀行は借入金利と貸出金利の利ザヤで儲けているのだから、収入サイドの貸出金利が低くならざるを得ないのであれば、支出サイドの借入金利も下げて、利ザヤを確保すればいいではないか?と思うかもしれません。

ただし、借入金利をゼロ以下にすると人は預金をしなくなるので、現在のように借入金利が下限のゼロに近い状態ですと貸出金利が下がる一方で、借入金利は下げることができず、利ザヤが縮小するというようなことが起こるのです。

実際の各社の金利マージンは以下。

ma-jinn_20201019.png

今後も高金利の時のローンの借り換えなどで金利収入はさらに悪化する可能性はあります。

<貸倒引当金>

貸し倒れ引当金_20201019

各社2020年1Qと2Qで巨額の貸倒引当金を計上しましたが、3Qでは激減しています。

経済が徐々に回復してきたことと、十分に引当金を積んだこともあって、現状は全て膿を出し切った状態といえます。

<EPS>

EPS_20201019.png

貸倒引当金の積立がひと段落したことで、EPSは既にかなり回復してきています。

株価と見比べてみると、EPSの回復にも関わらず、株価はいまだに出遅れていることが鮮明です。

<非金利収入>

非金利収入_20201019

更に、経済の低迷にも関わらず、株式市場は絶好調故にIPO案件は活発で、低金利を生かした新規ローンや既存ローンの借り換えなどが活発なため、非金利収入はそこまで影響を受けずに推移。

<まとめ>

業績に大きなインパクトを与える貸倒引当金は既にひと段落して膿を出し切った状態でもあり、今後ワクチンが承認されれば本格的な経済回復とそれにともなう長期金利の上昇を先取りして、出遅れていた株価が急速に回復する可能性があります。

ちなみに現在(2020年10月19日時点)での、来期予想EPSを基にした銀行各社のPERは11~12倍ほど。

銀行というのは資本主義のエンジンでもあり、資本主義が続く限りなくなることはありません。

そのような長期的な視野に立てば、今は絶好の買い場の可能性ありです。

以上

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[ 2020/10/19 13:23 ] 8.企業研究 | TB(-) | CM(0)

バイドゥは割安に放置されている?④

バイドゥロゴ_20201006


中国のGoogleといわれるバイドゥ。

最近は中国版NetflixといえるiQIYI事業を開始し、いわば中国版Google + Netflixといえます。

そんなバイドゥですが以下を見てわかる通り、中国版アマゾンであるアリババ、中国版Facebookであるテンセントと比べると以上に時価総額が低いのです。

2020/10/6付
時価総額(10億ドル)
①アリババ770
②アマゾン1602
①÷②48%
時価総額(10億ドル)
①テンセント643
②フェイスブック754
①÷②85%
時価総額(10億ドル)
①バイドゥ43
②グーグル1010
①÷②4%


前回記事は以下。

バイドゥは割安に放置されている?①

バイドゥは割安に放置されている?②

バイドゥは割安に放置されている?③~バイドゥの広告収入はなぜいまいちなのか?~

今回は、バイドゥが今後の柱として期待している動画配信サービス(iQiyi)と自動運転についてみていきます。

<動画配信サービス(iQiyi)>

まずは、iQiyiの業績を見ていきましょう!

売上高推移
(単位:百万人民元)
iQiyi rev_20201006

売上高前期比
iQiyi rev zenkihi_20201006

事業利益
(単位:百万人民元)
iQiyi pat_20201006

ここから読み取れることは以下。

・売上高は伸びている。

・ただし、前期比伸び率は年々鈍化。

・売上高の頭打ちが見える中、赤字は拡大する一方で、一向に黒字化のめど立たず。

成長分野としてはかなり厳しい印象です。

これらの背景には、動画配信サービスの競争激化が挙げられます。

動画配信サービスの大手は、バイドゥのiQiyi、テンセントのTencent Video、アリババのYoukuです。

この3社でシェアの8割ほどを占めるといわれます。

但し、動画配信サービスでは、有料コンテンツをそろえないと顧客が獲得できないためそのためのコストが莫大にかかる上に、競争激化の中利用料を値上げすることも難しいという、泥沼の展開になってしまっています。

また、テンセントもアリババも動画配信サービスの売上は成長率は鈍化傾向にあり、業界全体が飽和状態に陥りつつあることがわかります。

iQiyiを成長領域とみて巨額の投資を行っているバイドゥですが、黒字化すら危ういのでは?というのが筆者の印象です。

中国は外資規制が強く、競争にさらされにくい印象でした。

現に、バイドゥの検索、テンセントのSNS、アリババのEコマースは、海外大手のビジネスモデルを模倣することで圧倒的な利益を上げてきました。

しかし、近年の中国は国内プレイヤーが乱立し、特に新領域での上記大手三社の競争は激化しており、なかなか利益を上げずらい状況が続いているというのが現状化と思われます。

<自動運転)>

次に自動運転です。

Navigant Research社による、自動運転業界の総合評価を見てみます。
右上の企業がいわゆる業界の先頭を走っている企業ということになります。

Appolo _20201006
出典:Navigant Research

総合トップはGoogleのWaymoですが、”Leaders”の4社の中になんとバイドゥも含まれているのです。

マップ全体を見渡してみても中国企業はバイドゥのみ。

中国ではアリババやテンセントに加え、AutoX、Pony.AI、DiDi等も自動運転には取り組んでいるのですが、この分野ではバイドゥが頭一つ抜けていることがわかります。

また、米カリフォルニア州車両管理局(DMV)の「2019年自動運転解除レポート」(試験中に自動運転システムの故障などが生じたために実行された自動運転解除回数を少ない順にランク付け)によると、バイドゥはWaymoを抑えてトップに立っています。

技術力の高さが見られます。

ちなみに自動運転の技術進歩の進捗を見ていく上でよく使われる「レベル1~5」とは以下の意味で使われています。

自動運転_20201006
出典:国土交通省

現在レベル3までは実用化レベルに達しているものの、法整備の問題で実現が先送りされている状況です。

そしてレベル4に関しては、Waymoが2018年12月に世界で初めて、有料の自動運転タクシーサービスを米アリゾナ州フェニックス周辺で提供開始。

そしてそれに続いたのがバイドゥ。

バイドゥは2020年4月20日、中国の湖南省長沙市で一般向けの自動運転タクシーの提供を開始することを発表しました。

中国における一般向けの自動運転タクシーサービスとしては初とみられ、当面は無料でサービスを提供予定。

バイドゥはさらに、2020年9月、中国・重慶のテストルートにて中国で最初の自動運転レベル4搭載のバスをデビューさせたことを発表した。

報道によれば、安全ドライバーを乗せずにリモート監視で運行され、実際に乗客を乗せて7つの停留所間を走行する模様。

ここまで見ていくとバイドゥの自動運転技術はかなり最先端を行っていることがわかります。

バイドゥが自動運転分野でここまで先頭を走れたのはその戦略の優位性にあります。

バイドゥは2017年4月に自動運転車向けのソフトウェアプラットフォームをオープンソース化するプロジェクト「Project Apollo=アポロ計画」を発表しました。

アポロ計画は、バイドゥが「アポロ」と名付けたAIを活用し自動運転を制御するソフトウェアの技術情報をオープン化したプラットフォームサービスで、HDマップサービスや自動運転シミュレーションエンジン、深層学習アルゴリズムなどのリソース共有を行うことができ、開発スピードを早めることを意図したものです。

これががっつりはまって今のバイドゥがあると言えますし、パートナー企業が既に130社以上いるため、かつてスマートフォンOSで同じ戦略をとってグーグルのAndroidが市場を席捲したように、バイドゥの自動運転技術がこの巨大市場をがめていく可能性も否めません。

STOP

ここまで見ていったときに果たしてバイドゥを買いたいかどうか?

・今まで見てきた通り、バイドゥの検索をコアとした広告収入というのは成長性が見込めない。

・積極投資している動画配信サービスも競争激化と市場飽和で黒字化すら危うい状況。

・つまりバイドゥの将来は、今のところかなりうまくいっている自動運転にゆだねられているといえる。

よって、自動運転にかけて将来の大きなリターンにかけてみたいという投資家は投資してみてもいいと思いました。

今の株価は自動運転の成功を全く織り込んでないと思いますので。

以上

りろんかぶお

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[ 2020/10/13 12:00 ] 8.企業研究 | TB(-) | CM(0)

バイドゥは割安に放置されている?③~バイドゥの広告収入はなぜいまいちなのか?~

バイドゥロゴ_20201006


中国のGoogleといわれるバイドゥ。

最近は中国版NetflixといえるiQIYI事業を開始し、いわば中国版Google + Netflixといえます。

そんなバイドゥですが以下を見てわかる通り、中国版アマゾンであるアリババ、中国版Facebookであるテンセントと比べると以上に時価総額が低いのです。

2020/10/6付
時価総額(10億ドル)
①アリババ770
②アマゾン1602
①÷②48%
時価総額(10億ドル)
①テンセント643
②フェイスブック754
①÷②85%
時価総額(10億ドル)
①バイドゥ43
②グーグル1010
①÷②4%


前回記事は以下。

バイドゥは割安に放置されている?①

バイドゥは割安に放置されている?②

今回は、バイドゥの広告収入はなぜいまいちなのかを分析していきたいと思います。

<バイドゥの広告収入はなぜいまいちなのか?>

前回の記事で、バイドゥの主力である検索エンジン含むBaidu Coreでの広告収入は、コロナの影響が大きく出る前の2019年で既に前年対比4%減少してしまっています。

同じようなビジネスモデルであるGoogleは2019年でも広告収入だけで16%の伸びを示しているのでバイドゥの業績は何とも違和感があります。

2019年は中国経済の減速があったとは言え、年率6.1%では成長しており、これは世界平均3.0%をはるかに上回ります。

ここでは、バイドゥの広告収入がいまいちの原因を数字を見ながら突き止めていきます。

まず、世界における検索エンジンシェアはどうでしょうか?

検索エンジンシェア_20201006
出典:Statcounter

全世界のマーケットシェアでいうとGoogleが圧倒的です。バイドゥはわずか1.14%。

但し、バイドゥの主戦場は中国国内なので、次に中国での検索エンジンマーケットシェアを見てみましょう。

検索エンジンシェア_20201006
出典:Statcounter

中国国内では、バイドゥのシェアは74.95%と圧倒的地位にあることがわかります。

2017年時点でいうと、中国のGDPは全世界の15%に当たります。

全世界の15%のGDPを持つ中国で圧倒的なシェアを持っているのに、広告収入ではGoogleのわずか8%ほどしか稼げていないのは不思議です。

中国では広告費自体が大きくないのか?

ということで、世界の広告費と中国の広告費を見ていきます。

広告費世界_20201006
広告費中国_20201006
出典:eMarketer

2019年の広告費実績を見てみると、中国で使われている広告費は世界の合計広告費に対してなんと24%に当たります。

そうすると、やはり中国市場で圧倒的なシェアを持っているバイドゥの広告収入がGoogleよりはるかに見劣りするのは、疑問がさらに深まります。

この疑問を解決するために、さらに、中国の広告収入占めるバイドゥのシェアを確認してみます。

広告収入シェア中国_20201006

バイドゥのシェアは赤枠部分ですが、近年シェアを徐々に落としており、2019年は17%となっています。

一方で、2019年の米国でのGoogleの広告収入シェアは31.6%といわれております。
https://www.marketwatch.com/story/googles-us-ad-revenue-projected-to-fall-this-year-emarketer-says-as-facebook-amazon-gain-share-2020-06-22

Googleのライバルは同じくグローバル企業のフェイスブックやアマゾンなどですから、全世界の広告収入シェアも大体似たようなものと考えると、ここでバイドゥと更に大きな差が生まれてしまっていることがわかります。

バイドゥは検索エンジンの分野で約75%のシェアを誇るのに、なぜ広告収入シェアがここまで低いのでしょうか?

中国国内の広告収入シェアの内訳をみると、近年急速にシェアを挙げているのがTiktokを運営するBytedanceです。

ここから読み取れることは以下です。

従来は、オンライン上での活動に占める「検索」の位置づけは非常に大きなものでした。

一方、近年ではオンライン上の活動が多様化し、SNSに始まり、直近で勢いがあるのが動画です。

よって、「検索」が占める重要性が相対的に落ちてきているという事実があります。

広告主は当然、オンライン上で多くの人が集まるところに広告を出したいと思うので、検索を主軸にするバイドゥの広告収入がいまいちなのも納得できます。

GoogleはYoutubeなどでうまく時代の流れに対応してきましたが、バイドゥは動画に関しては競合他社に出遅れています。

ここが、バイドゥの広告収入がいまいちの原因といえるでしょう。

STOP

・とは言え、バイドゥは中国版NetflixといえるiQIYIや今後大きな市場になるとみられる自動運転でも、中国国内のリーダーであります。

・次回は、この二つの重要なビジネスの今後の展望について分析していきます。

次回に続く。

以上

りろんかぶお

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[ 2020/10/09 11:37 ] 8.企業研究 | TB(-) | CM(0)

バイドゥは割安に放置されている?②

バイドゥロゴ_20201006


中国のGoogleといわれるバイドゥ。

最近は中国版NetflixといえるiQIYI事業を開始し、いわば中国版Google + Netflixといえます。

そんなバイドゥですが以下を見てわかる通り、中国版アマゾンであるアリババ、中国版Facebookであるテンセントと比べると以上に時価総額が低いのです。

2020/10/6付
時価総額(10億ドル)
①アリババ770
②アマゾン1602
①÷②48%
時価総額(10億ドル)
①テンセント643
②フェイスブック754
①÷②85%
時価総額(10億ドル)
①バイドゥ43
②グーグル1010
①÷②4%


前回は、バイドゥの事業内容について分析しました。

バイドゥは割安に放置されている?①

今回は、業績を見ていきたいと思います。

<バイドゥの業績>

rev_20201006.png
cf_20201006.png
rev kousei_20201006


Baidu Core:検索エンジンやAIビジネスなどのiQIYI以外のセグメント
iQIYI:動画配信サービス

seg_20201006.png
seg income_20201006
出典:全てマネックス証券

<決算分析>

・2019年12月期の売上高はUS$15.4 billionと前年対比5%増。内訳は以下。

→Baidu Coreでの広告収入はUS$10.1 billionと前年対比4%減。ヘルスケアやファイナンシャルサービス分野での広告収入の減少が足を引っ張った。
→iQIYIでの広告収入はUS$1.2 billionと前年対比11%減。中国国内景気の減速、コンテンツ納品の遅れ、広告ビジネスの競争激化が主因。
→広告収入以外の収入はUS$4.2 billionと前年対比44%増。主にiQIYIの定期課金収入、クラウド、スマートデバイスが好調だったことが主因。

・売上の伸びが弱い中、売上原価はUS$9.0 billionと前年対比21%増。クラウドやデバイスの売上増に連動したコスト増に加え、iQIYIのコンテンツコスト増、トラフィックアクイジションコスト増(バイドゥの広告を張り付けてくれるブロガーなどへの支払い)、帯域幅コスト増などが主因。

・営業利益はUS$906 millionと前年対比59%減、純利益はUS$296millionと前年対比93%減。売上に対しコストが大幅に増加したことが主因。

STOP

・2019年12月期の広告収入だけでいうと、バイドゥがUS$11.3 billionに対し、GoogleはUS$134.8 billionと圧倒的です。

・次回は、同じような企業なのにこれほどまでに収入格差が生まれてしまっているのかについて分析していきます。

次回に続く。

以上

りろんかぶお

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[ 2020/10/08 11:47 ] 8.企業研究 | TB(-) | CM(0)

バイドゥは割安に放置されている?①

バイドゥロゴ_20201006


中国のGoogleといわれるバイドゥ。

最近は中国版NetflixといえるiQIYI事業を開始し、いわば中国版Google + Netflixといえます。

そんなバイドゥですが以下を見てわかる通り、中国版アマゾンであるアリババ、中国版Facebookであるテンセントと比べると以上に時価総額が低いのです。

2020/10/6付
時価総額(10億ドル)
①アリババ770
②アマゾン1602
①÷②48%
時価総額(10億ドル)
①テンセント643
②フェイスブック754
①÷②85%
時価総額(10億ドル)
①バイドゥ43
②グーグル1010
①÷②4%

今回は、なぜバイドゥはアリババやテンセントのように米国の模範企業であるGoogleの時価総額に全く追いつけていないのかについて分析してみます。

<バイドゥは何をやっている会社か?>

まずは、バイドゥが具体的にどのような事業を行っているかを事業ごとに見ていきます。

I. Search and Feed

A. ユーザー向けサービス

①検索エンジン(中国国内シェアは69%(2020年5月時点))
https://cluster-seo.com/blog/search-engine-seo.html#outline__2_3

②ショートムービーアプリ(Haokanは中国内5番手で出遅れ感あり。最大手はTiktok)
https://www.cbn.co.jp/archives/3934

③知見・情報集約サービス(ヤフー知恵袋のようなウェブ上Q&Aサービスや中国版ウィキペディア、ツイッターのようなSNSサービス)

④その他(地図アプリ等)

B. 顧客向けオンラインマーケティングサービス

①P4P(Pay for Performance):検索結果のページに顧客の広告リンクを表示させ、ユーザーのクリック数に応じてバイドゥが報酬を受け取るもの

②Non P4P:クリックベースではなく、CMのようにユーザーがその広告をみた時間に応じてバイドゥが報酬を受け取るもの

C. パートナー向けサービス

第三者のウェブサイトなどにバイドゥの検索サービスなどの使用を認める代わりに、そのウェブサイト上に広告を提示させてもらうことで、広告収入の最大化を図るもの。グーグルアドセンスのようなもの。

II. New AI Business

①会話式AI(スマートスピーカー等)

②自動運転(2017年に中国政府から「AI×自動運転」事業を国策として受託)

③クラウド(アリババ、テンセントに次ぐ、3番手)
https://jp.techcrunch.com/2020/03/20/2020-03-18-chinese-cloud-infrastructure-market-generated-3-3b-in-q42019/

III. iQIYI

ネットフリックスのような動画配信サービス

STOP

・事業内容を見ると、まさにグーグルのようにオンラインサービスを幅広く手掛け、主に広告収入で稼ぐビジネスモデルになっています。

・それに加え、自動運転やクラウドにも取り組んでいるのもグーグルと同じ。近年はiQIYI(動画配信サービス)にかなり力を入れているのはグーグルと異なるところ。

・基本的には、ダントツのシェアを誇る検索サービスと、ユーザー数1位で力も入れているiQIYI、さらには中国政府から国策として受注している自動運転が大きな柱の企業といえそうです。

次回に続く。

以上

りろんかぶお

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[ 2020/10/06 12:10 ] 8.企業研究 | TB(-) | CM(0)

そろそろ今一番やられている銘柄を買おう~石油企業編~

石油企業_20200918


今まで怒涛の勢いで上昇してきたハイテク銘柄が高値圏でもみ合いを続ける中、
そろそろコロナ禍で最もやれていた銘柄に目を向けてもいい時期かもしれません。

なぜ今か?

それは以下三つの理由があります。

①雇用統計などに見る景気の回復が鮮明になってきた。

②10月以降、ワクチンの臨床試験結果が見えてくる。

③最も悲観されている業界にこそ、最も大きなチャンスがある。


さて、それでは、コロナによって今一番やれている業界とはどこか?

航空会社、石油会社、銀行、飲食店、etc

今回はその中でも石油会社について考察してみます。

<石油会社の現状>

石油企業の株価は大きく低迷しています。

S&P 500 Energy Sector Index
石油企業kabuka_20200918

この原因は、コロナにより人々が移動しなくなったために、石油需要が落ちて原油価格が暴落したためです。

WTI原油先物価格
石油kakaku_20200918

世界を代表するエクソンモービル、シェブロン、ロイヤルダッチシェルなどの石油企業の業績回復のドライバーは原油価格の回復にかかっています。

では、原油価格が元に戻るためには何が必要なのでしょうか?

原油価格は需給に大きく左右されるため、落ち込んだ需要が戻ってくれば原油価格も定常状態に戻ってきます。


2019年の平均原油需要が日量約1億バレルだったのに対し、2020年2Qは15%下落し、日量8500万バレルまで減少。


但し、2020年8月時点の需要は日量9400万バレルまで回復。


既に需要はかなり回復してきています。


更に、米国エネルギー情報局によると、今後順調に石油需要は回復していき、2021年3Qには日量約1億バレルを回復する見通し。

石油juyou_20200918

つまり原油需要は、現在既に回復局面にあり、将来に関しても明るい見通しが見えてきているものの、株式市場の資金がハイテク銘柄に一極集中していたため、石油企業は割安に放置されたままです。


絶好の買い場の可能性ありです。

以上

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りろんかぶお







[ 2020/09/18 11:51 ] 8.企業研究 | TB(-) | CM(0)

クラウド関連企業にも終わりが近づいる

クラウド企業終焉_20200910


現在、株式市場で大きな注目を集めているクラウド関連企業!

但し、巨額の利益を上げ、株価も暴騰するという今の状況は終焉に向かっていると思います。

<なぜクラウド企業が注目を浴びてきたか>

まず、なぜクラウド企業が注目を浴びてきたかというと、企業の急速なデジタル化という追い風もあると思いますが、やはりクラウドでサービスを提供するということに一種の革新性があったからだと思います。(この革新を支えたのは通信環境の向上)

企業の社内システムで考えると、従来はどこかのシステムベンダーからシステムを購入して、その会社に適したシステムを構築するというものでした。

しかしシステムを導入した会社は、日々のテクノロジーの進化に置いて行かれないためには定期的な更新(買替え)が必要でした。

一方で、クラウドは社内にシステムを構築するのではなく、クラウド企業が持っているシステムに利用者がネットを通じてアクセスしにいって、その利用料を定期的に支払っていくというものです。

クラウドの場合は、社内にシステムをもつわけではなく、クラウド企業側で適宜アップデートした最新のシステムを常に利用できるので、従来のように買替で巨額のシステム購入費を払う必要もないですし、急にシステム利用が不要になっても損をすることがありません。

このような利便性もあり、クラウドの最先端を走るアマゾンやマイクロソフトはクラウド事業により巨額の利益を手に入れてきました。

<クラウド企業の躍進は今後も続くのか?>

ただ、巨額の利益を手に入れられたのは、クラウド事業に特有のことなのでしょうか?

実はそんなことはありません。

資本主義というのは非常によくできていて、楽に儲け続けるというのは簡単ではないのです。

革新的な技術が登場する初期は、競争相手が従来の技術を基にした企業です。

アマゾンやマイクロソフトは革新的な技術により、従来の企業より大幅にコストを抑制できる一方、価格設定は従来企業の提示価格を少し下回る水準に設定すれば集客できるので、大きな利益を確保することができます。

これが2010年代のアマゾンやマイクロソフトです。

一方で、最近の米国のIPOを見てると、とにかくクラウド企業ばかりです。
既存のIT企業もどんどんクラウドに進出しています。

つまり、今はクラウドがスタンダードになった時代なのです。

すると、今度はコスト構造が同じであるクラウド企業同士の競争になるので、競争の結果、価格設定はコストをやや上回るレベルまで下がっていき、これまで得ていた巨額の利益を確保することは難しくなっていくのです。

よって、クラウドであれば何でも儲かるという時代は終焉しつつあり、今後は各社の熾烈な価格競争が始まります。

当然既に市場シェアを押さえているアマゾンやマイクロソフトは競争上優位ではありますが、新手のクラウド企業がどんどん安くて便利なサービスを提供していくことを考えれば、両社の利益も近年のようなうなぎのぼりは見られなくなることは火を見るよりも明らかです。

以上

りろんかぶお

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[ 2020/09/10 11:18 ] 8.企業研究 | TB(-) | CM(0)

ソフトバンクGの米国株保有銘柄が明らかに(2020年6月末時点)

孫正義_20200819


ソフトバンクグループ米国株投資先(2020年6月30日時点)

PF_20200819.png

※SBGのSEC提出資料参照
※SBG本体の有価証券保有銘柄のため、SBGの子会社(ソフトバンクやアーム)や関連会社(アリババ等)、ビジョンファンドの保有銘柄などは含まず。
※T-Mobileは6月以降の大量売却で関連会社からは外れているが、いまだに大型保有($13.6billion)のため上記円グラフからは除く。(下記表には含む)


会社名保有時価
(百万ドル)
2020年6月末時点
T-MOBILE US13648
AMAZON1044
ALPHABET475
ADOBE249
NETFLIX189
MICROSOFT183
NVIDIA181
TESLA123
SHOPIFY114
PAYPAL HLDGS111
DOCUSIGN109
ZOOM VIDEO109
SQUARE109
SPOTIFY TECHNOLOGY S A107
PAYCOM SOFTWARE100
SERVICENOW96
PINDUODUO87
ETSY81
OKTA74
MERCADOLIBRE72
SPLUNK64
SEA58
MATCH GROUP58
BILIBILI29
TAL EDUCATION GROUP26
IQIYI20
合計17518
合計(T-Mobile除く)3870


りろんかぶおコメント

・ソフトバンクは今期1Q決算発表の際に、余剰資金運用のための投資運用子会社の設立を発表。
SBG運用会社_20200819

・同子会社の資本金が555百万ドルである一方、上記ポートフォリオの時価は3870百万ドル故、同子会社からの投資のみでない可能性もありますが、いずれにしても目的はSBGの余剰資金運用です。

・孫さんは決算発表の際に、これらの資金はいつでも現金化できるように流動性の高い上場銘柄を対象にし、既にテスト的に30社ほどに投資をしているとコメント。

・保有銘柄を見ると、Amazon、Alphabet(Google)、Microsoft、Tesla等、いわゆる超人気のIT銘柄がほとんどです。これをみて、「孫さんもそこら辺の個人投資家と変わらん」などという人もいますが、現在は「テスト的に」投資している段階と自身もコメントしており、すぐに売却できるものか等、流動性の面を一般的な銘柄で確かめているフェーズと推察します。

・SBGは今までは未上場のAI関連企業に投資することがほとんどでしたが、今後は上場銘柄の中からもこれと思った企業には巨額投資を行って、現在アリババ一本足打法のSBG保有アセットを多様化していくものと思われます。まさにIT界のバークシャーハサウェイになろうとしているということですね。今後孫さんがどのような上場企業に投資していくのかは見物です。

以上

りろんかぶお

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[ 2020/08/19 10:18 ] 8.企業研究 | TB(-) | CM(0)

キンダーモルガンの企業分析

rogo_20200727.png


<企業概要>

キンダー・モルガンは、北米最大の中流エネルギー会社の一社。
北米にて天然ガス、原油、石油製品、天然ガス液、二酸化炭素の輸送、貯蔵、加工事業を行う。
主力は天然ガスパイプラインの保有・リース業。

<セグメント>

1.天然ガス輸送(売上比率:62%)
・~70,000マイルのガスパイプライン保有
・659 bcfの貯蔵設備保有
・米国で消費・輸出される天然ガスの約40%の輸送を担う

2.石油製品輸送(同15%)
・~6,800マイルの石油製品パイプライン保有
・~3,100マイルの原油パイプライン保有

3.ターミナル(同14%)
・147の貯蔵設備保有(石油製品、化学品、etc)
・16隻の輸送船保有

4.CO2輸送(同9%)
・CO2を油田に注入して圧力を高め、油田から原油を吸い上げやすくする手法があり、そのためのCO2を輸送するパイプラインを保有

<ビジネスモデルの特長>
契約形態_20200727
出典:KMI決算資料

・売上の68%は"Take or Pay"という固定収入が得られる契約。24%が処理量に応じた収入。売り上げの68%が固定収入ということで非常に安定した業績が見込める。Take or Pay契約の平均残存年数は7年。

・ビジネスモデル上、基本的にガス価格や原油価格には左右されないものの、価格が下がっている時は需要が落ちている時であり、そうすると処理量に応じた収入の部分は減収となる。

・輸送パイプライン自体は技術的難易度が高いわけではないものの、地下にパイプラインを通すには政府の許可が必要であり、輸送に効率的なルート及び許可の取りやすいルートを既に抑えてしまっていることが、他社に対する競争優位性になっている。

<マクロ環境>

米国内のエネルギー生産量内訳
energy outlook_20200727
出典:米国エネルギー情報局(EIA)

米国内のガス消費量内訳
ガス消費内訳_20200727
出典:米国エネルギー情報局(EIA)

・地球温暖化問題への意識が高まる中、化石燃料の中では比較的CO2排出量が少ない天然ガスの需要は今後も堅調に伸びていくことが予想される。

・消費の内訳で見ると、工業向けとガス火力発電向けがメイン。

・ガス需要が活性化することは、その輸送を手掛けるキンダーモルガンには追い風。

<業績>
出典:全てマネックス証券

売り上げ_20200727
CF_20200727.png
セグメント_20200727

<理論株価>

DCF法による理論株価:7.72ドル(2019年12月末時点)

<著者コメント>

・既にルートを抑えているという競争優位性及び、売上の68%は固定収入という点は非常に魅力的。

・化石燃料関連のビジネスだが、主力の天然ガスに関して言えば今後も需要増のに見通しで問題なし。

・ただし、インフラ設備を伴う事業故に、IT企業のように急激に売り上げが伸びるようなことは見込めない。

・よって割安価格で買うことが重要なるも、理論株価やPERを見ても割安とは言えない。

以上

りろんかぶお

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[ 2020/07/27 18:22 ] 8.企業研究 | TB(-) | CM(0)

アリババの企業研究~中国オンライン市場の覇権を取った企業~

アリババ_20200714


1.企業概要

アリババは、オンラインおよびモバイル向けの商取引サイトを展開。
2019年3月期の総取引額(GMV)は5兆7,000億人民元($8,460億)と世界最大規模。
タオバオ(C2C)や天猫Tmall(B2C)など、中国最大級の電子商取引市場を運営。

引用:マネックス証券

2.企業理念

①Mission

ビジネスをどこでも簡単にできるようにすること
“Our mission is to make it easy to do business anywhere.”

②Vision

商取引の未来のインフラを作ること。
“We aim to build the future infrastructure of commerce.”

2036年までに
・顧客を世界で20億人に
・1000万のビジネスを利益を出せるように
・1億人に雇用を創出

③Values

第一に顧客、第二に従業員、第三に株主
信用が全てをシンプルにする
変化が唯一の安定
今日のベストパフォーマンスは明日のベースライン
今でなければいつやる?自分でなければ誰がやる?
本気で生きて、楽しく働く


3.ビジネスセグメント概要

①Core Commerce

消費者向 – 中国

Taobao Marketplace: China’s largest mobile commerce destination C2C。ヤフオク、メルカリのイメージ。
Tmall: third-party online and mobile commerce platform for brands and retailers B2C。アマゾン型ではなく楽天型。在庫は持たず場の提供だけ。

法人向 – 中国

1688.com:TmallのB2B版。マーケットプレイス。

消費者向 – 中国-外国間、外国

Lazada:東南アジアのEコマース。(海外→海外)
AliExpress:Cross-borderビジネス。海外顧客が中国から購入できるサービス。(中国→海外)
Tmall Taobao World:海外居住中国人が中国から製品を購入できるサービス。(中国→海外)
Tmall Global:海外ブランド等が中国顧客にリーチするためのサービス。(海外→中国)
Trendyol:トルコのEコマース
Daraz:パキスタンとバングラデッシュを含む南アジアのEコマース。

法人向 – 中国-外国間、外国

Alibaba.com: 国際オンラインマーケットプレイス

物流

Cainiao Network:物流のデータプラットフォーム。顧客の物流効率化のためのアドバイスやデータ提供を行う。在庫管理、購入履歴管理、最適な輸送ルート等のデータを駆使して取引の一連の流れを効率化。

消費者向サービス

Ele.me:オンデマンドデリバリー
Koubei:オンラインレストランプラットフォーム
Fliggy:オンライントラベルプラットフォーム


②Cloud Computing

Alibaba Cloud:企業向けにクラウドサービス(データベース、アプリケーション、ストレージ、セキュリティ等)を提供。更に、自社のEコマースシステムをクラウドに移行中。

③Digital Media and Entertainment

Youku:中国第三位の動画共有・配信サイト。中国版Youtube。バイドゥ、テンセントの参入で競争激化し、存在感は低下。
Alibaba Pictures:国内や海外の映画作品への投資・製作をはじめ、オンラインでのチケット発券サービスの提供、映画作品のマーケティング・配給のサポート事業


④Innovation Initiatives

Amap:中国最大の地図アプリ。中国版Google Map
DingTalk:ビジネス向けのコミュニケーション·コラボレーションプラットフォーム。メッセージ、チャット、ビデオ会議等。
Tmall Genie:中国一位のスマートスピーカー

⑤その他

Ant Group:アリペイで知られる決済サービスに加え、資産管理、少額融資、保険などの金融スサービスも提供。アリババは33%出資。



4.セグメント業績
出典:アニュアルレポート

部門別売上高_20200714

部門別EBITDA_20200714


5.コメント

・アリババはアマゾン型ではなく楽天型(自社で在庫は持たず場の提供だけ)。

・主力のCore Commerceが売上高の86%を占める。前年対比35%増加しておりまだまだ伸びている。

・中でも注目は物流のCainiao。というのも、楽天に対するアマゾンの強みが物流(購入から到着までのスピード感)であるように、アリババにとっても物流は超重要。アリババは自社の直販ではないものの、巨大な物流データを基にした良質の物流プラットフォームを持っており、ここがアリババに大きな付加価値を生み出している。Cainiaoの売上は前年対比50%増加しており、今後も期待。

・更に次の注目はクラウド。中国のクラウド市場はまだまだ伸びることが予想され、中国市場の1位のアリババには今後も期待できる。

中国クラウド_20200714


以上

りろんかぶお

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[ 2020/07/14 12:28 ] 8.企業研究 | TB(-) | CM(0)

ボーイング株は買い時なのか?③

737MAX_20200324.png


前回に引き続き「ボーイングは買い時か?」ということについて詳細に調べていきます。

ボーイング株は買い時なのか?①
ボーイング株は買い時なのか?②

3. 737MAXは信頼を回復できるか?

737MAXの信頼を回復できるかを調べる上で、過去の同様ケースでの状況について調べてみました。

2000年以降で見ると、世界中で航空機の一時運航停止となったのは一度だけありました。2013年のボーイング787です。

2013年1月7日、JALのボーイング787がフライトを終えた後、駐機中に機体内部の電池が発火しました。続いて、同年1月16日、今度はANAの同型機の電池が飛行中に発火しました。同機は緊急着陸を行い、幸い人的被害はゼロでした。

この連続したトラブルを受け、アメリカ連邦航空局 (FAA) が耐空性改善命令を発行して同型機に対し、運航の一時停止を命じ、世界各国の航空当局に対し同様の措置をとるように求めたのです。

この時は3か月後の2013年4月には、FAAから運航再開に関する許可が下り、その後世界的に運航が再開されました。

当時は、737MAXの事故とは違って人的被害が出ていなかったので、ボーイングの顧客となる航空会社や、実際の利用者の心理に与える不安は限定的であったとは思うのでその点は留意が必要です。

さて、その後の787の受注状況はどのように変わっていったのでしょうか?

大型民間航空機は実質ボーイングとエアバスの寡占市場になっています。よってここでは、ボーイング787のライバル機といわれるエアバスのA350との新規受注シェアの推移を見ていきたいと思います。

Boeing 787 と A350の新規受注シェア
(ボーイングとエアバスのHPを基に筆者にて作成)

787トラブル前の2012年と、トラブルが発生した2013年を比べると、ボーイングの新規受注シェアが5%程下がっています。

やはり、トラブル発生に伴い、一定程度の需要がライバル機に流れたことがわかります。

但し、翌年の2014年は前年と横ばいですが、2015年にはBoeing 787がシェアを一気に逆転していますね。こう見ると、2013年に傷ついた信頼は2015年には忘れらているかのように見えますね。

以下は、ボーイングとエアバスの全ての機体の受注シェア推移です。
受注シェア_20200324
出典:日本航空機開発協会

近年はおよそ50%ずつのシェアをとっていることがわかりますね。

プレイヤーがほぼボーイングとエアバスに絞られるので、航空会社としてはリスク分散の意味で、両メーカーの機体を保有するという流れがあります。

これらを踏まえると、今回のような737MAXの事故を受けて、一時的にエアバスのライバル機に需要が流れる可能性はあるものの、将来同じような事故がエアバス機で起こる可能性も十分にあるので、リスク分散の意味から航空会社がボーイングとエアバスの両方を保有する体制に再び収束していくのではないかと見込まれます。

つまり、寡占市場ゆえに長期的な737離れということにはならないのではないかと考えられます。(航空会社からしても、航空機メーカーが1社独占になってしまうと航空会社側の価格交渉力がなくなってしまう)

ちなみに以下は、最近10年間の飛行機事故と死者数の推移です。

事故件数_20200324
事故死者数_20200324

(Wikipedia掲載の数字を基に筆者にて作成)

737MAXの事故については、特定の航空機にシステム上の問題があったことで、問題が大きく取り上げられていますが、これを見ると、実は飛行機事故というのは我々が認識していないだけで、1月に1回くらいのペースで起こっており、毎年400人くらいの死者が出ていることがわかります。

飛行機事故はその頻度の多さからディアにもあまり取り上げられていないのが実情で、一般庶民からすると、今回の737MAXのような大勢の死者がでた事故を目にするとかなり敏感に反応してしまいます。

一方で日頃航空機事故のニュースに触れている航空会社の人たちの感じ方はまた少し違ったものであると考えられるでしょう。

つまり航空会社の購買担当者目線でいうと、737MAXの事故は数ある事故の中の一つであり、ボーイングがしっかり対応する限りにおいて、長年のボーイングへの信頼が今回の件で総崩れするということはないのではないでしょうか。

4. コロナショックで考えられる長期的な影響は?

次にコロナショックの影響です。

コロナウイルスの世界的な感染拡大により、国外への渡航が大幅に制限され、航空会社の収入が激減しており、資金繰りの問題から倒産懸念が急浮上しております。

既にイギリスの航空会社フライビーは先日倒産しました。

ボーイングに関しても、昨年から続く737MAX問題でキャッシュフローがかなり細っているはずで資金繰りが心配されています。但し、米政府からの大規模な支援策が盛り込まれた法案が間もなく議会を通過するとのことで、一先ずボーイングの倒産懸念はやや遠ざかりました。

考えてみれば、米国航空産業の頂点にいるボーイングが倒産してしまうとその下請けの企業が全て連鎖倒産ということもありえ、政府はそういった事態を避けるために必ずボーイングを救済するでしょうから、ボーイングの倒産というのはかなり確率の低い話だと思います。(日本でトヨタをつぶすようなもの)

また、コロナウイルスによる旅客需要は一時的なものですから、長期的に考えれば必ず需要は元の水準に戻ってきます。

よって、倒産懸念が低いと考えることができれば、コロナウイルス感染拡大の影響による株価下落分というのは長期的には取り返す確率が高いと思っております。

但し、ボーイングの顧客に当たる航空会社の財務基盤はかなり痛むと思うので、当面は航空機需要の冷え込みもあるでしょうし(需要の先送りですが)、ボーイング株価の戻りはゆったりしたものになるかもしれません。

STOP

以上をまとめると以下のことが言えるでしょうか。

・ボーイング737MAXの信頼回復という点では、一時的にエアバスのライバル機に需要がとられる可能性はあるものの、エアバスとの寡占市場という性質上、航空会社もリスク分散の意味で両メーカーを持っておきたい意向が働き、長期的に見れば737MAXの需要も戻ってくる可能性が高い。

・コロナの影響は、短期的な資金繰り不安を乗り越えられるかという点が焦点。これに関しては、巨大な航空産業の頂点にいるボーイングが仮に倒産した場合、産業全体に与える影響が大きすぎる為必ず米政府が救済するであろうことは容易に想像できる(そして実際にボーイング救済を盛り込んだ法案が議会を通過しようとしている)。これを考えれば、資金繰りに関しては心配しすぎる必要なく、長期的には旅客需要も元に戻ってくるはずなので、コロナに起因する株価下落分は取り返す確率が高いと考える。

以上

りろんかぶお

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[ 2020/03/26 14:29 ] 8.企業研究 | TB(-) | CM(0)

ボーイング株は買い時なのか?②

737MAX_20200324.png


前回に引き続き「ボーイングは買い時か?」ということについて詳細に調べていきます。

ボーイング株は買い時なのか?①

2. 737MAXの生産停止がボーイングの業績に与える影響は?

① ボーイングの2019年決算

まずボーイングには主に以下4つのセグメントがあります。

-------------------------------------

1. 民間用航空機
民間用航空機の製造、販売、及びアフターサービスの提供。

2. 軍事、防衛及び宇宙関連
軍事用航空機、防衛関連機器、宇宙航空関連製品(衛星、スペースステーション等)の製造、販売。

3. サービス&サポート
自社製品のメンテナンスやアップグレード等のサービス提供。

4. ファイナンスサポート
自社製品購入顧客に対する融資などを通じたファイナンスソリューションの提供。

-------------------------------------

中でも、収益の柱は民間用航空機セグメントで、このセグメントに737MAXも分類されます。

737MAX事故の影響を受ける前の2018年には、全体売上の6割をこのセグメントが占めていました。

そして注目の2019年決算は、売上高が$76,559百万ドルと前年対比24%減、純利益は636百万ドルの赤字に転落(前年は+10,460百万ドル)。

いずれも737MAX事故に伴う737MAXの引き渡し激減及び、同機運航停止に伴う顧客への補償費用(8,259百万ドル)の計上に伴うものです。

2019年業績は、127機の737MAXを引き渡ししており、全ての影響は把握しきれません。

そこで、737MAXがボーイングの中で元々どれくらい売上に貢献していくかを見ていきます。

② 民間航空機部門の商品ラインナップと737MAXの売上比率

民間航空機部門にて現在生産中の航空機は以下です。

737(生産中機体:MAX、座席数:126~230、価格:87.7百万ドル~113.3百万ドル)
747(生産中機体:8F、座席数:467~581、価格:332.9百万ドル~333.5百万ドル)
767(生産中機体:300、座席数:200~250程度、価格:143百万ドル~155百万ドル)
777(生産中機体:200LR、300ER、F、X、座席数:200~300、価格:262百万ドル~320百万ドル)
787(生産中機体:8、9、10、座席数:210~300、価格:185.2百万ドル~218.1百万ドル)

出典:Wikipedia

次に、これらの機体の納入実績は以下の通り。
737MAX納入実績_20200324

出典:ボーイングAnnual Report

事故が起こる前までのボーイング737MAXの売れ行きは圧倒的No 1です。

上述の価格も合わせて見ると、民間航空機部門売上のおよそ5~6割が737MAXであると考えられます。

ボーイング全体に占める民間航空機部門の売上比率は上述の通り6割程なので、事故前で考えると737MAXの売上はボーイング全体の売上高の3割~4割程度を占めていたと考えることができます。

③ 737MAXの運航停止・生産停止・運航再開時期は?

737MAXは2度目の事故の直後である2019年3月13日に、FAAが飛行差止を発表し、それ以降運航停止状態となっています。

未だにFAAによる安全審査が続いておりますが、ボーイングは2020年中旬に運航再開に必要な許可が下りると見込んでいます。

生産自体は、4月以降は52機/月から42機/月にペースを落とすにとどめていましたが、在庫が約400機にも積みあがってきたことから2020年1月から生産を完全に停止しました。

④ 受注キャンセル状況

ボーイングのAnnual Reportによると、2018年末時点の737MAX受注残高は4,708機でしたが、2019年末時点では4,398機になっております。

2019年に127機の納入を行っているので、少なくとも183機(4798-127-4398)のキャンセルが発生していることになります(2019年に新規受注もあったはずなので実際のキャンセル数はもっとあるはず)。

4%程キャンセルが出たことになりますが、逆に今のところそこまでの大けがにはなっていない印象です。

STOP

ここまでをまとめると以下の通りでしょうか。

・737MAXの売上比率は全体に対しておよそ3~4割とかなり大きい。

・現在完全に生産停止中なるも、2020年中旬ごろに運航再開のための許可が下りるとのボーイング予想。

・キャンセルは4%程出ているが、依然として4000機以上の受注残があり、これが引き渡されるのであれば今後数年のキャッシュフローは期待できそう。

次回は、737MAXは信頼を回復できるかという点を見ていきたいと思います。

以上

りろんかぶお

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[ 2020/03/25 16:36 ] 8.企業研究 | TB(-) | CM(0)

ボーイング株は買い時なのか?①

737MAX_20200324.png


現在コロナウイルス感染拡大の影響で相場全体が暴落しているところですが、とりわけ下げ幅がきついのがボーイングです。

2019年に400ドルを超えたものの、現在はその1/4まで値を下げました。

株価BA_20200324
(ヤフーファイナンス)

今回は、これまでのおさらいとして、なぜボーイングがここまで極端に大暴落しているのか?、今は買い場なのか?、という点を詳細に調べていきたいと思います。

1. なぜ大暴落しているのか?

① 737MAX事故

ボーイングが大暴落している理由の一つは、主力製品の737MAXの大規模事故が2回立て続けに起こったことに端を発しています。

2018年10月29日、インドネシアのジャワ海でライオン・エア610便(ボーイング737MAX 8型機、PK-LQP)が離陸後約10分で墜落し、乗客乗員189名全員が死亡しました。

そして、2019年3月10日、エチオピアのアディスアベバ、ボレ国際空港より離陸したエチオピア航空302便(ボーイング737MAX 8型機、ET-AVJ)が、離陸後約6分で墜落し、乗客乗員157名全員が死亡しました。

ボーイング737MAXは、半年の間に2回の大事故を起こし、どちらも乗員乗客全員死亡という大惨事となり、合わせて346名の人命が失われ、世界中に衝撃を与えました。

航空機事故はパイロットのミスによる事故の可能性もありますが、2つの事故の経緯があまりに酷似していたため、ボーイング737MAXの安全性が強く疑われることになったのです。

その後調査が行われ、2019年4月にボーイングのCEOから正式に、上述2つの大事故は、737MAXのソフトウェアシステムMCAS(Maneuvering Characteristics Augmentation System)に原因があったことを認め、謝罪をしました。

MCASとは何か?

ボーイング737MAXは737の第四世代(第一世代:737オリジナル、第二世代:737クラシック、第三世代:737ニュージェネレーション)といわれております。

737オリジナルの初飛行は1967年なのでかなりの歴史があります。

世代を経るごとに、燃費向上などの理由から徐々にエンジンの大型化が行われました。

しかし、737は当初ジェットエンジンの大型化を想定していなかったので、基本設計通り大きなエンジンをそのまま翼の下にぶら下げてしまうと地面とジェットエンジンの間に十分な距離を確保できなくなってしまいます。

そこで、エンジンを翼の真下にぶら下げるのではなく、翼よりもやや前方に出し、位置をやや上にずらすことで、エンジンと地面との距離を確保したのです。

737MAXエンジン_20200324

但しこうすることで新たな問題が発生しました。

エンジンを基本設計よりもやや前方かつ上方に持ってきたことで、飛行機が離陸する際に機体が斜め上に角度をとった時、その角度を必要以上に大きくしてしまう(機首が上を向いてしまう)方向に力が働いてしまうことがわかったのです。

機首が必要以上に上を向いてしまうと風の抵抗をもろに受けて失速してしまうので、これを修正するために導入されたのがMCASです。

MCASは2つあるセンサーが、機体の角度・対空速度・高度などを感知し、これらが閾値を超えた場合に作動し、尾翼を自動的に操作して機体を降下させるシステムです。

そして、ライオン・エアの飛行データ解析によれば、2つあるセンサーのうち1つが故障により誤った角度を示していたことで、MCASが機首が上がりすぎていると判断して下降操作を行い、上昇操作を行っていたパイロットとせめぎ合いになる形で墜落してしまったことが発覚しました。

ここまで聞くと、センサーの故障が原因だったのかと思うかもしれませんが、航空機は一事が万事につながるため、基本的には一部が故障していてもバックアップ機能が備わっているべきなのです。

ボーイングの過ちとしては、機体制御不能の可能性を十分に考慮しておらず安全装置を付けていなかったこと、更に飛行機の角度を知らせる警告灯が点かなかった設計上の問題などが挙げられています。

また、アメリカ連邦航空局(FAA)の報告書では航空会社とパイロットにも非があったことを示しています。

乗組員は機内での問題や関連する警告への対応を調整しておらず、訓練の成績が悪かった副操縦士は、覚えておくべきチェックリストを思い出せなかったとあります。

機長は操縦装置と格闘し、20回以上機首の上げ下げを繰り返し、その後、操縦装置を副操縦士に託し、その直後飛行機は海に墜落したと報告しています。

更に、ライオン・エア機は前回の飛行でも同様の不具合が発生していたようで、その時はうまく対応したものの、墜落機の乗組員にはこの情報が伝えられていなかったことも判明しています。

いずれにしても、ボーイングに非があったことは事実で、ボーイングもこれを認めています。

エチオピア航空302便の事故後、各国から737MAXの運航停止命令が出されるようになり、最終的にはFAAからも運用停止が発表され2019年3月14日を最後にボーイング737MAXは飛行していません。

現在ボーイングは737MAXの生産を停止しておりますが、737MAXは同社の主力製品であることから、業績への影響も甚大であり、これが2019年のボーイング株価低迷につながっています。

② コロナショック

上述の通り、737MAXの運航停止という大きな打撃を受けている中、迎えたのがコロナショックです。

世界的なコロナウイルスの感染拡大に伴い、各国が国境封鎖を行い航空需要が激減しました。

これに伴い、多くの航空会社が大規模な減便を行い、売上激減に起因する資金繰りの不安が増し、航空会社の株価も大暴落しています。

このようの状況下、航空機需要もしばらく低迷することが想定され、ボーイングとしては昨年から続く737MAXの問題と合わせ、ダブルパンチを食らうこととなりました。

ボーイングは現在確保済みの138億ドル(約1兆4300億円)の融資枠を3月13日にも使い切る見込みであることを発表し、昨年から続く収入の激減が長引きそうなことによる資金繰り不安が一気に増し、いわばパニック的な売りが重なり、ここまでの暴落となってしまったのです。

これらが、ボーイング株価大暴落の背景です。

(続く)

以上

りろんかぶお

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[ 2020/03/24 11:46 ] 8.企業研究 | TB(-) | CM(0)

ビヨンドミートの企業研究③

beyond meat


次回に引き続き、植物性由来人口肉の生産販売を手掛けるBeyond Meatについて研究していきます。

前回記事↓
ビヨンドミートの企業研究①
ビヨンドミートの企業研究②

今回はBeyond Meatの業績と今後の成長性について見ていきます。

<Beyond Meatの業績(2019年9月期時点)>

前回記事で見た通り、Beyond Meatのビジネスモデルは、スーパーマーケットなどの小売り店舗での商品販売と、ファストフードショップなどのへの卸販売の二つです。

当然、自社製品を扱ってくれる提携先が増えれば増える程いいのですが、小売店舗との提携数の推移に関しては以下の通りです。

retail rollout_beyond beef
出典:Beyond Meat 2019年第三四半期決算プレゼンテーション

このように提携先の数をかなり順調に増やしていることがわかります。
2019年5月の上場で、認知度やブランド力は更に向上したため今後飛躍的に提携数を増やしていくことが期待できます。

ファストフードショップへの卸販売に関しても、既に多くのショップで販売が開始されていることに加え、2019年後半は、マクドナルド、KFC、Subway、Denny’sなどの影響力の巨大な超グローバルなチェーン店でテスト販売を開始しており、仮に正式販売に繋がれば一気に販売量を拡大することが見込まれます。

これらの提携数の増強を反映して、以下の通り四半期ごとの売上も急激に伸ばしてきております。

rev_beyond beef
出典:Beyond Meat 2019年第三四半期決算プレゼンテーション

そして、注目すべきは、創業以来ずっと赤字が続いておりましたが、2019年第三四半期でとうとう四半期ベースの黒字を達成しました。

PAT_beyond beef
出典:Beyond Meat 2019年第三四半期決算プレゼンテーション

売上規模の拡大に伴いGross Marginが大幅に改善し、利益の出せる体質に転換したのではないかと考えられます。

このように需要拡大に伴い生産力もどんどん増強していく必要があり、大きな資本が必要となってきますが、今年のIPOに伴いキャッシュも潤沢にあるため、そこらへんも問題なさそうです。

<Beyond Meatの競争優位性と今後の成長性>

実は人口肉というのは何十年も前から存在していました。
但し、コストは高いし、味も本物とは程遠い、ということでなかなか浸透してこなかった歴史があります。

Beyond Meatは、人口肉なのに本物の肉の味とほとんど変わらず、しかも値段もリーズナブルということで、人口肉業界に革命を起こしたといえます。
なかなか人口肉が浸透しなかった歴史を鑑みても、Beyond Meatの技術力の高さがうかがえます。

Beyond Meatの現時点での最大のライバルは同じく米国ベンチャーのインポッシブルフーズでしょう。
同社も、バーガーキングと提携し、2019年8月から「インポッシブル・ワッパー」を全米展開したことで有名です。

他にも、食品大手のネスレや米タイソンフーズなどもこの業界に参入し始めております。

このように、植物由来人口肉の潜在市場規模(ビヨンドミートの企業研究②ご参照)や将来性の高さから、Beyond Meatやインポッシブルフーズなどのベンチャーのみならず、他の大手食品会社も莫大な研究開発費とマーケティング費用をかけて参入してくるはずで、いずれ競争が激化することは必然です。

そんな人口肉の競争優位性は何でしょうか?

価格や味は当然、他社との差別化要因になりますが、食品業界においては、競争が激化し、業界が成熟していく毎にこれらの要素は平準化していくのが一般的ではないでしょうか。

そうなるとやはり「このメーカーの人口肉なら間違いない」といった消費者のロイヤルティーを勝ち取るためのブランド力が重要になってきます。

こういったブランドは通常、確かな味(技術力の高さ)を裏付けとして、長い時間をかけて入念にマーケティング活動していく中で確立されていくものです。

現時点ではBeyond Meatやインポッシブルフーズに先行者メリットがありますが、今後食品大手がその巨大資本にものを言わせ、大規模なマーケティングを行ってきた場合、果たしてBeyond Meatのような駆け出しのベンチャーが立ち向かえるのかは疑問です。
スイッチングコストが非常に安い業界なので、ちょっとしたことでも他社に乗り換えられてしまうのです。

但し、他社の追随が少ない今のうちにブランド力を磨いていくことで、マーケットリーダーになれるかどうかは別としてやはり市場規模の大きさに比例した企業に成長できることは期待できると考えます。

STOP

・上述の通り、食品販売事業における他社との差別化というのは非常に難しく、将来的に競争激化が予想される中、Beyond Meatが業界の中で確固としたポジションを確立できるかどうかは現時点では不透明です。

・但し、人類の健康、地球環境問題、動物福祉などといった素晴らしい理念を掲げており、一投資家として応援したい企業ではあるので引き続きWatchしていこうと思います。

以上

りろんかぶお

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[ 2019/12/23 11:41 ] 8.企業研究 | TB(-) | CM(0)

ビヨンドミートの企業研究②

beyond meat


次回に引き続き、植物性由来人口肉の生産販売を手掛けるBeyond Meatについて研究していきます。

前回記事↓
ビヨンドミートの企業研究①

今回はBeyond Meatの製品や、植物由来人口肉の市場規模について見ていきます。

<Beyond Meatの製品>
※出典:Beyond Meatホームページ

大きなカテゴリーとして以下三つの商品があります。
1. BEYOND BURGER
beyond burger

2. BEYOND BEEF
beyond beef

3. BEYOND SAUSAGE
beyond sausage

4. BEYOND BEEF CRUMBLES
beyond crumble

Beyond Meatの大きな特徴として、生肉用な状態で販売されており、実際に調理する過程で油や肉汁が滴るところまで再現しているところです。

見た目や、調理過程、食感、味等、どれも高度に本物の肉を再現しておりますが、いったいどのように作っているのでしょうか?

原材料としては以下5種類が使われております。
1. タンパク質:Pea • Mung Bean • Fava Bean • Brown Rice • Sunflower
2. 脂肪:Cocoa Butter • Coconut Oil • Sunflower Oil • Canola Oil
3. ミネラル:Calcium • Iron • Salt • Potassium Chloride
4. 香料、色素:Beet Juice Extract • Apple Extract • Natural Flavors
5. 炭水化物:Potato Starch • Methylcellulose

生産プロセスとしては、まずタンパク質の食材を、加熱、冷却、プレスなどを用いて本物の肉のような繊維状の質感を再現します。その後、脂肪、ミネラル、香料、色素、炭水化物を混ぜて、本物の肉のような、見た目、ジューシーさ、香りなどを再現して完成です。

<Beyond Meatのビジネスモデル>

Beyond Meatのビジネスモデルは、自社で生産したこうした生肉の状態の人口肉を、Whole FoodsやWalmartなどの小売り店舗や、SubwayやCarl’s Jrなどのレストランやフードショップに販売することです。

これらの幅広い販売先に、販売していくために多数の配送拠点を持っており、以下の通り2019年5月のIPOから5か月で配送拠点を倍にする等、急速に拠点を増加中です。
BYND haiso kyoten
出典:Beyond Meat 2019年第三四半期決算プレゼンテーション

<植物由来人口肉の市場規模>

人口肉の市場規模について、Beyond Meatは人口牛乳の例を活用しております。

植物由来の人口肉も人口牛乳と同様、採食主義者や健康・動物愛護に関する意識の高い人が需要者となることが予想されるので、この考え方には一定程度の納得感があります。

実際にこれを基に計算したのが以下の図です。(但しこれは米国市場のみ)
BYND sijoukibo
出典:Beyond Meat 2019年第三四半期決算プレゼンテーション

米国における牛乳市場における人口牛乳のシェアが13%なので、これを肉の年間市場規模$270billion(30兆円弱)にかけると、米国における人口肉の市場規模は年間$35billion(4兆円弱)と計算できます。

世界の肉の市場規模は年間$1,400billion(154兆円程)といわれているので、仮に上述の13%をかけると年間$182billion(20兆円程)と計算できます。(実際には、米国における需要者の比率と世界の需要者の比率は異なるので注意)

こう考えると、かなり大きなマーケットであることがわかります。
更に、Beyond Meatは自身では自社ブランドの店舗を持たず、卸売に徹している為、実際の小売業者やフードショップなどに認められれば一気にマーケットを取りに行くことができると予想されます。

STOP

・上述の計算結果だけでも、市場規模としては十分なサイズがあると思いますし、健康問題、地球温暖化の問題、動物福祉の観点からも、今後ますます注目を浴びる業界のはずなので、更なる市場規模の拡大が見込めると思います。

次回は、Beyond Meatの財務面を研究していきます。

以上

りろんかぶお

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[ 2019/12/20 17:56 ] 8.企業研究 | TB(-) | CM(0)

ビヨンドミートの企業研究①

beyond meat


今回は、植物性由来人口肉の生産販売を手掛けるBeyond Meatについて研究していきます。

Beyond Meatについて調べようと思ったのは、サピエンス全史という本を読んでいる中で、現在の畜産業が動物たちにとっていかにひどいものかということを思い知らされたのがきっかけです。

市場経済に巻き込まれた動物(主に牛や豚や鶏)たちは、人間の都合により、いかにコストを抑えて、おいしい肉を生産するかという点が過度に追求されてきました。

メスの母胎を気にかけず次から次へと妊娠させる大量生産、遺伝子組み換えによる短期間での巨大化、スペースの節約のためほとんど身動きができないほどの空間での劣悪な飼育環境。

家畜たちは、人間に食べられるためだけに生まれてきて、その短い一生を、糞尿まみれの身動きのほとんどできないところで、座ったり立ち上がったりじっと壁を見つめたりしながらただただ時間をつぶしていくのです。

鶏に関しては、最近こんな記事も見つけました。
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/68975?page=7

過度に工業化された畜産業は、まるで工場と一緒で、我々人間と同じく感情を持っている動物たちが、最終製品(肉)を作るためのただの機械や部品として扱われているのです。。

人類と資本主義の犠牲になってしまった罪のない動物たちを助けるために、投資をする者としても力になりたいと思い、見つけたのがBeyond Meatでした(市場では既にかなり注目されている企業のようですが自分は知りませんでした)。

かつて奴隷制度が普通だった時代に、そんなのはおかしいと立ち上がった人たちがいました。奴隷を利用した生産物というのは当然コストが安く需要者にとって都合がいいのですが、国や需要者の意識が変わって、コストは高くなるけども奴隷制度をなくすという方向に舵を切ってきたのです。

現在の家畜たちもまさに奴隷です。一見、利益が全てに見える資本主義社会においても、かつての奴隷制度を駆逐したように、現代の奴隷も駆逐できると思っております。

<Beyond MeatのMission>

Beyond MeatのMissionは、”タンパク質の未来を創ること” であり、動物性食肉から植物由来の人口肉に代替することで以下4つの課題を解決するとしております。

1. 人類の健康の改善

牛肉などの肉は、タンパク質が豊富で、私たちが生きていく上で必要な必須アミノ酸を含みますが、肉の摂取が健康を害するという研究が多いことも事実です。

一般的には動物性脂肪の過剰摂取によって血液がドロドロになり、心臓病や脳卒中、糖尿病などの原因になるとも言われております。

また、世界保健機関(WHO)は、牛肉などの”赤肉”を、グループ2発がん性物質に指定し、ベーコンやソーセージなどの”加工肉”はグループ1発がん性物質にリストアップされています。(※グループ1が最も発がん性が高く、加工肉以外にタバコやアスベスト、プルトニウムなどもリストに含まれる)

植物由来の人口肉に切り替えることで、こういった健康上の問題を解決することが期待できるのです。

2. 地球温暖化への貢献

家畜のげっぷや排泄物からは温室効果ガスに分類されるメタンや亜酸化窒素が放出されます。一見、大した量には思えないかもしれませんが、全世界で莫大な数の家畜が存在する中、国連食糧農業機関(Food and Agriculture Organization、FAO)の調べによると、人為的に排出されている温室効果ガスの14.5%が畜産業から排出されているものとしております。
https://www.afpbb.com/articles/-/3000579

植物由来の人口肉生産過程でも当然温室効果ガスが排出されますが、畜産業と比較すれば圧倒的に少ないといわれており、温暖化に貢献できると期待できます。

3. 食料資源の確保

世界の食料問題は、人口の増加と資源利用上の制約、地球環境の変化によって深刻化することが予見されていて、食料の生産と消費がもたらす環境への負荷が増大する一方で、この増大しつづける地球環境への負荷が、回帰的に食料生産に影響を及ぼすことが考えられます。

過度な食肉への偏重を防ぎ、代替肉という選択肢が増えることで食料資源の確保を促進することができます。

4. 動物福祉

冒頭に記載の通り、市場経済に組み込まれてしまった動物たちは、人類の欲を満たすためのモノとして扱われているのが現状です。

市場経済においてこのような動物たちを守るためには、需要者に対してもっと魅力的な代替物を提供する必要があり、Beyond Meatはその役割を果たすことができます。

<Beyond Meatの歴史>

2009年:
創業者のEthan Brownは、学生時代から環境問題や持続可能な社会の実現に関して興味があり、そうした問題解決に貢献したいという思いから、再生可能エネルギーに注力する会社に勤務するも、環境問題解決には食からのアプローチが必要不可欠と思い、ビヨンド・ミートを設立。
当初、多くの企業や個人から資金調達を行い、ビルゲイツも当初の出資者として有名。

2013年:米国のスーパーマーケットであるWhole Foodsで初めて植物由来の人口鶏肉を販売開始し、翌年人口牛肉を販売。

2015年:植物由来バーガー肉のブランドである“The Beast”が販売開始。

2017年:植物由来の人口ソーセージである“Beyond Sausage”を販売開始。

2018年:
米TGIフライデー、加A&W、英Tesco、英Honest Burger、英All Bar One、米カールスジュニア、米Del Taco等、多くのレストランやファーストフードがBeyond Meatを採用、販売開始(一部地域でのテスト販売含む)。
また、9月には国連からEnvironment Champion of the Earth Awardを受賞。

2019年
加Tim Hortons、米Dunkin' Donuts、独Lidl’s、独METRO Cash & Carry、ニュージーランドHell Pizza、Subway、米KFC、米McDonald’s、米Hardee's等、がBeyond Meatを採用、販売開始(一部地域でのテスト販売含む)。
5月に米NASDAQに上場。公募価格25ドルに対し初値は46ドル、7月には高値の239ドル迄上昇し期待感の高さがうかがえた(その後急落)。

現在、世界50か国でBeyond Meatが取り扱われており、今後も拡大予定。

STOP

・2018年あたりから急激に、様々な店で取り扱われるようになっており、既に世界進出もしているので、今後も大きな伸びが期待できそうです。

・出資者の中には、ビルゲイツの他、俳優のディカプリオがいたり、日本では三井物産が出資しております。

次回は、人口肉業界の将来性などについて研究していきます。

以上

りろんかぶお

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※当ブログで紹介する理論株価は、いくつかの前提条件をりろんかぶおが独自に設定している為、その前提条件次第では計算結果が異なってきます。また当ブログは、投資に関する情報を掲載していますが、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。また、読者が当ブログの情報を用いて行う投資判断の一切について責任を負うものではありません。


[ 2019/12/19 12:26 ] 8.企業研究 | TB(-) | CM(0)

Uberの企業研究③

Uber rogo


前回に引き続き、ライドシェア界のパイオニアであるUberについて研究していきます。

前回記事↓
Uberの企業研究①
Uberの企業研究②

今回はUberの今後について簡単に記載してみます。

<ライドシェア市場規模の推移>

全世界のライドシェア企業の合計売上高予測
(※但しここでいうライドシェアの定義はオンライン配車サービス全て。よってUberのようなビジネスモデルのみならずオンラインでタクシーを配車できるサービスなども含む)
Ride hailing revenue forecast_2019

全世界のライドシェアユーザー数予測
Ride hailing user forecast_2019

・ライドシェア業界の2019年の売上高は183,677百万ドル(予測)。

・これが年間平均14.8%ずつ伸びて2023年には318,765百万ドルまで増加すると予測されている。

・また2023年までにユーザー数も1.5倍以上に増加する見込み。

<ライドシェア企業の競争要因>

・上記のようにライドシェア業界は今後も力強い伸びが期待できそうです。そんな中、世界にはUber、DiDi、Grab、Lyft等々、多数プレイヤーがいる中、他社との競争に勝っていくためには何が決め手になりそうでしょうか?

・ユーザーがどのアプリを使うかを選択するときのポイントは何でしょうか?大きなものは、やはり運賃の安さと、乗りたいときにすぐ乗れるか、がポイントになると思います。

・ドライバーがどのアプリを使うかを選択するときのポイントも、ドライバーの取り分の多さと、すぐ客が捕まるかだと思います。

・つまり、ポイントは運賃と、いかにすぐにユーザーとドライバーをマッチングできるか、ということになると思います。

・ユーザーが支払う運賃は、①ドライバーの取り分と②ライドシェア企業の取り分に分類できますが、いずれも複数の競争相手がいる場合、市場の原理が働いてある均衡点に収束していきます。つまり、十分な競争がある下では、ユーザー目線での運賃もドライバーの取り分も、どの企業のアプリを使っても変わらないということになります。

・ではもう一つの要素であるユーザーとドライバーのマッチングにおけるポイントは何でしょうか?最も大きなポイントは、ユーザーとドライバーの多さですね。だからこそ、各社紹介料やキャンペーンなどあの手この手を使って、利用者を増やそうとしているわけです。

・よって一つのポイントは、この利用者獲得争いの中での赤字を垂れ流す期間に耐えられる資本力の強さというのがあるかなと思います。

・ただ、Uberのライバルである、DiDi、Grabなどは資本力の面でもUberに負けてないと思いますので他にポイントはあるのでしょうか?

・ユーザーとドライバーのマッチングにおけるポイントで、もう一つ重要な要素があると思います。それがAIによる客位置予測機能です。

・ライドシェア各社はAIを使って、例えば1時間後にどのエリアで、どれくらいの需要が発生しそうかを、客の行動パターンやその日の天気、イベント情報などあらゆるデータから予測させる、客位置予測機能を備えております。

・この客位置予測の精度が高ければ高い程、ドライバーにとってはアイドリング時間を減らせるので自分の稼ぎを増やすことができるのです。

・各社この技術には取り組んでいるのですが、AIによる予測には多くのデータが必要であり、つまり現時点でより多くのデータを収集できた企業がより精度の高い客位置予測機能を構築でき、そうするとドライバーが増え、ユーザーが増え、そうすると更にデータが集まりAIの精度が高まり、更にドライバーとユーザーが増えるという好循環が生まれます。

・よって、現時点で最も多くの顧客データを持っている企業が今後も強くなっていく業界なのかなと考えます。

・資本力、顧客データの量、この2点において現時点でのNo 1は紛れもなくライドシェアのパイオニアで早くから全世界で事業を行うUberでしょう。こう考えると、今後の市場規模拡大の多くの部分をUberが取り込んでいくのではないかと思います。

<今の株価は安いか>

・Uberは世界中の投資家が期待する企業でもあり、既にその成長が十分に織り込まれている可能性もあります。

・Uberの現時点(2019年12月5日時点)での時価総額はおよそ50,000百万ドルです。Uberのように、成長市場に属する現時点では赤字の企業の企業価値を測るのは非常に難しいです。

・仮に、市場が成熟した時にPERが20倍程の利益を稼いでいればいいとすると、時価総額50,000百万ドルにたいしてPER20倍なので純利益が2,500百万ドル。

・2018年10月~2019年9月までのUberの配車サービス部門のEBITDA(但しコーポレート費用を除く)が合計1524百万ドル、これが2023年までの市場の成長率14.8%/年(冒頭の<市場規模の推移>ご参照)で伸びていくとすると、2023年には、2647百万ドルに達します。

・実際には、ここから研究開発費やコーポレート費用、支払い利息、減価償却費、税金などが引かれ、更に他事業で赤字を出し続けている可能性もあるので、純利益にするともっと小さくなるはずですが、更に長期的な目線で考えれば、純利益2500百万ドルというレベルは達成できるのではないでしょうか?

<自動運転の未来、将来の脅威>

・モビリティの世界での、次のもっと大きな革命は自動運転技術といわれていて各社が研究開発を競ってますね。

・Uberも自動運転の分野に大きな研究開発費を投じているのですが、激しい研究競争の中では後手に回っているイメージです。自動運転の分野でトップを走るのはGoogleのウェイモ。GoogleはUberの株主でもあるので、Uberの味方かと思いきや、数年前にUberがウェイモの自動運転技術を盗もうとしたことがあり、そこでウェイモに嫌われて、現在ウェイモはLyftと組んでおります。

・では、自動運転が商用化されたときに今のライドシェア企業は淘汰されていくのでしょうか?

・そんなことはないと思います。配車サービスの機能は、あくまでユーザーとドライバーをマッチングさせることにあります。自動運転が普及してドライバーのコストがかからなくなって運賃が下がったとしても配車サービス企業は自動運転車とユーザーをマッチングさせるだけです。

・仮にGoogleが自動運転車の商用化に唯一成功して、Lyftと独占契約を締結して自動運転車による安い運賃はLyftでしか実現できないとしましょう。しかし、世界中に何十億といる配車サービスの利用者全てに自動運転車による低運賃サービスを提供するにはものすごい時間がかかるでしょう。なぜなら、自動運転車はそこらじゅうの道路を走りまわっているわけではなく、1から製造していかなければならないので。

・そしてその間にGoogle以外の企業が自動運転を商用化させるので、Uberはそういった企業と組んで自動運転車による低運賃をユーザーに提供していけばいいのです。

・こう考えると、自動運転車は将来のモビリティを大きく変えるのはそうなのですが、配車サービス企業の役割はあくまでユーザーとドライバーのマッチングなので、これは今後もモビリティのインフラとして残り続けるものと考えます。

以上

りろんかぶお

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[ 2019/12/05 12:09 ] 8.企業研究 | TB(-) | CM(0)

Uberの企業研究②

Uber rogo


前回に引き続き、ライドシェア界のパイオニアであるUberについて研究していきます。

前回記事↓
Uberの企業研究①

今回はUberの現状を知るという意味で、業績と競合状況について簡単に記載してみます。

<Uberの業績(2019年3Q時点)>
(出典:Uber IR)

1. 損益計算書
Uber PL_2019_3Q

・2019年1Q~3Qの純損失は▲7,410百万ドルと巨額の赤字。

・売上は堅調に伸びているものの、ドライバーを囲い込むためのインセンティブ費用(紹介料やボーナスなど)がかなりかさんでいることと、自動運転などへの研究開発費が膨らんでいることが主要因。

・損益計算書を見る限り、ドライバーへのインセンティブを除いたドライバーの取り分は売上の半分程度。ドライバー目線では、なかなか稼げないということでドライバーの離職率が非常に高くそのつなぎ止めに苦戦しているようですね。

・今後規模をどんどん大きくしていく過程で、ドライバーの取り分を増やしていく必要がありそうです。

2. セグメント別業績

セグメント概要以下

Ride:配車サービス
Eats:食事宅配サービス
Freights:輸送業者と荷送人のマッチング
Other Bet:電動バイク・電動キックボードのシェアサービス、他
ATG & Other Technology Program:自動運転や航空機チャーターの研究開発

Uber Adjusted NR_2019_3Q
※Adjusted Net Revenueは売上からドライバーの取り分及びドライバーへのインセンティブを差し引いたもの。

・やはり収入の中核は配車サービスなるもやや売上の伸びが鈍いのが心配。

・EatsやFreightsもまだ規模は小さいものの、急激に売上を伸ばしており将来に期待。

Uber Adjusted EBIT_2019_3Q

・配車サービス単独(コーポレート費用などは除く)で見ると、既に黒字化していることは好材料。

・EatsやFreightsは初期段階ということでマーケティング費用がかさんでいてEBITDAがマイナスなのはやむなし。ニーズはあるので今後の収益化に期待。

3. 地域別売上高
Uber area_2019_3Q

・Uberは既に70か国、700都市ほどで事業を展開しており、急速にグローバル化をしております。

・配車サービスのようなビジネスモデルでは、技術的な難易度が低いため、大きなライバルが出てくる前に市場を押さえてしまうことが重要。現時点では赤字覚悟で規模の拡大を優先させているがこれは戦略として間違っていないかと。

<競合他社>
Uber Competitor

・現在Uberの株価下落に伴い、時価総額は減少しておりますがいずれにしても業界トップの企業でしょう。(米国ではシェア70%程)

・Uberは2012年から世界進出をしており、各国で上記にリストされている地元企業との激しい競争を展開。

・既にUberの中国事業は滴滴出行(DiDi)に売却(DiDiの18%持分取得)、東南アジア事業はGrabに売却(Grabの27.5%持分取得)、ロシア、アルメニア、アゼルバイジャン、ベラルーシ、ジョージア、カザフスタンでの事業をロシアのYandex Taxの配車事業と統合して新会社設立(新会社の36.6%持分取得)しており、巨大ライバルがいるエリアでは、ライバルの株式取得と引き換えに既に撤退済み。

・ライバルの株式と引き換えに、同エリアの収益は享受できるので、最低限のことはできているイメージ。

STOP

次回は、ライドシェア業界の今後、Uberの今後について見ていきたいと思います。

以上

りろんかぶお

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[ 2019/12/04 11:36 ] 8.企業研究 | TB(-) | CM(0)

Uberの企業研究①

Uber rogo


今回はライドシェア界のパイオニアであるUberについて研究していきます。

日本ではUber Eatsが有名ですが、Uberの本業は、移動したい人と、人を運んで運賃を稼ぎたい一般ドライバーを結びつける配車サービスです。

私がUberと出会ったのは2015年春に米国出張に行ったとき。

このビジネスモデルに衝撃を受けました。世の中の使われていない潜在的な資源(使われていない車や使われていない労働力)を有効活用して、世の中の既存の需要(移動したい)を満たすというモデル。

世の中がすごく効率化されて、それでいて利用者側のコストも下がるという、驚くべきビジネスモデルだなと思ったことを今でも覚えております。2015年の米国ではもうみんなが普通にUberを使っていました。

Mobilityの業界に大きな革命をもたらしたUberについて、今回は設立当初から現在までの歴史と現在のサービス概要について簡単に記載してみます。

<Uberの歴史>

2009年:Uber設立(当時の社名はUberCab)

2010年6月:配車サービス開始。(当時はドライバーを自社雇用し、リムジンなどの高級車による高価格対の配車サービスを提供)

2010年10月:シードマネーとして1.25百万ドル調達

2011年2月:シリーズAで11百万ドル調達、企業価値評価額は60百万ドル

2011年12月:
・フランスを皮切りに世界進出(ウーバーのビジネスモデルは先行者利益が大きいため、初期の段階で世界進出を視野に)
・シリーズB 32百万ドル調達、ここでジェフベゾスも出資

2012年7月:Uber Xを提供開始(ここで、一般ドライバーとユーザーを結びつけるマッチングサービスとなり現在のビジネスモデルとなる。当時の運賃はタクシーと同程度)

2012年8月:現在北米市場のライバルであるLyft設立

2013年8月:
・インド、アフリカに進出。
・シリーズCでGoogleから258百万ドル調達。企業価値は37.6億ドル

2014年7月:
・中国進出。
・シリーズDで1200百万ドル調達、企業価値は170億ドル。

2014年8月:
・Uber Pool開始(目的地が似通った異なる利用者を相乗りさせて、運賃を割り勘にすることで安くするサービス)
・Uber Eats開始。食事配達サービス(日本では自転車が多いが米国では車で配達がメイン。ドライバーの業務の選択肢の一つ)

2015年5月:自動運転の研究開始

2016年7月:Uber中国法人を現地配車サービス大手滴滴出行(DiDi)に売却し、DiDiの18%の株式を取得。

2018年2月:ロシア、アルメニア、アゼルバイジャン、ベラルーシ、ジョージア、カザフスタンでの事業をロシアのYandex Taxの配車事業と統合して新会社設立。Uberは225百万ドルを出資し、新会社の36.6%のシェアを獲得。

2018年3月:東南アジアの事業をGrabに売却し、Grabの27.5%の株式を取得。

2019年5月:米国株式市場に上場。初値での時価総額は697億ドル

<Uberのビジネス>

① 配車サービス

移動したい人と一般のドライバーを結びつける配車サービス。特徴は以下。

・オンデマンド(スマホ上で簡単に配車可能)

・シェアリング(元々他用途に使われている車をシェアすることで低価格を実現)

・評価(利用者がUber利用後にドライバーを評価できる為、ドライバーによるサービス向上を促進)

・ダイナミックプライシング(需給バランスによって運賃が変動。利用者が多い時間帯や場所では運賃が自動的に高くなるも、高い運賃を目当てに多くのドライバーが集まるので次第に需要と供給がバランスされるという市場原理を持ち込んだ仕組み。また、料金はメーター制ではなく距離で決定するため配車依頼時に確定)

・スムーズ決済(支払いはアプリ上で完了するため決済は不要。ドライバーと利用者の間で直接お金のやり取りがないので利用者の心理的安心度が向上)

・Uber Pool(目的地が似通った異なる利用者を相乗りさせて、運賃を割り勘にすることで安くするサービス)

・AI導入(どの時間帯にどこでUberの利用者が多そうかというのを大量のデータを基にAIが予測し、あらかじめドライバーが集まる仕組みを導入)

② Uber Eats

食事を配達してほしい人と、配達をしてお金を稼ぎたい人を結びつける食事宅配サービス。日本では自転車が多いが米国では車で配達がメイン。(ドライバーの業務の選択肢の一つ)

③ Uber Freight

荷物を運びたい人と、輸送業者をつなぐマッチングサービス。

④ Uber Jump

電動自転車や電動キックボードのシェアリングサービス。

⑤ 研究開発

・自動運転

・Uber Elevate(航空機チャーターに関するもので、航空機での移動を身近なものにするために、障壁を取り除く様々な研究を行っている。)

⑥ その他

Uber Health、Uber Workなど。

STOP

・歴史をみて思ったことは、Uberはほんとに早い段階で世界展開したんだなと。Uberのようなサービスでは、ユーザー目線ではより多くのドライバーがいるアプリを選びたいし、ドライバー目線でもより多くのユーザーがいるアプリが良いと思われます。よってマーケットリーダーがどんどん強くなるので先行者利益が非常に大きく、これを十分に理解してまだ米国で足場が固まらないうちに一気に世界に進出したんですね。すごい。

・各国で、地元企業との激しい競争があって結果的に撤退している国もあるのですが、撤退と引き換えに、ライバル(DiDi、Yandex、Grabなど)の株式をしっかり取得しているので、撤退した市場の利益もしっかり取り込める形になっております。Uberブランドを浸透できないのは確かに痛いのですが、これはこれでいいのかと。

・ビジネスに関しては、Uberの配車サービスがいかに多くの革新的な要素から成り立っているかがわかります。ダイナミックプライシングによる需給バランスの平準化や、AIによる客位置予測などは、一見細かいことに思えるかもしれませんが、ドライバーのアイドリング時間(仕事をできてない時間)をできるだけ減らすためのこういった仕組みに磨きをかけることが、他社との大きな差別化要因になってくると思います。

・電動自転車や電動キックボードの事業も始めてますが、これは自転車やキックボードを自社保有しているので、マッチングサービスに特化していた従来のビジネスモデルとは全く異なるものです。この分野は一気に広めることは難しいと思いますが、あらゆるロジスティクスの分野で革命を起こそうとするUberの意思が感じられます。



次回はUberの収益性や将来予測などについて見ていきます。

以上

りろんかぶお

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[ 2019/12/03 11:28 ] 8.企業研究 | TB(-) | CM(0)

Alphabetはどこへ向かうのか?③

Alphabet.png


Googleといえば世界的な企業で、検索エンジンや、YouTube、Google Map、Google翻訳などの便利なサービスは皆さんも使ったことがあると思います。

一方で、Googleは自動運転の分野に投資したり、ヘルスケアやロボット、量子コンピューターなどの分野にも積極的に投資していて、2014年には持ち株会社のAlphabetが設立され、より新規の分野にも注力していくことが発表されました。

これを受けて、Alphabetって今どういうことに取り組んでいるの?これからAlphabetはどこに行こうとしているの?といった疑問にお答えするため、Alphabetについて色々調べてみました。

前回記事↓
Alphabetはどこへ向かうのか?①
Alphabetはどこへ向かうのか?②

今回は、Alphabetの現在の収益源と今後どこへ行こうとしているのかについて記載します。

1. 収益源

・Alphabetの2016年~2018年の3年間の売上の内訳は以下の通りです(Annual Report抜粋)。
収入構造

・Google segmentというのがGoogleからの売上で、Other BetsというのがGoogle以外の子会社からの売上です。
これを見てもわかる通り、Alphabetの売上の99%以上がGoogleからの売上で、その他の事業はまだほとんど収益化できていない状況です。

・まだ多くが研究段階なので仕方なしですが、Other Betsもいくつかは商用化段階に入りつつあるので、徐々に収益化が実現してくるものと思われます。

2. 今後どこへ行くのか?

・ここまで見てきたように、Alphabetは我々の慣れ親しんだウェブサービスのみならず、メディカル、自動運転等、一見それぞれに関係のないビジネスをしているように見えます。これらを同時並行で進めて、いったいどこへ行こうとしているのでしょうか?

・その答えは、Alphabet設立時のラリーペイジの手紙の最後にありました。

“And hopefully… as a result of all this, we are excited about improving the lives of as many people as we can”

・Googleの創業時のMissionは「世界中の情報を整理して、誰もがアクセス出来て使えるようにすること」でした。
ただ、会社が大きくなり、時がたち、創業者であるラリーペイジとセルゲイブリンは「より多くの人の生活をよりよくしたい」という更に大きなMissionが芽生え、それを実現すべくAlphabetを設立したということだと思います。

・そして、その大きなMissionの中核にあるのはやはり「検索」だとラリーペイジは答えました。

「検索というのは我々にとってとても深い意味を持つ。
長い間検索技術を改良してきたが、まだ全く完成に近づいていないし、まだ出発点でしかない。

検索の理想形は、PCがユーザーを完璧に理解し、世界の情報を完璧に理解し、周りの全てを完璧に理解することだ。

現在AI技術が発達し、AIが自ら学ぶ機械学習の研究が進んでいる。
AI研究が更に進んで、検索技術に組み込んでいけば、我々が求める理想形に近づけるのではないかと思っている。」

・我々からしたら今のGoogle検索で十分便利だと思うのですが、ラリーペイジにとってはまだ出発点に過ぎず、全然違う未来を見ているということですね。

・ラリーペイジとセルゲイブリンがGoogle創業時にFounder’s Letterを公表しましたがその中に「Googleは従来の会社ではないし、そうなるつもりもない。」と述べていました。

・「そんなことできるわけがない、ばかげている」ということに大きな投資を行って、我々の生活を革命的に変えてくれる。それがAlphabetですね。

以上

りろんかぶお

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[ 2019/11/25 12:27 ] 8.企業研究 | TB(-) | CM(0)

Alphabetはどこへ向かうのか?②

Alphabet.png


Googleといえば世界的な企業で、検索エンジンや、YouTube、Google Map、Google翻訳などの便利なサービスは皆さんも使ったことがあると思います。

一方で、Googleは自動運転の分野に投資したり、ヘルスケアやロボット、量子コンピューターなどの分野にも積極的に投資していて、2014年には持ち株会社のAlphabetが設立され、より新規の分野にも注力していくことが発表されました。

これを受けて、Alphabetって今どういうことに取り組んでいるの?これからAlphabetはどこに行こうとしているの?といった疑問にお答えするため、Alphabetについて色々調べてみました。

前回記事↓
Alphabetはどこへ向かうのか?①

今回は、Alphabetの子会社群について簡単に記載してみます。

1. ストラクチャー
・Alphabetの子会社数をGoogle検索で調べたところ、「少なくとも28社」と出ました。

・AlphabetはGoogle時代も含めると1998年の設立から現在(2019年11月)までで、なんと230社も買収しており、およそ一月に一社のベースで買収を行っております。関係会社も日々増えるので子会社数もそれに伴って変動します。

・そんな中、Alphabetの主要な子会社を、ストラクチャー図で表したのが以下です。

Structure.png

2. 主要子会社概要

① Google
・Alphabetの最大の子会社。
・Google検索、Gmail、YouTube、Android、Google Map、Google翻訳等、世界的に親しまれているウェブサービスを無料で提供(一部を除く)し、主に広告収入で稼ぐビジネスモデル。
・Alphabet設立後も、量子コンピューターやAR/VRの分野の研究はGoogleの研究チームが遂行中。

② Calico(2013年設立、初期投資15億ドル)
・老化とそれに伴う病気に関する研究を行うバイオテクノロジー企業。
・設立当時、「グーグルが不老不死の研究に15億ドル(約1600億円)を投じた」というニュースはとてもセンセーショナルでした。
・実は、現在の科学でも人間の老化の根本的な原因は究明できていないようで、Calicoはその原因を突き止め、あわよくば対処するための長期プロジェクトを遂行するために設立されたもの。
・世界中の超優秀な研究者を集めて、ネズミを使った研究が日々行われている。

③ Nest(2014年、32億ドルで買収)
・Google Nest Hub等のIoT関連ホーム系製品を製造・販売。
・Nestは、もともと自動室内温度調節機器(サーモスタット)が看板商品でしたが、そこにはAIが搭載されていて、どの時間帯にどれくらいの温度にすればいいかなど、ユーザーの行動パターンを基に自ら考えて温度調節をしてくれる優れモノでした。
・こういった機能をベースに、Alphabetの買収後は本格的に家の中のIoTのハブ(例えば家電を全てネットにつなげ、ハブから全ての指示を出せる、等)の役割を果たす製品を販売。

④ Waymo(2016年にGoogleの自動運転研究運転部門がスピンオフされて設立)
・自動運転の商用化を目指す研究を行う企業。
・カルフォルニア州や民間の調査会社によると、安全性や総合的な技術の面でWaymoは競争の激しい自動運転業界で1位となっており業界を牽引する企業。
・2018年12月にはセーフティドライバーが同乗した状態で自動運転タクシーの商用サービスを開始。
・更に、2019年11月には、米アリゾナ州フェニックスにおいて、セーフティドライバーを同乗させない状態での完全無人自動運転タクシーのサービスを一部住民に対して試験的に開始。まだまだ将来の話と思っていた自動運転がもうそこまで来ています。

⑤ DeepMind(2016年、625百万ドルで買収)
・人口知能に関する研究開発を行う企業。
・DeepMindの目標は「知性の謎を解く」ことで、人間の脳について理解するために、知性を形式化しようと試みている。
・現在のDeepMindの焦点は、人間と似たようなやり方でどのようにビデオゲームをプレーするかを学ぶAIの開発で、作成コードを変更することなしに、AIにゲームを理解させ、人間より効率的にプレーすることを目指す。
・2016年にAlphaGoが人間のプロ囲碁棋士を初めて破ったことで大ニュースになりましたが、これはDeepMindが開発したものですね。

⑥ Loon
・気球を用いた空の移動体通信基地局事業。これまで通信網の整備されていなかった地域の人々達が気球に搭載された中継装置を介してインターネットに接続できるようにする計画。
・より低コストで無線基地局を作ることをテーマに立ち上げられたもので、太陽光を電源として、上空2万メートルにうかばせるもの。
・まだまだ技術的な課題はあるものの、ソフトバンクも125百万ドル出資し、2019年内にケニアで商用化に向けた試験が開始される模様。

Etc…

STOP

・あらゆる最先端のものに手を出し、どの分野でもトップランナーなのがAlphabetというイメージです。

・現在Alphabet子会社の中では、Google以外の子会社からの収益はほとんどないのですが、Loon一つとっても企業価値は既に10億ドル以上とも言われており、自動運転の商用化が視野に入るWaymoなどはそれをはるかに上回るでしょう。

・このようにまだ収益をほとんど生み出していない子会社群の潜在的な企業価値は膨大な額にも上るといわれており、現在の株価にはまだまだそれらの潜在価値が織り込まれていないとも言われております。

次回は、このように様々な分野に進出し、もはや何の企業かわからなくなってきたAlphabetが、今後どこへ向かおうとしているのか?についてです。

以上

りろんかぶお

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[ 2019/11/22 11:59 ] 8.企業研究 | TB(-) | CM(0)
プロフィール

りろんかぶお

Author:りろんかぶお
【名前】:りろんかぶお
【生年】:1987年
【出身】:千葉
【性格】:感情の起伏ゼロ。声低め。
【学歴】:東京大学大学院卒
【職業】:現在はセミリタイアし専業投資家。元総合商社勤務(M&A等)
【資格】:証券アナリスト
【趣味】:投資・麻雀・ランニング
【目標】:資本を通じて社会に貢献すること


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