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カテゴリー  [ 7.企業研究 ]

どこよりも早いGAFA決算速報!2020年7月~9月期

GAFA決算_20201030


米国時間の10月29日、GAFAの2020年7~9月期決算が一斉に発表されたので概要下記します!

<Google (Alphabet)>

予想実績(前年同期比)
売上高$42.9 bil$46.17 bil(+14%)
調整後EPS$11.29$16.4(+62%)
次Q予想売上高$50.86 bil開示なし
次Q予想EPS$13.64開示なし


<特記事項>

・Youtube広告売上高は前年同期比32%増の$5.0 bil。

・Google Cloud売上高は前年同期比45%増の$3.4 bil。

<Apple>

予想実績(前年同期比)
売上高$63.7 bil$64.70bil(+1%)
調整後EPS$0.7$0.73(-4%)
次Q予想売上高$101.01 bil開示なし
次Q予想EPS$1.37開示なし


<特記事項>

・iPhone売上高は前年同期比21%減の$26.4 bil。

・コロナの影響で、Mac、iPadが好調で、ワイヤレスイヤホンも順調に伸びたことがiPhoneの減収を補ったかたち。

<Facebook>

予想実績(前年同期比)
売上高$19.82 bil$21.47 bil(+22%)
調整後EPS$1.91$2.71(+28%)
次Q予想売上高$24.25 bil開示なし
次Q予想EPS$2.67開示なし


<特記事項>

・9月の月間ユーザー数は前年同期比12%増の27.4億人。

・4Qの前年同期比売上高伸び率は、3Qのそれよりも大きくなる見込み。

<Amazon>

予想実績(前年同期比)
売上高$92.7 bil$96.15 bil(+37%)
調整後EPS$7.41$12.37(2.9倍)
次Q予想売上高$112.32 bil$112 bil ~ $121 bil
次Q予想EPS$9.18開示なし

<特記事項>

・クラウド部門のAWSは前年同期比29%増の$11.6 bil。

・AWSは売上ベースでは全体の12%に過ぎないが、営業利益ベースでは全体の57%を占める。

以上

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りろんかぶお

[ 2020/10/30 11:23 ] 7.企業研究 | TB(-) | CM(0)

そろそろ今一番やられている銘柄を買おう~銀行編~

銀行_20201019


今まで怒涛の勢いで上昇してきたハイテク銘柄が高値圏でもみ合いを続ける中、
そろそろコロナ禍で最もやれていた銘柄に目を向けてもいい時期かもしれません。

なぜ今か?

それは以下三つの理由があります。

①雇用統計などに見る景気の回復が鮮明になってきた。

②11月以降、ワクチンの臨床試験結果が見えてくる。

③最も悲観されている業界にこそ、最も大きなチャンスがある。


さて、それでは、コロナによって今一番やれている業界とはどこか?

航空会社、石油会社、銀行、飲食店、etc

前回記事はこちら↓
そろそろ今一番やられている銘柄を買おう~石油企業編~

今回はその中でも銀行セクターについて考察してみます。

<銀行の株価>

銀行の株価は大きく低迷しています。

S&P 500 Bank Sector Index
銀行セクター株価_20201019

未だにコロナ以前より30%以上低い水準です。

この原因は、

①ゼロ金利政策の長期化による金利収入の長期低迷
②コロナによる経済活動の急減速で融資の貸し倒れが増えるという懸念

が挙げられます。

これらの要因を具体的な数字として見ていきます。

ここではJPモルガン(JPM)、ウェルズファーゴ(WFC)、バンクオブアメリカ(BAC)を例にとってみていきます。

<金利収入>

金利収入_20201019

確かに金利収入は減少傾向が続いています。

FRBのゼロ金利政策により利ザヤが稼ぎにくくなっていることが主因です。

ちなみに銀行は借入金利と貸出金利の利ザヤで儲けているのだから、収入サイドの貸出金利が低くならざるを得ないのであれば、支出サイドの借入金利も下げて、利ザヤを確保すればいいではないか?と思うかもしれません。

ただし、借入金利をゼロ以下にすると人は預金をしなくなるので、現在のように借入金利が下限のゼロに近い状態ですと貸出金利が下がる一方で、借入金利は下げることができず、利ザヤが縮小するというようなことが起こるのです。

実際の各社の金利マージンは以下。

ma-jinn_20201019.png

今後も高金利の時のローンの借り換えなどで金利収入はさらに悪化する可能性はあります。

<貸倒引当金>

貸し倒れ引当金_20201019

各社2020年1Qと2Qで巨額の貸倒引当金を計上しましたが、3Qでは激減しています。

経済が徐々に回復してきたことと、十分に引当金を積んだこともあって、現状は全て膿を出し切った状態といえます。

<EPS>

EPS_20201019.png

貸倒引当金の積立がひと段落したことで、EPSは既にかなり回復してきています。

株価と見比べてみると、EPSの回復にも関わらず、株価はいまだに出遅れていることが鮮明です。

<非金利収入>

非金利収入_20201019

更に、経済の低迷にも関わらず、株式市場は絶好調故にIPO案件は活発で、低金利を生かした新規ローンや既存ローンの借り換えなどが活発なため、非金利収入はそこまで影響を受けずに推移。

<まとめ>

業績に大きなインパクトを与える貸倒引当金は既にひと段落して膿を出し切った状態でもあり、今後ワクチンが承認されれば本格的な経済回復とそれにともなう長期金利の上昇を先取りして、出遅れていた株価が急速に回復する可能性があります。

ちなみに現在(2020年10月19日時点)での、来期予想EPSを基にした銀行各社のPERは11~12倍ほど。

銀行というのは資本主義のエンジンでもあり、資本主義が続く限りなくなることはありません。

そのような長期的な視野に立てば、今は絶好の買い場の可能性ありです。

以上

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りろんかぶお







[ 2020/10/19 13:23 ] 7.企業研究 | TB(-) | CM(0)

バイドゥは割安に放置されている?④

バイドゥロゴ_20201006


中国のGoogleといわれるバイドゥ。

最近は中国版NetflixといえるiQIYI事業を開始し、いわば中国版Google + Netflixといえます。

そんなバイドゥですが以下を見てわかる通り、中国版アマゾンであるアリババ、中国版Facebookであるテンセントと比べると以上に時価総額が低いのです。

2020/10/6付
時価総額(10億ドル)
①アリババ770
②アマゾン1602
①÷②48%
時価総額(10億ドル)
①テンセント643
②フェイスブック754
①÷②85%
時価総額(10億ドル)
①バイドゥ43
②グーグル1010
①÷②4%


前回記事は以下。

バイドゥは割安に放置されている?①

バイドゥは割安に放置されている?②

バイドゥは割安に放置されている?③~バイドゥの広告収入はなぜいまいちなのか?~

今回は、バイドゥが今後の柱として期待している動画配信サービス(iQiyi)と自動運転についてみていきます。

<動画配信サービス(iQiyi)>

まずは、iQiyiの業績を見ていきましょう!

売上高推移
(単位:百万人民元)
iQiyi rev_20201006

売上高前期比
iQiyi rev zenkihi_20201006

事業利益
(単位:百万人民元)
iQiyi pat_20201006

ここから読み取れることは以下。

・売上高は伸びている。

・ただし、前期比伸び率は年々鈍化。

・売上高の頭打ちが見える中、赤字は拡大する一方で、一向に黒字化のめど立たず。

成長分野としてはかなり厳しい印象です。

これらの背景には、動画配信サービスの競争激化が挙げられます。

動画配信サービスの大手は、バイドゥのiQiyi、テンセントのTencent Video、アリババのYoukuです。

この3社でシェアの8割ほどを占めるといわれます。

但し、動画配信サービスでは、有料コンテンツをそろえないと顧客が獲得できないためそのためのコストが莫大にかかる上に、競争激化の中利用料を値上げすることも難しいという、泥沼の展開になってしまっています。

また、テンセントもアリババも動画配信サービスの売上は成長率は鈍化傾向にあり、業界全体が飽和状態に陥りつつあることがわかります。

iQiyiを成長領域とみて巨額の投資を行っているバイドゥですが、黒字化すら危ういのでは?というのが筆者の印象です。

中国は外資規制が強く、競争にさらされにくい印象でした。

現に、バイドゥの検索、テンセントのSNS、アリババのEコマースは、海外大手のビジネスモデルを模倣することで圧倒的な利益を上げてきました。

しかし、近年の中国は国内プレイヤーが乱立し、特に新領域での上記大手三社の競争は激化しており、なかなか利益を上げずらい状況が続いているというのが現状化と思われます。

<自動運転)>

次に自動運転です。

Navigant Research社による、自動運転業界の総合評価を見てみます。
右上の企業がいわゆる業界の先頭を走っている企業ということになります。

Appolo _20201006
出典:Navigant Research

総合トップはGoogleのWaymoですが、”Leaders”の4社の中になんとバイドゥも含まれているのです。

マップ全体を見渡してみても中国企業はバイドゥのみ。

中国ではアリババやテンセントに加え、AutoX、Pony.AI、DiDi等も自動運転には取り組んでいるのですが、この分野ではバイドゥが頭一つ抜けていることがわかります。

また、米カリフォルニア州車両管理局(DMV)の「2019年自動運転解除レポート」(試験中に自動運転システムの故障などが生じたために実行された自動運転解除回数を少ない順にランク付け)によると、バイドゥはWaymoを抑えてトップに立っています。

技術力の高さが見られます。

ちなみに自動運転の技術進歩の進捗を見ていく上でよく使われる「レベル1~5」とは以下の意味で使われています。

自動運転_20201006
出典:国土交通省

現在レベル3までは実用化レベルに達しているものの、法整備の問題で実現が先送りされている状況です。

そしてレベル4に関しては、Waymoが2018年12月に世界で初めて、有料の自動運転タクシーサービスを米アリゾナ州フェニックス周辺で提供開始。

そしてそれに続いたのがバイドゥ。

バイドゥは2020年4月20日、中国の湖南省長沙市で一般向けの自動運転タクシーの提供を開始することを発表しました。

中国における一般向けの自動運転タクシーサービスとしては初とみられ、当面は無料でサービスを提供予定。

バイドゥはさらに、2020年9月、中国・重慶のテストルートにて中国で最初の自動運転レベル4搭載のバスをデビューさせたことを発表した。

報道によれば、安全ドライバーを乗せずにリモート監視で運行され、実際に乗客を乗せて7つの停留所間を走行する模様。

ここまで見ていくとバイドゥの自動運転技術はかなり最先端を行っていることがわかります。

バイドゥが自動運転分野でここまで先頭を走れたのはその戦略の優位性にあります。

バイドゥは2017年4月に自動運転車向けのソフトウェアプラットフォームをオープンソース化するプロジェクト「Project Apollo=アポロ計画」を発表しました。

アポロ計画は、バイドゥが「アポロ」と名付けたAIを活用し自動運転を制御するソフトウェアの技術情報をオープン化したプラットフォームサービスで、HDマップサービスや自動運転シミュレーションエンジン、深層学習アルゴリズムなどのリソース共有を行うことができ、開発スピードを早めることを意図したものです。

これががっつりはまって今のバイドゥがあると言えますし、パートナー企業が既に130社以上いるため、かつてスマートフォンOSで同じ戦略をとってグーグルのAndroidが市場を席捲したように、バイドゥの自動運転技術がこの巨大市場をがめていく可能性も否めません。

STOP

ここまで見ていったときに果たしてバイドゥを買いたいかどうか?

・今まで見てきた通り、バイドゥの検索をコアとした広告収入というのは成長性が見込めない。

・積極投資している動画配信サービスも競争激化と市場飽和で黒字化すら危うい状況。

・つまりバイドゥの将来は、今のところかなりうまくいっている自動運転にゆだねられているといえる。

よって、自動運転にかけて将来の大きなリターンにかけてみたいという投資家は投資してみてもいいと思いました。

今の株価は自動運転の成功を全く織り込んでないと思いますので。

以上

りろんかぶお

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※当ブログで紹介する理論株価は、いくつかの前提条件をりろんかぶおが独自に設定している為、その前提条件次第では計算結果が異なってきます。また当ブログは、投資に関する情報を掲載していますが、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。また、読者が当ブログの情報を用いて行う投資判断の一切について責任を負うものではありません。



[ 2020/10/13 12:00 ] 7.企業研究 | TB(-) | CM(0)

バイドゥは割安に放置されている?③~バイドゥの広告収入はなぜいまいちなのか?~

バイドゥロゴ_20201006


中国のGoogleといわれるバイドゥ。

最近は中国版NetflixといえるiQIYI事業を開始し、いわば中国版Google + Netflixといえます。

そんなバイドゥですが以下を見てわかる通り、中国版アマゾンであるアリババ、中国版Facebookであるテンセントと比べると以上に時価総額が低いのです。

2020/10/6付
時価総額(10億ドル)
①アリババ770
②アマゾン1602
①÷②48%
時価総額(10億ドル)
①テンセント643
②フェイスブック754
①÷②85%
時価総額(10億ドル)
①バイドゥ43
②グーグル1010
①÷②4%


前回記事は以下。

バイドゥは割安に放置されている?①

バイドゥは割安に放置されている?②

今回は、バイドゥの広告収入はなぜいまいちなのかを分析していきたいと思います。

<バイドゥの広告収入はなぜいまいちなのか?>

前回の記事で、バイドゥの主力である検索エンジン含むBaidu Coreでの広告収入は、コロナの影響が大きく出る前の2019年で既に前年対比4%減少してしまっています。

同じようなビジネスモデルであるGoogleは2019年でも広告収入だけで16%の伸びを示しているのでバイドゥの業績は何とも違和感があります。

2019年は中国経済の減速があったとは言え、年率6.1%では成長しており、これは世界平均3.0%をはるかに上回ります。

ここでは、バイドゥの広告収入がいまいちの原因を数字を見ながら突き止めていきます。

まず、世界における検索エンジンシェアはどうでしょうか?

検索エンジンシェア_20201006
出典:Statcounter

全世界のマーケットシェアでいうとGoogleが圧倒的です。バイドゥはわずか1.14%。

但し、バイドゥの主戦場は中国国内なので、次に中国での検索エンジンマーケットシェアを見てみましょう。

検索エンジンシェア_20201006
出典:Statcounter

中国国内では、バイドゥのシェアは74.95%と圧倒的地位にあることがわかります。

2017年時点でいうと、中国のGDPは全世界の15%に当たります。

全世界の15%のGDPを持つ中国で圧倒的なシェアを持っているのに、広告収入ではGoogleのわずか8%ほどしか稼げていないのは不思議です。

中国では広告費自体が大きくないのか?

ということで、世界の広告費と中国の広告費を見ていきます。

広告費世界_20201006
広告費中国_20201006
出典:eMarketer

2019年の広告費実績を見てみると、中国で使われている広告費は世界の合計広告費に対してなんと24%に当たります。

そうすると、やはり中国市場で圧倒的なシェアを持っているバイドゥの広告収入がGoogleよりはるかに見劣りするのは、疑問がさらに深まります。

この疑問を解決するために、さらに、中国の広告収入占めるバイドゥのシェアを確認してみます。

広告収入シェア中国_20201006

バイドゥのシェアは赤枠部分ですが、近年シェアを徐々に落としており、2019年は17%となっています。

一方で、2019年の米国でのGoogleの広告収入シェアは31.6%といわれております。
https://www.marketwatch.com/story/googles-us-ad-revenue-projected-to-fall-this-year-emarketer-says-as-facebook-amazon-gain-share-2020-06-22

Googleのライバルは同じくグローバル企業のフェイスブックやアマゾンなどですから、全世界の広告収入シェアも大体似たようなものと考えると、ここでバイドゥと更に大きな差が生まれてしまっていることがわかります。

バイドゥは検索エンジンの分野で約75%のシェアを誇るのに、なぜ広告収入シェアがここまで低いのでしょうか?

中国国内の広告収入シェアの内訳をみると、近年急速にシェアを挙げているのがTiktokを運営するBytedanceです。

ここから読み取れることは以下です。

従来は、オンライン上での活動に占める「検索」の位置づけは非常に大きなものでした。

一方、近年ではオンライン上の活動が多様化し、SNSに始まり、直近で勢いがあるのが動画です。

よって、「検索」が占める重要性が相対的に落ちてきているという事実があります。

広告主は当然、オンライン上で多くの人が集まるところに広告を出したいと思うので、検索を主軸にするバイドゥの広告収入がいまいちなのも納得できます。

GoogleはYoutubeなどでうまく時代の流れに対応してきましたが、バイドゥは動画に関しては競合他社に出遅れています。

ここが、バイドゥの広告収入がいまいちの原因といえるでしょう。

STOP

・とは言え、バイドゥは中国版NetflixといえるiQIYIや今後大きな市場になるとみられる自動運転でも、中国国内のリーダーであります。

・次回は、この二つの重要なビジネスの今後の展望について分析していきます。

次回に続く。

以上

りろんかぶお

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[ 2020/10/09 11:37 ] 7.企業研究 | TB(-) | CM(0)

バイドゥは割安に放置されている?②

バイドゥロゴ_20201006


中国のGoogleといわれるバイドゥ。

最近は中国版NetflixといえるiQIYI事業を開始し、いわば中国版Google + Netflixといえます。

そんなバイドゥですが以下を見てわかる通り、中国版アマゾンであるアリババ、中国版Facebookであるテンセントと比べると以上に時価総額が低いのです。

2020/10/6付
時価総額(10億ドル)
①アリババ770
②アマゾン1602
①÷②48%
時価総額(10億ドル)
①テンセント643
②フェイスブック754
①÷②85%
時価総額(10億ドル)
①バイドゥ43
②グーグル1010
①÷②4%


前回は、バイドゥの事業内容について分析しました。

バイドゥは割安に放置されている?①

今回は、業績を見ていきたいと思います。

<バイドゥの業績>

rev_20201006.png
cf_20201006.png
rev kousei_20201006


Baidu Core:検索エンジンやAIビジネスなどのiQIYI以外のセグメント
iQIYI:動画配信サービス

seg_20201006.png
seg income_20201006
出典:全てマネックス証券

<決算分析>

・2019年12月期の売上高はUS$15.4 billionと前年対比5%増。内訳は以下。

→Baidu Coreでの広告収入はUS$10.1 billionと前年対比4%減。ヘルスケアやファイナンシャルサービス分野での広告収入の減少が足を引っ張った。
→iQIYIでの広告収入はUS$1.2 billionと前年対比11%減。中国国内景気の減速、コンテンツ納品の遅れ、広告ビジネスの競争激化が主因。
→広告収入以外の収入はUS$4.2 billionと前年対比44%増。主にiQIYIの定期課金収入、クラウド、スマートデバイスが好調だったことが主因。

・売上の伸びが弱い中、売上原価はUS$9.0 billionと前年対比21%増。クラウドやデバイスの売上増に連動したコスト増に加え、iQIYIのコンテンツコスト増、トラフィックアクイジションコスト増(バイドゥの広告を張り付けてくれるブロガーなどへの支払い)、帯域幅コスト増などが主因。

・営業利益はUS$906 millionと前年対比59%減、純利益はUS$296millionと前年対比93%減。売上に対しコストが大幅に増加したことが主因。

STOP

・2019年12月期の広告収入だけでいうと、バイドゥがUS$11.3 billionに対し、GoogleはUS$134.8 billionと圧倒的です。

・次回は、同じような企業なのにこれほどまでに収入格差が生まれてしまっているのかについて分析していきます。

次回に続く。

以上

りろんかぶお

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[ 2020/10/08 11:47 ] 7.企業研究 | TB(-) | CM(0)

バイドゥは割安に放置されている?①

バイドゥロゴ_20201006


中国のGoogleといわれるバイドゥ。

最近は中国版NetflixといえるiQIYI事業を開始し、いわば中国版Google + Netflixといえます。

そんなバイドゥですが以下を見てわかる通り、中国版アマゾンであるアリババ、中国版Facebookであるテンセントと比べると以上に時価総額が低いのです。

2020/10/6付
時価総額(10億ドル)
①アリババ770
②アマゾン1602
①÷②48%
時価総額(10億ドル)
①テンセント643
②フェイスブック754
①÷②85%
時価総額(10億ドル)
①バイドゥ43
②グーグル1010
①÷②4%

今回は、なぜバイドゥはアリババやテンセントのように米国の模範企業であるGoogleの時価総額に全く追いつけていないのかについて分析してみます。

<バイドゥは何をやっている会社か?>

まずは、バイドゥが具体的にどのような事業を行っているかを事業ごとに見ていきます。

I. Search and Feed

A. ユーザー向けサービス

①検索エンジン(中国国内シェアは69%(2020年5月時点))
https://cluster-seo.com/blog/search-engine-seo.html#outline__2_3

②ショートムービーアプリ(Haokanは中国内5番手で出遅れ感あり。最大手はTiktok)
https://www.cbn.co.jp/archives/3934

③知見・情報集約サービス(ヤフー知恵袋のようなウェブ上Q&Aサービスや中国版ウィキペディア、ツイッターのようなSNSサービス)

④その他(地図アプリ等)

B. 顧客向けオンラインマーケティングサービス

①P4P(Pay for Performance):検索結果のページに顧客の広告リンクを表示させ、ユーザーのクリック数に応じてバイドゥが報酬を受け取るもの

②Non P4P:クリックベースではなく、CMのようにユーザーがその広告をみた時間に応じてバイドゥが報酬を受け取るもの

C. パートナー向けサービス

第三者のウェブサイトなどにバイドゥの検索サービスなどの使用を認める代わりに、そのウェブサイト上に広告を提示させてもらうことで、広告収入の最大化を図るもの。グーグルアドセンスのようなもの。

II. New AI Business

①会話式AI(スマートスピーカー等)

②自動運転(2017年に中国政府から「AI×自動運転」事業を国策として受託)

③クラウド(アリババ、テンセントに次ぐ、3番手)
https://jp.techcrunch.com/2020/03/20/2020-03-18-chinese-cloud-infrastructure-market-generated-3-3b-in-q42019/

III. iQIYI

ネットフリックスのような動画配信サービス

STOP

・事業内容を見ると、まさにグーグルのようにオンラインサービスを幅広く手掛け、主に広告収入で稼ぐビジネスモデルになっています。

・それに加え、自動運転やクラウドにも取り組んでいるのもグーグルと同じ。近年はiQIYI(動画配信サービス)にかなり力を入れているのはグーグルと異なるところ。

・基本的には、ダントツのシェアを誇る検索サービスと、ユーザー数1位で力も入れているiQIYI、さらには中国政府から国策として受注している自動運転が大きな柱の企業といえそうです。

次回に続く。

以上

りろんかぶお

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[ 2020/10/06 12:10 ] 7.企業研究 | TB(-) | CM(0)

そろそろ今一番やられている銘柄を買おう~石油企業編~

石油企業_20200918


今まで怒涛の勢いで上昇してきたハイテク銘柄が高値圏でもみ合いを続ける中、
そろそろコロナ禍で最もやれていた銘柄に目を向けてもいい時期かもしれません。

なぜ今か?

それは以下三つの理由があります。

①雇用統計などに見る景気の回復が鮮明になってきた。

②10月以降、ワクチンの臨床試験結果が見えてくる。

③最も悲観されている業界にこそ、最も大きなチャンスがある。


さて、それでは、コロナによって今一番やれている業界とはどこか?

航空会社、石油会社、銀行、飲食店、etc

今回はその中でも石油会社について考察してみます。

<石油会社の現状>

石油企業の株価は大きく低迷しています。

S&P 500 Energy Sector Index
石油企業kabuka_20200918

この原因は、コロナにより人々が移動しなくなったために、石油需要が落ちて原油価格が暴落したためです。

WTI原油先物価格
石油kakaku_20200918

世界を代表するエクソンモービル、シェブロン、ロイヤルダッチシェルなどの石油企業の業績回復のドライバーは原油価格の回復にかかっています。

では、原油価格が元に戻るためには何が必要なのでしょうか?

原油価格は需給に大きく左右されるため、落ち込んだ需要が戻ってくれば原油価格も定常状態に戻ってきます。


2019年の平均原油需要が日量約1億バレルだったのに対し、2020年2Qは15%下落し、日量8500万バレルまで減少。


但し、2020年8月時点の需要は日量9400万バレルまで回復。


既に需要はかなり回復してきています。


更に、米国エネルギー情報局によると、今後順調に石油需要は回復していき、2021年3Qには日量約1億バレルを回復する見通し。

石油juyou_20200918

つまり原油需要は、現在既に回復局面にあり、将来に関しても明るい見通しが見えてきているものの、株式市場の資金がハイテク銘柄に一極集中していたため、石油企業は割安に放置されたままです。


絶好の買い場の可能性ありです。

以上

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りろんかぶお







[ 2020/09/18 11:51 ] 7.企業研究 | TB(-) | CM(0)

クラウド関連企業にも終わりが近づいる

クラウド企業終焉_20200910


現在、株式市場で大きな注目を集めているクラウド関連企業!

但し、巨額の利益を上げ、株価も暴騰するという今の状況は終焉に向かっていると思います。

<なぜクラウド企業が注目を浴びてきたか>

まず、なぜクラウド企業が注目を浴びてきたかというと、企業の急速なデジタル化という追い風もあると思いますが、やはりクラウドでサービスを提供するということに一種の革新性があったからだと思います。(この革新を支えたのは通信環境の向上)

企業の社内システムで考えると、従来はどこかのシステムベンダーからシステムを購入して、その会社に適したシステムを構築するというものでした。

しかしシステムを導入した会社は、日々のテクノロジーの進化に置いて行かれないためには定期的な更新(買替え)が必要でした。

一方で、クラウドは社内にシステムを構築するのではなく、クラウド企業が持っているシステムに利用者がネットを通じてアクセスしにいって、その利用料を定期的に支払っていくというものです。

クラウドの場合は、社内にシステムをもつわけではなく、クラウド企業側で適宜アップデートした最新のシステムを常に利用できるので、従来のように買替で巨額のシステム購入費を払う必要もないですし、急にシステム利用が不要になっても損をすることがありません。

このような利便性もあり、クラウドの最先端を走るアマゾンやマイクロソフトはクラウド事業により巨額の利益を手に入れてきました。

<クラウド企業の躍進は今後も続くのか?>

ただ、巨額の利益を手に入れられたのは、クラウド事業に特有のことなのでしょうか?

実はそんなことはありません。

資本主義というのは非常によくできていて、楽に儲け続けるというのは簡単ではないのです。

革新的な技術が登場する初期は、競争相手が従来の技術を基にした企業です。

アマゾンやマイクロソフトは革新的な技術により、従来の企業より大幅にコストを抑制できる一方、価格設定は従来企業の提示価格を少し下回る水準に設定すれば集客できるので、大きな利益を確保することができます。

これが2010年代のアマゾンやマイクロソフトです。

一方で、最近の米国のIPOを見てると、とにかくクラウド企業ばかりです。
既存のIT企業もどんどんクラウドに進出しています。

つまり、今はクラウドがスタンダードになった時代なのです。

すると、今度はコスト構造が同じであるクラウド企業同士の競争になるので、競争の結果、価格設定はコストをやや上回るレベルまで下がっていき、これまで得ていた巨額の利益を確保することは難しくなっていくのです。

よって、クラウドであれば何でも儲かるという時代は終焉しつつあり、今後は各社の熾烈な価格競争が始まります。

当然既に市場シェアを押さえているアマゾンやマイクロソフトは競争上優位ではありますが、新手のクラウド企業がどんどん安くて便利なサービスを提供していくことを考えれば、両社の利益も近年のようなうなぎのぼりは見られなくなることは火を見るよりも明らかです。

以上

りろんかぶお

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[ 2020/09/10 11:18 ] 7.企業研究 | TB(-) | CM(0)

ソフトバンクGの米国株保有銘柄が明らかに(2020年6月末時点)

孫正義_20200819


ソフトバンクグループ米国株投資先(2020年6月30日時点)

PF_20200819.png

※SBGのSEC提出資料参照
※SBG本体の有価証券保有銘柄のため、SBGの子会社(ソフトバンクやアーム)や関連会社(アリババ等)、ビジョンファンドの保有銘柄などは含まず。
※T-Mobileは6月以降の大量売却で関連会社からは外れているが、いまだに大型保有($13.6billion)のため上記円グラフからは除く。(下記表には含む)


会社名保有時価
(百万ドル)
2020年6月末時点
T-MOBILE US13648
AMAZON1044
ALPHABET475
ADOBE249
NETFLIX189
MICROSOFT183
NVIDIA181
TESLA123
SHOPIFY114
PAYPAL HLDGS111
DOCUSIGN109
ZOOM VIDEO109
SQUARE109
SPOTIFY TECHNOLOGY S A107
PAYCOM SOFTWARE100
SERVICENOW96
PINDUODUO87
ETSY81
OKTA74
MERCADOLIBRE72
SPLUNK64
SEA58
MATCH GROUP58
BILIBILI29
TAL EDUCATION GROUP26
IQIYI20
合計17518
合計(T-Mobile除く)3870


りろんかぶおコメント

・ソフトバンクは今期1Q決算発表の際に、余剰資金運用のための投資運用子会社の設立を発表。
SBG運用会社_20200819

・同子会社の資本金が555百万ドルである一方、上記ポートフォリオの時価は3870百万ドル故、同子会社からの投資のみでない可能性もありますが、いずれにしても目的はSBGの余剰資金運用です。

・孫さんは決算発表の際に、これらの資金はいつでも現金化できるように流動性の高い上場銘柄を対象にし、既にテスト的に30社ほどに投資をしているとコメント。

・保有銘柄を見ると、Amazon、Alphabet(Google)、Microsoft、Tesla等、いわゆる超人気のIT銘柄がほとんどです。これをみて、「孫さんもそこら辺の個人投資家と変わらん」などという人もいますが、現在は「テスト的に」投資している段階と自身もコメントしており、すぐに売却できるものか等、流動性の面を一般的な銘柄で確かめているフェーズと推察します。

・SBGは今までは未上場のAI関連企業に投資することがほとんどでしたが、今後は上場銘柄の中からもこれと思った企業には巨額投資を行って、現在アリババ一本足打法のSBG保有アセットを多様化していくものと思われます。まさにIT界のバークシャーハサウェイになろうとしているということですね。今後孫さんがどのような上場企業に投資していくのかは見物です。

以上

りろんかぶお

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[ 2020/08/19 10:18 ] 7.企業研究 | TB(-) | CM(0)

キンダーモルガンの企業分析

rogo_20200727.png


<企業概要>

キンダー・モルガンは、北米最大の中流エネルギー会社の一社。
北米にて天然ガス、原油、石油製品、天然ガス液、二酸化炭素の輸送、貯蔵、加工事業を行う。
主力は天然ガスパイプラインの保有・リース業。

<セグメント>

1.天然ガス輸送(売上比率:62%)
・~70,000マイルのガスパイプライン保有
・659 bcfの貯蔵設備保有
・米国で消費・輸出される天然ガスの約40%の輸送を担う

2.石油製品輸送(同15%)
・~6,800マイルの石油製品パイプライン保有
・~3,100マイルの原油パイプライン保有

3.ターミナル(同14%)
・147の貯蔵設備保有(石油製品、化学品、etc)
・16隻の輸送船保有

4.CO2輸送(同9%)
・CO2を油田に注入して圧力を高め、油田から原油を吸い上げやすくする手法があり、そのためのCO2を輸送するパイプラインを保有

<ビジネスモデルの特長>
契約形態_20200727
出典:KMI決算資料

・売上の68%は"Take or Pay"という固定収入が得られる契約。24%が処理量に応じた収入。売り上げの68%が固定収入ということで非常に安定した業績が見込める。Take or Pay契約の平均残存年数は7年。

・ビジネスモデル上、基本的にガス価格や原油価格には左右されないものの、価格が下がっている時は需要が落ちている時であり、そうすると処理量に応じた収入の部分は減収となる。

・輸送パイプライン自体は技術的難易度が高いわけではないものの、地下にパイプラインを通すには政府の許可が必要であり、輸送に効率的なルート及び許可の取りやすいルートを既に抑えてしまっていることが、他社に対する競争優位性になっている。

<マクロ環境>

米国内のエネルギー生産量内訳
energy outlook_20200727
出典:米国エネルギー情報局(EIA)

米国内のガス消費量内訳
ガス消費内訳_20200727
出典:米国エネルギー情報局(EIA)

・地球温暖化問題への意識が高まる中、化石燃料の中では比較的CO2排出量が少ない天然ガスの需要は今後も堅調に伸びていくことが予想される。

・消費の内訳で見ると、工業向けとガス火力発電向けがメイン。

・ガス需要が活性化することは、その輸送を手掛けるキンダーモルガンには追い風。

<業績>
出典:全てマネックス証券

売り上げ_20200727
CF_20200727.png
セグメント_20200727

<理論株価>

DCF法による理論株価:7.72ドル(2019年12月末時点)

<著者コメント>

・既にルートを抑えているという競争優位性及び、売上の68%は固定収入という点は非常に魅力的。

・化石燃料関連のビジネスだが、主力の天然ガスに関して言えば今後も需要増のに見通しで問題なし。

・ただし、インフラ設備を伴う事業故に、IT企業のように急激に売り上げが伸びるようなことは見込めない。

・よって割安価格で買うことが重要なるも、理論株価やPERを見ても割安とは言えない。

以上

りろんかぶお

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[ 2020/07/27 18:22 ] 7.企業研究 | TB(-) | CM(0)

アリババの企業研究~中国オンライン市場の覇権を取った企業~

アリババ_20200714


1.企業概要

アリババは、オンラインおよびモバイル向けの商取引サイトを展開。
2019年3月期の総取引額(GMV)は5兆7,000億人民元($8,460億)と世界最大規模。
タオバオ(C2C)や天猫Tmall(B2C)など、中国最大級の電子商取引市場を運営。

引用:マネックス証券

2.企業理念

①Mission

ビジネスをどこでも簡単にできるようにすること
“Our mission is to make it easy to do business anywhere.”

②Vision

商取引の未来のインフラを作ること。
“We aim to build the future infrastructure of commerce.”

2036年までに
・顧客を世界で20億人に
・1000万のビジネスを利益を出せるように
・1億人に雇用を創出

③Values

第一に顧客、第二に従業員、第三に株主
信用が全てをシンプルにする
変化が唯一の安定
今日のベストパフォーマンスは明日のベースライン
今でなければいつやる?自分でなければ誰がやる?
本気で生きて、楽しく働く


3.ビジネスセグメント概要

①Core Commerce

消費者向 – 中国

Taobao Marketplace: China’s largest mobile commerce destination C2C。ヤフオク、メルカリのイメージ。
Tmall: third-party online and mobile commerce platform for brands and retailers B2C。アマゾン型ではなく楽天型。在庫は持たず場の提供だけ。

法人向 – 中国

1688.com:TmallのB2B版。マーケットプレイス。

消費者向 – 中国-外国間、外国

Lazada:東南アジアのEコマース。(海外→海外)
AliExpress:Cross-borderビジネス。海外顧客が中国から購入できるサービス。(中国→海外)
Tmall Taobao World:海外居住中国人が中国から製品を購入できるサービス。(中国→海外)
Tmall Global:海外ブランド等が中国顧客にリーチするためのサービス。(海外→中国)
Trendyol:トルコのEコマース
Daraz:パキスタンとバングラデッシュを含む南アジアのEコマース。

法人向 – 中国-外国間、外国

Alibaba.com: 国際オンラインマーケットプレイス

物流

Cainiao Network:物流のデータプラットフォーム。顧客の物流効率化のためのアドバイスやデータ提供を行う。在庫管理、購入履歴管理、最適な輸送ルート等のデータを駆使して取引の一連の流れを効率化。

消費者向サービス

Ele.me:オンデマンドデリバリー
Koubei:オンラインレストランプラットフォーム
Fliggy:オンライントラベルプラットフォーム


②Cloud Computing

Alibaba Cloud:企業向けにクラウドサービス(データベース、アプリケーション、ストレージ、セキュリティ等)を提供。更に、自社のEコマースシステムをクラウドに移行中。

③Digital Media and Entertainment

Youku:中国第三位の動画共有・配信サイト。中国版Youtube。バイドゥ、テンセントの参入で競争激化し、存在感は低下。
Alibaba Pictures:国内や海外の映画作品への投資・製作をはじめ、オンラインでのチケット発券サービスの提供、映画作品のマーケティング・配給のサポート事業


④Innovation Initiatives

Amap:中国最大の地図アプリ。中国版Google Map
DingTalk:ビジネス向けのコミュニケーション·コラボレーションプラットフォーム。メッセージ、チャット、ビデオ会議等。
Tmall Genie:中国一位のスマートスピーカー

⑤その他

Ant Group:アリペイで知られる決済サービスに加え、資産管理、少額融資、保険などの金融スサービスも提供。アリババは33%出資。



4.セグメント業績
出典:アニュアルレポート

部門別売上高_20200714

部門別EBITDA_20200714


5.コメント

・アリババはアマゾン型ではなく楽天型(自社で在庫は持たず場の提供だけ)。

・主力のCore Commerceが売上高の86%を占める。前年対比35%増加しておりまだまだ伸びている。

・中でも注目は物流のCainiao。というのも、楽天に対するアマゾンの強みが物流(購入から到着までのスピード感)であるように、アリババにとっても物流は超重要。アリババは自社の直販ではないものの、巨大な物流データを基にした良質の物流プラットフォームを持っており、ここがアリババに大きな付加価値を生み出している。Cainiaoの売上は前年対比50%増加しており、今後も期待。

・更に次の注目はクラウド。中国のクラウド市場はまだまだ伸びることが予想され、中国市場の1位のアリババには今後も期待できる。

中国クラウド_20200714


以上

りろんかぶお

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[ 2020/07/14 12:28 ] 7.企業研究 | TB(-) | CM(0)

ボーイング株は買い時なのか?③

737MAX_20200324.png


前回に引き続き「ボーイングは買い時か?」ということについて詳細に調べていきます。

ボーイング株は買い時なのか?①
ボーイング株は買い時なのか?②

3. 737MAXは信頼を回復できるか?

737MAXの信頼を回復できるかを調べる上で、過去の同様ケースでの状況について調べてみました。

2000年以降で見ると、世界中で航空機の一時運航停止となったのは一度だけありました。2013年のボーイング787です。

2013年1月7日、JALのボーイング787がフライトを終えた後、駐機中に機体内部の電池が発火しました。続いて、同年1月16日、今度はANAの同型機の電池が飛行中に発火しました。同機は緊急着陸を行い、幸い人的被害はゼロでした。

この連続したトラブルを受け、アメリカ連邦航空局 (FAA) が耐空性改善命令を発行して同型機に対し、運航の一時停止を命じ、世界各国の航空当局に対し同様の措置をとるように求めたのです。

この時は3か月後の2013年4月には、FAAから運航再開に関する許可が下り、その後世界的に運航が再開されました。

当時は、737MAXの事故とは違って人的被害が出ていなかったので、ボーイングの顧客となる航空会社や、実際の利用者の心理に与える不安は限定的であったとは思うのでその点は留意が必要です。

さて、その後の787の受注状況はどのように変わっていったのでしょうか?

大型民間航空機は実質ボーイングとエアバスの寡占市場になっています。よってここでは、ボーイング787のライバル機といわれるエアバスのA350との新規受注シェアの推移を見ていきたいと思います。

Boeing 787 と A350の新規受注シェア
(ボーイングとエアバスのHPを基に筆者にて作成)

787トラブル前の2012年と、トラブルが発生した2013年を比べると、ボーイングの新規受注シェアが5%程下がっています。

やはり、トラブル発生に伴い、一定程度の需要がライバル機に流れたことがわかります。

但し、翌年の2014年は前年と横ばいですが、2015年にはBoeing 787がシェアを一気に逆転していますね。こう見ると、2013年に傷ついた信頼は2015年には忘れらているかのように見えますね。

以下は、ボーイングとエアバスの全ての機体の受注シェア推移です。
受注シェア_20200324
出典:日本航空機開発協会

近年はおよそ50%ずつのシェアをとっていることがわかりますね。

プレイヤーがほぼボーイングとエアバスに絞られるので、航空会社としてはリスク分散の意味で、両メーカーの機体を保有するという流れがあります。

これらを踏まえると、今回のような737MAXの事故を受けて、一時的にエアバスのライバル機に需要が流れる可能性はあるものの、将来同じような事故がエアバス機で起こる可能性も十分にあるので、リスク分散の意味から航空会社がボーイングとエアバスの両方を保有する体制に再び収束していくのではないかと見込まれます。

つまり、寡占市場ゆえに長期的な737離れということにはならないのではないかと考えられます。(航空会社からしても、航空機メーカーが1社独占になってしまうと航空会社側の価格交渉力がなくなってしまう)

ちなみに以下は、最近10年間の飛行機事故と死者数の推移です。

事故件数_20200324
事故死者数_20200324

(Wikipedia掲載の数字を基に筆者にて作成)

737MAXの事故については、特定の航空機にシステム上の問題があったことで、問題が大きく取り上げられていますが、これを見ると、実は飛行機事故というのは我々が認識していないだけで、1月に1回くらいのペースで起こっており、毎年400人くらいの死者が出ていることがわかります。

飛行機事故はその頻度の多さからディアにもあまり取り上げられていないのが実情で、一般庶民からすると、今回の737MAXのような大勢の死者がでた事故を目にするとかなり敏感に反応してしまいます。

一方で日頃航空機事故のニュースに触れている航空会社の人たちの感じ方はまた少し違ったものであると考えられるでしょう。

つまり航空会社の購買担当者目線でいうと、737MAXの事故は数ある事故の中の一つであり、ボーイングがしっかり対応する限りにおいて、長年のボーイングへの信頼が今回の件で総崩れするということはないのではないでしょうか。

4. コロナショックで考えられる長期的な影響は?

次にコロナショックの影響です。

コロナウイルスの世界的な感染拡大により、国外への渡航が大幅に制限され、航空会社の収入が激減しており、資金繰りの問題から倒産懸念が急浮上しております。

既にイギリスの航空会社フライビーは先日倒産しました。

ボーイングに関しても、昨年から続く737MAX問題でキャッシュフローがかなり細っているはずで資金繰りが心配されています。但し、米政府からの大規模な支援策が盛り込まれた法案が間もなく議会を通過するとのことで、一先ずボーイングの倒産懸念はやや遠ざかりました。

考えてみれば、米国航空産業の頂点にいるボーイングが倒産してしまうとその下請けの企業が全て連鎖倒産ということもありえ、政府はそういった事態を避けるために必ずボーイングを救済するでしょうから、ボーイングの倒産というのはかなり確率の低い話だと思います。(日本でトヨタをつぶすようなもの)

また、コロナウイルスによる旅客需要は一時的なものですから、長期的に考えれば必ず需要は元の水準に戻ってきます。

よって、倒産懸念が低いと考えることができれば、コロナウイルス感染拡大の影響による株価下落分というのは長期的には取り返す確率が高いと思っております。

但し、ボーイングの顧客に当たる航空会社の財務基盤はかなり痛むと思うので、当面は航空機需要の冷え込みもあるでしょうし(需要の先送りですが)、ボーイング株価の戻りはゆったりしたものになるかもしれません。

STOP

以上をまとめると以下のことが言えるでしょうか。

・ボーイング737MAXの信頼回復という点では、一時的にエアバスのライバル機に需要がとられる可能性はあるものの、エアバスとの寡占市場という性質上、航空会社もリスク分散の意味で両メーカーを持っておきたい意向が働き、長期的に見れば737MAXの需要も戻ってくる可能性が高い。

・コロナの影響は、短期的な資金繰り不安を乗り越えられるかという点が焦点。これに関しては、巨大な航空産業の頂点にいるボーイングが仮に倒産した場合、産業全体に与える影響が大きすぎる為必ず米政府が救済するであろうことは容易に想像できる(そして実際にボーイング救済を盛り込んだ法案が議会を通過しようとしている)。これを考えれば、資金繰りに関しては心配しすぎる必要なく、長期的には旅客需要も元に戻ってくるはずなので、コロナに起因する株価下落分は取り返す確率が高いと考える。

以上

りろんかぶお

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[ 2020/03/26 14:29 ] 7.企業研究 | TB(-) | CM(0)

ボーイング株は買い時なのか?②

737MAX_20200324.png


前回に引き続き「ボーイングは買い時か?」ということについて詳細に調べていきます。

ボーイング株は買い時なのか?①

2. 737MAXの生産停止がボーイングの業績に与える影響は?

① ボーイングの2019年決算

まずボーイングには主に以下4つのセグメントがあります。

-------------------------------------

1. 民間用航空機
民間用航空機の製造、販売、及びアフターサービスの提供。

2. 軍事、防衛及び宇宙関連
軍事用航空機、防衛関連機器、宇宙航空関連製品(衛星、スペースステーション等)の製造、販売。

3. サービス&サポート
自社製品のメンテナンスやアップグレード等のサービス提供。

4. ファイナンスサポート
自社製品購入顧客に対する融資などを通じたファイナンスソリューションの提供。

-------------------------------------

中でも、収益の柱は民間用航空機セグメントで、このセグメントに737MAXも分類されます。

737MAX事故の影響を受ける前の2018年には、全体売上の6割をこのセグメントが占めていました。

そして注目の2019年決算は、売上高が$76,559百万ドルと前年対比24%減、純利益は636百万ドルの赤字に転落(前年は+10,460百万ドル)。

いずれも737MAX事故に伴う737MAXの引き渡し激減及び、同機運航停止に伴う顧客への補償費用(8,259百万ドル)の計上に伴うものです。

2019年業績は、127機の737MAXを引き渡ししており、全ての影響は把握しきれません。

そこで、737MAXがボーイングの中で元々どれくらい売上に貢献していくかを見ていきます。

② 民間航空機部門の商品ラインナップと737MAXの売上比率

民間航空機部門にて現在生産中の航空機は以下です。

737(生産中機体:MAX、座席数:126~230、価格:87.7百万ドル~113.3百万ドル)
747(生産中機体:8F、座席数:467~581、価格:332.9百万ドル~333.5百万ドル)
767(生産中機体:300、座席数:200~250程度、価格:143百万ドル~155百万ドル)
777(生産中機体:200LR、300ER、F、X、座席数:200~300、価格:262百万ドル~320百万ドル)
787(生産中機体:8、9、10、座席数:210~300、価格:185.2百万ドル~218.1百万ドル)

出典:Wikipedia

次に、これらの機体の納入実績は以下の通り。
737MAX納入実績_20200324

出典:ボーイングAnnual Report

事故が起こる前までのボーイング737MAXの売れ行きは圧倒的No 1です。

上述の価格も合わせて見ると、民間航空機部門売上のおよそ5~6割が737MAXであると考えられます。

ボーイング全体に占める民間航空機部門の売上比率は上述の通り6割程なので、事故前で考えると737MAXの売上はボーイング全体の売上高の3割~4割程度を占めていたと考えることができます。

③ 737MAXの運航停止・生産停止・運航再開時期は?

737MAXは2度目の事故の直後である2019年3月13日に、FAAが飛行差止を発表し、それ以降運航停止状態となっています。

未だにFAAによる安全審査が続いておりますが、ボーイングは2020年中旬に運航再開に必要な許可が下りると見込んでいます。

生産自体は、4月以降は52機/月から42機/月にペースを落とすにとどめていましたが、在庫が約400機にも積みあがってきたことから2020年1月から生産を完全に停止しました。

④ 受注キャンセル状況

ボーイングのAnnual Reportによると、2018年末時点の737MAX受注残高は4,708機でしたが、2019年末時点では4,398機になっております。

2019年に127機の納入を行っているので、少なくとも183機(4798-127-4398)のキャンセルが発生していることになります(2019年に新規受注もあったはずなので実際のキャンセル数はもっとあるはず)。

4%程キャンセルが出たことになりますが、逆に今のところそこまでの大けがにはなっていない印象です。

STOP

ここまでをまとめると以下の通りでしょうか。

・737MAXの売上比率は全体に対しておよそ3~4割とかなり大きい。

・現在完全に生産停止中なるも、2020年中旬ごろに運航再開のための許可が下りるとのボーイング予想。

・キャンセルは4%程出ているが、依然として4000機以上の受注残があり、これが引き渡されるのであれば今後数年のキャッシュフローは期待できそう。

次回は、737MAXは信頼を回復できるかという点を見ていきたいと思います。

以上

りろんかぶお

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[ 2020/03/25 16:36 ] 7.企業研究 | TB(-) | CM(0)

ボーイング株は買い時なのか?①

737MAX_20200324.png


現在コロナウイルス感染拡大の影響で相場全体が暴落しているところですが、とりわけ下げ幅がきついのがボーイングです。

2019年に400ドルを超えたものの、現在はその1/4まで値を下げました。

株価BA_20200324
(ヤフーファイナンス)

今回は、これまでのおさらいとして、なぜボーイングがここまで極端に大暴落しているのか?、今は買い場なのか?、という点を詳細に調べていきたいと思います。

1. なぜ大暴落しているのか?

① 737MAX事故

ボーイングが大暴落している理由の一つは、主力製品の737MAXの大規模事故が2回立て続けに起こったことに端を発しています。

2018年10月29日、インドネシアのジャワ海でライオン・エア610便(ボーイング737MAX 8型機、PK-LQP)が離陸後約10分で墜落し、乗客乗員189名全員が死亡しました。

そして、2019年3月10日、エチオピアのアディスアベバ、ボレ国際空港より離陸したエチオピア航空302便(ボーイング737MAX 8型機、ET-AVJ)が、離陸後約6分で墜落し、乗客乗員157名全員が死亡しました。

ボーイング737MAXは、半年の間に2回の大事故を起こし、どちらも乗員乗客全員死亡という大惨事となり、合わせて346名の人命が失われ、世界中に衝撃を与えました。

航空機事故はパイロットのミスによる事故の可能性もありますが、2つの事故の経緯があまりに酷似していたため、ボーイング737MAXの安全性が強く疑われることになったのです。

その後調査が行われ、2019年4月にボーイングのCEOから正式に、上述2つの大事故は、737MAXのソフトウェアシステムMCAS(Maneuvering Characteristics Augmentation System)に原因があったことを認め、謝罪をしました。

MCASとは何か?

ボーイング737MAXは737の第四世代(第一世代:737オリジナル、第二世代:737クラシック、第三世代:737ニュージェネレーション)といわれております。

737オリジナルの初飛行は1967年なのでかなりの歴史があります。

世代を経るごとに、燃費向上などの理由から徐々にエンジンの大型化が行われました。

しかし、737は当初ジェットエンジンの大型化を想定していなかったので、基本設計通り大きなエンジンをそのまま翼の下にぶら下げてしまうと地面とジェットエンジンの間に十分な距離を確保できなくなってしまいます。

そこで、エンジンを翼の真下にぶら下げるのではなく、翼よりもやや前方に出し、位置をやや上にずらすことで、エンジンと地面との距離を確保したのです。

737MAXエンジン_20200324

但しこうすることで新たな問題が発生しました。

エンジンを基本設計よりもやや前方かつ上方に持ってきたことで、飛行機が離陸する際に機体が斜め上に角度をとった時、その角度を必要以上に大きくしてしまう(機首が上を向いてしまう)方向に力が働いてしまうことがわかったのです。

機首が必要以上に上を向いてしまうと風の抵抗をもろに受けて失速してしまうので、これを修正するために導入されたのがMCASです。

MCASは2つあるセンサーが、機体の角度・対空速度・高度などを感知し、これらが閾値を超えた場合に作動し、尾翼を自動的に操作して機体を降下させるシステムです。

そして、ライオン・エアの飛行データ解析によれば、2つあるセンサーのうち1つが故障により誤った角度を示していたことで、MCASが機首が上がりすぎていると判断して下降操作を行い、上昇操作を行っていたパイロットとせめぎ合いになる形で墜落してしまったことが発覚しました。

ここまで聞くと、センサーの故障が原因だったのかと思うかもしれませんが、航空機は一事が万事につながるため、基本的には一部が故障していてもバックアップ機能が備わっているべきなのです。

ボーイングの過ちとしては、機体制御不能の可能性を十分に考慮しておらず安全装置を付けていなかったこと、更に飛行機の角度を知らせる警告灯が点かなかった設計上の問題などが挙げられています。

また、アメリカ連邦航空局(FAA)の報告書では航空会社とパイロットにも非があったことを示しています。

乗組員は機内での問題や関連する警告への対応を調整しておらず、訓練の成績が悪かった副操縦士は、覚えておくべきチェックリストを思い出せなかったとあります。

機長は操縦装置と格闘し、20回以上機首の上げ下げを繰り返し、その後、操縦装置を副操縦士に託し、その直後飛行機は海に墜落したと報告しています。

更に、ライオン・エア機は前回の飛行でも同様の不具合が発生していたようで、その時はうまく対応したものの、墜落機の乗組員にはこの情報が伝えられていなかったことも判明しています。

いずれにしても、ボーイングに非があったことは事実で、ボーイングもこれを認めています。

エチオピア航空302便の事故後、各国から737MAXの運航停止命令が出されるようになり、最終的にはFAAからも運用停止が発表され2019年3月14日を最後にボーイング737MAXは飛行していません。

現在ボーイングは737MAXの生産を停止しておりますが、737MAXは同社の主力製品であることから、業績への影響も甚大であり、これが2019年のボーイング株価低迷につながっています。

② コロナショック

上述の通り、737MAXの運航停止という大きな打撃を受けている中、迎えたのがコロナショックです。

世界的なコロナウイルスの感染拡大に伴い、各国が国境封鎖を行い航空需要が激減しました。

これに伴い、多くの航空会社が大規模な減便を行い、売上激減に起因する資金繰りの不安が増し、航空会社の株価も大暴落しています。

このようの状況下、航空機需要もしばらく低迷することが想定され、ボーイングとしては昨年から続く737MAXの問題と合わせ、ダブルパンチを食らうこととなりました。

ボーイングは現在確保済みの138億ドル(約1兆4300億円)の融資枠を3月13日にも使い切る見込みであることを発表し、昨年から続く収入の激減が長引きそうなことによる資金繰り不安が一気に増し、いわばパニック的な売りが重なり、ここまでの暴落となってしまったのです。

これらが、ボーイング株価大暴落の背景です。

(続く)

以上

りろんかぶお

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※当ブログで紹介する理論株価は、いくつかの前提条件をりろんかぶおが独自に設定している為、その前提条件次第では計算結果が異なってきます。また当ブログは、投資に関する情報を掲載していますが、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。また、読者が当ブログの情報を用いて行う投資判断の一切について責任を負うものではありません。


[ 2020/03/24 11:46 ] 7.企業研究 | TB(-) | CM(0)

ビヨンドミートの企業研究③

beyond meat


次回に引き続き、植物性由来人口肉の生産販売を手掛けるBeyond Meatについて研究していきます。

前回記事↓
ビヨンドミートの企業研究①
ビヨンドミートの企業研究②

今回はBeyond Meatの業績と今後の成長性について見ていきます。

<Beyond Meatの業績(2019年9月期時点)>

前回記事で見た通り、Beyond Meatのビジネスモデルは、スーパーマーケットなどの小売り店舗での商品販売と、ファストフードショップなどのへの卸販売の二つです。

当然、自社製品を扱ってくれる提携先が増えれば増える程いいのですが、小売店舗との提携数の推移に関しては以下の通りです。

retail rollout_beyond beef
出典:Beyond Meat 2019年第三四半期決算プレゼンテーション

このように提携先の数をかなり順調に増やしていることがわかります。
2019年5月の上場で、認知度やブランド力は更に向上したため今後飛躍的に提携数を増やしていくことが期待できます。

ファストフードショップへの卸販売に関しても、既に多くのショップで販売が開始されていることに加え、2019年後半は、マクドナルド、KFC、Subway、Denny’sなどの影響力の巨大な超グローバルなチェーン店でテスト販売を開始しており、仮に正式販売に繋がれば一気に販売量を拡大することが見込まれます。

これらの提携数の増強を反映して、以下の通り四半期ごとの売上も急激に伸ばしてきております。

rev_beyond beef
出典:Beyond Meat 2019年第三四半期決算プレゼンテーション

そして、注目すべきは、創業以来ずっと赤字が続いておりましたが、2019年第三四半期でとうとう四半期ベースの黒字を達成しました。

PAT_beyond beef
出典:Beyond Meat 2019年第三四半期決算プレゼンテーション

売上規模の拡大に伴いGross Marginが大幅に改善し、利益の出せる体質に転換したのではないかと考えられます。

このように需要拡大に伴い生産力もどんどん増強していく必要があり、大きな資本が必要となってきますが、今年のIPOに伴いキャッシュも潤沢にあるため、そこらへんも問題なさそうです。

<Beyond Meatの競争優位性と今後の成長性>

実は人口肉というのは何十年も前から存在していました。
但し、コストは高いし、味も本物とは程遠い、ということでなかなか浸透してこなかった歴史があります。

Beyond Meatは、人口肉なのに本物の肉の味とほとんど変わらず、しかも値段もリーズナブルということで、人口肉業界に革命を起こしたといえます。
なかなか人口肉が浸透しなかった歴史を鑑みても、Beyond Meatの技術力の高さがうかがえます。

Beyond Meatの現時点での最大のライバルは同じく米国ベンチャーのインポッシブルフーズでしょう。
同社も、バーガーキングと提携し、2019年8月から「インポッシブル・ワッパー」を全米展開したことで有名です。

他にも、食品大手のネスレや米タイソンフーズなどもこの業界に参入し始めております。

このように、植物由来人口肉の潜在市場規模(ビヨンドミートの企業研究②ご参照)や将来性の高さから、Beyond Meatやインポッシブルフーズなどのベンチャーのみならず、他の大手食品会社も莫大な研究開発費とマーケティング費用をかけて参入してくるはずで、いずれ競争が激化することは必然です。

そんな人口肉の競争優位性は何でしょうか?

価格や味は当然、他社との差別化要因になりますが、食品業界においては、競争が激化し、業界が成熟していく毎にこれらの要素は平準化していくのが一般的ではないでしょうか。

そうなるとやはり「このメーカーの人口肉なら間違いない」といった消費者のロイヤルティーを勝ち取るためのブランド力が重要になってきます。

こういったブランドは通常、確かな味(技術力の高さ)を裏付けとして、長い時間をかけて入念にマーケティング活動していく中で確立されていくものです。

現時点ではBeyond Meatやインポッシブルフーズに先行者メリットがありますが、今後食品大手がその巨大資本にものを言わせ、大規模なマーケティングを行ってきた場合、果たしてBeyond Meatのような駆け出しのベンチャーが立ち向かえるのかは疑問です。
スイッチングコストが非常に安い業界なので、ちょっとしたことでも他社に乗り換えられてしまうのです。

但し、他社の追随が少ない今のうちにブランド力を磨いていくことで、マーケットリーダーになれるかどうかは別としてやはり市場規模の大きさに比例した企業に成長できることは期待できると考えます。

STOP

・上述の通り、食品販売事業における他社との差別化というのは非常に難しく、将来的に競争激化が予想される中、Beyond Meatが業界の中で確固としたポジションを確立できるかどうかは現時点では不透明です。

・但し、人類の健康、地球環境問題、動物福祉などといった素晴らしい理念を掲げており、一投資家として応援したい企業ではあるので引き続きWatchしていこうと思います。

以上

りろんかぶお

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[ 2019/12/23 11:41 ] 7.企業研究 | TB(-) | CM(0)

ビヨンドミートの企業研究②

beyond meat


次回に引き続き、植物性由来人口肉の生産販売を手掛けるBeyond Meatについて研究していきます。

前回記事↓
ビヨンドミートの企業研究①

今回はBeyond Meatの製品や、植物由来人口肉の市場規模について見ていきます。

<Beyond Meatの製品>
※出典:Beyond Meatホームページ

大きなカテゴリーとして以下三つの商品があります。
1. BEYOND BURGER
beyond burger

2. BEYOND BEEF
beyond beef

3. BEYOND SAUSAGE
beyond sausage

4. BEYOND BEEF CRUMBLES
beyond crumble

Beyond Meatの大きな特徴として、生肉用な状態で販売されており、実際に調理する過程で油や肉汁が滴るところまで再現しているところです。

見た目や、調理過程、食感、味等、どれも高度に本物の肉を再現しておりますが、いったいどのように作っているのでしょうか?

原材料としては以下5種類が使われております。
1. タンパク質:Pea • Mung Bean • Fava Bean • Brown Rice • Sunflower
2. 脂肪:Cocoa Butter • Coconut Oil • Sunflower Oil • Canola Oil
3. ミネラル:Calcium • Iron • Salt • Potassium Chloride
4. 香料、色素:Beet Juice Extract • Apple Extract • Natural Flavors
5. 炭水化物:Potato Starch • Methylcellulose

生産プロセスとしては、まずタンパク質の食材を、加熱、冷却、プレスなどを用いて本物の肉のような繊維状の質感を再現します。その後、脂肪、ミネラル、香料、色素、炭水化物を混ぜて、本物の肉のような、見た目、ジューシーさ、香りなどを再現して完成です。

<Beyond Meatのビジネスモデル>

Beyond Meatのビジネスモデルは、自社で生産したこうした生肉の状態の人口肉を、Whole FoodsやWalmartなどの小売り店舗や、SubwayやCarl’s Jrなどのレストランやフードショップに販売することです。

これらの幅広い販売先に、販売していくために多数の配送拠点を持っており、以下の通り2019年5月のIPOから5か月で配送拠点を倍にする等、急速に拠点を増加中です。
BYND haiso kyoten
出典:Beyond Meat 2019年第三四半期決算プレゼンテーション

<植物由来人口肉の市場規模>

人口肉の市場規模について、Beyond Meatは人口牛乳の例を活用しております。

植物由来の人口肉も人口牛乳と同様、採食主義者や健康・動物愛護に関する意識の高い人が需要者となることが予想されるので、この考え方には一定程度の納得感があります。

実際にこれを基に計算したのが以下の図です。(但しこれは米国市場のみ)
BYND sijoukibo
出典:Beyond Meat 2019年第三四半期決算プレゼンテーション

米国における牛乳市場における人口牛乳のシェアが13%なので、これを肉の年間市場規模$270billion(30兆円弱)にかけると、米国における人口肉の市場規模は年間$35billion(4兆円弱)と計算できます。

世界の肉の市場規模は年間$1,400billion(154兆円程)といわれているので、仮に上述の13%をかけると年間$182billion(20兆円程)と計算できます。(実際には、米国における需要者の比率と世界の需要者の比率は異なるので注意)

こう考えると、かなり大きなマーケットであることがわかります。
更に、Beyond Meatは自身では自社ブランドの店舗を持たず、卸売に徹している為、実際の小売業者やフードショップなどに認められれば一気にマーケットを取りに行くことができると予想されます。

STOP

・上述の計算結果だけでも、市場規模としては十分なサイズがあると思いますし、健康問題、地球温暖化の問題、動物福祉の観点からも、今後ますます注目を浴びる業界のはずなので、更なる市場規模の拡大が見込めると思います。

次回は、Beyond Meatの財務面を研究していきます。

以上

りろんかぶお

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[ 2019/12/20 17:56 ] 7.企業研究 | TB(-) | CM(0)

ビヨンドミートの企業研究①

beyond meat


今回は、植物性由来人口肉の生産販売を手掛けるBeyond Meatについて研究していきます。

Beyond Meatについて調べようと思ったのは、サピエンス全史という本を読んでいる中で、現在の畜産業が動物たちにとっていかにひどいものかということを思い知らされたのがきっかけです。

市場経済に巻き込まれた動物(主に牛や豚や鶏)たちは、人間の都合により、いかにコストを抑えて、おいしい肉を生産するかという点が過度に追求されてきました。

メスの母胎を気にかけず次から次へと妊娠させる大量生産、遺伝子組み換えによる短期間での巨大化、スペースの節約のためほとんど身動きができないほどの空間での劣悪な飼育環境。

家畜たちは、人間に食べられるためだけに生まれてきて、その短い一生を、糞尿まみれの身動きのほとんどできないところで、座ったり立ち上がったりじっと壁を見つめたりしながらただただ時間をつぶしていくのです。

鶏に関しては、最近こんな記事も見つけました。
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/68975?page=7

過度に工業化された畜産業は、まるで工場と一緒で、我々人間と同じく感情を持っている動物たちが、最終製品(肉)を作るためのただの機械や部品として扱われているのです。。

人類と資本主義の犠牲になってしまった罪のない動物たちを助けるために、投資をする者としても力になりたいと思い、見つけたのがBeyond Meatでした(市場では既にかなり注目されている企業のようですが自分は知りませんでした)。

かつて奴隷制度が普通だった時代に、そんなのはおかしいと立ち上がった人たちがいました。奴隷を利用した生産物というのは当然コストが安く需要者にとって都合がいいのですが、国や需要者の意識が変わって、コストは高くなるけども奴隷制度をなくすという方向に舵を切ってきたのです。

現在の家畜たちもまさに奴隷です。一見、利益が全てに見える資本主義社会においても、かつての奴隷制度を駆逐したように、現代の奴隷も駆逐できると思っております。

<Beyond MeatのMission>

Beyond MeatのMissionは、”タンパク質の未来を創ること” であり、動物性食肉から植物由来の人口肉に代替することで以下4つの課題を解決するとしております。

1. 人類の健康の改善

牛肉などの肉は、タンパク質が豊富で、私たちが生きていく上で必要な必須アミノ酸を含みますが、肉の摂取が健康を害するという研究が多いことも事実です。

一般的には動物性脂肪の過剰摂取によって血液がドロドロになり、心臓病や脳卒中、糖尿病などの原因になるとも言われております。

また、世界保健機関(WHO)は、牛肉などの”赤肉”を、グループ2発がん性物質に指定し、ベーコンやソーセージなどの”加工肉”はグループ1発がん性物質にリストアップされています。(※グループ1が最も発がん性が高く、加工肉以外にタバコやアスベスト、プルトニウムなどもリストに含まれる)

植物由来の人口肉に切り替えることで、こういった健康上の問題を解決することが期待できるのです。

2. 地球温暖化への貢献

家畜のげっぷや排泄物からは温室効果ガスに分類されるメタンや亜酸化窒素が放出されます。一見、大した量には思えないかもしれませんが、全世界で莫大な数の家畜が存在する中、国連食糧農業機関(Food and Agriculture Organization、FAO)の調べによると、人為的に排出されている温室効果ガスの14.5%が畜産業から排出されているものとしております。
https://www.afpbb.com/articles/-/3000579

植物由来の人口肉生産過程でも当然温室効果ガスが排出されますが、畜産業と比較すれば圧倒的に少ないといわれており、温暖化に貢献できると期待できます。

3. 食料資源の確保

世界の食料問題は、人口の増加と資源利用上の制約、地球環境の変化によって深刻化することが予見されていて、食料の生産と消費がもたらす環境への負荷が増大する一方で、この増大しつづける地球環境への負荷が、回帰的に食料生産に影響を及ぼすことが考えられます。

過度な食肉への偏重を防ぎ、代替肉という選択肢が増えることで食料資源の確保を促進することができます。

4. 動物福祉

冒頭に記載の通り、市場経済に組み込まれてしまった動物たちは、人類の欲を満たすためのモノとして扱われているのが現状です。

市場経済においてこのような動物たちを守るためには、需要者に対してもっと魅力的な代替物を提供する必要があり、Beyond Meatはその役割を果たすことができます。

<Beyond Meatの歴史>

2009年:
創業者のEthan Brownは、学生時代から環境問題や持続可能な社会の実現に関して興味があり、そうした問題解決に貢献したいという思いから、再生可能エネルギーに注力する会社に勤務するも、環境問題解決には食からのアプローチが必要不可欠と思い、ビヨンド・ミートを設立。
当初、多くの企業や個人から資金調達を行い、ビルゲイツも当初の出資者として有名。

2013年:米国のスーパーマーケットであるWhole Foodsで初めて植物由来の人口鶏肉を販売開始し、翌年人口牛肉を販売。

2015年:植物由来バーガー肉のブランドである“The Beast”が販売開始。

2017年:植物由来の人口ソーセージである“Beyond Sausage”を販売開始。

2018年:
米TGIフライデー、加A&W、英Tesco、英Honest Burger、英All Bar One、米カールスジュニア、米Del Taco等、多くのレストランやファーストフードがBeyond Meatを採用、販売開始(一部地域でのテスト販売含む)。
また、9月には国連からEnvironment Champion of the Earth Awardを受賞。

2019年
加Tim Hortons、米Dunkin' Donuts、独Lidl’s、独METRO Cash & Carry、ニュージーランドHell Pizza、Subway、米KFC、米McDonald’s、米Hardee's等、がBeyond Meatを採用、販売開始(一部地域でのテスト販売含む)。
5月に米NASDAQに上場。公募価格25ドルに対し初値は46ドル、7月には高値の239ドル迄上昇し期待感の高さがうかがえた(その後急落)。

現在、世界50か国でBeyond Meatが取り扱われており、今後も拡大予定。

STOP

・2018年あたりから急激に、様々な店で取り扱われるようになっており、既に世界進出もしているので、今後も大きな伸びが期待できそうです。

・出資者の中には、ビルゲイツの他、俳優のディカプリオがいたり、日本では三井物産が出資しております。

次回は、人口肉業界の将来性などについて研究していきます。

以上

りろんかぶお

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[ 2019/12/19 12:26 ] 7.企業研究 | TB(-) | CM(0)

Uberの企業研究③

Uber rogo


前回に引き続き、ライドシェア界のパイオニアであるUberについて研究していきます。

前回記事↓
Uberの企業研究①
Uberの企業研究②

今回はUberの今後について簡単に記載してみます。

<ライドシェア市場規模の推移>

全世界のライドシェア企業の合計売上高予測
(※但しここでいうライドシェアの定義はオンライン配車サービス全て。よってUberのようなビジネスモデルのみならずオンラインでタクシーを配車できるサービスなども含む)
Ride hailing revenue forecast_2019

全世界のライドシェアユーザー数予測
Ride hailing user forecast_2019

・ライドシェア業界の2019年の売上高は183,677百万ドル(予測)。

・これが年間平均14.8%ずつ伸びて2023年には318,765百万ドルまで増加すると予測されている。

・また2023年までにユーザー数も1.5倍以上に増加する見込み。

<ライドシェア企業の競争要因>

・上記のようにライドシェア業界は今後も力強い伸びが期待できそうです。そんな中、世界にはUber、DiDi、Grab、Lyft等々、多数プレイヤーがいる中、他社との競争に勝っていくためには何が決め手になりそうでしょうか?

・ユーザーがどのアプリを使うかを選択するときのポイントは何でしょうか?大きなものは、やはり運賃の安さと、乗りたいときにすぐ乗れるか、がポイントになると思います。

・ドライバーがどのアプリを使うかを選択するときのポイントも、ドライバーの取り分の多さと、すぐ客が捕まるかだと思います。

・つまり、ポイントは運賃と、いかにすぐにユーザーとドライバーをマッチングできるか、ということになると思います。

・ユーザーが支払う運賃は、①ドライバーの取り分と②ライドシェア企業の取り分に分類できますが、いずれも複数の競争相手がいる場合、市場の原理が働いてある均衡点に収束していきます。つまり、十分な競争がある下では、ユーザー目線での運賃もドライバーの取り分も、どの企業のアプリを使っても変わらないということになります。

・ではもう一つの要素であるユーザーとドライバーのマッチングにおけるポイントは何でしょうか?最も大きなポイントは、ユーザーとドライバーの多さですね。だからこそ、各社紹介料やキャンペーンなどあの手この手を使って、利用者を増やそうとしているわけです。

・よって一つのポイントは、この利用者獲得争いの中での赤字を垂れ流す期間に耐えられる資本力の強さというのがあるかなと思います。

・ただ、Uberのライバルである、DiDi、Grabなどは資本力の面でもUberに負けてないと思いますので他にポイントはあるのでしょうか?

・ユーザーとドライバーのマッチングにおけるポイントで、もう一つ重要な要素があると思います。それがAIによる客位置予測機能です。

・ライドシェア各社はAIを使って、例えば1時間後にどのエリアで、どれくらいの需要が発生しそうかを、客の行動パターンやその日の天気、イベント情報などあらゆるデータから予測させる、客位置予測機能を備えております。

・この客位置予測の精度が高ければ高い程、ドライバーにとってはアイドリング時間を減らせるので自分の稼ぎを増やすことができるのです。

・各社この技術には取り組んでいるのですが、AIによる予測には多くのデータが必要であり、つまり現時点でより多くのデータを収集できた企業がより精度の高い客位置予測機能を構築でき、そうするとドライバーが増え、ユーザーが増え、そうすると更にデータが集まりAIの精度が高まり、更にドライバーとユーザーが増えるという好循環が生まれます。

・よって、現時点で最も多くの顧客データを持っている企業が今後も強くなっていく業界なのかなと考えます。

・資本力、顧客データの量、この2点において現時点でのNo 1は紛れもなくライドシェアのパイオニアで早くから全世界で事業を行うUberでしょう。こう考えると、今後の市場規模拡大の多くの部分をUberが取り込んでいくのではないかと思います。

<今の株価は安いか>

・Uberは世界中の投資家が期待する企業でもあり、既にその成長が十分に織り込まれている可能性もあります。

・Uberの現時点(2019年12月5日時点)での時価総額はおよそ50,000百万ドルです。Uberのように、成長市場に属する現時点では赤字の企業の企業価値を測るのは非常に難しいです。

・仮に、市場が成熟した時にPERが20倍程の利益を稼いでいればいいとすると、時価総額50,000百万ドルにたいしてPER20倍なので純利益が2,500百万ドル。

・2018年10月~2019年9月までのUberの配車サービス部門のEBITDA(但しコーポレート費用を除く)が合計1524百万ドル、これが2023年までの市場の成長率14.8%/年(冒頭の<市場規模の推移>ご参照)で伸びていくとすると、2023年には、2647百万ドルに達します。

・実際には、ここから研究開発費やコーポレート費用、支払い利息、減価償却費、税金などが引かれ、更に他事業で赤字を出し続けている可能性もあるので、純利益にするともっと小さくなるはずですが、更に長期的な目線で考えれば、純利益2500百万ドルというレベルは達成できるのではないでしょうか?

<自動運転の未来、将来の脅威>

・モビリティの世界での、次のもっと大きな革命は自動運転技術といわれていて各社が研究開発を競ってますね。

・Uberも自動運転の分野に大きな研究開発費を投じているのですが、激しい研究競争の中では後手に回っているイメージです。自動運転の分野でトップを走るのはGoogleのウェイモ。GoogleはUberの株主でもあるので、Uberの味方かと思いきや、数年前にUberがウェイモの自動運転技術を盗もうとしたことがあり、そこでウェイモに嫌われて、現在ウェイモはLyftと組んでおります。

・では、自動運転が商用化されたときに今のライドシェア企業は淘汰されていくのでしょうか?

・そんなことはないと思います。配車サービスの機能は、あくまでユーザーとドライバーをマッチングさせることにあります。自動運転が普及してドライバーのコストがかからなくなって運賃が下がったとしても配車サービス企業は自動運転車とユーザーをマッチングさせるだけです。

・仮にGoogleが自動運転車の商用化に唯一成功して、Lyftと独占契約を締結して自動運転車による安い運賃はLyftでしか実現できないとしましょう。しかし、世界中に何十億といる配車サービスの利用者全てに自動運転車による低運賃サービスを提供するにはものすごい時間がかかるでしょう。なぜなら、自動運転車はそこらじゅうの道路を走りまわっているわけではなく、1から製造していかなければならないので。

・そしてその間にGoogle以外の企業が自動運転を商用化させるので、Uberはそういった企業と組んで自動運転車による低運賃をユーザーに提供していけばいいのです。

・こう考えると、自動運転車は将来のモビリティを大きく変えるのはそうなのですが、配車サービス企業の役割はあくまでユーザーとドライバーのマッチングなので、これは今後もモビリティのインフラとして残り続けるものと考えます。

以上

りろんかぶお

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[ 2019/12/05 12:09 ] 7.企業研究 | TB(-) | CM(0)

Uberの企業研究②

Uber rogo


前回に引き続き、ライドシェア界のパイオニアであるUberについて研究していきます。

前回記事↓
Uberの企業研究①

今回はUberの現状を知るという意味で、業績と競合状況について簡単に記載してみます。

<Uberの業績(2019年3Q時点)>
(出典:Uber IR)

1. 損益計算書
Uber PL_2019_3Q

・2019年1Q~3Qの純損失は▲7,410百万ドルと巨額の赤字。

・売上は堅調に伸びているものの、ドライバーを囲い込むためのインセンティブ費用(紹介料やボーナスなど)がかなりかさんでいることと、自動運転などへの研究開発費が膨らんでいることが主要因。

・損益計算書を見る限り、ドライバーへのインセンティブを除いたドライバーの取り分は売上の半分程度。ドライバー目線では、なかなか稼げないということでドライバーの離職率が非常に高くそのつなぎ止めに苦戦しているようですね。

・今後規模をどんどん大きくしていく過程で、ドライバーの取り分を増やしていく必要がありそうです。

2. セグメント別業績

セグメント概要以下

Ride:配車サービス
Eats:食事宅配サービス
Freights:輸送業者と荷送人のマッチング
Other Bet:電動バイク・電動キックボードのシェアサービス、他
ATG & Other Technology Program:自動運転や航空機チャーターの研究開発

Uber Adjusted NR_2019_3Q
※Adjusted Net Revenueは売上からドライバーの取り分及びドライバーへのインセンティブを差し引いたもの。

・やはり収入の中核は配車サービスなるもやや売上の伸びが鈍いのが心配。

・EatsやFreightsもまだ規模は小さいものの、急激に売上を伸ばしており将来に期待。

Uber Adjusted EBIT_2019_3Q

・配車サービス単独(コーポレート費用などは除く)で見ると、既に黒字化していることは好材料。

・EatsやFreightsは初期段階ということでマーケティング費用がかさんでいてEBITDAがマイナスなのはやむなし。ニーズはあるので今後の収益化に期待。

3. 地域別売上高
Uber area_2019_3Q

・Uberは既に70か国、700都市ほどで事業を展開しており、急速にグローバル化をしております。

・配車サービスのようなビジネスモデルでは、技術的な難易度が低いため、大きなライバルが出てくる前に市場を押さえてしまうことが重要。現時点では赤字覚悟で規模の拡大を優先させているがこれは戦略として間違っていないかと。

<競合他社>
Uber Competitor

・現在Uberの株価下落に伴い、時価総額は減少しておりますがいずれにしても業界トップの企業でしょう。(米国ではシェア70%程)

・Uberは2012年から世界進出をしており、各国で上記にリストされている地元企業との激しい競争を展開。

・既にUberの中国事業は滴滴出行(DiDi)に売却(DiDiの18%持分取得)、東南アジア事業はGrabに売却(Grabの27.5%持分取得)、ロシア、アルメニア、アゼルバイジャン、ベラルーシ、ジョージア、カザフスタンでの事業をロシアのYandex Taxの配車事業と統合して新会社設立(新会社の36.6%持分取得)しており、巨大ライバルがいるエリアでは、ライバルの株式取得と引き換えに既に撤退済み。

・ライバルの株式と引き換えに、同エリアの収益は享受できるので、最低限のことはできているイメージ。

STOP

次回は、ライドシェア業界の今後、Uberの今後について見ていきたいと思います。

以上

りろんかぶお

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[ 2019/12/04 11:36 ] 7.企業研究 | TB(-) | CM(0)

Uberの企業研究①

Uber rogo


今回はライドシェア界のパイオニアであるUberについて研究していきます。

日本ではUber Eatsが有名ですが、Uberの本業は、移動したい人と、人を運んで運賃を稼ぎたい一般ドライバーを結びつける配車サービスです。

私がUberと出会ったのは2015年春に米国出張に行ったとき。

このビジネスモデルに衝撃を受けました。世の中の使われていない潜在的な資源(使われていない車や使われていない労働力)を有効活用して、世の中の既存の需要(移動したい)を満たすというモデル。

世の中がすごく効率化されて、それでいて利用者側のコストも下がるという、驚くべきビジネスモデルだなと思ったことを今でも覚えております。2015年の米国ではもうみんなが普通にUberを使っていました。

Mobilityの業界に大きな革命をもたらしたUberについて、今回は設立当初から現在までの歴史と現在のサービス概要について簡単に記載してみます。

<Uberの歴史>

2009年:Uber設立(当時の社名はUberCab)

2010年6月:配車サービス開始。(当時はドライバーを自社雇用し、リムジンなどの高級車による高価格対の配車サービスを提供)

2010年10月:シードマネーとして1.25百万ドル調達

2011年2月:シリーズAで11百万ドル調達、企業価値評価額は60百万ドル

2011年12月:
・フランスを皮切りに世界進出(ウーバーのビジネスモデルは先行者利益が大きいため、初期の段階で世界進出を視野に)
・シリーズB 32百万ドル調達、ここでジェフベゾスも出資

2012年7月:Uber Xを提供開始(ここで、一般ドライバーとユーザーを結びつけるマッチングサービスとなり現在のビジネスモデルとなる。当時の運賃はタクシーと同程度)

2012年8月:現在北米市場のライバルであるLyft設立

2013年8月:
・インド、アフリカに進出。
・シリーズCでGoogleから258百万ドル調達。企業価値は37.6億ドル

2014年7月:
・中国進出。
・シリーズDで1200百万ドル調達、企業価値は170億ドル。

2014年8月:
・Uber Pool開始(目的地が似通った異なる利用者を相乗りさせて、運賃を割り勘にすることで安くするサービス)
・Uber Eats開始。食事配達サービス(日本では自転車が多いが米国では車で配達がメイン。ドライバーの業務の選択肢の一つ)

2015年5月:自動運転の研究開始

2016年7月:Uber中国法人を現地配車サービス大手滴滴出行(DiDi)に売却し、DiDiの18%の株式を取得。

2018年2月:ロシア、アルメニア、アゼルバイジャン、ベラルーシ、ジョージア、カザフスタンでの事業をロシアのYandex Taxの配車事業と統合して新会社設立。Uberは225百万ドルを出資し、新会社の36.6%のシェアを獲得。

2018年3月:東南アジアの事業をGrabに売却し、Grabの27.5%の株式を取得。

2019年5月:米国株式市場に上場。初値での時価総額は697億ドル

<Uberのビジネス>

① 配車サービス

移動したい人と一般のドライバーを結びつける配車サービス。特徴は以下。

・オンデマンド(スマホ上で簡単に配車可能)

・シェアリング(元々他用途に使われている車をシェアすることで低価格を実現)

・評価(利用者がUber利用後にドライバーを評価できる為、ドライバーによるサービス向上を促進)

・ダイナミックプライシング(需給バランスによって運賃が変動。利用者が多い時間帯や場所では運賃が自動的に高くなるも、高い運賃を目当てに多くのドライバーが集まるので次第に需要と供給がバランスされるという市場原理を持ち込んだ仕組み。また、料金はメーター制ではなく距離で決定するため配車依頼時に確定)

・スムーズ決済(支払いはアプリ上で完了するため決済は不要。ドライバーと利用者の間で直接お金のやり取りがないので利用者の心理的安心度が向上)

・Uber Pool(目的地が似通った異なる利用者を相乗りさせて、運賃を割り勘にすることで安くするサービス)

・AI導入(どの時間帯にどこでUberの利用者が多そうかというのを大量のデータを基にAIが予測し、あらかじめドライバーが集まる仕組みを導入)

② Uber Eats

食事を配達してほしい人と、配達をしてお金を稼ぎたい人を結びつける食事宅配サービス。日本では自転車が多いが米国では車で配達がメイン。(ドライバーの業務の選択肢の一つ)

③ Uber Freight

荷物を運びたい人と、輸送業者をつなぐマッチングサービス。

④ Uber Jump

電動自転車や電動キックボードのシェアリングサービス。

⑤ 研究開発

・自動運転

・Uber Elevate(航空機チャーターに関するもので、航空機での移動を身近なものにするために、障壁を取り除く様々な研究を行っている。)

⑥ その他

Uber Health、Uber Workなど。

STOP

・歴史をみて思ったことは、Uberはほんとに早い段階で世界展開したんだなと。Uberのようなサービスでは、ユーザー目線ではより多くのドライバーがいるアプリを選びたいし、ドライバー目線でもより多くのユーザーがいるアプリが良いと思われます。よってマーケットリーダーがどんどん強くなるので先行者利益が非常に大きく、これを十分に理解してまだ米国で足場が固まらないうちに一気に世界に進出したんですね。すごい。

・各国で、地元企業との激しい競争があって結果的に撤退している国もあるのですが、撤退と引き換えに、ライバル(DiDi、Yandex、Grabなど)の株式をしっかり取得しているので、撤退した市場の利益もしっかり取り込める形になっております。Uberブランドを浸透できないのは確かに痛いのですが、これはこれでいいのかと。

・ビジネスに関しては、Uberの配車サービスがいかに多くの革新的な要素から成り立っているかがわかります。ダイナミックプライシングによる需給バランスの平準化や、AIによる客位置予測などは、一見細かいことに思えるかもしれませんが、ドライバーのアイドリング時間(仕事をできてない時間)をできるだけ減らすためのこういった仕組みに磨きをかけることが、他社との大きな差別化要因になってくると思います。

・電動自転車や電動キックボードの事業も始めてますが、これは自転車やキックボードを自社保有しているので、マッチングサービスに特化していた従来のビジネスモデルとは全く異なるものです。この分野は一気に広めることは難しいと思いますが、あらゆるロジスティクスの分野で革命を起こそうとするUberの意思が感じられます。



次回はUberの収益性や将来予測などについて見ていきます。

以上

りろんかぶお

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※当ブログで紹介する理論株価は、いくつかの前提条件をりろんかぶおが独自に設定している為、その前提条件次第では計算結果が異なってきます。また当ブログは、投資に関する情報を掲載していますが、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。また、読者が当ブログの情報を用いて行う投資判断の一切について責任を負うものではありません。


[ 2019/12/03 11:28 ] 7.企業研究 | TB(-) | CM(0)

Alphabetはどこへ向かうのか?③

Alphabet.png


Googleといえば世界的な企業で、検索エンジンや、YouTube、Google Map、Google翻訳などの便利なサービスは皆さんも使ったことがあると思います。

一方で、Googleは自動運転の分野に投資したり、ヘルスケアやロボット、量子コンピューターなどの分野にも積極的に投資していて、2014年には持ち株会社のAlphabetが設立され、より新規の分野にも注力していくことが発表されました。

これを受けて、Alphabetって今どういうことに取り組んでいるの?これからAlphabetはどこに行こうとしているの?といった疑問にお答えするため、Alphabetについて色々調べてみました。

前回記事↓
Alphabetはどこへ向かうのか?①
Alphabetはどこへ向かうのか?②

今回は、Alphabetの現在の収益源と今後どこへ行こうとしているのかについて記載します。

1. 収益源

・Alphabetの2016年~2018年の3年間の売上の内訳は以下の通りです(Annual Report抜粋)。
収入構造

・Google segmentというのがGoogleからの売上で、Other BetsというのがGoogle以外の子会社からの売上です。
これを見てもわかる通り、Alphabetの売上の99%以上がGoogleからの売上で、その他の事業はまだほとんど収益化できていない状況です。

・まだ多くが研究段階なので仕方なしですが、Other Betsもいくつかは商用化段階に入りつつあるので、徐々に収益化が実現してくるものと思われます。

2. 今後どこへ行くのか?

・ここまで見てきたように、Alphabetは我々の慣れ親しんだウェブサービスのみならず、メディカル、自動運転等、一見それぞれに関係のないビジネスをしているように見えます。これらを同時並行で進めて、いったいどこへ行こうとしているのでしょうか?

・その答えは、Alphabet設立時のラリーペイジの手紙の最後にありました。

“And hopefully… as a result of all this, we are excited about improving the lives of as many people as we can”

・Googleの創業時のMissionは「世界中の情報を整理して、誰もがアクセス出来て使えるようにすること」でした。
ただ、会社が大きくなり、時がたち、創業者であるラリーペイジとセルゲイブリンは「より多くの人の生活をよりよくしたい」という更に大きなMissionが芽生え、それを実現すべくAlphabetを設立したということだと思います。

・そして、その大きなMissionの中核にあるのはやはり「検索」だとラリーペイジは答えました。

「検索というのは我々にとってとても深い意味を持つ。
長い間検索技術を改良してきたが、まだ全く完成に近づいていないし、まだ出発点でしかない。

検索の理想形は、PCがユーザーを完璧に理解し、世界の情報を完璧に理解し、周りの全てを完璧に理解することだ。

現在AI技術が発達し、AIが自ら学ぶ機械学習の研究が進んでいる。
AI研究が更に進んで、検索技術に組み込んでいけば、我々が求める理想形に近づけるのではないかと思っている。」

・我々からしたら今のGoogle検索で十分便利だと思うのですが、ラリーペイジにとってはまだ出発点に過ぎず、全然違う未来を見ているということですね。

・ラリーペイジとセルゲイブリンがGoogle創業時にFounder’s Letterを公表しましたがその中に「Googleは従来の会社ではないし、そうなるつもりもない。」と述べていました。

・「そんなことできるわけがない、ばかげている」ということに大きな投資を行って、我々の生活を革命的に変えてくれる。それがAlphabetですね。

以上

りろんかぶお

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[ 2019/11/25 12:27 ] 7.企業研究 | TB(-) | CM(0)

Alphabetはどこへ向かうのか?②

Alphabet.png


Googleといえば世界的な企業で、検索エンジンや、YouTube、Google Map、Google翻訳などの便利なサービスは皆さんも使ったことがあると思います。

一方で、Googleは自動運転の分野に投資したり、ヘルスケアやロボット、量子コンピューターなどの分野にも積極的に投資していて、2014年には持ち株会社のAlphabetが設立され、より新規の分野にも注力していくことが発表されました。

これを受けて、Alphabetって今どういうことに取り組んでいるの?これからAlphabetはどこに行こうとしているの?といった疑問にお答えするため、Alphabetについて色々調べてみました。

前回記事↓
Alphabetはどこへ向かうのか?①

今回は、Alphabetの子会社群について簡単に記載してみます。

1. ストラクチャー
・Alphabetの子会社数をGoogle検索で調べたところ、「少なくとも28社」と出ました。

・AlphabetはGoogle時代も含めると1998年の設立から現在(2019年11月)までで、なんと230社も買収しており、およそ一月に一社のベースで買収を行っております。関係会社も日々増えるので子会社数もそれに伴って変動します。

・そんな中、Alphabetの主要な子会社を、ストラクチャー図で表したのが以下です。

Structure.png

2. 主要子会社概要

① Google
・Alphabetの最大の子会社。
・Google検索、Gmail、YouTube、Android、Google Map、Google翻訳等、世界的に親しまれているウェブサービスを無料で提供(一部を除く)し、主に広告収入で稼ぐビジネスモデル。
・Alphabet設立後も、量子コンピューターやAR/VRの分野の研究はGoogleの研究チームが遂行中。

② Calico(2013年設立、初期投資15億ドル)
・老化とそれに伴う病気に関する研究を行うバイオテクノロジー企業。
・設立当時、「グーグルが不老不死の研究に15億ドル(約1600億円)を投じた」というニュースはとてもセンセーショナルでした。
・実は、現在の科学でも人間の老化の根本的な原因は究明できていないようで、Calicoはその原因を突き止め、あわよくば対処するための長期プロジェクトを遂行するために設立されたもの。
・世界中の超優秀な研究者を集めて、ネズミを使った研究が日々行われている。

③ Nest(2014年、32億ドルで買収)
・Google Nest Hub等のIoT関連ホーム系製品を製造・販売。
・Nestは、もともと自動室内温度調節機器(サーモスタット)が看板商品でしたが、そこにはAIが搭載されていて、どの時間帯にどれくらいの温度にすればいいかなど、ユーザーの行動パターンを基に自ら考えて温度調節をしてくれる優れモノでした。
・こういった機能をベースに、Alphabetの買収後は本格的に家の中のIoTのハブ(例えば家電を全てネットにつなげ、ハブから全ての指示を出せる、等)の役割を果たす製品を販売。

④ Waymo(2016年にGoogleの自動運転研究運転部門がスピンオフされて設立)
・自動運転の商用化を目指す研究を行う企業。
・カルフォルニア州や民間の調査会社によると、安全性や総合的な技術の面でWaymoは競争の激しい自動運転業界で1位となっており業界を牽引する企業。
・2018年12月にはセーフティドライバーが同乗した状態で自動運転タクシーの商用サービスを開始。
・更に、2019年11月には、米アリゾナ州フェニックスにおいて、セーフティドライバーを同乗させない状態での完全無人自動運転タクシーのサービスを一部住民に対して試験的に開始。まだまだ将来の話と思っていた自動運転がもうそこまで来ています。

⑤ DeepMind(2016年、625百万ドルで買収)
・人口知能に関する研究開発を行う企業。
・DeepMindの目標は「知性の謎を解く」ことで、人間の脳について理解するために、知性を形式化しようと試みている。
・現在のDeepMindの焦点は、人間と似たようなやり方でどのようにビデオゲームをプレーするかを学ぶAIの開発で、作成コードを変更することなしに、AIにゲームを理解させ、人間より効率的にプレーすることを目指す。
・2016年にAlphaGoが人間のプロ囲碁棋士を初めて破ったことで大ニュースになりましたが、これはDeepMindが開発したものですね。

⑥ Loon
・気球を用いた空の移動体通信基地局事業。これまで通信網の整備されていなかった地域の人々達が気球に搭載された中継装置を介してインターネットに接続できるようにする計画。
・より低コストで無線基地局を作ることをテーマに立ち上げられたもので、太陽光を電源として、上空2万メートルにうかばせるもの。
・まだまだ技術的な課題はあるものの、ソフトバンクも125百万ドル出資し、2019年内にケニアで商用化に向けた試験が開始される模様。

Etc…

STOP

・あらゆる最先端のものに手を出し、どの分野でもトップランナーなのがAlphabetというイメージです。

・現在Alphabet子会社の中では、Google以外の子会社からの収益はほとんどないのですが、Loon一つとっても企業価値は既に10億ドル以上とも言われており、自動運転の商用化が視野に入るWaymoなどはそれをはるかに上回るでしょう。

・このようにまだ収益をほとんど生み出していない子会社群の潜在的な企業価値は膨大な額にも上るといわれており、現在の株価にはまだまだそれらの潜在価値が織り込まれていないとも言われております。

次回は、このように様々な分野に進出し、もはや何の企業かわからなくなってきたAlphabetが、今後どこへ向かおうとしているのか?についてです。

以上

りろんかぶお

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[ 2019/11/22 11:59 ] 7.企業研究 | TB(-) | CM(0)

Alphabet(Googleの親会社)はどこへ向かうのか?①

Alphabet.png


Googleといえば世界的な企業で、検索エンジンや、YouTube、Google Map、Google翻訳などの便利なサービスは皆さんも使ったことがあると思います。

一方で、Googleは自動運転の分野に投資したり、ヘルスケアやロボット、量子コンピューターなどの分野にも積極的に投資していて、2014年には持ち株会社のAlphabetが設立され、より新規の分野にも注力していくことが発表されました。

これを受けて、「Alphabetって今どういうことに取り組んでいるの?」「これからAlphabetはどこに行こうとしているの?」といった疑問が浮かんできたのでAlphabetについて色々調べてみました。

複数回に分けて記載したいと思いますが今回は、設立当初から現在までの歴史について簡単に記載してみます。

<Google/Alphabetの歴史>

1998年:Google設立

・Googleの共同創業者であるラリー・ペイジとセルゲイ・ブリンは、スタンフォード大学博士課程在籍中に、共同で検索エンジンに関する論文を書き、それをサービス化することを目的としてGoogleを設立。

・そしてなんと、設立当初の数人のエンジェル投資家の一人が、アマゾンCEOのジェフ・ベゾス。

・設立当初のMissionは“Google’s mission to organize the world’s information and make it universally accessible and useful”。つまり、世界中の情報を整理して、誰もがアクセス出来て使えるようにすること、と定めていました。

2001年: エリックシュミットがCEO就任

・Googleの規模が大きくなってきた2001年、当時まだ20代であったラリー・ペイジとセルゲイ・ブリンが経営するには大きすぎるとの出資者からの指摘もあり、エリックシュミットがCEOに就任し、ラリー・ペイジとセルゲイ・ブリンを合わせた3人体制での経営が始まりました。

・こういった体制を敷くことで、一般的な社長業はエリックが担当し、ラリー・ペイジとセルゲイ・ブリンはGoogleの戦略を考えることに専念できたことがその後Googleの成長に大きく寄与しました。

2004年~2009年:現在のコアサービスを次々に開始

2004年
・Gmailサービス開始
・株式公開
2005年
・Google Mapサービス開始(買収したWhere 2 Technologiesが大元の技術)
・Android買収
2006年
・Youtube買収
・Google翻訳サービス開始
2008年
・Google Chlomeサービス開始

2010年~:既存ビジネス領域以外の分野にも次々に進出

2010年:自動運転カープロジェクト発表
2012年:眼鏡型プロジェクト「Project Class」を発表
2013年:
・気球式インターネット網プロジェクト「Project Loon」を発表
・オンライン授業サービス「Helpouts」を開始。
・老化・病気・ヘルスケアに取り組む「Calico」の設立を発表
2014年:量子コンピュータ開発を発表、AIやロボット関連企業を次々に買収

2014年:Alphabet設立

・既存ビジネス領域(いわゆるGoogleのサービス)以外の分野にも事業領域が急拡大したことにより、新規事業分野も含めて効率的に注力していくために、Googleを含むそれ等の企業を傘下に収めるAlphabetという持ち株会社を設立。

・GoogleのCEOはスンダ―ピチャイが就任し、AlphabetのCEOにラリーペイジ、Presidentにセルゲイブリンが就任し、共同創業者の二人はより長期的な目線で新規事業に注力することとなった。

・企業名の由来は、①企業の集合体である持ち株会社に対して、人類にとって最も重要な革命の一つである文字の集合体を指すアルファベットが適していたこと、②Alphaはファイナンス用語で投資の超過収益を意味し、それにBet(賭ける)するという意味で、より新しい分野に大きな投資を行っていく企業体にふさわしかったことが理由とされている。

~現在:AR/VRやクラウド、AI等の分野の企業を積極的に買収

STOP

・Google設立当初からの買収企業数は現在(2019年11月時点)までで230社に上ります。

・これを見てもわかる通り、Googleはどのようなサービスを作りたいかは自社で考えるものの、そのために必要な機能、及びそのサービスを補強するために必要な機能は、積極的に買っていたことがわかります。

・これはGoogle検索などのコアサービスから生み出されるけた外れの広告収入(2018年の広告収入は12兆円を超えます)があるからこそできる芸当なのです。こういったキャッシュカウがあるからこそ、必要な機能は次々に買って、時間を節約しスピード感をもって次々と新しいサービスを提供し続けてこれたのです。

次回はこのAlphabetの関係会社群をもう少し細かく見ていきます。

以上

りろんかぶお

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[ 2019/11/20 13:58 ] 7.企業研究 | TB(-) | CM(0)

スターバックスビジネスの競争力が永続すると思う理由

こんにちは!バフェット部のりろんかぶおです。

バフェットの投資哲学の一つに「将来にわたり長期的に好ましい業績が見込める企業」というものがあります。
バフェットはこのような企業を見分けるポイントとして、ビジネスの周りに深い「堀」=永続する競争力をもっているかどうかという点を重要視しております。
(詳しくは以下の記事ご参照)

「バフェットの4つの投資戦略に学ぶ!~城の周りの「堀」の正体~」

今回は、りろんかぶおが独断と偏見で選んだ「競争力が永続しそうな企業」を紹介していきたいと思います。

今回の銘柄は皆さんご存知のスターバックス(以下“スタバ”)です。
タイトルにある通りスタバの競争力は永続すると思います!(りろんかぶお個人の意見!!)

この考えの根幹は、自分自身がカフェなら絶対スタバを選ぶし、今後もスタバを選び続けると思うからです。
ついでに言うと、自分の周りの人もカフェならスタバという人が大半ですし、米国駐在時にも感じましたがアメリカ人もスタバは大好きです。

何となく理由が軽いと思うかもしれませんが、自分が消費者として買っている「モノ」や客として受けている「サービス」は、それらの良し悪しを自分自身でわかっているので、提供する企業のビジネスの本質を理解しやすいです。もし、一生使い続けると自分自身が思える特定の企業のモノやサービスというものがあれば、その企業は永続する競争力を持っている可能性が高いです。

スタバに関して以下の順で考察していきます。

1. スタバを選ぶ理由からひも解くスタバの戦略
2. スタバビジネスの競争力
3. 今後の成長性~長期投資の観点~
4. まとめ






1. スタバを選ぶ理由からひも解くスタバの戦略


我々スタバ信者はなぜスタバに行きたくなるのでしょうか?
りろんかぶお自身がスタバを選ぶ最大の理由は「スタバの上質な空間に身を置いて時間を過ごしたいから」です

多くの人にとって、理由はだいたい同じなのではないでしょうか。

この理由の裏に隠されたスタバの戦略を見ていきます。

これは有名な話ですがスタバは自社を、単にコーヒーを売るお店ではなく、「友人や職場の同僚などと日常的に時間を共に過ごせる、家でも職場でもないThird Place(第三の場所)を提供するお店」、と表現しております。

また、スタバはそのようなThird Placeで“Starbucks Experience”を体感してもらうことが自社の価値であるとしております。
“Starbucks Experience”とは、上質なコーヒー、最上の顧客サービス、地域文化・個性を反映する洗練された内装、最高の音楽、等、スタバの空間で味わえる全てを指します。
レジで払う金額には、コーヒーの代金のみならずこれらの要素に関する代金も含まれているので、スタバでは少しコーヒー代が高めに設定されています。

スタバは、上質なコーヒーを提供するために、コーヒー豆の調達には高い選別基準を設け世界中から調達し、最上の顧客サービスを提供するために社員教育を徹底し、それぞれの地域文化・個性を反映した上質な空間を提供するために各地域にデザインスタジオを保有しています。つまり自社の商品である“Starbucks Experience”の価値を高めるために徹底した企業努力がなされているのです。

こういったスタバの取り組みが、目には見えない価値を生み出し高いブランドに結び付き、ロイヤリティの高い顧客が増殖していきます。

このように、スタバが選ばれる理由にはスタバの練りに練られた戦略があるのです。

ちなみに米Interbrand社による、2017年の企業ブランド価値ランキングTop 100では、アップルやグーグル、ベンツ等の並み居る有名企業がひしめく中、スタバは堂々の60位で、飲食業としてはマクドナルド(12位)に次ぐ2番目です!これからもスタバのブランド力の強さがうかがえます。

http://interbrand.com/best-brands/best-global-brands/2017/ranking/


2. スタバビジネスの競争力


カフェというのはコーヒーを飲んでゆっくりしたいという人が行く場所なので、「居心地の良い空間で時間を過ごしたい」という顧客ニーズがあるはずですが、これはとてもあいまいで、明確な答えがないニーズです。

しかし、スタバは“Starbucks Experience”を磨き上げることでこの難しい顧客ニーズを満たし世界中でスタバブランドを確立することに成功しました。更に、“Starbucks Experience”は複数の要素が複雑に絡み合ったサービスですので、競合他社がこれをまねることは不可能で価格競争に巻き込まれることもないと考えられます。

これをすれば顧客ニーズを満たせるという明確な答えがない領域だからこそ、そもそもこの領域で成功することは難しいですし、既に地位を確立して顧客から信頼を勝ち取ったスタバに対抗できる企業というのは今後出てこないのではないかと思うのです。

これがスターバックスビジネスの競争力が永続すると思う最大の理由です。


3. 今後の成長性~長期投資の観点~


以下表はスタバの全世界の店舗数推移になります。
ご覧の通りスタバは今でも店舗を拡大し続けており、北米、欧州、日本等の成熟した市場に加えて、中国などのまだまだ開拓しきれていない新しい市場でも急激に店舗数を伸ばしております。

Untitled spreadsheet
スタバ店舗数推移(ライセンス契約店含)

2013年 2014年 2015年 2016年
米国 11,457 11,962 12,521 13,172
中国 1,017 1,367 1,811 2,381
日本 1,000 1,060 1,073 1,140
カナダ 1,337 1,445 1,358 1,399
その他 4,956 5,532 6,280 6,993
全体 19,767 21,366 23,043 25,085








スタバのコーヒーは高価格設定なため、サービスの対象は豊かな国となりますが、逆に言えば世界が豊かになっていくことで市場規模がどんどん拡大していくビジネスとも言えます。

そういった市場で、他社にはまねできない価値を提供していくことで、スタバは今後も企業価値を拡大していくと思います。


4. まとめ


このような理由から、りろんかぶおとしてはスターバックスのビジネスは永続すると思いますし、今後も拡大していくと思うので、長期保有にはぴったりの銘柄だと思います。

但し、このような素晴らしい企業でも割高価格で株式を購入してしまっては利益を得ることはできないので、しっかりと適正価格以下で購入することが必須になってきます。スターバックスの理論株価及び財務分析は以下の記事をご参照ください。

【スターバックス】 世界で最も有名なカフェテリアの理論株価は?


NYダウ銘柄理論株価一覧最新版はこちらご参照ください!

以上

りろんかぶお

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[ 2017/11/30 10:07 ] 7.企業研究 | TB(-) | CM(0)
プロフィール

りろんかぶお

Author:りろんかぶお
【名前】:りろんかぶお
【生年】:1987年
【出身】:千葉
【性格】:感情の起伏ゼロ。声低め。
【学歴】:東京大学大学院卒
【職業】:現在はセミリタイアし専業投資家。元総合商社勤務(M&A等)
【資格】:証券アナリスト
【趣味】:投資・麻雀・ランニング
【目標】:資本を通じて社会に貢献すること


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